はむっ!
欧我
「ん~!」
文さんに買ってもらった綿あめにかぶりついた。
口の中でほどける甘味、最高だぁ。
やっぱり甘いものは最強だな。
文
「美味しそうですね。私も一口。」
欧我
「はい、あーん。」
文
「そ、それは恥ずかしいです。」
え、ちょっとショック…。
まあいいや。もう。
綿あめを文さんに手渡した。
文
「本当ですね!程よい甘みが口いっぱいに広がります!」
でしょ?
「お、そこにいるのは欧我じゃないか!」
そんな俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。
声のする方を見ると、こちらに向かって手を振っている人が見えた。
腰まで届くほどの長い、青のメッシュが入った銀髪で、頭に変な帽子をかぶっている。
あの女性、名前は上白沢慧音(かみしらさわ けいね)さん。
寺子屋で先生をしている半人半妖のワーハクタクだ。
欧我
「あっ、慧音さん!こんばんは!」
慧音
「文も一緒か。今日は取材に来たのかい?」
欧我
「はい、取材兼散策といったところです。」
本当はデートって言いたいけど、なんか恥ずかしいからな。
慧音
「そうかい。だったら子供たちの出し物を記事にしてくれないかい?写真の依頼もするからさ。」
欧我
「わかりました。文さん、がんばりましょう!」
俺は隣に立つ文さんに笑いかけた。
文さんは笑顔でうなずいてくれた。
…あれ?
俺の綿あめがかなり小さくなっているような…。
慧音さんに連れられ、寺子屋の近くまで向かう。
寺子屋の前では、大勢の生徒が自分たちで考案、作成した出し物を行っている。
輪投げからボーリング、ジュース、べっこう飴など、さまざまな出し物の名前が書かれた手作りの旗が風に揺らめいていた。
さて、仕事開始だ。
文さんが慧音さんにインタビューを行っている間、それらの出し物を実際に体験しながら、子供たちの笑顔、そして出し物に熱中する人々の姿を写真に収めていく。
子供たちの笑顔はものすごく輝いていて、こっちまで笑顔になってくる。
やっぱり子供たちの笑顔は最高だな。
欧我
「あ、妹紅さん!」
べっこう飴を売る屋台に近づくと、べっこう飴を作る子供のそばに妹紅さんの姿があった。
名前は藤原妹紅(ふじわらの もこう)。蓬莱の薬を飲んで不老不死になった女性だ。
普段は迷いの竹林で道案内兼護衛を行っているのに、なぜここにいるのだろうか。
妹紅
「ああ、欧我か。どうだ、よかったら買っていくかい?」
欧我
「ええ、いただきます。」
女の子から飴を受け取り、口の中に入れた。
少し苦みがあるが、舐めている間に砂糖の甘さが広がる。
うん、やっぱり甘いもの最高!
欧我
「そう言えば、何故妹紅さんがここに?」
妹紅
「手伝いだよ。慧音に頼まれて、事故が起こらないか見張っているんだ。そういう欧我は仕事かい?」
欧我
「そうです。ちゃんと腕章もつけていますし。それに、慧音さんに出し物の様子を写真に収めてくれって依頼されました。」
そしてカメラを妹紅さんに向けた。
欧我
「だから、妹紅さんの笑顔も撮らせてください。」
妹紅
「わ、私はいいよ。」
「えー撮ろうよー!」
「じゃあ一緒に写ろー!」
妹紅さんに撮影を断られたが、子供たちのナイスフォローが入った。
ここですかさず!
欧我
「ほら、子供たちが一緒に撮りたいって言っていますよ?」
妹紅
「む~、わかったよ。」
そして、子供たちと一緒に笑顔の写真を撮らせてくれた。
恥ずかしがりながらも、にっとはにかむ妹紅さんは可愛かった。
その後、慧音さんの提案で全員そろっての集合写真を撮った。
その写真と依頼の代金を交換し、寺子屋を後にした。
文さんの方もかなりの収穫があったようだ。
手帳にはびっしりと書き込まれていた。
さて、綿あめを買うぞー!