障子を開けると、そこには2週間前の宴会の時よりは少ないが大勢の方が集まっていた。
にとりさんやルーミアちゃんなど、2週間前の宴会の時に知り合った人たちがいるが、それ以外にも初めて見る人もいる。
緑の髪を胸元で一つにまとめ、赤い大きなリボンをした女性や、明るめの緑髪をサイドテールにまとめて黄色いリボンをつけた妖精。2本の尻尾を生やした猫耳少女と、その子をかわいがる九尾を生やしたおそらく狐耳の女性。
「お、来たね。こっちへいらっしゃい。」
そして部屋の奥、一段高くなったところに腰を下ろし、手招きをしている女性。
おそらくあの方が、山の神の八坂神奈子さんだろうか。
「依頼を引き受けてくれて感謝するわ。私が依頼主の八坂神奈子よ。」
欧我
「お招きいただき感謝いたします。写真屋の葉月欧我と申します。」
小傘
「助手の多々良小傘です。」
神奈子
「そんなに畏まらなくていいわ。それよりも、まさか欧我に助手がいたなんてね。早苗からは何も知らせがないから驚いたよ。」
欧我
「ええ。まあ命蓮寺を観光していた時にいろいろありまして。」
神奈子
「そうかい。じゃあ、しっかり頼むよ。」
欧我
「はい、お任せください!」
その後、宴会は神奈子さんの号令により盛大に始まった。
テーブルの一つ一つを回り、酒と料理を少しずつ頂きながらその様子を写真に収めていく。
ほとんどのテーブルで、どうして欧我に助手ができたのかを質問される。
そのたびに命蓮寺であったことを小傘ちゃんと話して聞かせていく欧我。
一通り回り終わり、自分に割り当てられた席に戻ってくると、すでに始まってから1時間以上経過していた。
酒を飲み、ほろ酔いになった欧我。
小傘ちゃんは、まだ何ともないようだ。妖怪ってやっぱり酒に強いのかな?
「おじゃましまーす!」
「仕事で遅れて申し訳ありませんでした。」
小傘ちゃんと一緒に酒を飲んでいると、入り口の障子があき、2人が部屋の中に入ってきた。
欧我
「あ、文さん!」
文
「欧我!仕事頑張っているね!」
それは文さんと、初めて見る女性だった。
その女性は茶色のツインテールで紫色のリボンをつけている。
そして手には黄色い携帯電話。
文さんの知り合いだろうか。
文
「紹介するわ。花果子念報っていう妄想新聞を作っている新聞記者の姫か…」
「ちょっと、妄想新聞って何よ!文の最低の記事よりはマシでしょ?」
文
「なんですか?大体はたての記事は念写で書くから古いんですよ!」
あー、口げんかが始まっちゃった。
もういいや。
パシャッ!
欧我のカメラのシャッター音に、口喧嘩を中断する文さんとほたて(?)さん。
欧我
「喧嘩はそれくらいにして、自己紹介します。写真屋の葉月欧我です。よろしく。」
そう言って右手を差し出す。
「へー、あなたが文と同棲している欧我ね。」
欧我
「ど、同棲!?」
顔が赤くなる欧我。
そして同棲ではなく居候だと慌てて反論する。
ってか、文さんは何故満更でもなさそうな顔をする?
「まあいいわ。私は姫海棠(ひめかいどう)はたて。文と同じ新聞記者よ。」
あ、はたてか。ほたてじゃなかったんだね。
その女性、はたてさんと握手をする欧我。
欧我
「そして、この子が助手の多々良小傘です。」
小傘
「よろしくお願いします。」
小傘ちゃんとも握手をするはたてさん。
はたて
「ふーん。」
小傘
「な、なんですか?」
はたて
「欧我、あなた文がいるにも関わらず彼女を作ったの?二股?」
欧我
「だから助手だって!」
もうヤダこの人…。