無事に空さんの取材も終わり、今は小傘ちゃんチームと合流してそれぞれが取材、調査したことについてまとめている。
にとりさんは見学した施設の設備について、目をキラキラと輝かせて文さんに対して説明を行い、文さんはそれらをメモにまとめて記事の内容を考えていた。
その2人の話し合いが白熱しており、俺の入る余地が見られなかったため、小傘ちゃんと一緒に取材で撮った写真をまとめていた。
小傘ちゃんの撮った写真には巨大な機械や複雑な配線、そしてそれらを見つめているにとりさんが写っていた。
初めのうちはお互いの写真について説明を行いながら見比べていたが、途中から突然こいしちゃんが乱入し、いつの間にか俺の撮った写真へと話題が移行していた。
俺の両足の大腿部の間に腰を下ろし、アルバムを開いて写真を見つめているこいしちゃん。そして俺の隣から小傘ちゃんが写真を眺めていた。
俺はこいしちゃんの左肩から顔を出し、それぞれの写真を撮った時の経緯を話していく。
その話に耳を傾け、2人は写真を手に取りながら眺めている。
こいし
「へぇ、霊夢もこんな笑顔をするんだね。」
欧我
「うん。でも、この写真を撮るまでには苦労しました。面倒臭いとか言ってなかなか被写体になってはくれなかったし。」
ホントに、霊夢さんを写真に収めるのには苦労した。
お賽銭とお茶菓子を持参して、ようやく撮らせてくれたのだから。
その点、魔理沙さんは何度も撮らせてくれたから、霊夢さんとは大違いだよな。
こいし
「でも、普通の人間がこんなにも妖怪の写真を撮るなんてすごいよね。」
欧我
「そうですか?まあ、俺は普通じゃないのかもしれませんね。不思議な能力を持っているし、弾幕が放てるし、妖怪の恋人がいるし。」
小傘
「妖怪の助手も、でしょ。」
こいし
「本当だね!もっと興味が湧いてきたよ!」
3人で談笑しながらアルバムのページをめくっていく。
するといきなり部屋のドアが開き、さとりさんが入ってきた。
部屋を見渡し、こいしちゃんの姿を見つけると、慌てて走ってきた。
さとり
「こいし!今までどこへ行っていたの!?心配したのだから!」
こいし
「ごめんなさい、お姉ちゃん。」
2人の話し合いをまとめると、こうなる。
こいしちゃんは放浪癖があり、よく地霊殿からいなくなる。よくあることだから、すぐ帰ってくるだろうと思っていた。
しかし、1か月たっても帰ってこないから心配していたのだそうだ。
さとりさんでも、無意識のまま動くこいしちゃんの心を読むことができないのだそうだ。
さとり
「どうして1か月も帰ってこなかったのかしら?」
こいし
「それはね…。」
こいしちゃんは少し考えたのち、さとりさんの方を向いて言った。
こいし
「お姉ちゃんに話すことを探していたの。」
さとり
「私に!?」
こいし
「うん。お姉ちゃんは部屋に引きこもって本ばかり読んでいるから外や地上であったことなんて知らないでしょ?だから、お姉ちゃんに出来事を話して聞かせたかったの。それに、私の話を聞いているときはお姉ちゃんは笑顔になってくれるの。その笑顔を見たいからよ。」
さとり
「そうだったのね。ありがとう。」
さとりさんはそう言うとこいしちゃんを引き寄せ、抱きしめた。
さとり
「ありがとう、私のために。でも、これからは何もなくても帰ってくるのよ。」
こいし
「うん、お姉ちゃん。」
妹の事を心配し、意識し続ける姉。
姉の事を無意識に想い続ける妹。
やっぱり、姉妹の愛というのは素晴らしいものなんだね。