幻想郷文写帳   作:戌眞呂☆

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勝負の結果

  

にとり

「遅いねー。」

 

 

そう言うとスプーンで器に残った氷をすくう。

 

やっぱり暑いときにはかき氷だよね。

 

 

「大丈夫でしょうか…。」

 

 

ふと隣の文を見ると、さっきから氷にスプーンを突き刺してばかりでちっとも食べようとしていなかった。

かき氷がほとんど溶けてきたというのに。

 

欧我達がいなくなってからというもの、ずっとこんな調子だ。

 

 

すると、不意に文が顔を上げた。

 

私も反応を起こす。

 

 

なぜなら、欧我の声が聞こえたからだ。

 

 

 

 

 

 

欧我

「あの、下ろしてくださいよ。恥ずかしいです。」

 

 

小傘

「あははっ、師匠だらしないわね。あんなに意気込んでいたのに。」

 

 

勇儀さんの肩に担がれ、意気消沈の俺を見て、小傘ちゃんは可笑しそうに笑い声をあげる。

 

まあでも、小傘ちゃんが無事でよかった。

萃香さんがやけに落ち込んでいるのが、少し気になるけど。

 

 

勇儀

「まあ、あいつらのところまで戻ったら下ろしてあげるよ。それまでは我慢しな。」

 

 

欧我

「これ、結構スタミナを使うんですよね…。」

 

 

ああ、だんだん疲れてきた。

一定の温度を維持するのにも神経を使うんだよね。

 

はぁ…。

 

 

そんな状態のまま、大通りに続く路地を抜けた。

 

文さんは、そばのベンチに座ってこちらを見つめていた。

そして、俺の姿を確認するなり…。

 

 

「欧我ー!」

 

 

ベンチから飛び上がって、こっちに向かって走ってきた。

 

ようやく勇儀さんから解放され、文さんを抱きしめる。

 

 

欧我

「ただいま帰りました。」

 

 

「よかった…心配していたんだから。」

 

 

抱き合う2人を見て、勇儀さんが言った。

 

 

勇儀

「抱き合っているところ悪いが、欧我との勝負は私の勝ちだ。」

 

 

にとり

「そっか…。」

 

 

「でもいいです。こうして無事に帰って来てくれて。」

 

 

勇儀

「まあ待て。私は勝ったが、萃香の方は小傘が勝ったそうじゃないか。鬼は約束を破らない。だから、ここを通ってもいいぞ。」

 

 

勇儀さんの発言を聞き、途端に笑顔になる文さんとにとりさん。

 

小傘ちゃんは、俺たちに向けてピースサインを繰り出す。かわいらしいウィンク付きで。

 

 

勇儀

「私たちは無事に取材が成功することを祈るよ。そういえば、地霊温泉の取材だったよな?私たちも後でそこに行くから、またみんなで宴会をやろう!」

 

 

そう言うと俺たちに手を振り、一言も発しなかった萃香さんを連れて路地の奥に消えていった。

 

勇儀さん、ちょっと豪快だったけど、優しいお姉さんみたいな感じでよかったな。

 

…あ、写真を撮ってない!!

 

しまった…。

 

 

 

ふと文さんの顔を見ると、少しひきつっているようだ。

 

にとりさんも、なんか絶望と言うかそんな雰囲気を醸し出している。

 

 

欧我

「どうしたのですか?宴会ぐらい楽しくいきましょう。」

 

 

「欧我…。鬼の宴会をなめたらとんでもないことになるわよ。」

 

 

欧我

「はぁ…。」

 

 

小傘

「ま、私は楽しみだけどな。さっそく行きましょう!温泉でのんびりするよー!」

 

 

そんな2人をよそに、小傘ちゃんは楽しそうにスキップをしながら歩き出した。

 

俺たちもその後に続いて歩き出した。

 

 

 

 

 

10分後、4人の目の前に巨大な洋館が現れた。

 

ついに、地霊殿に到着した。

 

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