欧我
「ありがとうございました。」
ギリギリのところで救ってくれたお燐さんにお礼を言った。
お燐
「いや、こちらこそ悪いことをしたね。仕事熱心なのよ、この子は。」
俺たちに向かって攻撃をしてきたその女性はかなり複雑な格好をしていた。
うまく言葉にして説明をすることができないのは初めてだ。
大まかな特徴としては、白いブラウスに緑のスカート、長い黒髪に緑色の大きなリボン。そして胸元には赤い大きな目がついている。
さらに、かなり身長が高い。
それにしても、地下には第三の目を持つ妖怪が多いんだな…。
お燐
「お空、こちらは新聞記者の射命丸文さんと助手の葉月欧我君よ。」
欧我
「はじめまして、助手兼写真屋の葉月欧我です。」
「そうだったんだね。私は霊烏路空(れいうじ うつほ)。ここや間欠泉地下センターで温度管理をしているよ。」
自己紹介の後、お燐さんが仲を取り持ってくれたおかげで、無事に取材を終えることができた。
今までバズーカだと思っていたものは制御棒と言い、核融合をコントロールするのに必要なものだそうだ。
でも、ところどころ記憶が抜けていたり、思い出せなかったりした個所もあったから記事としては十分なのかなぁ?
自分に核融合の能力を与えてくれた人や、自分自身が引き起こした異変のことなど、かなり重要な個所が抜けてしまっていた。
文
「まあでも、これだけでも記事はかけそうね。」
空
「そう?カッコよく書いてくださいね。」
文
「カッコよく書きますから、新聞を取ってください。」
空
「うーん、新聞は読まないしな。燃料にもならないよ。」
文
「…っ!?」がーん
今の発言がショックだったのか、文さんはがっくりとうなだれてしまった。
すかさずフォローに入るお燐さん。
気さくっていうか、おせっかいというか…。
まあいいや。
こっちはこっちのすべきことをやろう。
欧我
「空さん、写真を撮ってもいいですか?」
空
「写真?うん、かわいく撮ってね。」
空さんと距離を撮って、カメラのレンズを向けた。
空さんは制御棒を構える。
今にも弾を放とうという気迫が伝わってくる。
欧我
「あの、空さん?」
空
「うん?」
欧我
「もっとかわいらしいポーズをとってくれますか?笑顔でピースとか…。」
空
「こ、こうかい?」
右腕から制御棒を取り外すと、両手でピースを作って顔の両サイドに持ってきた。
左足を膝から曲げ、片足立ちになった。
うん、かわいいポーズだけど…制御棒って取り外せたんだ。意外。
欧我
「いいですね!じゃあ行きますよ!」
そしてカメラのシャッターを切る。
攻撃されたときはなんてやつだと思ったけど、いざこうやってかわいいポーズをとってくれると、本当にいい人なんだなと改めて思うことができる。
見た目の割に、子供っぽくて純粋で、素直な感じ。
お燐
「どうだい?裏表のないいい子だろ?」
欧我
「そうですね。」
ってか、お燐さんいつの間に?
欧我
「そうだ、今度は二人の写真を撮らせてください。」
お燐
「あたいも?うん、いいよ!」
お燐さんは快く承諾してくれた。
2人ならんで肩を組み、カメラに向けてピースサインを繰り出す。
なんか、2人は本当に仲良しなんだね。
カメラ越しだけど、2人の仲の良さがひしひしと伝わってくる。
お燐
「ありがとう!その写真を2枚くれないかな?」
欧我
「はい、400円です。」
お燐
「え!?金をとるの?」
欧我
「はい。これが俺の商売ですから。」
お燐
「うぬ~、わかったわよ。」
欧我
「まいどあり!」