ピコ麻呂とミクを仲間に加えたイレブンとセシルは、資金確保と付近の村の安全確保の為魔物が出没する洞窟に侵入した。そしてその洞窟の奥にて、
時空を切り裂く魔剣グランドソードを振るう魔王の前に、イレブンたちは成す術もなく敗れると思われたのだが...『テラカオス異変』を鎮めた三十二人の勇者の一人、その手に
そして、あの二人の旅もまた続いていた。
青年アバンス襲撃の後も色々あったけど...今目の前にある光景は、それすら霞むものなんだ。
「まるで東京...こんな大都市が何でこんなところに...?」
「幻覚かな...?こんなところにこんな大都市なんてある訳...」
僕...フリスクはそんな風に今立ち尽くしている。その隣にいるのは桃髪の少女、鹿目まどか。彼女もまた、この世界においては初めて見る現代都市を見て立ち尽くしているみたい。
「...とにかく行こうよまどか。まずあの町で、情報を集めないと。」
「今でも信じられないよ...今までが今までだけに...」
そうなんだ。
今まで僕達はここにたどり着くまでに、様々な敵と戦ったんだ。
小さな強盗団やスライムなどの『妖魔』、僕の世界にもいたモンスターもいたんだ。宇宙人みたいな敵もいたんだよ。
...勿論だけど、殺してない。僕はこの世界でも「誰も殺さない」ことを信条にしているんだ。
ユニークスキル『
でも、まどかも後ろから見ていた訳じゃないんだ。
この世界には僕の世界にはいない『理性がない』狂暴なモンスターもいたんだ。言葉による撃退が不可能だから、正直言って今でも相手したくない。
相対した時は僕の『
このような時も絶対に殺さない。相手を殺すのではなく撃退するのが僕達の戦い。
そのためまどかはより自分の力(ユニークスキルなど)をコントロールできるように日々努力しているみたいだ。
いつも寝る前に封印の剣を振っていたり、自分のスキルを僕以上に研究に励んでる。
「私はさ...意気地無しだからさ。前の世界でも肝心な所で何も出来なかったんだよ。たった一人、でもとても大切な友達も守れなかったから、今度こそ誰かを守れるようになりたいんだ...」
理由を聞いたときに、そう答えたんだ。
余程のことがあったんだろうね...
話がずいぶん逸れたみたいだね。話を戻そう。
そんな戦い続きの僕達からしたら、目の前に広がる街は違和感しか感じさせなかった。
一言で言うならば、場違い。
どんな危険なところにドン!と建ち並ぶ、やけに現代的な街。
しかしそれでいて僕達が知らない何かがありそうな雰囲気が漂う、そんな街。
まあでも、ここまできたならば入る以外に道はないよね。
そんなわけで、僕たちは街に入ろうとしたのだが...
「待つんだ君たち!不法入国は厳禁だ!!」
肩をポン!と叩かれ、驚いた。
トカゲの鱗が体を覆う人型モンスターの兵士が、そう僕達に注意したからだ。
そして、それ以上に...
「「この街が...国!?」」
その後、僕達はそのモンスター...蜥蜴人(リザードマン)にその国...ジュラ・テンペスト連邦国、略して
厳しいチェックがあるんだろうな...と僕は思っていたけど、案外そう厳しくなかったんだ。
ある程度の所持品チェックはあったけれど、僕がこっそりと持っている(使ったことがない)ナイフどころか、まどかの封印の剣も没収されなかったんだ。
...ちなみに税関の豚頭の人型モンスターが(僕のゲーム知識が正しければ、多分
...迷宮?
そんなことがあったが、割とすんなり国に入れた。周りを見渡すと...
僕にとって、最高の光景を見ることができたんだ!
モンスター、モンスター、人間、モンスター、人間。
魔国というだけあって、モンスターが多かった。しかし人間は、怯えることなくモンスターと他愛ない世間話をしている。
僕達の世界で目指すべき、そんな空間が広がっていたんだ。...見習わなきゃね。まだまだ僕達の世界は、こんな感じじゃないから。
...今はお互い若干、焦っているようだけど。
話の内容を考えて、街の外がおかしい、どうなってるんだコレ、だとか、・・・様が何とかしてくれるとかそんな声が聞こえてくる。
そんな中...
「キャァァァァァッ!!」
悲鳴が突如聞こえた!
「行こう、まどか!!」
「う、うん!」
僕達はすぐに、目的地に向かった...
