幻想郷文写帳   作:戌眞呂☆

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最強 ゆえの悩み

 

その後、幽香さんに案内され、幽香さんが育てているというお花畑に案内された欧我達。

 

そこには色とりどりの花が咲き誇り、向日葵はもちろん紅花からチューリップなどの観葉植物からキュウリなどの農作物に至るまで様々な花が咲いている。

 

この庭園にも大きな木の陰にピクニックテーブルがあり、その上には本が置いてあった。

 

 

欧我

「すごい…。」

 

 

その花はどれも元気がよく、まぶしく輝いていた。

もちろんどの花も笑顔だ。

 

 

幽香

「さあ、お茶でも飲みましょうか。」

 

 

欧我

「え、いいんですか?」

 

 

リグル

「わーい!私ケーキが食べたい!」

 

 

幽香

「我慢しなさい。」

 

 

なんか、リグルちゃんと幽香さんのやり取りを見ていると、まるで親子のような感じがする。

 

4人でピクニックテーブルに腰を掛け、幽香さんが淹れてくれた紅茶を飲む。

ほのかに酸味のある紅茶で、鼻をくすぐる香りには花の匂いが感じられる。

 

紅魔館で飲んだ紅茶もおいしかったが、この紅茶も負けず劣らずのおいしさだ。

 

 

 

 

 

幽香

「ねぇ、私を見て怖いと思う?」

 

 

欧我

「はい?」

 

 

4人で談笑していると、突然幽香さんが聞いてきた。

 

そりゃあ最初は怖かったけど、今はまったくそう思わない。

 

 

欧我

「いえ。どうかしたのですか?」

 

 

幽香

「実はね…。」

 

 

そう言うと幽香さんはカップを置いて話し出した。

 

昔はいろいろと好き勝手をしたそうだ。

暇つぶしのため神社に化け物を送り込んだり、部下を苦手な場所に送ったり、出会った人間や妖怪を片っ端から苛めてまわっていたそうだ。

 

最強クラスの妖怪と呼ばれたこともあるらしい。

 

 

だからなのか、自分を見た人間や妖怪は恐れをなして逃げ出したり、畏怖したりするようになった。

 

一人でいることが好きなので今まで気にも留めなかったが、リグルをはじめとした自分と遊んでくれる妖怪たちと接するようになってからは、だんだん寂しさを感じるようになった。

もっと遊べる友達がほしいと思うことも。

 

 

でも自分を見ると逃げ出してばかりでまともに話してくれる人は現れなかった。

 

 

そんな時にやってきたのが欧我達だった。

 

 

小傘

「そんなことがあったなんて。」

 

 

そっか。

最強と謳われる妖怪にも、苦手のものがあったんだね。

 

 

欧我

「幽香さん、花がきれいに咲いていますね。」

 

 

幽香

「えっ?」

 

 

欧我

「こういう言葉を知っていますか?『花を愛する者に悪い人はいない。』って。それにこんな言葉もあります。『美しい花を咲かせる人の心も美しい』って。これはある人の受け売りですがね。そんな美しい心の持ち主と友達になりたい。だから、俺と友達になってください。」

 

 

ある人。

それはかすかに記憶にある俺の母親のことだ。

 

花屋を営む母は、まるで口癖のように何回も言っていた。

 

 

幽香

「ふふふ、貴方っておかしな人間よね。あははははは!」

 

 

幽香さんは俺の言葉を聞くなり笑い出した。

 

もう、別に笑わなくてもいいじゃないか。恥ずかしい。

 

 

幽香

「いいわ。こちらこそお願いね。」

 

 

欧我

「うん。よろしく。」

 

 

小傘

「欧我だけずるーい!私もー!!」

 

 

幽香

「あら、うれしいわね。貴女は苛めがいがありそうね。」

 

 

小傘

「えー!?さでずむ嫌いー!」

 

 

幽香

「ふふ、冗談よ。」

 

 

可愛いからあえて突っ込まないでおこう。

 

 

 

 

 

 

 

その後談笑を続け、幽香さんとリグルちゃんの写真を撮り終えた。

特に幽香さんの笑顔は美しかった。

 

そして次の場所に向かうことにした欧我達。

 

 

幽香

「またいらっしゃい。あなたたちはいつでも歓迎するわ。」

 

 

欧我

「ええ、また来ます。幽香さんの笑顔を見るためにもね。」

 

 

小傘

「じゃあね!」

 

 

欧我達は手を振ると上空へと飛び立った。

 

 

 

2人を見送る幽香とリグル。

 

 

幽香

「さて、人間の里にケーキを買いに行きましょうか。」

 

 

リグル

「本当!?行こ行こ!」

 

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