欧我
「あ、萃香さんに勇儀さん!」
この2人は伊吹萃香(いぶき すいか)さんと星熊勇儀(ほしぐま ゆうぎ)さん。
以前妖怪の山で生活していた鬼の中で特に秀でた4人、『山の四天王』のうちの2人だ。
薄い茶色の髪で、白のノースリーブと紫色のスカートを穿き、頭の両方から巨大な角を2本生やしたのが萃香さん。かなりの低身長だ。
一方、金髪のロングヘアで体操服のような格好をしたのが勇儀さん。額からは鋭くて赤い一本角を生やし、高身長で体格も…うん、すごい。
萃香
「おやおや、そこにいるのは文とにとりじゃないか。もしかして私たちに会いに来てくれたのかい?」
文
「あややや、いえ、えっと…」
欧我
「申し訳ありませんが、違います。俺たちはこの先にある地霊温泉の取材に来たのです。」
勇儀
「お、その声は欧我か。萃香の言った通り、文とラブラブなんだなぁ。こんな真っ昼間から抱き合っちゃって。」
思わぬ鬼の登場に、文さんとにとりさんはすっかりおびえちゃっているようだ。
身体をぶるぶると震わせているのが伝わってくる。
相当、トラウマのようだな。
勇儀
「まあいいさ。こんな所にわざわざ古い友人がきてくれたんだ。私たちと遊んではくれないかい?」
萃香
「ちょうど暇だったところなんだ。私たちに勝つことができれば、この先に進ませてあげるよ。」
そんな発言を聞き、2人の顔からは血の気が引いて行った。
にとり
「終わった…。鬼に対して勝てるわけ無いじゃないか…。」
やはり、鬼に対する対抗心はもう持っていなのか。
だったら…。
欧我
「わかりました。俺が相手をします。」
文
「欧我!?何を言っているの?」
欧我
「やっぱり、天狗や河童は鬼には逆らえないか。でも、俺は人間だ。そんなの関係ない。犬、猿、雉はいないけど、ちょっと鬼退治をしてくるよ。」
にとり
「無理だって!鬼2人を相手に勝つことなんて。」
小傘
「だったら、私も相手になる。」
萃香
「ほう。鬼の遊びは手荒いけどいいのかい?」
小傘
「私だって妖怪よ!甘く見ないで。師匠、それでいい?」
欧我
「ありがとう、心強いよ。」
勇儀
「じゃあ、決まりだな。お前たち、手出しは無用だよ。」
萃香
「さすがにここじゃまずいから、場所を変えようか。付いておいで。」
そう言うと、2人は後ろを向いて歩きだした。
その2人について行く。
小傘ちゃんも後を追ってきてくれた。正直、犬や猿、雉よりも心強い。
欧我
「さあ、小傘ちゃん。当たって砕けようか。」
小傘
「うん、やってみる!」
正直、四天王と謳われる鬼を相手に勝てるかはわからない。
もしかしたら、取材どころではなくなるかもしれない。
…でも、文さんのため何としても!