カチャカチャ…
カチンッ!
???「…ふぅ、以上無しと…」
???「…スゥ…スゥ…」
とある森に、とある2人の旅人がいた。1人の男は手に持つ2つのハンドパースエイダー(拳銃)を整備し、座りながら抜き打ちチェックしていた。もう1人の女の子は座っている方の旅人の膝を枕にして、毛布をきながら心地良さそうに寝ていた
???「…こうして見ると、キノもやっぱ女の子なんだなって思うな」
???「手に持っているそれがなければね」
1人の旅人が独り言を言っていると、男の横にいるモトラド(バイク)が声にして喋る。モトラドの言った通り、キノという女の子の手元を見ると、しっかりと握られたリボルバー式のパースエイダーの銃口が、毛布の中から黒光りして見えた
???「…まぁ、教えたのは俺達だからな。教えを忘れずにいるのはいいことさ。それだけで、生きやすくなる」
???「雪地になんて、どれだけ経験があろうが知識があろうが結局は運だ…そう言ったのはどこの誰だっけ?」
???「…生き死に、か?」
???「そうそれ」
モトラドの間違えを言葉を訂正すると、モトラドはすかさず反応する。男はそれを見ると苦笑いしながら答える
???「確かにそう言った事もある。だが、いざ死にそうになった時、自分にもっと知識があれば、実力があればとか、そんな後悔、俺はしたくないし、キノにもさせたくない…それに」
???「それに?」
???「長生きしてほしいだろ?キノには」
男はキノの頭を撫でながらそう微笑む。それをみたモトラドは少し笑いながら答える
???「ハハハッ!違いない。…それじゃ、僕は寝るよ」
???「そうか」
???「うん。おやすみ。《ユーリ》」
ユーリ「あぁ、おやすみ。《エルメス》」
ユーリと呼ばれた男はエルメスに反応しながらキノと同じように自動装填式のパースエイダーを握りながら毛布を着て、座りながら寝る。
この世界はいつだって油断できない…いや、全世界に共通して言える事である。気を抜けばいつでもすぐそこに死が待っている。だが、そんな危険に満ち溢れた世界でも、美しさは計り知れない。自然に満ち溢れた美しさ、人工的な景色の美しさ、人間達や動物達の美しさなど様々だ。
これは、そんな美しさを探しながら自分の生き様を示す、とある2人の旅人の物語……
ーー翌朝ーー
チュン…チュン…
キノ「…ん」
ゴソゴソ…
キノが目を覚ますと、目の前には焚き火の前で朝食の調理をしている男の大きな背が見えた
ユーリ「おはよう、キノ」
キノ「…おはようございます、ユーリさん」
エルメス「僕には?ねぇ僕には?挨拶しないの?ねぇってば」
キノ「はいはいおはようエルメス」
エルメス「うわ、この対応の差。僕泣いちゃうよ?」
ムクッ…
キノはエルメスの冗談には付き合わず起き上がると、慣れた手つきで毛布を片付け、エルメスの後ろに括り付ける
キノ「何を作ってるんですか?ユーリさん」
片付け作業が終わると、キノはユーリの後ろから顔を出して、調理している物を見つめる
ユーリ「今日は朝からウサギが獲れたからな。野草と組み合わせてちょっとしたスープを作ろうと思ってる。まだもう少し時間はかかるから、ゆっくりしてるか、カノンの調整でもして待ってな」
キノ「…手伝いま「いや結構だ」…むぅ」
キノはユーリに朝食の手伝いを申し込み、懐にある万能ナイフを握るとすかさずユーリに止められナイフを取られ、背中を押される
ユーリ「ほら、いつ何が来るかわからないんだ。相棒の調整はしっかりな?じゃないと、レジーから怒られるぞ」
ユーリはそういいながらさりげなくキノの太ももにあるパースエイダーのケースからカノンと呼ばれるリボルバー式ハンドパースエイダーを抜き取る
キノ「あ」
カチャカチャ…
ユーリは慣れた手つきでカノンを解体し、リボルバーから銃口、引き金が正常に起動するかなど、軽くチェックした
ユーリ「…まぁ、元あいつの銃なだけあって長持ちしてるが…キノ、お前はどうなんだろうな?」
キノ「…わかりました。奥で手入れしてきます」
ユーリ「そうしろ。朝食ができたら呼ぶ」
キノはそう言われると、少し落ち込みながら渋々とエルメスのところに戻る
エルメス「…キノ、振られちゃったねぇ?」
エルメスはユーリには聞こえないよう、小声でキノに話す。しかし、その言葉はキノの怒りに触れたようで…
キノ「うるさい、タイヤ外すよ?」
