Cross World   作:星の塵

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魔国連邦(テンペスト)でしばらく暮らすことにしたフリスクたち。
様々なトラブルに遭いながらも拠点を確保したのだが...度重なる出費によりネスの貯金は残り125$。
家具を買わないといけないので、これではとても足りない。
そこで一行は迷宮へと向かうことになった...





第九章 魔国の迷宮

 

魔国連邦において一番の人気を誇る場所、地下迷宮(ダンジョン)。そこに僕たちは来てみたんだけど...

「お客さんが多いね...」

「この国で一番人気なのもあるけど、良いものがたくさん手に入るんだってさ!だから皆来るんだよ。」

「良いものって何だろう?お金?食べ物?」

まどか、ネス、僕はそう言い合っていた。

「ネスはどういった武器を持ってるの?」

まどかが今使っている武器は封印の剣なので、迷宮でもかなり通用すると思うんだ。

さぁて、ネスは何を使うんだろう...

「僕は...これだ!」

取り出したのは、バットとヨーヨー。

 

......。

予想外の武器だけど、何か安心した。

まどかの封印の剣を見ると、まさしく『神剣』みたいな感じがしてちょっと嫉妬してしまう。だけどネスの武器ラインナップは本当に普通だからかそれを鎮めてくれる。何だかありがたいなぁ。

...因みに僕は...

「バットとヨーヨーかぁ...フリスクの武器はネスよりも変わってるって、今更ながらに思うんだ。例えば...」

「それ以上はいけないまどかっ!」

「え、あ、うん...何かごめんね。」

そう。

ナイフは極力使わないから論外だけど、もし交渉が全く通じない相手の対策として、一応いくつか持ってきてるけど...

そのラインナップが...

玩具ナイフ、グローブ、バレエのチュチュ、ボロボロのノート、フライパン、弾丸が空の拳銃。

玩具ナイフやグローブ、フライパンは敵を気絶させることに役立ったし、武器として使っても大丈夫な物。

拳銃は実弾を入れたら不味いけど、代わりに決意を弾丸代わりにすることで、ダメージを極力抑えることができるんだ。

だけど、ねぇ...

ノート。軽いから何回でも叩けるけど、普通にバシバシと叩いてもハリセンみたいなもの。

極め付きはバレエのチュチュ。確かにヒール部分を使った攻撃は強いし、上手く使えばすぐに相手を気絶させられるけど...

...恥ずかしいんだよ。こんな物を着て戦うなんて...

できれば、今後は使いたくないっ...!

使うとしても、絶対に見ないで、まどか、ネス...!

 

 

 

ようやく、僕たちの順が回ってきた。

入場料は子供で銅貨五十枚($50)...あれ?

ヤバい、足りない!二人入場可能だけど、後一人はダメだ!

まけてくれるかな...

「入場料は子供で銅貨五十枚です。...と、あなた方は見ない顔ですね。初入場ですか?」

「...あ、はい!」

「初入場の方は入場料は半額となります。一人、銅貨二十五枚($25)お願いします。」

良かった、ラッキー!

まどかもネスも同じ気持ちなのか、ホッと胸を撫で下ろしていた。

合計75$払い(残り50$)迷宮に入った。さてこれからだ。気を引き締めていこう!

 

 

僕は思う。

目の前の光景を見てこう思わずにはいられない。

 

こんなの絶対おかしいよ、と。

 

何があったのかと言うと...

 

僕たちはあの後、別の係員さんからあるものを渡されたんだけど、それは『復活の腕輪』と言うみたい。

その効力は、何と...

 

着けている者が死亡した時に、指定された場所で復活する(使い捨て)...というものなんだ。

因みにこれは初入場者は無料配布なんだってさ。

「迷宮内では絶対に、ぜーったいに外さないで下さい!これはあなた方の命を守る為です。もし外したまま死亡する事態になっても責任を負えないので。ご了承下さい!スタートはあちらですよ。」

その説明を聞いて僕たちは...

「嘘に決まってる...!多分だけど迷宮に入った人たちを安心させる為の嘘なんだよ。」

ネスが不信感を露にしてそう言った。

「死んだ人が生き返るわけが無いんだよ。信じられるかと言われたら信じられない。信じられる訳がないよ...」

まどかもそれに賛同しているみたいだ。

勿論僕もそんな都合のいい話は到底信じられない。

だけど...