着いた。
そこでは一人の男...モンスターが暴れていた。そいつからはなんだか、マンガで見たヒャッハーと同じ匂いがしたけど。...しかもそのモンスターはどうやら、この国の国民ではないみたいだ。
「ハッハーッ!!今からこの俺が、この国を乗っ取ってやるぜぇぇぇぇっ!」
いきなり放たれる痛い台詞。この混乱に乗じて騒ぎを起こすとは...まさしく不良といえるだろうね。
「ねぇフリスク...近寄っちゃダメな感じがするよ。」
「放っておいても大丈夫そうだけどね。...ほら来た。」
ドン引きである。僕の世界には多分こんな愚か者はいない。それはまどかも同じだろうけど。
「逮捕だっ!リムル様に不敬だぞ!しかも街中で叫ぶとは...キチガイか貴様!」
走ってきたのはこの国の『警察』。この国の警備も兼ねてるみたいだ。
「警備ごときに負けるものかよ!!」
そういってキチガイヒャッハーは、大鎌を取り出し全力で振るった。
このキチガイヒャッハーは力があるみたいで、なんと警察を吹き飛ばしていた。そして下卑た笑いを浮かべ、
「ハッハッハッ!!その程度かよーッ!」
...と嘲笑う。
~っ!!あぁもう、黙ってられない!
「...ちょっと僕はあのキチガイをふんじばってお巡りさんに引き渡すから、まどかはここで...」
「う、うん...!!」
まどかが震え上がっていたが、手荒な真似はしない。ただね、今の僕はお灸は据えなきゃ気が済まないんだ!
...そういってキチガイヒャッハーのところに行こうとすると...
「パラライシス...α!!」
「!?」
その声がしたのと同時に、キチガイヒャッハーに電気の糸が絡みついていた。
「アババババァァッ!!」
電流が流れ、キチガイヒャッハーは気絶した。
その声の主は...
赤基調の帽子、僕と似たようなストライプシャツ、色は黄と青。年は12歳ぐらいかな?その手にはバットが握られていた。
「ふぅ、これでよし!...っと大丈夫?ライフアップ!」
その子は僕にもよく分からない何かしらの力を使って、警察の人たちに治療を行った。決意の力ではないみたいだけど...
その子はこの場から去ろうとして...突如驚いたようにしてこっちに来た。
「君たちもしかして...別の世界から来た人?」
「!?何で分かったんだ!?」
「だって他の人たちとは、何か違う気配がしたから...超能力とも、この世界にある魔法とも。」
「あなたは一体...」
まどかが尋ねた。
「僕はネス。...君たちは?」
「フリスク。この国にはさっき来た所だよ。」
「鹿目まどか、よろしくね。」
「ひとまず場所を移そうか。さっきいいホテルを見つけたから、そこで話がしたい。」
ネスが何の遠慮も無く、そう言って来た。
...ホテル?
「ねぇ、キミはホテルに入れる程のお金を持ってるの?」
「えっ?」
そういって僕と同じぐらいの背丈の男の子...ネスはバッグから大きい財布を取り出して見せてきた。...って!
「キミ...大金持ちじゃないかっ!!」
「こんなにお金を持ってるの!?盗られたりしてないの?」
僕は思わず叫び、まどかは思わず心配してそう訪ねたけど、
「いや?盗られたことはないし前の世界ではこれでも足りなかったよ?」
...ちなみに僕の世界の地上でも、共通通貨は$だ。
僕の世界の平行世界が存在してるのかな?
