幻想郷文写帳   作:戌眞呂☆

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別れ

 

欧我

「ふふ、寝てるよ。」

 

 

そう言えば、小傘ちゃんの寝顔を見るのは初めてなんじゃないかな?

いつも俺が寝るときはずっと起きていたし。

 

可愛い寝顔なんだね。

 

 

でも、起きてもらわないと話ができないし…。

 

 

欧我

「起きてー。」

 

 

小傘

「ん~?」

 

 

小傘ちゃんの体をゆする。

しばらく揺すっていると、ようやく目を覚ましてくれた。

 

眠そうに眼をこすると、辺りを見回した。

そして欧我の姿を見つけると、笑顔になった。

 

 

小傘

「あ、欧我。おはよう。」

 

 

欧我

「あ、うん。おはよう。あのさ…」

 

 

小傘ちゃんの笑顔を見て、欧我はためらった。

 

でも、戦いに巻き込みたくない。

ここから逃げてほしい。

そういう気持ちが強まり、意を決して話し出した。

 

 

欧我

「ごめん。小傘ちゃんにお願いがあるんだ。」

 

 

小傘

「うん、なあに?」

 

 

欧我

「ここから…出ていってほしい。」

 

 

小傘

「え…?」

 

 

欧我の言葉を聞き、小傘ちゃんの顔から笑顔が消える。

 

 

小傘

「どうして…?」

 

 

欧我

「ごめん、詳しくは言えないんだ…。」

 

 

小傘

「いやだ!!」

 

 

小傘ちゃんは床に両手をつき、声をあげて泣いた。

相当ショックだったようだ。

もちろん、俺も悲しくないわけではない。

 

 

小傘

「そうだ、私欧我の助手よ!だから残って…。」

 

 

欧我は首を横に振った。

 

 

欧我

「そうだけど。でも、だからこそなんだ。ごめん。」

 

 

小傘

「欧我のバカ!大嫌い!!」

 

 

小傘ちゃんは欧我の頬をはたくと傘を担いで家を飛び出した。

 

ごめんね、小傘ちゃん…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

荷物をまとめ、滝の上へと向かう欧我。

 

まさか、こんなことが起こってしまうなんて…。

 

 

小傘ちゃんを追い出すことに胸が痛んだが、仕方のないことだ。

これは文さんと俺だけの秘密。

 

でも、まだヒリヒリするな。

右の頬をさすりながら思う。

 

俺、師匠失格だよな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滝の上についた。

 

そこに、文さんの姿はなかった。

 

 

欧我

「文さん…。」

 

 

胸ポケットから文さんの写真を取り出した。

 

文さんのあんな顔初めて見た。

あの時約束したじゃないか。

 

 

~~~~~~~~~~

 

欧我

「だからね、文さん。もっと、文さんの笑顔も見せてほしいです。ずっと、そばで。」

 

 

「わかりました。だから、欧我も私にそのまぶしい笑顔を見せてください。ずっと一緒に、ね?」

 

~~~~~~~~~~

 

文さんの笑顔を取り戻すためなら、俺はなんだってする。

 

 

というか、俺は今まで文さんのためになることをして来れたのだろうか…。

 

あの時文さんに命を救われなければ、今この場所にいることはできなかった。

写真屋になることができず、助手もできなかった。

 

そんな恩人に自分ができることは一体…?

 

 

欧我

「俺、文さんのこと…。」

 

 

そうだとしても、文さんは俺の事をどう思っているのだろうか。

 

それはわからない。

正直言って、自分の気持ちさえもはっきりしないのだから。

 

 

今まで文さんと暮らしてきた思い出。

少し振り返ってみようかな。

 

そうすれば、自分の気持ちがはっきりするかもしれない。

 

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