キノとユーリとレジーの旅   作:黒アライさん

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こんにちわなのだ!黒アライさんなのだ!今回はとりあえず適当に考えついたネタを書いていくのだ!それではどうぞなのだー!


力づく、強引に

キノ「…これが…闘技場…」

 

キノが呟く。キノの目の前にあるのは、上から見ると円形のエリアに、瓦礫などが積み重なってできた壁が複数あるだけの場所である。その外側には大勢の観客が歓声を上げながらキノを見て叫ぶ

 

観客「おいおい!ここは子供の遊び場じゃねぇぞ!!さっさと降伏するか死にな!」

 

観客「なるべく長く持ってくれよー?でないとつまんねぇかんなぁ!」

 

様々な観客がキノにブーイングを起こす。キノは無表情のままカノンを握る

 

キノ「…やっぱり、見せ物はあまりいい気分じゃないな…」

 

キノはそう呟きながら大勢の観客をぐるっと見回すと、ユーリとエルメスが見えた

 

キノ「…ユーリさんに見られるなら、ちょっとだけ儲け物かな」

 

ガコォン!

 

キノが独り言を言っていると、キノが出てきた扉の反対側から、対戦相手が出てくる。

 

ジャララ…

 

その男はキノの倍ぐらい大きな体をしており、鎖のついた巨大な鉄球が引きずられていた。

 

大型の男「…あん?テメーが相手か?」

 

キノ「そうですが、なにか?」

 

キノの言葉に、男は大層面倒な顔をした

 

大型の男「んだよ、こんなガキが相手とは、面白くねぇなぁ…だが…」

 

男はそれだけ言うとジャラリと鎖を引っ張る。

 

大型の男「ここに出たからにゃぁ容赦はしないぜぇッ!」

 

男はそう言いながら鉄球をキノに向かってぶん回した。…いや、ぶん回そうとした、が…

 

 

 

パァンッ!!

 

 

キノ「…」

 

大型の男「…へ?」

 

 

ズドォーン!

 

 

突如として鳴り響く銃声、そしてそのあと、鎖の《千切れた》鉄球が男の真横に落ちる。

 

 

 

大型の男「…えっと…」

 

男が手元を見ると、鉄球につながっていたはずの鎖が、根本から千切れ、柄だけになった物をみると、恐る恐るキノに聞く

 

大型の「これ…アンタが撃って壊したのか?」

 

キノ「ええ、そうです。武器もないようですし、降参してはどうです?今なら認めますよ」

 

キノは男に銃を突きつけながら無表情でそう告げる。その言葉に、男はキノを真っ直ぐと見返し…

 

大型の男「あ、じゃあお願いします」

 

土下座しながらそう告げた

 

男のその行動を見た観客達は、ブーイングよりも、キノの電光石火の速射により、あまりにも早く終わった対戦に呆気を取られていた

 

 

 

 

 

 

 

ユーリ「…あっけないな」

 

エルメス「よく言うよ、予想通りなくせに」

 

ユーリ「予想より相手が弱すぎた。これじゃキノの訓練相手にもならない…」

 

ユーリは観客席に座りながら溜息をつき、リゼルを触る

 

ユーリ「キノの憂さ晴らしに付き合える人間がいるといいが…」

 

エルメス「ユーリがその相手になってあげなきゃ。キノもそれがいいと思うよ?」

 

ユーリ「丁重に断らせてもらう。キノの相手などしていたら、精神的にキツイ…いろんな意味でな」

 

ユーリの嫌そうな顔を見たエルメスは嬉しそうに笑いながら話す

 

エルメス「ユーリのその嫌そうな顔、久しぶりに見たよ。でもまぁ確かに、ユーリ相手だとキノは鉛玉じゃなくて、パースエイダーなんか投げ捨てて喜んで身体を差し出しに来そうだよね」

 

ユーリ「…強く否定できないのが悲しいな…」

 

エルメスの言葉に、ユーリは頭を押さえながら再度溜息をつく。

 

ユーリ「どうして…あんな子に育ってしまったんだ…昔はもっと純情ないい子だった筈だ…手間暇かけて、もちろんなるべく愛情も込めて育てていたのに…」

 