ちなみにネスが持っていた総額は10000$。まどかがいた世界の
「...道理で入れるわけだよ。でも万が一の事もあるから、気をつけた方がいいよ?」
忠告のつもりでネスに言う。
「ハハハ...よくお母さんにも言われるんだけどね...」
肩を竦めてネスが言った。金銭感覚が少しずれてるのは間違いなさそう。
ネスがホテルのチェックインの手続きを終わらせたようだ。
「いいよ、二階の203号室!」
「行こう、まどか。」
「うん。」
そんな訳で、部屋に入った。途中にはエレベーターもあった。けどどうせ二階だから、という事で使わなかったんだけどね。
「それにしても...綺麗な部屋だね。」
まどかがそう呟く。
「このホテルは結構お金持ちの人が入るホテルらしいけど失敗したね...今ので300$使っちゃった!」
「...そろそろいいかなぁ?」
場所的にもそろそろ話すべきだ。
「うん、僕のことでしょ。分かってる。」
「僕達のことも話さないとね。じゃあ情報交換の時間といきますか。」
「...という事なんだ。」
やはりこの子もただ者じゃなかったみたい。
なんとネスは前の世界では宇宙人を撃退して、英雄扱いを受けていたらしい。それを成し遂げたのは彼に宿る力...超能力なんだって。
そして三人の友達が、彼を支えた。名前はそれぞれポーラ、ジェフ、プー。ポーラとプーは超能力...PSIの達人で、ジェフは機械や兵器を扱うのに長けた人なんだって。
ある日彼らはネスの生まれ故郷に集まって、旅行の計画を練っていた。そしたら突然謎の地震と光が襲ってきて、そのまま気絶。気がついたらネスだけがこの街の隅っこにいたんだってさ。
「まどかは覚えていないそうだけど...僕もその地震と光を経験したんだよ。」
「本当!?」
「うん。モンスターと人間が共存できるようになって一年後ってタイミングだった。」
「共存?一体どういうことなんだ?」
「ああ、そういやまだ話してなかったね。」
そういって僕は今までのこと、元の世界のことも全て話した。
「...そう、そうか。そうなんだ...。」
話が終わった時、ネスは...
...何かを思い返したかのように顔が正面からは見えないほど帽子を深く被り、うつむいた...
...まるで、溢れ出る感情を抑えるかのように。
ネスはすぐに僕たちの方に向き直り、
「...君たちは、これからどうするんだい?」
と、尋ねてきた。...そんなの決まってるさ。
「友達を探すよ。そしてこの世界を何とかして元に戻すんだ。」
...あまりその状況を考えたくはないけど、自分のloveを上げざるを得ない場面が出てくるかも知れない。大切な人を、この世界を守る為に、誰かを殺めることが今の僕に出来るだろうか?
...多分、答えはその時にならないと出ないと思う。でも世界を元通りにする為には、ひたすら進むしかないんだ。どんなに遠回りでもね。
「僕も連れていってくれないかな。」
「...えっ?いいの?」
「僕にも大切な友達がいる。君たちと一緒に探せば、きっと見つかると思うんだ。...構わないよね?」
「...!!大歓迎だよ!...まどか、僕たちの新しい仲間だ!」
「う、うん!よろしくね、ネス!」
「こちらこそよろしく、まどか!」
僕たちは握手をしてこの出会いを喜びあった。
そして、僕は次の話を切り出す。
「...それでこれからどうしよう?他の街の場所が分からない以上、動くのは不味い気がするんだ。」
「そうだよね...かといって、動かないと始まらないよ?」
まどかはそう意見を述べた。
「う〜〜〜〜ん...そうだ!!自由に動けるようにすればいいかもしれない!」
「「??」」
「行こう!」
「「う、うん...」」
ネスには考えがあるみたい。
ネスについていく形で、僕達はすぐにその場所に行った。
そこは...
「本当に、ここでいいの?」
「ちょっと、正気なの...?」
僕とまどかの疑いの目が、ネスに向く。
当たり前じゃないか。
今いるこの場所、どう考えても子供が来る場所じゃないから...
「不動産って、家かマンションでも借りるの...?」
「今から買うんだよ、家を。」
...え?え?借りるどころか、買う?
「そう。この国を僕達の拠点として、ここから周りの街や、国を探すんだよ。」
「えっでも、借りるだけで良くない...?」
するとネスは口を尖らせて、自信ありげにこう言った。
「分かってないなぁフリスク。今回の一件、一月や二月じゃ解決できるものじゃない。借りるにしたって僕たちは遠出する身なんだ。借家を管理する人の事を考えたら、いっその事買ったほうがいいってね。」
「...いや、家を、本当に買えるの?」
ネスの答えに、まどかがそう返す。
「大丈夫だよ。たった今、候補を決めたから。」
「...えぇっ!この物件と土地を買いたいと?」
