幻想郷文写帳   作:戌眞呂☆

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さとりの視点

 

欧我

「正直に言うと、一目惚れです。」キラキラ

 

 

あー、どうしよう…。

 

人間から、こんなことを言われるのは初めてだ…。

 

 

こんな時になんて言えばいいのでしょうか。

恥ずかしくてお燐たちにも言えないわ。

 

こうやって本を手に持っても、心がドキドキしてじっと読んでいることなんてできない。

 

 

私が、こんな気持ちになるなんてね…。

 

 

 

欧我さんって、いったい何が好きなのでしょうか?

大好きな食べ物とか、趣味とか、好きな場所とか…

 

ああ、どうしてあの時聞き出せなかったのでしょう?

 

 

…そうだ!

 

確か欧我さんは文さんのもとに居候していると聞きました。

文さんなら、何かを知っているはずです!

 

私も温泉に行って、文さんたちに話を聞きましょう!

 

 

 

 

 

温泉の脱衣所にて…

 

 

とうとうここまで来てしまいました。

 

この辺りには悪辣な妖怪が多いと聞くので、あまり近づかないようにしていたのですが。

まさか、来てしまうなんてね。

 

 

いざ服を脱いで皆さんの前に現れるとなると、さすがに恥ずかしいですね。

なかなか勇気が湧きません。

 

もう少し、ここでじっとしていましょう。

 

深呼吸でもしましょうか。

 

 

 

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

あわわわわわ!?

 

びっくりしました。

この声は…小傘さん?

 

一体何が起こったというのでしょうか?

 

 

ドアを少し開けて浴室の様子を確認する。

 

湯船の中にいる皆さんの目線の先には…。

 

 

さとり

「あいつら…。」

 

 

とうとうここまでやってきたのね!

どうしてこんな時に…。タイミングが悪いわね。

 

もし服を着ていたら退治してやれたのに、裸にタオル一枚じゃあ出ていけないわ。

 

 

そうこうしている間に、妖怪たちは誰を連れ去るかという話し合いを始めた。

なんという下劣なやつ。

 

 

「おっ、あの黒髪の女とかはどうだ?」

 

 

黒髪…。

あ、文さん!

おびえた目で妖怪たちを見上げている。

 

もう、こんな時にここで隠れているなんて!

勇気を出しなさいよ!

 

 

 

「仮魔、ストライクエンドォォォォオ!!!」

 

 

この声は、欧我さん!?

まさか、男湯の方から?

 

じっと見ていると、欧我さんが巨大な足とともにキックを放ってきた。

2体の妖怪たちに命中し、地面に突撃して衝撃と爆風に襲われた。

 

 

さとり

「きゃあ!」

 

 

よかった、タオルは飛ばされていない。

でも、欧我が来てくれれば安心よ…

 

 

欧我

「お前ら…。」

 

 

…え?

心を、読んでしまった。

 

 

欧我

「俺の文に、手ぇ出そうとしてんじゃねぇよ!!」

 

 

そんな…。

欧我さんの心の中…そこに、私への愛はこれっぽっちもなかった。

 

あるのは、文さんへの愛、好きという感情だけ。

文さんを守り抜くという決意だけ。

 

 

ガラガラと音を立てて崩れていく私の気持ち。

そして、とめどなく溢れ出す涙。

 

なぜ、私は泣いているのか。全く分からなかった。

 

 

 

さとり

「欧我…。」

 

 

不意にこぼれる欧我の名前。

 

 

欧我

「さ、さとりさん!?」

 

 

私の声に気づき、こちらを向く欧我さん。

 

 

さとり

「だましたのね…。」

 

 

何を言っていいのかわからず、その一言が不意に飛び出した。

 

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