「...そうだね。一瞬凄いなと思ったけど、そんなものがあるわけないよね。だけどさ...」

「「だけど...?」」

「どうせ無料で貰ったんだし御守りにはなるんじゃない?」

「それもそうだね。気にしても仕方ないか。」

ネスはそう言って笑った。ふと思ったけどネスは僕よりも笑顔が似合う感じがする。

まどかもその意見に賛成なのかこれ以上は何も言わないみたいだ。

そんな訳で第一階層からスタート。その最初の一歩を踏み出そうとして...

 

瞬間。

隣にいたまどかの首が跳ねられた。

...そして今に戻る。

 

 

「...え」

「...ッ!!まどかぁっ!!」

まどかの首を跳ねたのはトラップから射出される、円盤状の刃だった。

ポケットに入っていた謎の宝石が落ちた。そしてそれはドス黒く変色していき、形状も禍々しく変化していく。

正しく命の輝きが消え、別の穢れによって塗りつぶされるように。

そしてその宝石は何が生み出してはならないものを、今にも生み出してしまうような禍々しさを放っていた。

...今はそんなことは関係ないっ!

「駄目だ...これじゃ僕のライフアップも効かないっ...!...うっ!?」

ネスが顔を青ざめながら、そう言った。

首と頭の境目から、おびただしい程の鮮血が噴水のように噴き出している。

「...そんな、そんな、そんなっ...!僕のせいでっ...!!」

初めて、初めて出来た、大切な人間の友達なのに。僕の軽々しさと甘さのせいで、こんな...!!

ネスはあまりの光景に耐えられなくなったのか、吐いてすらいる。

...諦めたくない。僕が起こした過ちだ、僕が何とかしないと...でも、一体どうすればいいんだ...!!

 

その時、迷宮の中でのみ起きる奇跡が僕たちの前で起きたんだ。僕たちの今の願いを叶えるかのように。

 

 

突如まどかの頭と体、そして宝石が光となって消えた。

そして後方10メートル、係員がいる場所から。優しい光が後ろから照りつけられ...

光の後、僕たちの後ろに。僕たちの仲間で友達の。

まごうことなき鹿目まどかがそこにいた。

 

 

「...あれ?私は何でフリスクたちとこんなに離れてるのかな?」

「......ま、まど、か...。」

「......これは?」

本当に生き返った...?

これは...クローン?それともコピー?それとも...いや違う。見違えるもんか。

他の人とは少し雰囲気が違う感じがするのはまどかぐらいしかいないから。これは本人に違いない!!

「良かった...無事で...!」

まどかの元に急いで駆け出す僕たち。

しかしそれはまどかにとってどのような光景に見えたんまろうか。

その考えに辿り着く間もなく...

バカン!!

「落とし穴ァぁぁぁぁぁ!?グガァッ!」

「嘘だァぁぁぁぁぁっ!?...ぎゃぁぁっ!」

...落とし穴+槍襖によって、僕たちの意識は暗転した...

 

 

 

...気づけばまどかの隣に立っていた。本当に復活したんだ。もう反論の余地が全くない。

「ああ、そうそう!スタートはこっちだよ。」

復活の腕輪を渡した係員さんが何の悪びれもなくそう言い放った。

「...何であんなことしたんですか!」

若干の怒りとツッコミを混ぜてそう問い詰める。

「考えてみたら分かると思いますよ?『これを着ければ一回だけ復活します』...なんて、初めての人が信用するわけ無いじゃないですか。だからドッキリ形式で『迷宮内での死亡を体感する』という形で、復活の腕輪の効果を信用してくれるように宣伝しているんですよ!」

それを聞くとネスが肩を落としながら、

「それを早く言ってください...」

と呆れ混じりに言った。分かる。その気持ち。

「言ったら逆にやらないでしょ?」

その返しは不覚にも、ごもっともと思わされた。

「...まさか本当に復活するなんて...何というか、私の闘いが少し否定された気がして、なんか...」

何の事だか分からないけど、まどかは複雑な表情でそう言った。

ま、今後話してくれるかな。

...そんな訳で僕たちは係員さんに復活の腕輪を着け直して貰って、第一階層に足を踏み入れたのだった。

 

 

 

第一階層は挑戦者たちの練習場としての意味合いが強いみたいだね。

魔物は出現しない。そして数々の武器の訓練部屋がある。

そしてチュートリアル。これはこの迷宮でのルールをミッション形式で説明する...というもの。このチュートリアルは何度でも受けられるみたい。

なので...

「集合場所は第二階層への階段前で!」

「うん。」

「分かった!それじゃ行ってくる!」

僕がそう言うと、まどかとネスは別々に行動を開始する。

「さーて何をしようかな...うわっ!」

誰かにぶつかった。と同時に何かがばらまかれた。それは...カード?