「そうです、無理ですか?」
「...無理ではありません。ただ...子供だけで大丈夫でしょうか?」
「大丈夫です!慣れてますから!」
ネス、かなり手慣れてるなぁ。今現在、絶賛交渉中。
買う家は、金貨9枚...ネスの世界と僕の地上世界の単価で9000$ぐらいだって。(僕達のような異世界人との対応に慣れているのかもしれない。$で通じたのがその証拠だろうね。)
広さはそこそこのログハウス。ログハウス式がとても安い上に、この国はやけに不動産の価格が安いからこの値段で買えるんだって。(しかもトイレやキッチンスペース完備。)
そうこうしているうちに話が終わった。場所はこの国の商業エリア近く。そこに空き地があった。ここに新しい家が建つことになる。
「すぐに工事が終わります、半日程頂きます。」
「(えっ、半日...?)分かりました!」
「ほい!そういや迷宮には行ってないのかい?いいぞ、あそこは...」
迷宮かぁ...まぁ、その前にやるべきことがあるけどね。
それだけで半日使いそうだから。
「本当に家が建つなんて...ありがとう、ネス!」
「うん、どういたしまして。時間は半日程あるけど、どうするんだい?」
ネスの問いに対し、しばらくしてまどかが答えた。
「う~ん...まずは挨拶回りしとかないといけないんじゃないかな?しばらくはお世話になるとは思うし。」
「それは名案だ!...よし、2人とも行こう!!」
コンコン!...とノックをする。材質がいいのか小気味いい音が鳴る。
「はーい、どちら様ですか?」
ガラガラガラ、とドアが開けられた。
この家に住んでいる奥さんみたいだ。
「こんにちは。今日からこの近くに住むことになったので、挨拶しに来ました。」
「あらあらご苦労様!三人ともまだ子供なのに...ってあなたたち、『異世界人』?」
「その、『異世界人』って何ですか?」
まどかがそう尋ねる。
「読んで字の如くね。私たちとは違う世界から意図せずに来た人たちのこと。つまりあなたたちのことよ。最近よく見かけるのよねぇ、あの一件以降。」
やはり普通の人たちも巻き込まれてるんだ...
「あなたたち、名前は?」
「フリスク。こっちの女の子がまどか、僕と色違いの服を着ているのがネスです。」
「鹿目まどかです、よろしくお願いします。」
「ネスといいます。よろしく!」
二人とも、挨拶を交わした。
「よろしくねぇ!フリスクくん、まどかちゃん、ネスくん!」
そんなこんなで、挨拶回りが進んでいく。
それから二時間後...
僕たちは近所の人たちへの挨拶を済ませた。...けど何か、やってないことがあるような...
「ねぇ。」
「うん。」
「僕たちって一応はここに住むことになったよね。」
「うん。」
「ちゃんとお偉いさんにさ、伝えてないと駄目じゃないのかなぁ?」
「...オーノー、すっかり忘れてた。」
僕はネスに肝心なことを伝えた。というか、ちゃんと戸籍登録しないと...
「捕まっちゃう、てことかな?」
まどかが少し冷や汗を流しながらそう言った。...確かに、最悪の場合それは間違いないかも。
僕は二人の手を繋ぎ、
「走れ-っ!手遅れ(前科持ち)になる前に!」
大慌てで走る僕たち。
「待ってよフリスク!足が、足がっ...」
「フリスク!いきなり走らされちゃ足がつるじゃないか!」
目的地は役所。歩きで一時間、走り続けて30分。
「「「ハァ、ハァ、ハァッ...」」」
疲れたよ...さすがに30分走るのは身体中に堪える。でも、何とか役所についた。
「ね、ねぇ...ちょっと休憩しない?」
まどかが少し勘弁してくれ、と言った目でこちらを見る。
「足がつるとこだった...」
「ご、ごめんね...。」
ネスも疲労困憊みたい。流石に迷惑すぎたので頭を下げる。...休憩をとった方がよさそう。
近くにベンチがあったのでそこに腰かける。その近くには...
「ん?これは自動販売機!?まさかこんなところにあるなんて思わなかったな...。」
ネスがそう驚きの声をあげた。この国には驚かされてばかり。僕たちの国の生活と遜色ないレベルで変わらないみたいだ。
「何飲む?」
「$や円が使えるのか?」
「使えないみたいだよ?」
僕とネスとまどかはそう言い合う。さすがに機械相手には別世界の通貨は通用しないかぁ。
僕たちは諦めて、十五分程ベンチで休んだ。
どれ程時間が経ったんだろう。さすがにこの国の戸籍を得る、となると様々な手続きを要するみたいだ。
僕はあまりこのような手続きの場面は得意じゃないから、ネスが色々やっている。
特定の地区の戸籍表に名前が載るだけじゃない。それは名義上はこの国の国民になることを意味している。(僕たちにとっては旅の拠点としての意味合いが強いけど)それにこの国のルールや様々な仕組みについても説明なんかがあると思うし...
