「今日も誰も来ないわね…。」
「まあいいじゃねぇか。いつものことだ。」
縁側に座り、お茶を飲む二人の少女。
赤い大きなリボンが特徴的な巫女と、いかにも魔法使いという格好をした女の子。
博麗霊夢(はくれい れいむ)と霧雨魔理沙(きりさめ まりさ)だ。
「暇すぎて退屈よ。誰か来ないかなぁー。」
そう言って湯呑を口に運ぶ。
「号外、号外ですよー!」
「ほら、さっそく来たぜ?」
「カラスはお呼びじゃないのよ。」
その2人の前に降り立つ射命丸文。
「毎度おなじみ、清く正しい射命丸です!号外をお持ちしましたよ!」
と、欧我の記事が載った文々。新聞を差し出す。
「いらない。」
しかし、霊夢は全く見向きもしなかった。
「じゃあ私がもらうぜ。」
そう言って文から新聞を受け取る魔理沙。
「ん?なんだこれ。」
「どうしたの?」
「これを見ろって。」
そう言って霊夢に新聞を差し出す魔理沙。
その紙面には、大きくこう書かれていた。
『記憶を失った少年!写真屋としてデビュー!』
「文、これっていったいどういうこと?」
「新聞を読んでください。詳しくはそこに書かれていますから。では、配達があるので私はこれで。」
文は一礼をし、大空の中に消えた。
「なぁ霊夢、お前はどう思う?」
「何が?」
「この人間のことだよ。何かの異変が起こりそうな予感はするか?」
「別になにも。どこから来たっていいじゃない、幻想郷は総てを受け入れる。」
霊夢はそう言ってお茶をすする。
そして饅頭の乗った皿に手を伸ばすが…
「あれ?」
そこに饅頭の姿は無かった。
「あっ!ちょっと魔理沙!あんた私の饅頭食べたでしょ!!」
「何の事だかさっぱりだぜ。知らない間に食べたんじゃないか?」
そう言って自分の分の饅頭を口に運ぶ魔理沙。
それをじっと見ていた霊夢は…。
「あ、あれはなんだ!?」
青空の一部を指差した。
しかし…
「そんな手には乗るかよ。」
魔理沙はお構いなしで饅頭を口に放り込んだ。
「むぅ~!!」
一方その頃…。
「さて、次は紅魔館にでも行きましょうかね。」
青空の中を気持ちよさそうに飛ぶ文。
まだまだ配達は始まったばかり。
まだ届けなくちゃいけないところが山ほどある。
記憶を失った少年についての情報がほしい。
そのためには、できる限り広範囲に配達しなければならない。
後で人間の里にも行きましょうか。
それにしても…。
「さすが博麗の巫女ですねぇ。こんなに美味しい饅頭があったなんて。次の新聞のネタになりますかね?機会があれば取材に行ってみましょう。」
そう言って博麗神社からいただいて(?)来た饅頭の残りを口に入れる。
糖分は乙女のパワーってね♪