「………一時停止ね……」
「はい、基本的といいますか主に
僕の存在感を消して、あと僕という記憶を消すんです
正確には消すというか「止める」なんですが」
「そうよね、消すというなら死んじゃうものね」
「いえ、死にはしません
ただ一生一人ぼっちになるだけです」
警備員が来る前に廃墟と化したカフェテラスを離れ
ファミレスで再びお茶を始めた
そこで食蜂が知りたがっていた
時崎の能力を話したのだが
「だけど反則的な能力よね
姿を消す、攻撃を止める、能力を止める
完全に暗殺向けの能力よそれはあ☆」
「そんなことには使いません」
「まぁいいわ
で、一方通行を探しているのよね
どうして探しているのかしら??
学園都市第一位、level5の一方通行に」
「友達なので会いに来ました」
すると流石というか女の子だからというか
とにかくあの食蜂が飲んでいた紅茶を吹き出した
間一髪正面にいた時崎にはかからなかったが
まさかあの第一位に会いに来た理由が
「それって貴方の勘違いとかじゃないわよね」
「失礼です、ちゃんとした友達です」
「それならそれで…面白いわあ☆」
「??」
どこに笑う要素があったのかと
キョトンした表情をしている時崎と
頬を少し膨らませながら笑いを堪えている食蜂
学園都市第一位
誰とも群れず一人のイメージが強い
それが「友達」なんて…
「これをネタに…ってことは出来ないわね
まぁ面白いことを聞けたし満足かしら」
「すみませんが僕からも
教えてほしいことがあるんですが」
「いいわよ、なにかしら??」
「いまあーくん、いえ一方通行はどこにいるんですか??」
「私の能力を使えば簡単だけど
まだ使えそうにないしね」
「そうですか」
すると時崎は徐に立ち上がり
食蜂に一礼をして離れようとした
「どこにいくつもりなの??」
「分かりません。
でも立ち止まっていたらなにも始まりませんから」
「そう、なら止めないけど」
食蜂もまたあっさりと引いた
時崎に興味があったのは能力だけであり
本人にはさして興味はない
ちょっと不意打ちを喰らったが問題ない
これ以上付き合う必要性もない
立ち去っていく時崎を見送ることもなく
飲みかけの紅茶を飲みながら一息をつく
「すみません」
「ひゃっ!!!!な、な、なによ!!!
どっかにいったんじゃないの!!!!!」
一息をついたと思いきや
幽霊が現れたように突然に姿を表せ声をかけてくる
これほど驚いたこともなかなかないだろう
……そういえばついさっきもあったが、
「行こうと思ったんですが
やり残したことがありまして」
「で、そのやり残したことって……」
またしても不意打ちを喰らった
だってさっきの行動も能力を止めるためだったから
それは仕方ないと自分に言い聞かせた
なのに、なのに、なのに、なのに!!!!
「!!!!!!!??」
どうしていきなり手を握ってくるのよ!!!
それも私の両手を優しく両手で包んでくる
もうはっきりと分かる
絶対にいま顔が真っ赤になっていると
そんなことを分かっているのかいないのか
表情を変えずに時崎はジッと見ながら
「お友達になりませんか??」
「ひゃっ、ひゃい!!!?」
「学園都市にはあー君に会いに来ましたが
それとは別にお友達を作れたらと思ってました
僕は食蜂さんならこれから先もずっと
いいお友達でいられると思いました」
(これから先も…ずっとって!!!!
えっ!ちょっと!待って!!それって!!!)
普段の食蜂ならきちんと会話を聞いていただろう
ちゃんと頭で理解して冷静に答えを出せただろう
だけど至近距離で暫くの間見つめられ
さらに優しく両手で手を握られて
またジッと自分を見られたまま
「これから先もずっと」と都合のいい部分だけが
もうはっきりと耳に入り心に揺さぶられたら
「食蜂 操祈さん、僕とお友達に」
「なります!!よろしくお願いします!!!!!!」
もう、断るなんてあり得ない!!!
「良かったです
これでお友達が二人になりました」
「それって女の子は私が初めて…」
「そうですねガールフレンドです」
「ガ、ガ、ガ、ガールフレンド!!!!!!」
これはもう完全に勘違いしている
時崎がいうガールフレンドは「女友達」
そして食蜂のいうガールフレンドは「彼女」
もう真っ赤を通り越して
嬉しさのあまり顔がゆるゆるになっている
「そうです、連絡を交換しませんか??」
「そ、そうね
ガールフレンドなら当然よねえ☆」
なるべく平然を装うとするが
きっと表情は他の人には見せられないだろう
それだけもうこの人に夢中なんだろう
携帯を取りだしお互いの連絡を交換
「すみませんが今日はここで失礼します
一日でも早くあーくんに会いたいですから」
「わ、わかったわ…
……連絡してもいい??」
「いいですよ
僕からも食蜂さんに……」
「操祈!!!!」
その声にビックリしている時崎
食蜂自身も驚いているようだ
女の子がこんな風に大声を出すのは恥ずかしいが
でも、全然恥ずかしくない、むしろ…
「操祈、と呼んでください」
「分かりました
それでは操祈さん、また」
「はい、また時崎さん」
「だから妹達の話はどこにいったのよ!!!!!!」
「もう、うるさいんだぞお☆
そのあと帰り際に時崎さんにメールで
第一位が実験をしている場所を教えたのよ」
「だから妹達は」
「……………てへぇ☆」
「よ~し、その脳みそに電撃をぶっ放してやる!!!!」
「うるせェな
ならその後話は俺がしてやるよ
だから黙りやがれェ」
「そうですよお姉様
いま一方通行とポッキーゲームを
しようと構えていたんですから
と、ミサカは早く早くとポッキーを
ぷるぷると動かしながら可愛さをアピールします」
「よし、テメェも黙れ」
「本当に賑やかねえ☆」
こんな風に心から楽しいと思うなんて
昔じゃあり得なかった
それが時崎さんと出会って変わった
ううん、まだこれからも分かるかもねえ☆