小傘ちゃんのもとにたどり着くと、岩の向こうにいる妖怪を見ることができた。
欧我
「え、人魚?」
その妖怪の下半身からはうすい青色の鱗が並ぶ大きな尾びれが生えている。
緑色の和服に身を包み、耳の位置にはヒレのようなものがついている。
そして、小傘ちゃんに驚かされたのがショックだったのか、目からは大粒の涙が流れ落ちていた。
っていうか、人魚は海にいるはずだろ?
なぜ淡水の湖にいるんだ?
…それよりも、
欧我
「大丈夫?」
「ぐすっ…貴方達は?」
欧我
「俺は葉月欧我。この辺りを散歩しているんだ。そしてこちらは…」
ってか、いつまでその満たされたような笑顔をしているんだ。
はあ、仕方ない。
欧我
「今あなたを驚かしたこの子は多々良小傘。さっきはごめんね?」
「うう…ひどいです。いきなり驚かすなんて。」
欧我
「ごめんね。この子は驚かすのが食事みたいなものだから。ね、だからもう泣かないで?」
欧我はその子の頭をやさしくなでる。
欧我
「さて、あなたの名前は?」
その人魚の少女が落ち着いたところで、その少女の名前を聞く。
もちろん、小傘ちゃんには謝ってもらった。
「私はわかさぎ姫。この湖で暮らしているの。あら、あなたは人間?」
欧我
「うん、そうだよ。」
わかさぎ姫
「やっぱり!人間なんかあまり見たことないから珍しいわ。」
欧我
「そうですか。俺も、人魚なんて初めて見るから珍しくて。」
もう一つ珍しいのは、淡水の湖になぜ人魚がいるのか。
まあ、ここは幻想郷だ。
常識に囚われてはいけない。
これは教訓だから。
欧我
「さて、この珍しい出会いを永遠に残すため、姫ちゃんの写真を撮らせてもらってもいいかな?」
小傘・わかさぎ姫
「「姫ちゃん!?」」
え?なに?
おかしいのか?
欧我
「うん、姫ちゃん。ダメかな?」
わかさぎ姫
「うん、いいよ。その名前気に入ったから。写真も撮っていいよ。」
欧我
「ありがとうございます!じゃあその輝く笑顔を1枚。」
小傘
「あ、私も撮る!」
その後、カメラを構えてわかさぎ姫の写真を撮る2人。
とてもかわいらしい笑顔で、自然と俺も笑顔になってくる。
写真撮影の後、わかさぎ姫自慢の歌声を聞かせてくれたり、趣味で集めているきれいな石を見せてくれたりした。
歌声は澄んでいて美しく、聞いていると何故だかリラックスできる。
石も光の当て方によって七色に色を変え、キラキラと輝いていた。
チルノ
「わかさぎ姫!遊ぼ!」
わかさぎ姫
「あ、チルノちゃん!!」
そんな3人のもとに、チルノちゃんが現れた。
この後遊ぶ約束をしていたらしく、わかさぎ姫は欧我達に手を振ると水の中へと消えていった。
小傘
「さて、じゃあ私たちも次の場所へ行きましょう!」
欧我
「うん。で、どこへ行くの?」
小傘
「それは着いてからのお楽しみ!ここからかなり飛ばなきゃいけないけどね。」
え、そんな遠い所へ行くのか?