「す、すみません!」

「ああ、気にすることはないぜ。こんなど真ん中でデッキ構築をやってる俺も悪いしな。」

「デッキ...?」

「興味あるのか?見せてやるよ、ほら。」

そのカードに描かれていたのは、黒い魔術師みたいな感じの人や、赤いドラゴン。その他諸々。

「これは何ですか?」

「!?このご時世でデュエルモンスターズを知らないなんて、珍し...!いや、もしかしてお前は異世界からきたのか?」

「!!まさか、あなたも...!」

「お待たせ〜っ!遊戯くん待たせちゃってごめんね。でデッキどうなったの?見せて見せて。...遊戯くん、あの人は知り合い?」

「ああ、泉さん少し離れててくれ。」

「分かった。じゃあそれまでケータイでギャルゲして暇潰しだ〜!」

泉さんと呼ばれたジャパニーズ制服の小柄な女の子はそう言って離れて言った。

「さてと...それでお前の名前は?俺は遊戯、武藤遊戯だ。」

「フリスクと言います。」

どんなところにも思いがけぬ出会いがあった。彼は、僕たちに何をもたらすんだろう?

 

 

 

フリスクが遊戯と出会ったちょうどその頃、まどかは一つの部屋のドアの前に佇んでいた。

その部屋の看板には『初心者の為の魔法講習』...と書かれていた。だがドア越しから聞こえてくる声は無い。

使われていないのか、または開講時間ではないのか...

彼女が何故ここにいるのか。それは少しでも戦い方を学ぶ為であった。

 

 

 

魔法とは何から成り立つものなのか。彼女の知らない事だがそれは世界によって違う。...とはいっても大きく分ければ二つだが。

一つは個人の想像(イメージ)から成り立つ物。何を発現させたいのか、何をしたいのか、そういった想像をベースに術式を構築する。これを主軸とする世界では術式の詠唱が短く、すぐに発動できるといった特徴がある。ただしイメージが固定されていない半端者が使っても、威力は安定しない。それどころか発動すらしないだろう。またイメージの発展を戦闘中に行うのは熟練者でもない限り難しいため、術式の発展が難しい。そして何より、本人の才能によっても威力や性質が大きく左右されるのも特徴である。

もう一つは神話や歴史といった過去から成り立つ物。神話や宗教史といったものをベースに、一つ一つ魔術的要素を抽出して術式を構築する。これが主軸とする世界では詠唱などに時間がかかるものの、術式により詳しい情報を与えられるため威力が強く、発展もしやすい。ただこれにも欠点があり、術式の発動に時間がかかるため事前に準備しておいて隠し玉として使うことが多い。そのため隠し玉が攻略されてしまった場合などは、すぐに敗北に繋がってしまう。ただ想像(イメージ)によって術式を構築する世界と比べると、術者の才能による格差は少ない。

まどかの世界は前者にあたる。しかも極端なまでにイメージを重視するため、詠唱は基本必要なかったりする。

しかしこの世界においては恐らくあらゆる魔法・魔術が行使可能だろう。

即ち魔法・魔術はそういった成り立ち、術式の構成、様々な魔術的要素も理解して初めて真価を発揮するのである。

 

 

そんな訳でまどかは魔法に関しては素人同然だ。魔法少女として扱う魔法(異界魔法〜円環系統)もその本質が全くわからない。あの時はがむしゃらに物事に当たったので、自分がどういった魔法を使ったのかすら曖昧なのだ。

この世界に来て何故か最初から覚えていた元素魔法。しかしいくら使っても出るのは小さい炎だけ。あまり攻撃として機能せずフリスクに迷惑をかけたこともあった。

「(それじゃダメなんだ。私は強くなりたい。強くならなくちゃ、いけない...)」

戦いたくない。だけど、それを許さないのがこの世界。

そんな世界の中で果敢に敵と向き合うフリスク。彼は優しい。そんな彼は。

自分の命を救ってくれた彼は。どんな敵でも絶対に殺さない彼は。

...多分自分では遠く及ばない本当の『ヒーロー』なんだろうな、とまどかは思う。

そんな彼を失いたくない、と純粋に思う。なら戦おう。戦い抜き、皆で生き延びよう。そもそもあの時、あの瞬間に戦う覚悟は決めてたはずだ。

そういう訳でこの場所にきたのだが...

 

 

...本当に、開催されてるのか?何も音がない。試しにノックしてみる。

コンコンコン!

「...すみませーん、誰かいませんか...?」

恐る恐るそう言った。すると...

「はーい、どうぞー。」

声がした。

そして、まどかはその中へ入っていった...

