あの妹達の、絶対能力進化の事件から
もう半年以上が経った
妹達の大半が2万人の内19950人が
この日本を離れて海外の研究所にいる
もちろん時崎が立ち上げた延命人体実験により
二万人の妹達の体調は良くなり
「体に複数回負担をかけなければ
一般的な寿命まで生きる」と
樹形図の設計者の計算により導き出された
そしてより一般的な体調に戻すために
いろんな環境を体験しデータを集めて
少しでも早く普通の生活を送れるようにと。
一方通行はというと
いままで求めていたものが手に入ったことにより
なにをしたらいいのか分からなくなったようで
絡んでくる不良達を半殺しせず
気絶・恐怖を味わせるぐらいまでになり
以前より倍近くコーヒーを飲むようになった
一番変わったといえば
毎日のようにフワッと現れる時崎に頭を悩ませてる
時崎のお陰でいまのような日常を送れるが
こうもめんどくさいのが毎日毎日毎日毎日
遊びに来ましたと来られたらぶちギレる
ということでこれもほぼ毎日のように
普通なら一撃で死ぬような攻撃を喰らわせてる
まぁ、全然効いてはいないのだが
時崎からしたらジャレている程度と感じてるようだ
で、今日は七月十九日
今日もまた一方通行と遊んでいたのだが
今日は思っていたよりも時間が経ってしまった
公園でかくれんぼをしていただけなのに
「この一帯を吹ッ飛ばす前に出てきやがれエエェ!!!!」
と、何故か物騒な事を言いながら怒っていた
どうしてだろうと考えながら歩いていると
気づかない内にまだ来たこともなかった場所にいた
都市部を離れて大きな川に出たようで
その川に大きな鉄橋がかかり
夜の海のような不気味な暗闇に塗りつぶされている
そんな暗闇だからこそ時崎の力は発揮される
よりよく存在感がなくなり
いまなら一方通行といえども
見つれるのは本当に不可能だろう
と、いってもいまここには時崎だけしかいない
なので堂々と鉄橋の真ん中を
明日は何をしようかと考えながら歩いていた
しかしどうだろうか。
この鉄橋には自分一人かと思っていたのに
まさか先約がいるなんて、それも二人もいて
更にどうやら口論しているようだ
聞こえてくる声からして男子・女子であるようだが
何か聞こえてくるかぎり普通の喧嘩でないようで
「うっさい
血管に直接クスリ打って耳の穴から
脳直で電極ぶっ刺して、
そんな変人じみたことしてスプーンの
一つも曲げられないんじゃ、
ソイツは才能不足って呼ぶしかないじゃない」
「………、」
「………、」
普通の女の子からではまず聞けない言葉を
こうもサクサク聞けるなんて思っていなかった
だがこの学園都市なら話は別だろう
超能力開発を目的とした学園都市
しかし全体の六割弱は
そのスプーンを曲げられないlevel0ばかり
姿は見えないがその子はその六割は違う能力者
選ばれた人間なのだろう
そしてその言葉に反論している男の子は
その六割に含まれるlevel0なのだろう
ドンドンエスカレートする口論に
等々男の子の方が大声で
「おいおいおいおい!
年に一度の身体検査見てみろよ?
俺はレベルはゼロでお前は最高位(レベル5)だぜ!
