~太陽の畑~
小傘
「わぁ~、きれい!!」
欧我
「本当だね!」
小傘
「欧我、説明をお願い。」
欧我
「うん。正直言うと詳しくは知らないんだけど…。ここは夏になると一斉に向日葵が咲き誇る場所で、まさに太陽の畑だね。場所は、妖怪の山とは正反対の奥地にあるんだ。」
小傘
「そうだね、まさに太陽が咲いているみたい!」
欧我よりも背が高く伸びる向日葵は太陽の光を受けて、まるで自分から光を放つかのようにキラキラと輝いている。
空を飛んでいるときに上空から見ると、大地いっぱいに黄金のカーペットが敷かれているように見えた。
思わず写真に収めちゃったよ。
小傘
「前から行ってみたかったのよ、ここ!もう最高!」
欧我
「そうなんだ。確かに、この季節のこの場所は最高だ。」
あれ?
あれはいったいなんだろう。
目の前に並ぶ向日葵の上を何かが飛び回っている。
この子も、妖怪なのだろうか。
小傘
「あ、ねえ、あれは何?」
小傘ちゃんもその存在に気づいたようだ。
その飛び回る物体を指さした。
欧我
「知らないよ、初めて見る。」
「ん?あ!こんにちはー!」
どうやらこちらの存在に気づいたらしく、こちらに向かって飛んできた。
あ、頭に触角が生えている。
ってことは、虫の妖怪なのだろうか。
緑のショートヘアに白いシャツに燕尾状のマント。
この子、性別はどっちなのだろうか。
見た目はボーイッシュだけど、顔だちは女の子に近い。
あ、胸が少し膨らんでいる。
結論:この子は女の子だ。
小傘
「私は多々良小傘よ。あなたは?」
「私はリグル!リグル・ナイトバグ。」
リグル…Wriggle=うごめく
ナイトバグ…Nightbug=蛍
うん、うごめく蛍か。
蛍ということは、お尻が光ったりするのかな?
小傘
「おどろけー!!」
欧我
「うおっ!?」
どうして驚かすの!?
あ、独りで物思いにふけていた。
いけないいけない。
欧我
「俺は葉月欧我。よろしくね、リグルちゃん。」
リグル
「うん、ありがとう!」
欧我
「へ?」
リグル
「だって、この見た目から男の子に間違われてばっかりで。初対面で女の子だと分かってくれたのがうれしくて。」
欧我
「そっか、いろいろ大変なんだね。」
欧我の隣で、驚いたような表情を浮かべる小傘ちゃん。
一体どうしたのだろうか。
リグル
「じゃあ私がここを案内してあげるよ!ついて来て!」
欧我
「え、ちょっと!」
リグルちゃんはそう言うと空へと飛びあがった。
欧我達も慌ててその後を追う。
空を飛びながら、小傘ちゃんは欧我の耳もとで小声でつぶやいた。
小傘
「私さっきまで男の子だと思ってた。」
欧我
「ありゃりゃ。」
リグル
「どうしたの?」
欧我
「あ、なんでもないです。」
こちらのひそひそ話が気になったのか、後ろを振り向いた。
リグル
「まあいいや。まずは幽香さんを紹介するよ!」
ん、幽香さん?
初めて聞いた名前だ。