キノは光無い目でエルメスを見つめ、小声で告げる。しかし、エルメスは笑いながら言う
エルメス「おぉ怖い怖い。キノの嫉妬程怖いものはないよ」
キノ「…喧嘩売ってるの?」
エルメス「まさか、忠告してあげてるんだよ。ほら、よくいうじゃない?男の嫉妬程惨めなものはないってさ」
キノ「僕は女だ!」
キノが我慢の限界と言わんばかりに大声で叫ぶと、ユーリが驚いて尋ねる
ユーリ「うるさいぞ。どうした?キノ、エルメス」
キノ「なんでもありません」
エルメス「上に同じく」
ユーリ「…普通は右に、じゃないか?まぁ何もないならいいが…」
ユーリはそういうと調理に戻る。それをみたキノはほっと息をつく
エルメス「…冗談なのに、そこまで怒らなくても」
キノ「ついていい嘘と悪い嘘があるでしょ…ていうか、あんな言葉一体どこで覚えてくるのさ。僕でさえ初めて聞いたよ」
カチャカチャ…
キノは後腰部につけてあるユーリと同じ自動装填式ハンドパースエイダー「森の人」を弄りながらそう聞く。
エルメス「旅をしてれば知らない言葉の一つや二つ、あって当然でしょ?」
キノ「…正論だけど、エルメスが言うと認めたくない」
エルメス「おぉ酷い酷い」
エルメスは意味深に笑いながらキノに対応する。そんな様子のエルメスなど眼中にないように、キノはぶつぶつと呟く
キノ「男の嫉妬が醜い…いやでも僕女だし…女の嫉妬はどうなんだろ…」
カチャカチャ…
エルメス「…キノってさ、よく別の事考えながらそれ弄るなんてことできるよね。ちゃんとチェックできてんの?」
エルメスの言った通り、キノはぶつぶつと呟き、頭の中はユーリでいっぱいになりながらも、カチャカチャと森の人をチェックしていた。
カチンッ!
キノ「できてるよ…多分」
エルメス「多分なんだ」
キノ「この世に絶対なんて言葉はないんだよ」
キノはそういいながら森の人を元のケースに戻す。すると、後ろからユーリに声をかけられる
ユーリ「できたぞ、キノ。冷めない内に食べろ」
キノ「ありがとうございます、ユーリさん」
キノはそういい、焚き火の近くに移動し、座る
ユーリ「ほら」
コトッ
ユーリは小さなコップにスープを注ぎ、キノに渡す。キノもそれを受け取り、熱を冷ましながら飲む
キノ「ふぅー…ふぅー…」
ズズズッ…
キノ「…ふぅ、美味しいです」
ユーリ「そりゃよかったよ」
ユーリもキノの隣に座り、スープを飲む。
キノ「…ユーリさん、ちょっと前に会った人が言ってましたけど、次の国ってそんなにいいところなんですか?」
キノはスープを飲みながら聞く。キノ達がこの森に来る前、1人の女性と出会った。その人は旅人であり、キノ達の目指す国から出国したばかりだと言う。その旅人は、とても良い国だから、ぜひ一度行ってみるといいと言い、旅人はその場を後にした
ユーリ「…さぁなぁ、噂じゃ昔は結構平和な国だったらしいが、今はどうだか…だが、余所者は一応歓迎してくれるらしい」
エルメス「どうしてわかるの?」
ユーリ「道中会った人間も旅人だった。そいつがいい国だって言うんだから、少なからずそう言わせるぐらいの歓迎はしてくれるんだろうよ…保証はしないが」
エルメス「ふーん、本当にそうだといいけどね」
エルメスは意味深な言い方をし、キノに尋ねる
エルメス「キノはどう思う?」
キノ「どうも思わない。どんな国だろうと行く事に変わりないんだから」
ユーリ「だな」
キノはそういいながら、スープをおかわりしていた。しかし、それを聞いたエルメスはちょっと嫌そうに言った
エルメス「…ユーリに似てきた」
キノ「そう?嬉しいな。ありがとうエルメス」
エルメス「お礼言うんだ。むしろ怒ってもいいと思うんだけど」
ユーリ「エルメス、お前ちょっと失礼じゃないか?主に俺に対して」
ユーリはスープを飲み干したコップを片付けながらエルメスにそう言った。エルメスはちっとも悪気がないように話す
エルメス「だってユーリに似てきたら、キノ、もっと無愛想になっちゃうよ」
ユーリ「俺が無愛想って言いたいのか?」
エルメス「違うの?」
ユーリ「…否定はしない」
ユーリはバツが悪そうにそう言った。が、キノがフォローする。
キノ「ユーリさんは無愛想じゃないよ」
エルメス「そう感じるのはキノだからだよ。ユーリさんが優しくするのはキノとお師匠様だけさ。他人にはすごい無愛想だし、容赦ないもん」
それを聞いたキノは、さも当然と言わんばかりに答える
