笑わない妹と夢見る頂点へ   作:イチゴ侍

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FUTURE WORLD FES編
可愛い妹と俺


 

 

 ────ラ○オ体操第二〜! 

 新しい朝が来た。唐突だが、俺には妹がいる。とても兄思いのいい子で、俺と一緒に朝起きてラジ○体操にまで付き合ってくれるとてもいい妹だ。 この時間はとても至福の時間だ。それはいつも目にできない妹の運動する姿が拝めるからだ。俺が最後に見た運動する姿は、小学校低学年の運動会以来だ。

 あの時、かけっこで2位を勝ち取った! と、無邪気に喜んで俺の元に飛び込んできた妹が懐かしい。今ではすっかりツンデレ、いやクーデレが付着してしまったが、それでも可愛い。

 体操でぴょんぴょん跳ねるやつがある。あれは最高の時間だ。マリ○で言うところのハイパー無敵時間だ。うちの妹は跳ねるだけで可愛い。サラサラの銀髪は少し寝癖でぴょんと跳ねている。

 小動物のようにぴょんぴょん跳ねる妹を見て喜ぶ奴は、俺以外にもいる。今も俺たち2人の後ろに位置し、顔を綻ばせて眺めているであろう幼馴染み……兼、彼女だ。

 

 案の定、俺が後ろを振り向くと「はぁ〜ん友希那可愛いなー! なんか頑張って跳ねててめちゃくちゃ可愛いよぉ〜 」とでも言っているかのような表情をしていた。

 

 リサとの関係だが、付き合い始めたとはいえ、何かが変わったかと言うとそこまで変化は無かった。

 ……まぁ、二人の時は……うん。色々とね。

 

 友希那を観察しているだけで体操はすぐに終わる。既に夏休みの子供たちがスタンプを貰いに向かっている。俺たち大人は動くだけ動いて帰る。人はこれをヤり逃げという。

 

「兄さん、帰りましょ」

「りょーかい」

 もちろん俺たちも帰って朝ごはんにするが、その前に俺はリサの元に行く。ある物のために。

 

「────リサ、今日もバッチリか?」

「バッチリだよ〜。でも後ろ姿だけだけどね」

「十分だ。横からの姿は俺が脳内保存してるから 」

「流石、兄の特権はすごいな〜。後で送っておくね"体操する友希那の後ろ姿"」

「おう! 頼んだ」

 

 これは言わば賄賂だ。俺が手に入れられない友希那の姿をリサに貰い。俺はその対価としてリサが手に入らない友希那の姿を渡す。まさにwin│winな友好関係を築いている。これこそが、俺たち"友希那ファンクラブ(仮)"の活動内容である。

 

「ところで……」

「ん?」

「……友希那だけじゃなくて、アタシのもあるんだけどなー?」

「な……」

 

 チラッとだけ見えたリサの画像フォルダ。そこには鏡の前で撮ったであろうリサの自撮りがあった。

 

 ────下着だよな。

 

 

「ふっふーん♪ それじゃアタシは戻るね〜。秋也さん、友希那ばいばーい」

「ねぇ、兄さん」

「ん どした」

「何話してたの?」

「……た、ただの自慢話だよ」

「……」

 

 リサの一件はともかくとしてだ────友希那本人に決して知られてはいけない。これはファンクラブ規則第1条に載っている。ちなみに会員は俺とリサのみ。友希那の良さ、偉い人にはそれが分からんのですよ。

 

 こうして俺たちの朝は始まる。

 

 

 ◇

 

 

 体操から戻ってきた俺たちは、朝食を取っていた。運動の後の飯は別格だ。そんな食事の中でも会話は忘れない。

 

 

「今日は何しよっかな〜」

「確か練習は無かったはず。やることが無い……」

「友希那にとって夏休みは窮屈だろうな」

 

