~欧我視点~
欧我
「ああ、そうですか。あなたは亡霊なのですね。」
「そうだ。私は蘇我屠自古(そがの とじこ)、よろしく。」
欧我
「よろしくお願いします。俺は葉月欧我と言います。」
あのあと屠自古さんから自己紹介をされ、ようやくオバケへの恐怖が薄れた。
自分がオバケになった経緯は長くなるからと言って話してはくれなかったけど、いろいろあったんだね。
それよりも、蘇我氏ってあれだろ?
蝦夷や入鹿がいて、乙巳の変によって滅ぼされたあの一族だろ?
その生き残り…あ、死んでいるか。
末裔と会うことができたなんて、幻想郷とは素晴らしいなぁ。
屠自古
「ん?私の顔に何かついておるのか?」
欧我
「ん、あ、いえ。一人でじっと考えてしまう癖があるので。気にしないでください。」
あぶねぇ。
また一人で考え事してた。
屠自古
「そうか。それよりも、布都という人を見なんだか?」
欧我
「布都さん…ですか?」
屠自古
「そうだ。物部布都と言って、灰色髪のポニーテールで烏帽子をかぶった人なんだが。あいつめ、ここで集合と言っておいたのにどこへ行ったというのだ。」
物部氏?
廃仏派で、蘇我氏に滅ぼされたという物部守屋がいた一族!?
…っていうか、怒っているからってその放電を止めて!
屠自古さんの能力は『雷を起こす程度の能力』。
俺に雷を落とさないでよ!
パシャッ!
屠自古
「うわっ!びっくりした。」
良かった、放電をやめてくれた。
欧我
「とにかく、俺も手伝いますから一緒に布都さんを捜しませんか?」
屠自古
「そうか、助かる。」
俺は屠自古さんと一緒に布都さんを捜すために人里の中へと戻っていった。
ま、布都さんを捜しているうちに文さんとも合流できるだろう。
それよりも…。
俺はさっき撮った屠自古さんの写真を眺める。
雷を起こすってことは、雷を自由に操れるということだ。
雷を操るって、なんかあこがれちゃうな。
屠自古さんには悪いけど、無断で真似させてもらおう。
その写真を口に入れ、常に携行しているお茶で飲みこんだ。
ドクン!
欧我
「っ!?」
突然、胸を突く痛みに襲われた!
全身を衝撃が駆け巡る。
この感じ・・・前にもあった!
宴会の時、にとりさんの能力を真似た時もこのような痛みに襲われた。
あの時と全く同じだ!
欠けていたピースの2つ目。
そこに、この能力はぴったりとはまり込んだ。
屠自古
「お、おい!大丈夫か!?」
欧我
「はぁ…はぁ…」
しばらくそのまま安静にしていると、衝撃は弱まり、そして消えた。
その間、屠自古さんはずっと背中をさすってくれていた。
ありがとう。
欧我
「はい、何とか…。俺の能力の副作用みたいなもので。」
でも、にとりさんと屠自古さん。なぜ2人の能力を取り込んだときにこの衝撃に襲われたのだろう。
水と雷…。
一体、2つに何の関係があるんだ!?