エルメス「その愛情を教えた人が悪かったんじゃないかな?主にお師匠様とか」

 

ユーリ「…レジー?いや、あいつはないだろ…一緒に育てていたが、あいつからキノにそこまで関わることなんてほとんどなかったぞ?」

 

エルメス「問題はそのお師匠様から歪んだ愛情を教わったことだね」

 

エルメスはそう言いながら昔を思い出す…

 

 

 

 


 

 

レジー「いいですか?キノ。旅をするということは自由を手に入れる代わりにその他の物全てを捨てなくてはなりません。例としては、家族、家、親友、仲間、国、身の安全の保証、違う角度から見れば…自分の愛する人、いわば恋人などもですね。まぁ今の時点で国も家族も捨て、子供で恋人もいない貴方にはほとんど関係ないでしょうが…ここまではわかりますか?」

 

キノ「はい」

 

エルメス「オッケー」

 

 

長く美しい黒髪を持ち、全身をスーツで軽く着こなしている若い女性、キノのお師匠様ことレジーがまだ小さく、可愛らしい年相応の女の子の面影を残すキノと、ユーリに作られて間もないエルメスに旅についての情報を教えていた。

 

レジー「故に、私は旅をして思いました…欲しい物は手に入れられる内に、目の前にある内に、身近にある内に、力を使ってでも奪うべきであると…だってそうでしょう?私達旅人はただ旅をするということだけで多くの物を失ってしまう。その代わりに自由が手に入るわけですが、それだけです。たったそれだけ…どうみても割に合いません。そう思うでしょう?」

 

キノ「はい」

 

エルメス「わぁお、強引〜」

 

レジーの淡々とした長い説明に、キノは嫌な顔せず真面目に頷きながら聞く

 

レジー「だから私は、奪うことにかけて容赦はしません。欲しいと思った瞬間に即行動です。それがたとえ弱者だろうと強者だろうと何者であろうと関係ありません。奪うことに罪悪感を感じる必要もありません。欲しいと思わせる相手が悪いのですから。だから貴方も、欲しいと思った物は命の危険を考え、死なない程度に奪いなさい、いいですね?」

 

エルメス「鬼畜だね、よく出るおとぎ話の悪役よりもむごい思考だ」

 

キノ「一つ質問です」

 

レジーの説明に、キノは勢いよく右手を上げて告げる。レジーはそれをみてエルメスの言葉など気にせずキノに聞く

 

レジー「なんでしょう、キノ」

 

キノ「お師匠様は一体、何を奪ったのですか?」

 

キノの質問に、レジーは腕を組み、少し唸りながら話す

 

レジー「…悪いですが、今まで奪った物の事などいちいち覚えていません」

 

キノ「そうですか、なら追加でもう一つ質問です」

 

レジー「なんでしょう」

 

キノ「今まで奪った物の中で、一番価値があるのはなんでしたか?」

 

レジー「…一番価値のある物、ですか。子供のくせになかなか難しい質問をしますね」

 

キノの答えづらい質問に、レジーは再度腕を組み、静かに佇む

 

 

 

1分後

 

レジー「…」

 

キノ「…」

 

エルメス「…」

 

 

 

2分後

 

レジー「…」

 

キノ「…」

 

エルメス「…まだ?」

 

 

 

3分後

 

レジー「…」

 

キノ「…」

 

エルメス「…長いなぁ」

 

 

 

4分後

 

レジー「…」

 

キノ「…」

 

エルメス「…えちょっとまって、そんな考えるような質問だっけ?」

 

 

 

5分後

 

レジー「…」

 

キノ「…」

 

エルメス「もういいって!適当に答えれば済む話でしょ!?何真面目に考えてんのさ!」

 

 

6分後

 

レジー「…そうですね」

 

キノ「!」

 

エルメス「やっとまとまった?一つの質問に5分もかけないでよもう…」

 

 

エルメスが文句を言うが、レジーは聞こえていないかの如く無視する

 

レジー「私が奪ったものの中で一番価値のある物、それは…」

 

キノ「それは…?」

 

エルメス「なになに?」

 

 

 

 

レジー「お金です」

 

 

 

キノ「…」

 

エルメス「…え、お金?ホントに?ダッサ「ガンッ!」フグゥ…」

 

