幻想郷文写帳   作:戌眞呂☆

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第6話 文と椛と俺

 

「お帰りなさい。」

 

 

「お疲れ様です。」

 

 

「ありがとう。」

 

 

俺と椛さんの言葉に、文さんは笑顔で応えた。

そして椛さんの姿を確認すると、笑顔の輝きが一層増した。

 

 

「あ、椛!ちょうどいいところに!」

 

 

「??」

 

 

「配達先でいろいろあって疲れたのよ。ほら、尻尾を触らせなさい!」

 

 

「え!?嫌です!」

 

 

「逃げないでよ!減るもんじゃないでしょ?」

 

 

椛さんの尻尾…。

 

 

「俺も触りたい!椛さん、待て!」

 

 

「欧我さんまで!?わぁーん!」

 

 

その後、俺も参加しての天狗同士の高速での追いかけっこが始まった。

そして、ようやく椛さんを捕まえることができた。

今まで文さんだけだと思っていた高速で飛び回る能力は、どうやら天狗全般に共通する能力らしい。

ただ単に、その中で文さんのスピードがずば抜けているだけだ。

 

 

「ひ、ひどいですよぉ。ひぃっ!」

 

 

「いいじゃないの。やっぱり椛の尻尾は格別よね。あ、それよりも欧我さん。」

 

 

「呼び捨てでいいですよ。敬語も使わなくていいです。」

 

 

椛さんの尻尾に頬ずりしている文さん、なんだか幸せそう。

椛さんっていつもこんなことをされているのかな。

 

 

「そう、分かった。欧我ってものすごいスピードで空を飛んでいたよね?もしかして、あなたの能力?」

 

 

「まあ、そうですね。詳しくは言えませんが、真似をする能力ということにしておきます。」

 

 

だって、写真を食べるなんてそんなこと言えないもんね。

 

文さんは相変わらず椛さんの尻尾をモフり倒している。

そのたびに椛さんは半泣きでひゃんっ!とか反応している。

 

 

なんだか微笑ましい光景だな。

俺も、こんな人たちとずっと楽しく笑い合っていたい。

 

この一瞬、宝物にしましょうか。

 

 

パシャッ!

 

今まで撮った椛さんの写真とともに、今撮った写真をアルバムにしまう。

いつか、このアルバムを笑顔の写真で埋め尽くす。

これは俺の宝物だ。

 

 

明日、さっそく外へ飛び出そう。

この幻想郷には、まだ知らない人や妖怪がたくさんいる。

その笑顔でアルバムを埋め尽くす。

 

それと、この世界についてもっと学びたい。

どこかに図書館とかはないだろうか。

あとで文さんに聞いてみよう。

 

 

 

 

 

~翌朝~

 

 

「ふあぁ~っ…」

 

 

外に出て、大きな欠伸をする。

あの後3人でお酒を飲みながら夜遅くまでどんちゃん騒ぎ。

椛さんは飲み過ぎてダウンしているけど、文さんはお酒に強いのか、全く酔っているようには見えなかった。

 

それよりも、俺って酒に強いのかな?

まあそんなに多くの酒があったわけではないし、2人が大量に飲んじゃったからそんなに飲めなかったなぁ。

 

 

さて、と。そろそろ出かけよう。

 

文さんに聞いたところ、紅魔館という洋館の地下に大図書館があるらしい。

そこには大量の本が所蔵されており、調べ物にはもってこいだそうだ。

 

 

だが、道中の妖怪には気をつけなきゃいけないらしい。

攻撃手段を持っていない俺は格好の標的にされる。

だから、誰かにボディガードをしてもらう必要があるらしいが、あいにく文さんは記事の執筆で手が離せない。

 

ま、とにかくまずは博麗神社と言う所に向かおう。

もしかしたら、そこに行けばあの人に会えるかもしれない。

文さん曰く、紅魔館の専門家(スペシャリスト)に。

 

 

「それじゃあ文さん、いってきます!」

 

 

「うん、気をつけてね!」

 

 

ゴーグルを目に当て、肩掛けカバンを提げる。首からカメラを提げ、準備完了!

 

文さんのスピードをイメージし、自分に投影して…。

大地を蹴り、上空へ飛び上がった。

 

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