 

 

 

一方ネスはというと。

「凄いなぁ、本当に異世界なんだ。凄そうな鎧がこんなにあるなんて...夢でもみてる気分だ。」

ふと立ち寄った店に入って目を輝かせながら沢山の鎧を眺めていた。

とはいってもそこは防具屋ではない。向こうで武器も売っているがこれも売ってある訳じゃない。

ここは防具や武器を売るのではなく。

「貸す」ための店なのだ。

 

 

 

このいわゆる『レンタル武具屋』は、格安で武器や防具を貸してくれる。

あくまで「貸す」のが商売なので、壊したら弁償である。

『解析鑑定』を持たないネスには分からなかったがこの『レンタル武具屋』、貸している武器や防具の性能は非常に高い。

システムとしては、まず初回無料で特上級(スペシャル)の武具を貸してくれる。(武具の等級(ランク)は、一般級(ノーマル)...一般の冒険者が身につける→特上級(スペシャル)...強い冒険者が身につける→希少級(レア)...一握りの冒険者が身につける→特質級(ユニーク)...英雄級の冒険者が身につける→伝説級(レジェンド)...もはや国の至宝→神話級(ゴッズ)持つのは世界の運命を揺るがしかねない者、つまり『勇者』や『魔王』などとなる)その後は有料。

ずっと無料なのが一般級(ノーマル)。そこから銅貨十五枚(日本円1500円、$15)を積むと特上級(スペシャル)。更にそこから銅貨八十五枚(日本円8500円、$85)を積むと希少級(レア)を貸してくれる。それ以上は貸してくれない。

まあ希少級(レア)を壊したら金貨一枚(日本円100万円、$10000)なんてざらにあるようなので、迂闊に選んで壊したら人生終了のお知らせ、なんて言うのも珍しくない。

そんなハイリスクかつハイリターンな店は常に賑わっている。

 

 

そんなこんなで店内を回ったネスはこの店が気に入った。

が、時間が無くなってきた。それでも、

「今度またここに来ることがあったら、二人をここに連れていこう!」

ネスはワクワクしながら合流場所に向かった。

結局彼はどこまでいっても夢見る少年なのだった。

 

 

 

僕と遊戯さんは少し場所を移し、自分たちのことについて話しあっていたんだけど...。

やっぱりこの人もただ者じゃなかった。

何でも異世界で起きた大事件、『テラカオス異変』を解決した『三十二人の勇者』の一人なんだって。

僕はその事件についてよく分からなかったけど、まどかやネスは知ってるのかな?

「まぁ経緯は省くが、俺は突然起きたあの地震と光のあと...」

「遊戯さんも!?」

「!?...ビックリしたぜ。まさかフリスク、お前もか?」

「うん、僕も突然に...」

「そうだったのか...いや待てよ?」

「遊戯さん?」

「待ってくれフリスク。考える時間をくれ。それと俺のことは遊戯でいいぜ。」

「あ、うん。分かったよ遊戯。」

遊戯は何かしらの心当たりがあるのかな?今回の一件の解決に繋がる何かが...

「多分なんだが...今回の一件を引き起こした黒幕が分かった気がするぜ。」

「!!それは、一体!?」

「魔王だ...」

「魔王?」

遊戯がいう魔王って、一体どんな...

「俺たちや他の仲間の世界を散々引っ掻き回した奴だ。あいつならあり得る。あり得るぜ...。」

「じゃあ魔王を倒せば、元に戻るってこと?」

「確定はできない。だが俺を含めた『三十二人の勇者』の内の二人が今ここにいるんだ。恐らく他の三十人もこの世界にいる筈だぜ。」

そうなんだ...って、二人?

「そうか、こうなった以上泉さんにもこれからの事を話しておくか。泉さんいるか?」

遊戯がそう呼ぶと小柄な青髪の女の子がひょこっと出てきた。その子の頭にはとても目立つアホ毛が出ている。

「遊戯くん、終わったー?」

「紹介するぜ、この人も『三十二人の勇者』の一人で、今では俺の親友だ。」

「泉こなただよー、よろしく!あなたは?」

「フリスクです、よろしく。」

「よろしくねフリスクくん!」

僕とこなたはお互いに握手した。...しかし、この子も勇者なんだ...

 

 

 

「それで、二人はどうするの?」

「そうだな、俺たちはひとまずあの時の仲間たちを探すことにする。できればEDFか、時空管理局の誰かに連絡を取れれば良かったんだが...」

...色々分からない単語があったけど、仲間を探すってことは分かった。...だったら!