キノ「それで良いんだよエルメス。ユーリさんの優しさは、僕達だけに向いていればいいんだ。他の人にも優しくするなんてもったいない」
エルメス「なにがもったいないんだろう…」
ユーリ「俺の優しさなんかどうでもいいだろ?ほら、さっさと支度しろ。今日のうちに目的地に行くぞ」
ユーリはそういいながら身の回りの整理をし、必要なものは次々とユーリの、現代で言うフォルツァ型のモトラド「ヤタガラス」に積み込む
キノ「わかりました。…それと、ユーリさん」
ユーリ「ん?」
キノは準備するユーリを止めると、感情を感じさせない程の真顔で尋ねる
キノ「僕達だけ、ですよね?」
ユーリ「…何がだ?」
キノ「ユーリさんが優しくしてくれるのは」
キノ「僕達だけなんですよね?…ね?」
キノは何度も確かめるようにユーリに尋ねる。しかし、ユーリは至って冷静に答える
ユーリ「あぁ」
ユーリはキノの目を真っ直ぐ見返しながら、たった一言、そう言った。その言葉を聞いたキノは、少し頬を桃色に染めながら微笑んだ
キノ「ならいいんです」
エルメス「…独占したがりめ」
キノ「なんか言った?エルメス」
エルメスの小さな呟きに、聞こえたのか、はたまた偶然なのかは知らないがキノは振り向き、エルメスにきいた
エルメス「別に?ほら、早いとこ行こうよ。昼前にはつきたいんでしょ?」
エルメスの言葉に、ユーリが肯定する
ユーリ「そうだな、予定としてはそのつもりだ。キノ、早くエルメスに乗れ。早くしないと昼飯が抜きになるぞ」
キノ「ならまた作ってください」
ユーリ「断る、面倒だし、何より材料を仕入れるだけの金が勿体無い」
キノ「…ちぇっ」
キノはそれを聞くと、エルメスに跨り、エンジンをつける。ユーリも同じようにヤタガラスのエンジンをつける
カチッ!
ブルルンッ!
エルメスは重々しいエンジン音を、ヤタガラスは結構大きなエンジンの爆発音を轟かす。
ユーリ「…それじゃ、世話になったな」
ユーリは自分達の野宿した場所に向かってそう言うと、ヤタガラスを走らせ、森の奥へと進んでいく。キノもそれに続いてエルメスを走らせ、後を追うようについていった
そこに残ったのは、二つのタイヤ痕と、立ち上る土煙だけだった…
ここからはオリキャラ詳細
名前 ユーリ・フランチェスカ
性別 男
歳 20歳 (中身は80ぐらい)
性格 キノ、エルメス、レジー以外には無愛想であり、なおかつ容赦も情けもかけない
身長 194cm
体重66kg
見た目 長い銀髪を鈴のついた蒼いリボンで後ろにひとまとめにしており、結構中性的な顔をしている。普段は黒い軍帽とロングコートを羽織っており、夏場になると、コートを腰に巻き付け、薄青色のカッターシャツを半袖にまくり、ラフに着ている。下もカーゴパンツに黒のブーツを履いている
詳細
ユーリは半分人間と、半分人外の体であり、普段は普通の人間だが、掌や自分の近場の空間から鋭利な鎖を任意に数本同時に出すことが可能。しかし、その力を使えば結構疲れることと、パースエイダーをもっている為、使うことはあまりない。
キノと同じように2丁のパースエイダーを持っており、マグナム自動装填式パースエイダー「バンシィ」と「リゼル」というふうに、それぞれ名前をつけて呼んでいる。見た目に関しては現代で言う黒いデザートイーグルである。
もともとキノの師匠であるレジーと偶然的に出会い、ひょんなことから一緒に旅をするようになったことがユーリが旅をするようになったきっかけである。キノとはユーリが1人で旅をするようになった時、偶然立ち寄った国で拾った子供である。急遽レジーの家に戻り、世話はレジーに任せ、1人でも生きていけるようにありったけの技術と知識を詰め込んだが、キノはユーリと旅をすると言いだし、ユーリの旅に、レジーの相棒であったカノンを盗み、ついてきたことが、2人の旅のきっかけである。
ちなみにユーリは自分の育った国から、歳を取らないようになる試作ウイルスを投与されており、年で言うなら結構な老人だが見た目は結構若い。なお、このウイルスは周りにも感染するため、レジーとキノも同じように歳を取らなくなってしまった
…はい!如何でしたか?なのだ!オリキャラの名前を考えるのがめんどくさくて他作品のssのオリキャラの名前と同じにしたのだ…だが、あまり気にしないで読んでくれると嬉しいのだ!それでは次回もどうぞなのだ