 ミナトユキナ、歌姫ポ○モン、普段は同じバンド仲間と練習をしているが、長期休みになると、予定が合わなくなるため暇をするようになる。無類の猫好き。 さながら某ポケ○ン図鑑のように説明したが、先日、見事に夏フェスで成功を収めた我らRoselia。反響も良く、知名度もかなり上がりまくり、今やサングラス掛けた人が司会の音楽番組にも出られるレベルだと思う。 そろそろどこからか出演オファーが来てもいい頃だろう。そのために練習! と言いたいところだが、今日はメンバー各自予定があるため、練習しようにも個人練習にしかならない。

 

 

「あこは"おねーちゃんとショッピング〜♪"だし、燐子は……あやつ絶対アプリゲームのイベントに力入れてるだろうし」

 

 確か「夏イベ……復刻じゃない、第二弾が来るんです……配布の子が欲しくて……」とか言ってたっけな。俺の地獄絵図のガチャ結果見せてやろうかな。いや、やめとこ。大人げなかった。

 

 

「それで、リサはバイトで、紗夜に関しては日菜ちゃんに拉致されたみたいだし」

 

 決してヤンデレ的な拉致じゃないし、犯罪でもない。あれ以来仲も良くなったようで今日は妹に連れられ動物園に行かれたご様子だ。紗夜のイメージに合わねぇ〜とか思ってたら背筋が凍った。何故だろう。

 

 

「見事にみんな予定入ってるんだな。かと言って友希那に個人練習がいるかと言うと、無いんだよな……」

「喉のケアと体調管理にだけ気を使っていれば問題ないわ」

「だよな〜」

 

 ならばほかの事をすればいいだろう。と思うかもしれないが、友希那はこう見えて音楽バカ。音楽にステータス全振りしている音楽脳筋だ。他の趣味をしようにもそれが無い。 友希那は"音楽に全てを賭けちゃった先生"なのだ。そのため、こうしてやる事が見つからない。

 

 

「ちなみに夏休みの宿題は……」

「全部終わってる」

「知ってた。うーん本気でやる事ないぞ」

 

 しかし、そのままにするのは兄として腐っている。そんな時、漫画みたいに俺の頭の斜め上辺りに電球が現れ、光が灯った。

 

 

「なら、いつものあそこ行くか!」

「……っ! 準備してくるわ」

「ゆっくりでいいぞ〜」

 

 きっとRoseliaの友希那しか知らない奴は分からないだろう。友希那ファンの方々は必見! プレゼントには猫物を渡せばいい。さすれば我が妹はデレる。させないけどな。

 "いつものあそこ"だけで分かる友希那も流石だと思う。さっきプレゼントには猫物がいいと言ったな 俺はかなりの 頻度でプレゼントを渡しているのさ あるカフェへ連れていくというプレゼントをな。これだけで俺は最強の友希那ファンという称号を貰える自信がある。兄補正があるけどな。

 

 

「あ、友希那〜? 今日のにゃんこは……」

「実物を見るからいい」

「さいですか」

 

 今日はどんな服を着てくるのかな、なんて心踊りながら食器洗剤をスポンジで泡立て、キュッキュッ!と鳴るまで擦る。 食器洗浄機が欲しいです。

 

「兄さん、相談なんだけど……」

「お、なんだ? なんかあった……か」

 

 着替え終わって、そのまま降りてきたのだと俺は錯覚していた。振り向いた先にあったのは、驚愕の光景、現世にピカソが蘇ったのかと思ってしまうほどの作品、いや────芸術だった。

 黒い大人の下着付けちゃって……妹も大人の階段登ってるんだな。レースの下着付けてとか言ったら……無理だな。嫌われること間違いなし、でも見たいんだなこれが。しかし何故、何も着ないで降りてきたのだろうか、遂に裸体族か? 

 

「着るのが無い」

「ごめん、お兄さん洗濯したままだったよ」

 

 この後、最先端の乾燥機で乾かしました。

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