レジーはエルメスの言葉を途中で蹴りを入れることによって中断させた

 

レジー「…と、言いたいところですが」

 

キノ「!」

 

レジーはそこで言葉を止めると、目を閉じ、静かに告げた

 

 

 

 

 

レジー「やはり、ユーリですね」

 

 

 

 

キノ「…ユーリ、さん?」

 

エルメス「え、なになに、どゆこと?」

 

キノもエルメスが不思議そうに尋ねる。レジーもゆっくりと語る

 

レジー「ユーリは、とある国の科学モルモット…いわば実験体でした。ユーリが特殊な力を持ち、歳を取らないことは知っているでしょう?あれはその時に投与された特殊ウイルスの名残です」

 

レジーはキノの目の前のイスに座り、カノンをいじりながら続けて話す

 

レジー「私は、その力を持った彼を欲しいと思いました。色々なことにつかえそうですしね。荷物運びとか…まぁそれで、国の実験体というしがらみから彼を奪ったのです。文字通り、これで…ね」

 

カチャリ…

 

キノ「…」

 

エルメス「…」

 

レジーの言葉を、キノ達はわらうでもなく、恐れるでもなく、ただ静かに聞く

 

レジー「まぁそれで一緒に旅をしました。いろんなところを見て、一緒に戦って…彼のウイルスのせいで私も年を取らなくなってしまったし、ずいぶん長いこと一緒にいましたね…最初はただの荷物持ち、いわば奴隷のようにしか思っていなかったんですが…なんと言うべき、なんでしょうね」

 

レジーは少し微笑みながらキノを見つめる。しかし、この後キノがとんでもないことを言い出す

 

キノ「…お師匠様は、ユーリさんが好きなのですか?」

 

エルメス「え」

 

レジー「!」

 

キノの何気ない一言により、周りの温度が凍りついた

 

エルメス「…キノ、ちょっとヤバイよ、早く誤った方がいいんじゃない?また眉間にゴム弾がとんでくるよ」

 

エルメスがそう言うが、レジーは意外な答えをだす

 

レジー「あら、わかりますか?」

 

エルメス「え」

 

キノ「…なんとなく、ですけど」

 

レジーはフフフと微笑みながら語る

 

レジー「流石、小さくても女の子ですね。貴方の言う通り、いつのまにかそういう対象として見ていたんですよね…私にとっては、初めてでしたし、こんな気持ちを教えてくれた彼は…」

 

レジー「私にとって、一番の価値のある略奪品ですね」

 

キノ「…」

 

エルメス「…うっそー…」

 

レジーは恥ずかしがるでもなく、堂々とそう言い切った。それを見たキノは、心にある事を誓った

 

 

キノ「…わかりました。お師匠様の教えに従って、旅をする時は欲しいものは遠慮なく奪うようにします」

 

 

 

キノ「文字通り、力づくで」

 

 

 

キノはレジーの目を真っ直ぐと見返しながら無表情でそう告げた

 

 

 


 

 

エルメス(それからすぐの事だったっけ…ユーリが一人旅をしようとすると、キノがお師匠様のカノンを抜き取って僕に跨がり、ユーリの後をおって半端無理やり旅についていったのは…)

 

エルメスは昔の事に感慨深そうにしていると、ユーリが訂正する

 

ユーリ「歪んだ愛情って…確かにあいつはほとんど感情を感じさせない程冷酷で残酷で非道な奴だが、子供を育てる愛情ぐらいはあるだろ」

 

エルメス「ユーリ、それ本人の前では言わないようにね」

 

ユーリ「言うものか。言った瞬間口に風穴を開けられるだけだ」

 

ユーリは静かにキノの次の対戦を待つ

 

エルメス(…今ならなんでキノが無理やり旅についていったのかが分かるね」)

 

 

 

エルメス(無理やり奪ったんだ…ユーリを…お師匠様から…)

 

エルメス「…結果的だけど、ね…くだらないなぁ、よくそれで命を危険に晒す旅にでたもんだよ」

 

エルメスも溜息をつきながらキノの次の試合を待っていた

 

 

 

 

 




…はい!如何でしたか?なのだ!よければ感想などくださいなのだ!それではまた次回も読んで下さいなのだ!
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