~上空~
欧我
「で、次はどこへ行くの?」
小傘
「秘密!ちなみに次が最後ね。」
欧我
「ふーん、そっか。」
2人並んで空を飛び続ける。
どこに行くのかは全く見当がつかないが、方向で考えれば霧の湖か人間の里の方向だ。
来た道を戻っている。
小傘
「あ、ねえ欧我、あれは何?」
霧の湖が目前に迫った時、小傘ちゃんがまた何かを見つけたようだ。
前方に向かってしきりに目を凝らしている。
小傘ちゃんって、目がいいのかな?
欧我も目を凝らすと、それが見えてきた。
え?
ものすごいスピードでこちらに向かって飛んでくる!?
欧我
「なんじゃこりゃあ!?」
巨大な体を持ち、長い首に長い尻尾。
鋭い牙が並んだ巨大な口にぎろりとした目。さらに空を切り裂く大きな翼。
小傘
「あれは、ドラゴン!?」
欧我
「いや、前足が無いからワイバーンだよ。」
小傘
「どっちでもいいわよ!キャーぶつかる―!!」
小傘ちゃんは傘を自分の前に掲げる。
いや、地上に降りればいいだろ?
それよりも、何かがおかしい。
前からワイバーンが近づいているのに、前からくる風は現れる前と何の変化もない。
これほどの体格なら、風が遮られたり、流れが乱れたりするはずだ。
と、すると、このワイバーンは…。
確かめてみるか。
欧我は両足に力を込めると、大気を蹴りワイバーンめがけて突っ込んでいった。
欧我
「思った通りだ。」
欧我の体が、ワイバーンをすり抜けた。
欧我のイメージ通り、このワイバーンは空気に写し出された虚像だ。
欧我
「だとしたら…」
欧我がこれを虚像だと見抜いた理由はもう一つある。
以前博麗神社で開かれた歓迎パーティの時に、全く同じ仕組みのいたずらをされたことがあるからだ。
この時の犯人。
それはあの3人組だ。
欧我
「小傘ちゃん、犯人を捜すよ!手伝って!」
小傘
「へ?ドラゴンは?…あ、待ってよ欧我ー!」
~そのころ地上では~
「ふふふ、光を屈折させることなんか朝飯前よ!」
金髪のツーサイドアップの髪形をした妖精が自慢げに言った。
両腕を空に掲げ、両手の平から光を放っている。
「それにしても、この本に載っている化け物はみんな迫力あるわね。」
淡い金髪で縦ロールをした髪に白い帽子をかぶった妖精が面白そうに言う。
手には『幻獣図鑑』と書かれた本を持っている。
「あら!?ねえ、気付かれたみたいよ!こっちに向かってくる!」
さらさらの黒いロングヘアーで青いリボンをつけた妖精が慌てて2人に伝えた。
彼女は動きを感知することができるようだ。
「大丈夫よ。私の能力があれば姿を隠すことぐらい簡単さ。」
「話し声を消すこともできるわよ。」
その忠告に対し、2人は余裕そうな表情を浮かべる。
自分たちの能力に自信があるようだ。
「そうだけど…。あ!?」
そんな2人の後ろに立つ人影。