B系マネージャーとV系アイドル   作:片桐 奏斗

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※最近人気なVtuberモノの物語です。
作者がVtuberにハマり趣味で書いたものなので、色々と問題点等も見つかるかと思いますが、読んでいただけるとありがたいです。

前置きはこのぐらいで、本編をどうぞ。


第1話 プロローグ

 

 

 

 

「……貴方、アイドルになってみない?」

 

 一月十六日――。目的もなく街中を闊歩していた俺『南 怜央(みなみ れお)』に人生の転機が訪れた。

 目の前に佇む仕事が出来る人オーラが全開で、栗色の綺麗な髪を流し、黒漆の大きな瞳が特徴的な女性。

 彼女が目標のない人生との分岐点になるとは誰も想像していなかった。

 

 

 

 

――数時間前――

 

 

 

「じゃ、俺は帰るわ」

 

 十八時四十五分。ゲームセンター内に設置されている時計をチラッと視界に入れた際、確認した時間である。元々、十九時近くには帰宅すると言っているので、そろそろかなと悪友に声を掛ける。

 

「おー、お疲れー。っと、久しぶりに会った事だし、『GS』やろうぜ」

「良いね。もし、敵になったら手加減しろよ」

 

 友人と一緒にゲームセンターで遊び、適当な時間を過ごしていたが、友人の友人……つまり俺からすると他人が現れた事がキッカケで解散。

 好きなキャラクターのプライズ商品を手にした事で、テンションが高揚していたのがいけなかったのだろう。

 

「……何の音だ。これ」

 

 帰路の途中、ちょっとした広場で催し物が行われていたのを目撃。好奇心の方が割合が締めていた俺には、何が起こっているのか確認しない選択肢は存在せず、足早に音のなる方へ歩みを進める。

 

 広場に辿り着いた俺を迎えたのは人混みであった。

 某有名人がこの場でイベントを行っているのかと錯覚に陥るような光景を目の当たりにした。彼らが熱心に見ているのは数人の青年。――確か『ミーティア』と呼ばれているアイドルグループだった気がする。

 まだ超人気アイドルの域には到達していないが、それに近しい存在であると地上波のテレビで特集が組まれていたな。

 

 彼ら程の有名グループがここで路上ライブに近い事をやるのであれば、こういう状況になってもおかしくはないな。

 

「~♪」

 

 かく言う俺も彼らの曲ぐらいは知っている。義妹(いもうと)の影響ではあるのだが、俺自身も好きな曲は数曲ある。その数ある楽曲の中で好きな曲が流れた事で、少し口遊(くちずさ)む。ファンの皆はもっと近くで曲とアイドルを楽しんでいる事だし、良いだろうと少し大きめな声を出してしまった。

 

「えっ?」

 

 いつの間にか隣にいた女性にソレが聞かれていた。

 なんでこんな離れた場所で聞いてるの、この人は……。と思いながらも、それ以上に羞恥心が勝っていた。

 

「あの……」

「す、すみません!」

 

 再度、何か声を掛けようとしていたが、恥ずかしさのあまりテンパっていた俺にこの場で居座るという苦行は耐えられない。そう考えた俺は――。

 ジーパンのポケットに入れていたスマホに着信があったという理由で、ポケットに手を突っ込み電話を取りながら走ってこの場を去るという手段を取る事に。

 

 

「あー、ごめん。急いで戻るわ」

「あ、ちょっ、ちょっとこれを……」

 

 彼女は何かを差し出そうとしていたが、精神的に余裕がない状態の俺に立ち止まる余裕はない。一目散にその場を去って行った――。

 

 

 

 

 

 

「……はぁ。何あれ恥ずかしっ!!」

 

 ライブの音声が微かに届くぐらいの距離を逃走した俺氏。逃げたのには理由がある。一つ目は誰もいないと思い、少し大きな声で歌ってしまって恥ずかしかった事。二つ目に、歌声を聞かせてしまった人が結構な美人であった事で恥ずかしくなった。 

 お世辞にも練習していない曲な為、完成度が高くもないモノを聞かせてしまったというのも理由の一つかな。

 クラスメイトとカラオケに行く際も練習した曲しか入れない俺からすれば、恥ずかしいという気持ちでいっぱいになり、気付いたら逃走を開始していた。

 

「それにしても、しんどいな。マジで」

 

 別に追手がいるわけでもないので、全力で走る必要は皆無だったのだが、一刻も早く視界から消えたいという思いが勝った結果だと思っている。

 

「……適当に飲み物でも買ってっと」

 

 走った弊害だろう、無性に喉が乾いた俺は周囲にあった自動販売機へお金を入れ、運動後の水分補給が目的で清涼飲料水を購入する為ボタンを押し、商品取り出し口へ手を伸ばした瞬間。

 

「『南 怜央』君」

「えっ?」

 

 記憶にない声で名前を呼ばれたからか、緊張で体が強張る。

 商品を手に取り、上体をあげて声の掛かった方を視界に捉える。

 

「貴方、アイドルになってみない?」

 

 そこにいたのは、先程、隣でライブを拝見していた美人の女性であった。

 

 いや、なんで俺さ……。

 

 

 

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