「遊戯、こなた、提案があるんだけど...」

「んー?何々?」

「提案?」

「僕たちと一緒に来ない?」

「僕たち?一人じゃないの?」

「うん、あと二人いる。そろそろ合流しないといけないしついてきてよ。」

僕は遊戯とこなたを引き連れて合流場所に向かった。

 

 

 

ネスが先に来てたみたいだ。

「フリスク、後ろの二人は?」

「うん、後で紹介するよ。...まどかは?」

「探したんだけどどこにもいないんだ。フリスク心当たりはあるかい?」

「無いなぁ...探しに行こう!」

あのまどかに限って先に行ったとかはないだろう。方向音痴でも無さそうだし。どこかの部屋にでも入っているのかな?

そんな訳で探すこと十分。残ったのはこの部屋。看板には『初心者の為の魔法講習』とある。

「本当にここで間違いないのか?」

「何か音はするよ?でも別人じゃないの?」

遊戯とこなたはそう言う。でももうここしか無い。

コンコンコン!とノックする。

「すみません、ここにまどかって言う女の子は...」

すると突然、まどかの慌てた声が!!

「あっ、危ない!」

その瞬間、僕の体は大きな炎の玉と共に五メートル程吹き飛ばされ、そして壁に叩きつけられた。

 

 

 

「ご、ごめんねフリスク!わざとじゃないよ?」

いくら僕でも不意討ちは避けられない。

「まどかはもしかしてあの中で魔法の練習でもしてたのかい?」

「うん、講師の先生が色々教えてくれて...」

その先生とは魔国連邦(テンペスト)の中で最も著名な魔法使いの弟子の一人で、まどかにとって分かりやすい教え方をしていたようだ。(ちなみにこの迷宮においてはもう初心者と呼べるような冒険者は少なく、ここへの客も大いに減ったんだって。)

その先生によると...

「まどかさんは確かに知識は素人同然ですー。でもみる限り魔法の資質、そして将来的な魔力量においてはこの先三万年で現れるかどうかの逸材なんですー。...正直、ビックリしましたよー。だから思わず自分の全てを叩き込みたくなっちゃって...物覚えもそれなりに良かったから、きっと大成しますよー、彼女は。」

実際その片鱗は見たことがあるんだ。封印の剣によるあの攻撃。如何にあの剣が凄い性能を秘めていても剣だけであそこまでの威力は出ないと思う。

...今考えても仕方ないか。とりあえず遊戯とこなたの紹介はしておかないと。

 

 

そんな訳で互いに自己紹介。

「武藤遊戯。元の世界では決闘者(デュエリスト)として戦っていた。」

「泉こなただよ、私はただのオタクだったけど、『テラカオス異変』の時は他の皆と一緒に戦っていたんだー。」

二人がそう自己紹介をする。

「改めまして、フリスクです。」

「はじめまして、鹿目まどかといいます。」

「ネスです、よろしくお願いします!」

僕たち三人も挨拶する。

「...それでどうするか決めた?僕たちも仲間を探してる。目的も一致するし僕たちとしても心強いけど。」

そう尋ねると。

「色々二人で考えたんだが...君達と一緒についていった方が俺達としてもありがたい。」

「それじゃあ...」

「ああ、よろしく頼むぜ、フリスク。」

「よろしくね~。フリスクくん、まどかさん、ネスくん?」

「ありがとう遊戯!こなた!」

「遊戯さん、こなたさん、よろしくお願いします!」

「心強いです、これからよろしく!」

こうして僕たちの仲間は五人になった。そして僕たちは深い迷宮へと足を踏み入れる...

 





お久しぶりです、星の塵です。
今回もCross Worldをここまで読んで下さり、ありがとうございます。
暫くPixiv側で細々とやっていましたが、こっちも手を抜けないなと思いつつ、この第九章を公開しました。
この第九章は、Pixiv版の第十五章、第十六章を繋げ多少手直ししたものとなります。大筋は全く変わっていませんが、魔法の説明などに記述を追加しています。

...というか、自分でやっててどれだけ内容がペラペラなのかがよく分かります。毎回毎回、ハーメルン版ではPixiv版の章をくっつけてるんですからね!


...さて、そろそらあとがきを締めさせて頂きましょうか。皆様今回もCross Worldを最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました!今章の物語は如何でしたでしょうか。もし気にいったならば忌憚無い評価や感想をお寄せ下さい。
そしてイレブンやフリスク、その仲間たちが皆様の決意を満たし続け、皆様の心の中に留まり続けることを切に願い。
今回はここで、指という名の筆を置かせて頂きます。


皆様ありがとうございました!また次回もよろしくお願いいたします!!良いお年をお迎え下さい!!




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