「少しいいかな?」
黒いサングラス
その男が声をかけてきたことから「ソレ」は始まった
いやすでに始まっていたが
一方通行にとっては「ソレ」が始まりだった
「どこの研究所の使いだ?」
「……なぜそう思う?」
「俺に近づいてくるヤツなンざ
俺を研究して甘い汁吸おうって輩か」
一方通行の足元回りには
スキルアウトなのか、不良なのか、
ただ一方通行に勝負挑みやられたのは分かる
「学園都市トップの座を狙って突っかかってくる
バカと決まってるからな」
「なるほど」
「ま、どっちもくだらねェて意味じゃ
大差ねェけどよ」
すると倒れていた一人が気がついたようで
破壊された道路の欠片を手に取り
「チョーシのって余裕かましてんじゃねぇぞ
テメ―――――――――ッ!!」
思いっきり一方通行に投げたのだが
何故かその欠片がその男の顔面に直撃
悲鳴を出すこともなくその場に崩れた
「ワリィワリィ
言ってなかったっけなァ
デフォじゃ゙反射゙に設定してあンだよ」
『絶対能力進化(レベル6シフト)?』
「ああ、ここでは詳しいことは話せないが
『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』
お墨付きの実験だ」
ビニール袋に大量のコーヒー缶
それを持ち歩きながらその後ろを
先程のサングラスの男が追いかけてくる
「はン、興味ねェな
俺は学園都市の第一位
ようは世界の頂点って事だ
誰であろうと何をしようと俺に勝てる奴はいねェ
今より強くなったからってそれが何だってンだ」
「そうだな
確かに君は『最強』の能力者だ」
サングラスの男は立ち止まり
そのサングラスに手をかけこう言った
「だが『最強』どまりでは
君の取り巻く環境はずっとそのままなのだろうね」
睨み付けるように一方通行はサングラスの男をみる
しかしなにもなかったように男は話を続ける
「『最強』の先
『絶対能力(レベル6)』は
君の生活に変化を齎すかも……」
「何がいいてェ」
「いやいや深い意味はないさ
今日の所はこのくらいで
君が更なる高みを目指す気になったらまた……」
………………………………
「ククッ
国際法で禁止されてる
人間のクローンを大量生産たァ
ハナからまともな実験じゃねェンだろうとは
思っていたが
オマエラ
イイ感じに頭のネジ飛ンじゃねェか」
ある研究所
一方通行と複数の研究者
そしてその一方通行の背後には培養液に浸かった
大量のクローンがそこに……
「元は別の計画で使われる予定だったモノだかね
色々あってこっちに流用することになった
これを見て、それでもなお
『無敵(レベル6)』を望むかね?」
…………………………
「……アァ、分かッた今行く」
ダルそうな声で会話を終え携帯を閉じ
飲み終えたコーヒー缶を投げ飛ばす
普通の投げるならまだいいが
一方通行の投げるはベクトルを操作し
倍以上のスピードでコーヒー缶が飛ぶ
そして、それは今日も今日で
一方通行に戦いを挑み負け逃げていく男に向けられ
コーヒー缶はその男の背中に激突
嗚咽を吐きながら無様に道路の上を転がる
「良かッたな、テメェらついてるぜェ」
いつもなら2度と向かってこないように
徹底的に痛め付けるのだが
先程の電話は「絶対能力進化」の実験について
それもいまからその実験を始めるようだ
絶対能力進化実験
樹形図の設計者の算出したプランに従い、
最強の超能力者一方通行を
絶対能力者(レベル6)へ進化させる実験。
実験内容は「20000通りの戦闘環境で
量産能力者(レディオノイズ)を20000回殺害する」
というとても正気の沙汰とは思えない内容
そしてその実験の相手は
あの第三位、超電磁砲のクローン
同じレベル5と戦うなんて
いま転がっている奴等と比べればゴミ当然
初めから興味もなかったのだろう
なにかを言ってるようだったが無視をし
実験所に向けて歩き始めた
しかしその足を止めてしまった
聞こえたのだ、ある声が……
「やっと見つけました」
聞き覚えがあった
振り替えるとそこには「アイツ」の面影を感じさせる
覇気もなくただそこにいるだけの存在がそこにいた
「……誰だァテメェ……」
「忘れましたか、僕です」
「だから知らねェんだよ」
その言葉に傷ついたのか俯き黙りこんだ
だがそれでいい、俺には関係ねぇ
俺は「無敵(レベル6)」になるんだから
しかしすぐにその顔を上げて
「僕は覚えてます
あの日、貴方だけが僕を見つけてくれた
世界中の誰一人見つけられることのない僕を」
「そうか、それは良かッたな
で、その探していたのが俺だとしてだ
もう見つかッただ、さッさと失せろ」
しかし全然その場から動く気配がない
仕方なく一方通行は近くの車に近付き
手が車に一センチ近くで触れるところで止めた
「イイからさッさと失せろ
じェねエとテメェ死ぬぞ」
「嫌です」
その言葉に一方通行はなにも言わず
手をゆっくりと車に触れる
すると車は男に向かって走り出した
いや走り出したというより吹っ飛んだ
為す術もなくその男は車に激突
車は大破し、ガソリンが漏れている
そして大破した車からバッテリーのコードが
ブラブラと揺れており、そこにガソリンが……
「…………バカがァ……」
振り返ることもなく一方通行はその場を離れた
その瞬間、コードがガソリンに当たり車は大爆発
辺り一面に衝撃と爆音が響き渡り
そこにはいまさっきまでいた男の姿は…ない。
少しの間はこんな話が続くかも
過去話はまぁ、こんなものですよね
でも過去→未来に続く話
ようはいまの一方通行達の変わりようが
どんな風になっていくのか
特に妹達が変わっていくところがたのしみ♪