一時間程で手続きが終わった。これで捕まることなくやるべきことをやれる。
「どうする?まどか、ネス?」
「迷宮を皆しておすすめしてたよね。いってみる?」
「うーん...一回帰って工事の進捗状況を見に行く、とか?」
「いやここは...」
やいのやいのと話し合いが加速して行く...と思いきや。
「「「\グゥゥゥゥゥゥ.../」」」
腹がなる音と共に話し合いムードがガラガラと瓦解した。
「...ご飯、食べよっか。」
「「ハハハ...。」
まどかの声でやることが決まった。因みに現時刻は5時半。これだけ歩き回ればそりゃお腹は空くよね。
やって来たのは役所から歩いて十五分の人が疎らなレストラン。
店名は『気ままなそよ風』だった気がする。
店長は洋食と中華が得意らしく、メニュー表にはそういった定番メニューから、少し高級感溢れる物まである。
そんなわけで僕たちが頼んだ物は...
「店長の気まぐれパイと気まぐれキッシュで!」
「シーザーサラダとささ身フライ、あと苺豆腐をお願いします。」
「ビーフ100%ハンバーグセットで。それとみんなにお冷やをよろしくお願いします。」
という注文内容だった。総額、銅貨50枚。日本円にして5000円、$50。これによりネスの残り残金は$650。(僕とまどかはお金を持っていないんだ。)
そして...
「久しぶりの美味しいご飯だぁぁぁ!」
「こんなにまともな食事は久しぶり...!」
「良かったね、二人とも。...僕はテンペストの近くにいたから、すぐに美味しいご飯にありつけたけど...って、フリスクさんにまどかさん?何を冷めた目でこちらを...?」
「僕たちは魔物やを追い払ってようやくここまできたんだ。それまではね...」
「手持ちのカロリーメイトや海茶、杏子ちゃんから貰ったままになってたお菓子だけで食い繋いでいたんだよ?結構ひもじい思いをしていた私たちの気持ち...」
「「この気持ち、分かります?」」
「...なんかすいませんでした。口が滑ってしまって。」
ネスは土下座も辞さないような顔つきでそう言った。
ま、あまり気にして無いんだけど。
それ以上に...
「この国でバタースコッチパイが食べられるなんて、思わなかったなぁ...。」
トリエル母さんがいつも作ってくれたバタースコッチパイ。味は母さんが作ってくれた物とは少し違うけど、やっぱり、美味しい。
...ああ、会いたいな。
...いや、会うんだ。絶対に。
時刻は6時を回っていた。
それから僕たちはきた道を戻り、家が建つ場所に帰って来た。そこには...
「これは...」
「凄い...」
「立派だ...」
本当にたったこれだけの時間で家を完成させるなんて、凄い以外に何と言えばいいのか。
「御三方、どうぞ入って下せぇ!」
大工の棟梁さんがそう言って中に入るように言った。
中はとても明るい感じに仕上がっていた。そもそもの木が、明るい木目の物を使っているみたい。
水道、キッチン、トイレスペース、風呂が完備されている。二階立てで、二階が寝室として設計したようだ。
「ありがとうございました!すみません、僕たちみたいな子供に、こんなことに付き合わせてしまって...」
「いいってことよ!気にすんな、少年!」
そう言って棟梁はガハハと豪快に笑った。
家具はさすがに置いていなかったが、ベットはあった。三人分。
「今日一日で、色々あったね...」
「うん。この世界に来てから驚いてばかりだよ。」
「今日はもう寝よう。色々あったし疲れたぁ...」
現時刻は午後7時。しかし僕たちはもう寝ることにした。というか疲れて考える気力も無くなったんだ。
...お休みなさい。
...あれ?何か重要なことを忘れているような...?
一方その頃フリスクたちが「泊まっていた」ホテルでは...
「お客様三名様が行方不明です!一体どちらへっ...!」
「急いで警察に連絡を!手遅れになる前に、早く!!」
「お客様方-っ!居られますか-っ!!」
このような大騒ぎになっていた。
その後、フリスクたちは警察に厳重注意を食らい、ホテルから迷惑料として銀貨5枚を取られ、(日本円にして五万円、$500程)ネスの残金が残り、$150となったのだった。
「「ナンテコッタイ...」」
「あ、あはは...ドンマイ?」
まどかとしてはそれぐらいしかかける言葉が見つからない。
早朝5時にいきなり罰金と厳重注意を食らい現在午前6時半。
食事は家近くの小さなレストランで済ませた。(この過程でネスの残金残り$125。)
僕は今のこの状況を非常にヤバいと感じた。それは他二名も感じていることみたい。
「$125じゃ、家具が一切買えやしないじゃないか!買えるのは精々...」
「食料、調味料、調理器具とかかな...?」
ネスとまどかがそう嘆き、首をガクリと落とす。
「何とかしてお金を稼がないと...うん?」
「フリスク...?」
「何かいい案でもあるのかい?」
まどかとネスがそう聞いてくる。その答えとして今僕が考えていたのは...
