Cross World   作:星の塵

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あらすじ

イレブンたちが旅立ったころ、遠く離れた場所でもう一つの物語が始まっていた。
少年フリスクと、少女まどか。この二人の出会いが、二人に、あるいはイレブンたちに、結合したこの世界に、何をもたらすのだろうか...。




第四章 絶対決意

「...で、ここは何処なの?」

「わからないけど...地下洞窟みたいだね。まあ、僕にとっては、見慣れた光景だけど。」

「...えーっと、フリスク、君?」

「フリスクでいいよ。呼び捨ての方が、聞き慣れてるからね。」

歩き出した僕たちは、そんな会話をしていた。会話は続く。

「洞窟が見慣れた光景って、洞窟の中にでも住んでいたの?」

「そんなわけないじゃん。確かに、一時期地下にいたけど、今は町で暮らしているさ。...そういえばさ。」

「な...なに?」

「僕はあの光と地震の後に気を失って、ここにいたんだよ。キミもそうなのかい?」

「...私は...。」

すると、まどかは言い淀んだ。

「(私は...あの時消えた筈じゃなかったの...?)」

僕は、言い淀み悶々と悩み始めたまどかを見て、

「(これは相当な心の闇を抱えていそうだ...。解決には時間がかかりそうだよ。)」

と、くせで解決策を模索していた。相手のことも全く何も知らないくせにね。やっぱりお人好しだなぁ、と自分でも思ってる。

 

 

一方、心優しい少女まどかはというと、

「(言える筈もないよね、あの事を。誰にも背負わせたくないよ...。)」

まどかは、あの出来事を絶対にフリスクに話さないと決めた。話したら、自分の命を救ってくれたあの少年は、間違いなく重荷を背負うことになる...

そう思っての、判断だった。

それぞれが思案しているうちに、光が見えてきた。ようやく、洞窟から出られるのだ。

 

 

「外が見えてきたよ!」

「よーし、気を引き締めていこう!」

洞窟の中で、ある程度互いの事を理解することができた僕たちは、そのまま洞窟から出ようとして...

「っ!?な、なんだよこいつら!!」

僕は思わず叫んだ。

洞窟の出口に、たちふさがった者がいたからだ。

人の形をしているが、明らかに人ではないことが分かる。何故なら、体は腐り果てて、まともに生きているとは思えないからだ。

「こ、こいつらまさか...。」

「う、うん...!」

 

 

...二人はまだ、世界が結合していることを知らない。二人が目覚める前に「世界の言葉」がそう宣言したのだが...分かる筈もない。だが、ゲームがある世界に住む者たちだ、その正体を看破するのに、そう時間は掛からなかった。

 

 

「「ゾ、ゾンビだっ...!!」」

僕たちは頷く間もなく、逃亡に移った。

僕たちは人間だ。人である以上、あの姿に嫌悪感を抱かない方がおかしいのだ。

 

 

僕たちは何とかゾンビたちを撒いた。相手の足が遅いのが味方したみたいだ...。

「ハァッ、ハァッ、ハァッ...何でだよ!地下にはあんなのいなかったよ!」

「分かんないよ、私にも!」

へとへとになった僕たちは、座り込んだ。

...しっかし、浅いとはいえ、結局洞窟の奥まで進んじゃったよ。...ん?

「...!危ない、伏せ...!」

 

 

くそっ!遅かった...!!

今度は、何処からともなく、火球が飛んできたんだ。狙いは間違いなく...まどかだ!

「あ、あぁぁ...!!」

...どうやらまどかは、とっさの恐怖で火球がゆっくりに見えているみたい。何にせよ、まどかが火だるまになるのは防がなきゃ...!!

 

「(確認しました。個体名 鹿目まどかにユニークスキル『契約者(ムスブモノ)』の完全定着...成功しました。)」

 

その時。まどかは突然、ぎこちない動きで両手を前に突きだした。

すると。

 

 

ボゥゥンッ!!!

 

 

「あ、あれ?...」

実行した本人、まどかは思わず間抜けな声を出す。

...今、一体何が起こったんだ...!?火球を打ち消すなんて、普通じゃ出来ないよ。

僕がそんな事を考え始めた矢先、おぞましい姿をした「何者」かがやってきた。火球を放ったのはこいつらしい。

「くけけけっ。こいつ、俺の火炎球(ファイアボール)を打ち消すとは、只の小娘ではないな?」

今度は悪魔か...。悪魔と言うと、人を誘惑するだとか、高位の魔法を使うだとか、そういう認識だ。

ゾンビにしても、悪魔にしても、あの地下王国にはいなかったハズなんだけどな!本当にどうなってるんだ。

「...本当、なんなんだろここは。化け物だらけだよ。」

「悠長にしてる場合じゃないよ!どうするの!?」

まどかがそう叫ぶ。そうだよ、そんな事言って現実から目を背けてる場合じゃない。

だけど、いつも通りの戦法が使えない。後ろにいるまどかを守りつつ、目の前の脅威をすり抜けるなんて僕には無理だ。

何故なら休んだとはいえ、決意の放出のせいで体力も消耗してるし、体の動きも悪い。よく見ればセーブ場所なんて所も今まで見かけていない...。

手詰まり...?つまり、それは...。

本当の意味で、死ぬかも...!?

