ヤマメ
「あれ?さっきまではここにいたのに…。」
ヤマメちゃんに引っ張られ、穴のさらに奥深くまでやってきた欧我達。
ここに、ヤマメちゃんの知り合いがいるそうだが…どこに行ったのだろうか。
欧我
「文さん、見えますか?」
文
「いいえ。にとりたちは?」
にとりさんたちも辺りを見渡しているが、その人を見つけることができないようだ。
一体どこにいるのだろうか?
そのはるか上空で下を見下ろす影…。
(あれは人間ね?ふふ、久しぶりに驚かそう!)
そして標的を狙って急降下を始めた。
文
「あやや?」
ん?
何かを感じ取り、上の方を見上げる文さん。
一体何があったのだろうか。
文さんの目線を追って、上を見上げる。
欧我
「な!?」
真上から、何か丸い物体が落ちてくる。
…桶!?
ってか、これ完全に標的は俺じゃないか!?
ぶつかるじゃん!!
欧我は慌てて上空に向けて猛スピードで飛び出した。
(き、消えた!?)
その突然の様子に驚く妖怪。
その直後、桶の急降下は何者かによって止められた。
上を見上げると、さっきまで下にいたはずの人間が桶の取っ手を握っていた。
欧我
(…え、マジ?)
まさか桶の中に少女がいるなんて。
妖怪にもいろんな種類がいるんだな…。
緑髪のツインテールをしたその少女は、桶の中から黙ってこちらを見つめていた。
欧我
「こんにちは、俺の名前は葉月欧我。あなたは?」
「あ…うう…」
欧我
「ん?」
ヒュー
ドスッ!
欧我
「いてっ!?」
欧我の頭に何かが落ちてきた。
それは見事にクリーンヒットしてしまった。
ヤマメ
「ダメだよ、鬼火なんて落しちゃ。この人たちはお客さんなんだから!」
「え?ヤマメちゃん!?あ…あの、大丈夫ですか?ごめんなさい…。」
欧我
「あ、うん。帽子が無かったら即死でした。」
本当はすごく痛かったんだけどな。
帽子を脱ぎ、頭をさする。
良かった、髪が焼けて禿げたとかはしていないようだ。
さて、気を取り直して。
欧我
「あなたの名前は?」
「私はキスメ。」
欧我
「うん、よろしくね、キスメちゃん。」
この桶入り娘の名前はキスメと言うようだ。
欧我
「ねぇ、この子が一緒に撮ってほしい人なの?」
ヤマメ
「うん!でも、まだもう一人いるの。もっと下まで行かないと会えないけど。」
なるほど、つまりは3人いるってことか。
でも、見た感じヤマメちゃんとキスメちゃんは本当に仲がいいように感じられる。
さっきから二人で楽しそうに話している。
俺とはあまり話してくれなかったのに…。
やっぱり、長い間一緒にいる人とは心を許せるからなのかな?
欧我
「ねぇ、じゃあ2人だけで写真を撮ってあげるよ。」
ヤマメ
「本当!?ありがとう!」
2人から距離を撮り、カメラを構える。
キスメちゃんは少し恥ずかしそうにしているけど、明るいヤマメちゃんがそれをリードしているというか…。
お似合いのカップルといった感じだろうか。
ヤマメ
「よし、じゃあみんなでパルスィちゃんを探そう!」
文
「あ、その間にキスメさんの取材をしていいですか?良いですよね?行きますよ!」
拒否権無しかい…。