さとり
(この人の心、好きとかわいいという感情ばかりで、ちっとも読めない。表層意識がこの2つだけで埋まっているなんて…。)
欧我
「さとり…さん?」
(照れている姿もかわいい…)
さとり
「と、とにかく取材はお断りです!部屋から出て行ってください!」
欧我
(そんなぁ…。こんなにも好きなのに…。)
さとり
「いいですか?早く出ていかないとトラウマの弾幕を想起しますよ!」
この言葉にはさすがに文さんたちもびくっとしたようで、慌ててドアの方に向かって歩き出した。
それに続いて欧我も部屋を出ていこうとしたが、さとりさんに服の裾を掴まれた。
さとり
「あ、あの。あなたは残ってください。話があります。」
そして、部屋の中には俺とさとりさんだけが残された。
テーブルを挟んでソファに座り、向き合った。
欧我
(どうしよう…。さとりさんと2人っきりになるなんて。なんて話しかければ…。)
さとり
「あなた…。ほ、本当に私のことが好きなのですか?」
さとりさんは顔を赤くして言った。
欧我
「正直に言うと、一目惚れです。」
(やっぱり読まれたぁ…。でも、さとりさんに会えて幸せな気分だ。)
さとり
「で、でも…。なぜ私なんかに…。」
欧我
「それは…。」
自分の中に浮かんでくる、さとりさんに一目惚れした理由。
それらはすべてさとりさんに読まれてしまったらしく、顔がより赤くなった。
俺も、今赤面しているだろう。
さとり
「も…もういいです。そんな、照れてしまいます。」
欧我
「そうですか、すみません。」
(わぁ、照れている仕草もかわいい。)
しばらく無言が続く2人。
言葉を発していなくても、俺の気持ちはさとりさんに読まれているようだ。
俺の顔を覗き込んだかと思えば、目をそらしてぶつぶつと何かをつぶやいたり、両手で顔を覆ったりしている。
欧我
「あの…。」
さとり
「は、はい!?」
俺の声に反応し、さとりさんは慌てて顔を上げる。
欧我
「あなたの可愛い笑顔を、写真で永遠に残したいのですが…。ダメですか?」
(撮りたい!でも、断られたりしたら…。)
さとり
「そうね…。」
さとりさんはそう言うとしばらく黙ったまま考え、そして頷いた。
さとり
「いいわよ、かわいく撮ってくれるかしら?」
欧我
「わぁ、ありがとうございます!」
(やったー!!さとりさん大好き!)
その後、さとりさんはかわいいポーズや愛くるしい仕草など、俺の心を読んで再現してくれた。
おかげで、さとりさんの写真がたくさん手に入った。
俺のためにここまで…。
惚れちまったやろー。
欧我
「さて、話を変えませんか?」
さとり
「そうね。あなたのこと、いろいろ聞かせてくださいね。」
それから20分間、お互いの生活や趣味のことなどで会話が盛り上がった。
さとりさんは読書が趣味のようだ。
普段、会話を介さずに相手の考えが分かってしまう分、言葉によって理解するしかない読書が刺激的だそうだ。
意外と、知的な面もあるんだね…。
さとり
「さて、そろそろ時間かしらね。私は仕事があるのでこれでお開きにします。」
欧我
「あ、はい。ありがとうございました。」
(もう終わりか…。また会いたいなぁ。)
さとりさんにおじぎをすると、ドアのほうに歩いて行った。
さとり
「欧我さん…。」
名前を呼ばれ、さとりさんの方を振り返るとかわいらしい笑顔をしていた。
さとり
「また来てくださいね。」
欧我
「はい!」
そう言うと、欧我はドアを開けて部屋の外に出た。