「
「当ては...?」
ネスの問いに、僕は意見を述べる。
「迷宮って皆がおすすめしてたよね?ここまでおすすめするからには、何か凄いものでもあるかも知れない!」
「でも、景品がお金関係とは限らないよ。それにこの世界のことだから...」
「戦う羽目になるかも知れない。もしかしたら死ぬかも知れない。フリスク、君はそれでも行くのかい?」
「行かないよりかは行ってみた方がいいよ、絶対に。」
彼らの懸念は分かるんだ。この世界がまさしく「殺るか、殺られるか」の世界であるのは間違いない。僕の世界でのやり方が全く通用しない世界であることも。それでも、やっぱり行かなきゃ始まらないと思うんだ。
「...分かった。それじゃまず買い出しに出かけますか!」
ネスの一声でこの案件の決定が決まった。今はまだこの世界での生活は波乱続きだ。だけどやるべきことの為に、この世界を元に戻す為に頑張らないと。
僕たちの生活と旅はまだまだ始まったばかりなんだから。
ステータス
個体名 ネス(登場 MOTHER2ギーグの逆襲、大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ)
種族 人間
職業 超能力者(暫定 原石Level5・・・Levelとは、どこかの異界に存在すると言われる超能力機関によっえ決められた能力の強さの指標。)何かしらの要因で魔法とも違う攻撃を行える。扱える武器には個人差があり、ネスはバット・ヨーヨーを扱う。(恐らく斧も扱えるかもしれない)能力名は不明。
称号 超能力の少年
加護 博愛の紋章
魔法 なし
ユニークスキル『
地脈操作・・・地面に流れるエネルギーを操作できる。思いがけぬ力を発揮できる。
守護・・・防御力を大いに高める。盾として優秀な力。
代役・・・誰かが受けた痛みやダメージを肩代わりできる。
耐性 物理攻撃耐性、自然影響耐性、聖魔攻撃耐性
プロフィール
ある世界にある、イーグルランドの町オネット郊外に住む少年。生まれつきで超能力を扱うことができ、学校でも人気者だったようだ。野球とヨーヨーを趣味とし友達も多い。ある日未来からの使者ブンブーンによってお告げが下され、それを機に旅をはじめ最終的に仲間四人と共に宇宙人の親玉、ギーグを倒すことに成功した。性格は好奇心旺盛で積極的に行動するが、やや腹黒い。だが、確かな優しさも兼ね備える強い少年。
ども、星の塵です。
今回もCross Worldを読んで下さり、ありがとうございます。
今章はPixiv版の第十二章、第十三章、第一四章をまとめたものとなります。内容には大きく違いはありません。
そして今回の新キャラは『MOTHER2』よりネスです!スマブラで知った方も多いのではないでしょうか。彼の超能力はフリスクの旅にどのような影響を与えるのか、是非楽しみにしておいて下さい。
今回は短いですが、ここであとがきを締めと致しましょう。
今回もCross Worldを最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました!今章はいかがでしたでしょうか?是非是非忌憚無き目で評価や感想をお寄せ下さい。
そして、イレブンやフリスク、その仲間たちが皆様の決意を満たし続け、皆様の心に留まり続けることを切に願い。
今回はここで、指と言う名の筆を置かせて頂きます。
皆様本当にありがとうございました!次回もお楽しみに!
あ、最後にメイン作品の時系列を紹介しておきます!
ドラクエ11・・・ストーリー終了、大乱闘参加を経て一年後
FF4・・・TAストーリー終了の一年後
ファイアーエムブレム覚醒・・・ストーリー終了、その後に立て続けに起きた異界の軍の侵攻や、大乱闘参加を経て一年半後
Undertale・・・真Pルート終了の二年後
魔法少女まどか☆マギカ・・・アニメストーリー終了、その直後
MOTHER2・・・ストーリー終了、大乱闘参加を経て二年後
東方・・・ニコニコRPGの関係上、永夜抄ストーリー終了の一年後
転生したらスライムだった件・・・書籍版の設定を前提に、ストーリー終了の二年後
ニコニコRPG・・・MV版、テラカオス討伐までのストーリー終了の二年後(内部作品についてはある程度揃い次第紹介する。)