笑わない妹と夢見る頂点へ   作:イチゴ侍

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恋する幼馴染と俺

 

 

「ありがとうございましたーっ」

 

アタシはただ今、コンビニでバイト中である。今日も今日とて、来る客来る客を次々と捌いていき既に昼近くまで時間が過ぎていた。

 

「しゃーした〜」

「ったく……そのテキトーな挨拶何とかしたら、モカ」

「バレなきゃはんざいじゃないですよー」

「そういう問題かな……」

 

この子、青葉(あおば)モカはアタシと同じく、ここでバイトしてる子である。見た目は……銀髪ショートヘアで、のほほんとした雰囲気が特徴かな。

 

「リサさーん。暇ですね〜」

「そりゃ、さっきからアタシのレジばっか人が来てるからね〜なんでかな〜」

「これはー多分、妖怪のしわz……」

「タイミングを見計らってレジを離れてたのは誰だったっけな〜 」

「おおーモカちゃんの思惑に気づくとは……リサさん、さすがです」

 

まぁ、モカはこんな感じの子だ。Roseliaには絶対にいないような感じで、一緒に話してて退屈しない……かも。それにモカは、アタシと同じくバンドをやってて、しかも幼なじみだけで作られたとか……モカは、興味のないものとあるもの がはっきりしてると思う。 興味のある事にはとことん尽くすタイプかもしれないかも。同じ意味合いで言ったら、一途……とか。

 

「一途……か」

 

もしかして凄い尽くしてくれるような女の子が男の人は好きなのかな……秋也さんはどうなんだろ……。

 

「リサさん、それですよー」

考えにふけっているところに、突然声をかけられビクッとした。

 

「そ、それ?それって何のこと」

「今日のリサさんがお客さん(ほぼ男)を引き寄せてる原因の事ですよ〜」

 

これが漫画だったらアタシの頭の上に『?』ってたくさん出てる気がする……。確かに今日はいつにも増して、アタシの方のレジに人がたくさん来てるけど、それはモカがレジを離れてるせいであって……、

 

「あ、もしかしてなんか声に出してた?」

「いいえ、なんにも声に出してませんよー」

「……え、それじゃ何が原因なの」

 

するとモカは、うーん、と考え始め何だか難しい顔をしている。

……てか、アタシ達普通にバイト中に無駄話挟んじゃってるよ……店長見てない……よね?あ、あそこでイチゴオレと睨めっこしてた。

「うーん……はっ」

「…………で、どうなの?モカ」

 

お客さん一人を捌けるほど時間が経った。

「ずはり、オーラですよー」

「お、オーラ?雰囲気ってこと?」

「そうですね。朝から時々ですけど、リサさんから謎の幸せオーラが出てるんです」

「え〜 アタシ別に嬉しい事なんて何にも────」

「まるで恋する乙女みたいですねー」

「……っ!?」

 

思わず変な声を出すところだった……出てないよね?そういえば確かに、レジ打ちしてる間も「秋也さん何してるかな」とか「お出かけの約束忘れてないかな」とか「あ、何着ていこう……」とか思い出せば出すほど、秋也さんの事考えてたかも……。

 

「おやー?もしかしてモカちゃん名推理でしたか 」

「うぅ……隠してもしょうがないか、当たってるよ。でもさ、それとお客さんがたくさん来る事に関係するの?」

「うーん、どうでしょうー。あ、しゃいませー。2点で260円になりまーす。したー」

 

……話を逸らされちゃった。でも、前にどこかで見た気がする。恋する乙女はより一層、魅力的に見えるって、そういう事なのかな? 恋しちゃってるアタシは、秋也さんに魅力的に見られてるのかな〜?そうだったらいいな〜なんて、にゃははー。

 

「これ、お願いします」

「いらっしゃいませ!こちら全部で825円になります」

 

秋也さんの事を考えていると、異様に頑張れる気になってきた。

「おおーリサさん凄いやる気ですねーそれじゃ、あたしはきゅうけi────」

「モカ〜逃げるな〜 」

「……だめかー」

 

もう少しだけ、頑張ろうっかな〜。ふふっ、アタシをこれだけやる気にしてるんだから、秋也さんにも頑張ってもらわなきゃだな。

……って、頑張るのはアタシの方か。そういえば友希那、ちゃんと秋也さんに伝えてるかな?はぁ……友希那も一緒に……って言っちゃったもんな。いきなり秋也さんと2人は無理だったや……。

 

 

 

 

「────ハックション!」

「……? 兄さん風邪?」

「……どこかで俺の噂でもしてるのか……」

「何か言った?」

「いや、何でもないぞ」

 

昼頃から行きつけのデパートで、兄妹デートを満喫中の俺たち。今日はなんと友希那からの誘いだったのだが、その目的というのは何を隠そう……水着だった。

俺も疑問に思ったぞ。あの友希那がまさか自分から水着を買いたいなどと言うとは……って。しかし俺も何だかんだで兄妹デートが楽しすぎてそんな疑問も薄れかけてきたところだった。

「それで、俺まだ水着を買う理由を聞いてないんだが……」

「兄さん聞いてないの?」

「へっ……」

 

え、なに 急に南国の島に行こうとかそういう……それとも女っ気のない(あるにはある)俺のために水着姿を見せてあげようという妹の心優しい配慮……だったりして、

 

「その様子だと本当に知らないみたいね」

「へ、へい……」

「今週の日曜日に私と兄さんとリサでプールに行こうって、リサから」

「……は、はああああああああああっ!?」

 

それは俺を驚愕させるには充分なほど、驚きの発表だった。

 

「てか、日曜日って明日じゃん!?」

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