欧我
「暑い…。」
文
「我慢しなさい。ここでは冷気を使えないのだから。」
そうはいっても、やっぱり暑いのは暑い。
ここは高温に保っておかないといけない場所らしく、温度を下げると余計な仕事を増やしてしまう。
取材に来たのだから、その仕事を邪魔してはいけないそうだ。
それにしても、ここにいるのだろうか。
神奈子さんと諏訪子ちゃんから『八咫烏』の能力を授けられ、『核融合を操る程度の能力』を手に入れた鴉、霊烏路空(れいうじ うつほ)さんは…。
呼び出すためにわざと温度を下げるのはどうかと文さんに提案したが、速攻で却下された。
やはり、迷惑はかけるものじゃない。
でも、このまま歩き続ければ本当に会えるのかな?
☢CAUTION!!☢CAUTION!!☢CAUTION!☢
突然響き渡る警告音!
一体何が起こったというのか!?
思わず身構え、辺りをきょろきょろと見回す。
ふと上空を見上げると、大きな黒い翼を広げた女性が右腕に付けられた多角形のバズーカのようなものをこちらに向けていた。
銃口はまっすぐ、こちらに向けられている。
「異物発見、炉心の温度低下に注意!異物は…どうするっけ?まあいいや、打っちゃおう。」
そして右腕のバズーカから灼熱の弾丸を打ち出した。
欧我
「嘘だろ!?」
文
「欧我、飛んで!!」
文さんの合図で上空に飛び上がる。
その直後、さっきまでいた場所に弾丸が命中した。
命中した個所は赤く発光していた。
鉄が発光するほどの高熱って、いったいどれくらいの温度なんだ!?
欧我
「とにかくあの人を止めないと!」
文
「欧我、ダメ!」
しかし、文さんの静止は聞こえなかった。
その女性はバズーカの向きを変え、2発目を繰り出した。
ここら一帯を高熱で一気に燃やされたらたまらない。
早いうちに止めないと!
欧我はその女性の後ろに回り込むと、羽交い絞めにしようと両腋の下へ手を伸ばす。
「うにゅ?」
欧我
「うわっ!」
しかし、腕が翼にぶつかってしまった。
そのせいで気づかれ、ギリギリのところで避けられた!
バランスを崩し、前に倒れこむ。
その背後でバズーカを構える女性。
俺の背中に照準を合わせられてしまった!
バズーカが赤く発光しだした。
もう、終わりだ…。
お燐
「お空、ストーップ!!」
その時、突然お燐さんの声が響き渡る。
その声に従ってバズーカを下ろす女性。
その間にその女性との距離をとった。
お燐
「お空、この人たちは新聞記者よ!攻撃しちゃダメ!」
「新聞記者?なんだ、異物じゃなかったのね。」
危ないところだった。
もしお燐さんが来てくれなければ、今頃俺は跡形もなく燃やし尽くされていたのかもしれない。
今度からは落ち着いて行動しよう。