...嫌だ。嫌だ。

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!

何も分からないまま、ここで死ぬのはゴメンだっ!!

 

...その時。聞こえてきた。

「(確認しました。個体名 フリスクにユニークスキル『絶対決意(ユルガヌケツイ)』の完全定着...成功しました。)」

 

 

そして、感じた。気づいた。その瞬間、体の調子が完全に戻っていたことに。

「(行けるっ...!!)」

 

だから、いつものように。

悪魔に近づいて見ることにした。

 

 

「何してるの!殺されちゃうよ!」

しかし、僕は意に介さない。

そこに、悪魔の氷魔法が僕の目の前に飛来するが、

僕は、首を傾けただけでそれを避ける。

「...このクソガキがぁぁぁぁ!!」

突然近づき、そして難なく魔法を回避する僕にムカついたのか、全力で悪魔は魔法を連射した。

どうやらこの悪魔、大分沸点が低いみたいだ。まどかには目もくれてない。そのおかげで、まどかは一応安全なところまで退避できたみたいだ。これなら巻き込む心配は要らないね。

それに、体の調子が戻ったこともあって攻撃をかわすことは余裕だった。

僕はかわしつづける。近づきながら。

「こんなの、アンダインの槍より楽勝だよ!」

 

 

「凄い...」

まどかはあり得ない目でフリスクを見ていた。

自らにも戦闘経験はあるが、できればもう戦いたくない。そして、あれを至近距離でかわしきれるかと言われるとそれは無理だ、と思案して、

「(やっぱり、この子只者じゃない...。何者だろう?)」

ここにきてから、疑問は尽きない。

自分のことも、友達のことも、フリスクのことも。

だが、今は。

フリスクの戦いを、見ることしかできない。

そして、フリスクと悪魔の戦いの決着は呆気なくついた。

フリスクと悪魔の距離がほぼゼロ距離になったと同時に、フリスクは誰もが想像することができない行動をとったのだ。

それは。

 

「キミの上司は怒っているみたいだよ?元の場所に戻った方がいいんじゃないかなぁ?」

「は...??」

「えっ...??」

フリスクは、悪魔を口説き始めたのだ。

普通なら、通用する筈もない。

だが。

「えっ...そんな...まさか...

上位悪魔(グレーターデーモン)様がお怒りだと!?」

「そうみたいだねぇ?早くしないと、ヤバいんじゃないかなぁ?」

「嫌だ...滅ぼされるのは嫌だぁぁぁぁ!!」

しゅん!!と音がしたかと思うと、既に悪魔はいなくなっていた。

 

 

「「......」」

ちょっとした戦いの後。

僕たち二人には、驚きの感情しかなかった。

「「ユニークスキルって...何?」」

まどかは、火球を知らぬ間に打ち消した。

僕は、いつものように口説いてみたけど...まさかあそこまで効くとは思わなかったよ。

よく考えてみたら、最初からおかしかったんだ。

自分たちの住んでいた場所、いや、地球上に存在する訳がない生物だらけだった。

更に。

周りの風景は、紫色の水晶だとか、変な色の草など、現実にあるわけがないものばかりだった。

そして、脳内に響いてきた、無機質な声。何もかもが、現実離れしていた。

つまり...

僕たちが知っている言葉で表すならば。

「ここって...」

「もしかして...」

「「異世界...!?」」

その言葉しか、浮かばなかった。

 

 

僕たちはその事実を悟ると、急いで自分たちのユニークスキルとやらを確認しようとする。

しかし、方法がわからない。

色々と試してみたのだが、どれもダメだった。

そして、約10分後。

「精神を集中させてみようよ。もしかしたら...」

僕の案を、早速試してみることにした。

すると、僕の脳内に情報が流れ込んで来たんだ!

「こ、これは...!」

僕たちは自分たちのユニークスキルを確認することに成功した。そして、今の自分たちの状態、及び世界の状態までも知ることができたんだ。

 

 

キャラクター紹介・ステータス

 

個体名 フリスク

種族 人間

職業 すっぴん(いわゆるフリーター。特筆する部分はない。)

加護 決意の紋章

称号 決意の申し子

魔法 なし

ユニークスキル 「絶対決意」(ユルガヌケツイ)・・・決意操作、運命変更

決意操作・・・決意を操作、あるいは別の力(魔力や腕力)に変換可能。かなり万能。

運命変更・・・1日一度限り、確実に死ぬ攻撃などを受けても、死なない。

耐性 痛覚無効・・・(痛みを感じなくなる)