その辺を歩いているヤツに聞いてみろよ、
どっちが上かなんて一発で分かんだろ!」
その言葉に時崎は驚いた
この暗闇の中で、存在感が無い僕を
そうも簡単に見つけたというのか……
しかしあの男の子は「その辺を歩いているヤツ」と
自分を指しているわけではない
確かに周りには誰もいないが
あの言葉はいわば比喩的なものだろう
しかしなんともタイミングの悪いことか…
さっきの言葉を言いながら周りを見渡していた
そうその時、その男の子はこちら側も見ていたのだ
気づかれたのかと思ったがすぐに口論に戻ったので
やっぱり気づいてない、見えてない
なんかこの場にいるのも気まずい感じがしたので
来た道を戻ろうとしたのだが
「ねえ、超電磁砲(レールガン)って言葉、知ってる?」
今度は女の子の言葉に驚いた
その超電磁砲、その言葉は知ってる
いや知ってるもなにも、いま最も関わりのある名前
学園都市第三位、超電磁砲、御坂 美琴
そのクローン、妹達の延命のため
自分の能力を使い「実験」をしているのだから
「理屈はリニアモーターと一緒でね、
超強力な電磁石を使って金属の砲弾を打ち出す
艦載兵器らしんだけど」
ピン、と少女は親指で
メダルコインを真上へ弾き飛ばし
ヒュンヒュンと回転するコインは
再び少女の親指に載って
「―――――こういうのを言うらしいのよね」
少年の横を何かが通りすぎた
電撃により音速の三倍で弾かれたコインは
鉄橋のアスファルトを抉り
鉄橋はその衝撃により大きく揺らいだ
30㍍先までその爪痕が残り
その傷は熱により赤く燃え上がっている
「―――――て、メェ
まさか連中追い払うのにソイツを
使ったんじゃねーだろうな………ッ!!」
「ばっかねぇ
使う相手ぐらい選ぶわよ
私だって無闇に殺人犯になりたくないもん
………って、話聞きなさいよ!!!!」
なんだからキョロキョロと周りを見渡している少年
初めはいつものようにふざけているのかと思ったが
なんだか真剣な表情で何かを探している
そしてまたこちらを見たとき
信じられないという表情でこう聞いてきた
「お、おまえ、まさか……
そこにいた「ヤツ」吹き飛ばしたのか!!!!??」
「な、なにいってるのよ!!!
誰もいなかったわよ、冗談も大概に…」
「こんな冗談いうか!!!!
おいおいおいおい、マジかよ!!!!!
あんなもん当たったら……くそがッ!!!!!!!!」
あまりにもリアルに地団駄を踏む少年に
未だに実感の湧かない少女
だって確かにそこには誰もいなかった
いなかったからこそ脅しで放っただけなのに…
冗談でいったことがまさか現実になるなんて
恐怖と罪悪感が一気に身体中を巡り
もう、立っていることさえも難しくなっている
「うそ、よ…だって…誰も……いな」
「いますよ」
「「うわあああぁぁぁぁぁッ!!!!!!!!!!」」
突然に現れた少年に二人とも驚き
御坂にいたっては腰が抜けてしまい
その場に座り込んでしまった
確かに誰もいなかったのだ、この鉄橋には
暗闇で視界が悪いので
見つけるのは難しいかもしれないが
それもさっきから電撃を使っていたので
誰かが近くにいればレーダーのように
すぐに見つかるはずなのに、全く気づかなかった
「な、何なのよあんたは!!!!」
「時崎 一です」
「いや、いま自己紹介の話じゃなくてな…
ってか、さっき上条さんの後ろにいた人だろう??
よかった…当たってなかったんだな……」
「いえ、当たりましたが」
そういって時崎が掌の中から出てきたのは
一枚のメダルコインだった
だがしかしそのコインは半分近く溶けていた
音速の三倍で打ち出されたため
空気抵抗の摩擦により鉄であるコインさえも溶かした
「当たったて…ならなんで無傷なのよ……
でもそのコイン、超電磁砲を打ったコイン……」
「……マジかよ…俺でも「あれだけ」は無理だぜ…」
「…へぇ、聞き捨てなら無いわね
他なら私の攻撃は効かないってわけ…ね!!!」
「アブねッ!!!!
そうは言ってないだろうが!!
人の話を聞けよビリビリ!!!!!」
「私は…御坂 美琴って
名前があるっていってるでしょうが!!!!!!」
そこに時崎がいなかったように
また喧嘩を始めた二人
だが時崎は驚いていた、この上条という少年に
(無意識に能力を使っていた僕を見つけた…
こんなのあー君以外にもいたなんて……
でもこの人は……あまり近づきたくない……)
なんの根拠もない
だが、直感がいっているのだ
この少年に近づけば、「災難」が訪れると…