笑わない妹と夢見る頂点へ   作:イチゴ侍

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妹と幼馴染と俺

 

 

さて、質問だ。人が自室のベッドの上で起きて最初に見るものとは何だろうか?

この質問に天井と答えた君、君は間違ってはいない。しかし皆が皆、仰向けで寝るだろうか 人によっては、横向けだったり、うつ伏せだったり、布団の中で目を覚ます人だっているだろう。 例えば俺は、横向けで寝る。そんな俺が最初に見るもの、それは……、

「……にゃ……ん」

 

妹である。ここ最近なのだが、妹の友希那が俺のベッドに潜り込んでくることがある。ちなみにいつぞや見せてくれた黒猫パジャマ も着ている。

もちろん、鬱陶しいと思っているわけじゃないし、むしろwelcomeだし可愛い寝顔を見ながら頭なでなでも出来て、まさに一石二鳥……なのだが、うちのツンツンデッレデレな愛しの妹が、こんなに擦り寄ってくる理由が分からない。冬ならば寒いという理由が思い当たるが、今は夏真っ盛りだ。わざわざ暑いところに来る奴はいないだろう。

 

「すぅ……」

「……おーい、友希那〜」

 

うーん、どうしたもんか……。本人から聞こうと思っても、こんなに気持ちよさそうに寝てる妹を起こせるわけがない。かと言って、起こさずにここを離れることも出来ない。なぜかって?片腕を抱き枕にされてるからな!そりゃもう、がっちりと抱きつかれてますよええ。これはもしかしなくても寂しかったりして……?それで抱きつき……っ て、流石にそれは思い込みが激しいか。

それにしても流石にこのままだと体操の時間に遅刻してしまう。よし、ここは心苦しいが起こそう。

 

「おーい、友希那さーん!朝ですよー!」

 

サラサラした銀髪をゆっくり撫でながら、声をかけてみる。しかし、返事がない。ただのしかばn……。

 

「早く起きないとラ○オ体操に間に合わなくなるぞ〜おき────」

「……おにい……ちゃ……ん……」

 

……。

 

…………。

 

………………っ?!?!

 

「あなたたち〜早く起きなさいよ〜……って、あらあら仲いいわねぇ〜」

「か、母さん こ、これはだねぇ……」

「たっぷり堪能したら起きてくるのよ〜」

「ま、待ってくれー!」

 

────バタンッ!!助けを求めようとしたのだが、母さんはすぐさま部屋のドアを閉めて、行ってしまった。何やら上機嫌で出ていった気がするが……。

その後、友希那が起きたのはすぐの事だった。さっきのは寝言だったため、羞恥に悶えているのは俺だけというなんと まぁ、ある一種の拷問を受けたのだった。

あ……体操間に合わなかった。

 

 

 

 

朝食を終え荷物を持ち家を出ると、家の前でリサが待っていた。

 

「あっ、きたきた!おーい2人とも〜」

「おはよリサ」

「お、おはよう……リサ」

 

何となく目を合わせにくい……。多分あっちはそんなこと思ってないんだろうけど……そう思ってリサを横目で見ると、少し頬を赤らめていた。

 

「お、おはよ……友希那、それと秋也さん……」

 

リサの服装は、花柄のワンピースで清楚さを引き立たせていた。通気性の良いようで、随分と露出部分が多いから目のやり場に困る。

 

「……」

「……」

 

や、やばい。つい無言になってしまった。こういう時って服装とか褒めなきゃダメだよな……男なら。

「リ、リサ!」

「な、何?」

「その……その服、似合ってるな」

「……あ、ありがとう……あはは、照れるなぁ〜。ほ、ほら!早く行かなきゃ混んじゃうよ」

 

そう言うとリサは、早々に先に行ってしまった。俺と友希那もそれに続いて歩く。

 

「ねぇ、兄さん」

「ん、どした」

「手」

「手 あぁなるほどね。ほら」

 

友希那が手を繋ごうと差し出してきたので、俺もそれに応える。妹の頼み事は何であれ聞くのが俺のポリシーだからな。

 

「リサ」

「んー?どうしたの友希那」

「手」

「へっ……? 手?」

 

俺にやったことを友希那は、リサにもやっていた。しかし普通は手、とだけ言われてわかるわけが無い。どういう意味かわからない様子のリサは、俺と友希那を交互に見やり意味がわかったようだ。

 

「もしかして手、繋ごって事?」

「リサが嫌ならいいけども……」

「嫌じゃないけどさ、むふふ〜友希那ー今日はやけに甘え坊だねぇ〜」

「べ、別に……ただはぐれたりしないようにと思っただけで……」

「ほほーん、こんな人気のない住宅街でね〜ま、いっか」

 

友希那よ……その理屈はここでは全く意味を成さないぞ。それにしてもこれはどういう状況だ……。真ん中に友希那がいて、その両端に俺とリサ。これじゃまるで家族みたいじゃないか。っ……てことは俺達の子供が友希那ってか?悪くない────、

 

「兄さん、今なにか変なこと考えてなかった?」

す、鋭い……。

「い、いえ 何も考えてなどおりません!」

「そうやって変にかしこまって否定する時、兄さんは大抵嘘をついてる」

「……っ」

 

こ、この子……おそろしい子……。

 

「あははっ、秋也さんバレバレだねぇ〜」

「おかしい……いつの間にそんな癖が付いてたのか……」

「私は兄さんの妹だから」

「これじゃ秋也さん、友希那に一生嘘つけないね。精々頑張りたまえ〜」

「くっ……リサめぇ、後で覚えておれよ……」

 

俺達は、懐かしい雰囲気の中、仲良く手を繋ぎ並んで歩いていた。今日一日、とても疲れる日になる。そんな気がしながらも……。

 

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