精神攻撃無効・・・(精神攻撃が効かなくなる)

 

 

見た目だけなら、どこにでもいそうなアメリカの男の子。年齢は9歳。現在は義母であるトリエルに養育して貰っている。

1年前、アボット山の地下に転落し、そこから彼の奇妙で壮大な地下王国での物語が幕を開ける。彼は道行く先々で沢山のモンスターと出会い、友達となった。

やがて彼はアボット山のモンスターや、今では義母のトリエルと、当時アボットの地下王国の国王であったアズゴア、そして2人の子供であるアズリエルについての真実を知ることとなり、最終的にモンスター達を地下から解放することに成功した。

学校での成績はトリエルの教育もあってか、学年トップクラスである。

 

 

個体名 鹿目まどか

種族 人間→仙人(魔法少女の時のみ)

職業 すっぴん→魔法少女(攻撃方法及び得意分野は個人ごとに違うが、契約により強大な魔法の力を得た少女。)

加護 円環の紋章

称号 魔法少女

魔法 なし→異界魔法〜円環系統・・・聖、補助(世界の言葉がない世界の魔法の一つ。)

元素魔法・・・火炎系統(世界の言葉がある世界の魔法。長い詠唱がネックだが、魔力が持つ限り自在に規模や威力を調整できる。)

ユニークスキル 「契約者」(ムスブモノ)

・・・魔力操作、多重結界、森羅万象、確率操作

魔力操作・・・法則操作の下位互換。だが魔法を扱う者の強い味方。魔素を自在に操作できる。

多重結界・・・自分の体の周りに何重にも結界を張ることができる。防御面でとても有能。

森羅万象、確率操作(二章を参照)

耐性 聖魔攻撃耐性(二章を参照)

 

 

桃髪とリボンを除けば特筆すべきこともないような中学2年の女の子。日本の群馬県、見滝原中学に通っている。学校での成績は、良くも悪くも、普通である。

ある日彼女は謎の地球外生命体、インキュベーターを保護したことから、インキュベーターから自身に「魔法少女」としての資質があることを告げられ、是非とも契約して欲しい、とも言われた。

しかし「魔法少女」の実態は、インキュベーターによる宇宙救済の為のエネルギー回収計画の一端であり、やがて彼女はその計画の中心に据えられてしまう。

様々な惨劇や理不尽を目にした彼女はついに決断し、インキュベーターと契約を結び、「魔法少女」となる。

そして、その身を高次元の存在、即ち概念へと昇華することで、過去及び現在の惨劇が無かった世界線へと導き、世界の理すらも改変したハズだったが...?

 

凄い。凄い、けど...

あまりにもいきなりで、感情が追い付かない!

世界が結合してたり、新しい力に目覚めたりで、もうどう反応すればいいかすらも、分からない。

隣を見ると、まどかも同じみたいだ。

それでも、この力...ユニークスキルに関しては、慎重に扱わないといけないってのは、すぐに分かった。

これくらいじゃないと、生き残れないのかも知れないし、これから先、頼りになるのは間違いない。

だけど、その力に振り回されて人やモンスターを殺めたら元の木阿弥だ。Loveが溜まってしまう。

だから、早めに把握しとかないとね。『絶対決意(ユルガヌケツイ)』をね。

 

 

ようやく、洞窟を出た。ゾンビはいなくなってた。

僕たちがやるべきことはたくさんある。

まず、町を見つけよう。そして、仲間と合流して世界を結合させた奴をどうにかする。

今回の一件、多分だけど地下での出来事とは格が違う。もしもの時は...いや、そんな事は考えちゃダメだ。

こうして、僕たちの物語は続いていく。

その先に遥かな想いをのせて...

 




あとがき

ども、星の塵です。
今回もCross Worldを見て頂き、ありがとうございます。
現在はフリスク編ですが、外伝とかそういう扱いでは無いです。普通にフリスクとまどかはレギュラーです!
という訳で、フリスク編はあと1回で一旦切って、イレブン編に戻します。
今回のテーマは『発現過程』です。
どんなささいなことでも、『なろう』とかではすぐ力が発現します。
今回はそれを意識してみました。流行りに乗っかってばかりだと、かの悪名高い異世界ス○ホになってしまうぞ、と思われる方ももしかしたらいるかも知れませんね。
大丈夫です!何とか善処したいと思います。
ではここら辺であとがきを締めさせて頂きましょう。
今回もCross Worldを最後まで見て下さり、本当にありがとうございました!
だんだん見てくれる人が増えてきた様に思います。だからこれからも頑張っていきたいです!
このシリーズが面白い、と思った方は、是非是非感想をよろしくお願いいたします!
そして、イレブンやフリスク、その仲間たちが皆様の心に留まり続け、皆様の決意を満たし続けることを切に願い。
今回はここで、指という名の筆を置かせて頂きましょう。
皆様、次回もよろしくお願いいたします!!

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