~文視点~
文
「そうですか…。」
布都
「そうじゃ。我がちょっと目を離したすきにいなくなって。まったく、屠自古のやつめ。」
私は今広場のベンチに座って布都さんの話を聞いている。
リンゴ飴は、ぶつかってしまったお詫びにとより大きいものを買ってくれました。
布都さんの右手には綿あめの入った袋を持ち、左手には金魚が泳いでいる袋が下げられている。
文
「ところで、目を離したとき布都さんは何を見ていたのですか?」
布都
「我か?この金魚を見ておった。健気に泳ぐ姿が可愛くてのぉ!」
布都さんは、金魚の袋を指でつっつきながら、目をキラキラと輝かせて言った。
その言葉を聞いて確信した。
迷子になったのって、布都さんの方じゃないかな。
文
「そうですか…。まあ、私たちはここでじっとしていましょう。下手に動いては、余計迷ってしまいます。」
布都
「ふむ、お主の言う通りじゃ。そうしよう。」
ま、この分かりやすい場所にいれば、必ず欧我が見つけてくれるでしょう。
もし屠自古さんも一緒に現れれば、2人まとめて取材ができるしね。
布都
「ん、あれはなんじゃ?」
文
「あ、ちょっと待ってください!」
~欧我視点~
欧我
「とにかく、まずは人里の中央にある広場に向かいましょう。」
屠自古
「そうだな。それよりも良いのか?欧我も文とはぐれてしまったのだろう?」
欧我
「ええ。でも、文さんならわかりやすい場所でじっと待っているはずなんです。もし布都さんが一緒にいれば無事再開できますし、もしいなかったとしても文さんを含めて3人で探せば見つかります。」
屠自古
「なるほど…。」
正直、これは賭けなんだけどね。
文さんの行動を正確に把握することはできないし、ましてやどこにいるのかなんてわからない。
でも、俺のイメージによって導き出された結果は広場にいると訴えている。
俺のイマジネーションを信じるしかない。
俺達は広場に足を踏み入れた。
イメージ通り、文さんは目の前のベンチに座っていた。
そしてその隣には、文さんに向かって楽しそうに話す烏帽子をかぶったポニーテールの女性。
あれが布都さんかな?
欧我
「あ、文さ…」
屠自古
「布都~!!!」
屠自古さんの怒号に、文さんと布都さんはびくっとしてこちらを向いた。
文さんたちも俺たちの存在に気づいたようだ。
布都
「おお、屠自古ではないか!ん?隣にいる男は…。」
あ、俺のこと?
布都
「みなまで言うな!」
自己紹介をしようと口を開けたら、布都さんによってさえぎられた。
まだ何も言っていないのに。
布都
「そうかお主、屠自古の恋人であろう!」どやぁ
欧我・文・屠自古
「「「はぁ!?」」」
屠自古
「あのなぁ…。」
そして、屠自古さんは布都さんと口喧嘩を始めてしまった。
欧我
「どうしよう、これ。」
文
「せっかく取材しようと思ったのに…。」
欧我
「とにかく2人にしておきましょう。近づいては雷の直撃を食らいますよ。」
メモを片手にがっかりとした文さんの手を引っ張って、広場を後にする。
とにかく、夏祭りを楽しみましょう!