とある科学の一時停止   作:ガイドライン

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一時停止と「ヒーロー」の二日目①《シコウ》

いま学園都市には妹達はこの五人がいるのだが

元は約20000人の妹達が学園都市にいた

理由あっていまはこの五人だけ

 

この妹達は姿、形が同じであるクローン

しかしそれは思考や想いも違う

そう、もちろんこの五人も同じである

 

 

 

 

 

 

「あの…どうしたのですか??

今日は時崎さんが来られると聞いてましたが

とミサカは雑誌を読みながら

19090号にこのネックレスはどうですかと聞きます」

 

 

「確かに可愛らしいデザインですが

私はこちらがいいと思います

とミサカはそれより占いコーナーを見たいと

お菓子へと13577号が伸ばす手を払いのけて

自分の思いをダブル主張します」

 

 

「ミサカの最後のお菓子を奪われました!!

とミサカはがっくりと肩から力が抜け

コップに入っていたジュースが溢してしまいました」

 

 

「私のスカートがジュースでびしょ濡れに!!

何してくれるんですか!ミサカの一張羅を!!!!!

とミサカはこれでは1:5デートが1:4デートに

なってしまう危機に激怒します」

 

 

「10039号うるさいですよ

とミサカは私単体を選ばない時点で激怒しますと

頬を膨らませて貴方に駆け寄ります」

 

 

 

 

 

 

「…………ウルセェ……」

 

 

 

研究所の休憩所にはすでに五人の妹達が待っていた

見る限りこの五人は全く同じ顔なのだが

中身を見てしまえばこの通りである

自己主張が強すぎるのか

会話を聞いているだけで疲れてしまうほどある

 

現に一方通行が現れただけで

話が曲がり膨らみ脱線する

昨日も一方通行は研究所に訪れたが

芳川が気をきかせて個体1号だけ会わせていた

もし二人になるとどうなるか知っていたのだろう

そう、実際いま、めんどくさいことになっている

 

それを見かねたのか芳川が一方通行に

コーヒーを渡し心配そうな表情で

 

 

 

 

 

「本当に一人で大丈夫なの??」

 

「そう思うならテメェがやれ」

 

 

 

「あいにく教育ぐらいはするけど

面倒を見てるわけじゃないのよ私は」

 

「その割りには教育した成果が見えねェな」

 

 

 

「私が教えたのは一般的教育であり

性格までは私は責任持たないわ

それに一人一人個性があって可愛いじゃない」

 

「……どこがだァ……」

 

 

 

 

芳川から視線を妹達に移すが

ガチャガチャと自分の主張を譲らず行動し

一体いまは何をしているのかさえ分からない

服に付いたジュース隣の妹達の服に擦り付けたり

読んでいた雑誌がビリビリ破けて紙飛行機になり

お菓子箱がいつの間にか子供が作るロボットに、

 

確かに生まれて日が浅いかもしれないが

中学生の姿で、幼稚園児並のことをすると

こちらがどう反応したらいいのか分からなくなる

 

学習装置を用いて適宜人格を書き込むことで、

通常の人間同様に活動できるようだが

段階を飛び越えて成長したためか

こういう行動はたまにあるらしい

 

 

 

 

「それで主任さんは今日はどうして来てないの??」

 

「友達を助けるだとよ、いつものことだ」

 

 

 

「それだと研究が進まないのよね…

……仕方ない、私もついていくわ

正直貴方一人に任せると何を吹き込むか

要らないことさえも教えそうで怖いしね」

 

「だったらテメェがつれて行けェ!!!」

 

 

 

「私は研究者であり、保護者じゃないの」

 

「……クソがァ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「禁書目録(インデックス)に同伴していた

少年の身元を探りました。

……………禁書目録(かのじょ)は?」

 

 

 

 

小萌のアパートから離れたビル

その屋上にはステイルと仲間であろう女がいる

ステイルはすぐ後ろまで歩いてきた

女の方も振り返らずに答える。

 

 

 

 

「生きてるよ。

……………だが生きているとなると

向こうにも魔術の使い手がいるはずだ」

 

 

 

 

女の無言だったが、新たな敵よりむしろ

誰も死ななかった事に安堵してるように見える

 

 

主にTシャツとジーンズを着用し、

長身でス タイルが良い美女。

年齢より大人びて見られ ることを気にしている。

術式のためジーン ズの片方は

太腿の際どい所まで切断して露出し、

Tシャツの片方の裾も根元まで切断しているなど、

左右非対称の容姿となっている。

 

 

 

 

「それで、神裂

アレは一体何なんだ?」

 

「それですが、少年の情報は特に集まってません

少なくとも魔術師や異能者といって類ではない

という事になるのでしょうか」

 

 

 

 

 

「何だ、もしかしてアレが

ただの高校生とでも言うつもりかい?

………やめてくれよ

僕はこれでも現存するルーン二四字を完全に解析し

新たに力ある六文字を開発した魔術師だ

何の力も持たない素人が、

イノケンティウスを退けられるほど

世界は優しく作られちゃいない」

 

 

「そうですね

…むしろ問題なのは、アレだけの戦闘能力が

『ただのケンカっ早いダメ学生』

という分類となっていることです」

 

 

 

 

ステイルは咥えていたタバコを放し

ハァ~と口から煙を吐いた

 

 

 

 

「そのケンカっ早いダメ学生だけなら

まだ対策もあるからいいとしよう

…問題なのは、あっちのほうだ」

 

「あの少年も同じように分からないことだらけです

……いえ、正確には全く分かりません」

 

 

 

 

「…どうゆうことだ?」

 

「名前は時崎 一、それだけなのです

その名前を探すだけでもかなり深くまで潜って

やっと得られた情報なのです」

 

 

 

 

「ちょっと待て…

そんな意図的に隠された情報を持つ二人を

増援を期待できない状況でやらないといけないのか」

 

「そういうことになりますね

ステイル、あなたのルーンは防水性において

致命的な欠点を指摘された、と聞いてますが」

 

 

 

「その点は補強済みだ

刻印はラミネート加工した」同じ手は使わせない

今度は建物のみならず、

周囲二キロに渡って結界を刻む……

使用枚数160000枚、

時間にして60時間ほどで準備を終えるよ」

 

 

 

 

どんな状況だろうともやらないといけない

一度負けたとしてもそこで諦められない

いや、諦められるはずがないのだ

 

 

そこにいる、あの子の為に……

 

 

 

 

「…………、楽しそうだよね

楽しそう、本当に本当に楽しそうだ。

あの子はいつでも楽しそうに生きている

………僕達は、

一体いつまでアレを引き裂き続ければ良いのかな」

 

 

 

 

 

ここから見える景色では

何かに激怒しながら

少年の頭をかじりついている少女と

両手を振り回して暴れている少年と

表情変えずにいながらも楽しそうに見ている少年の

三人楽しそうな姿が窓に映っている

 

 

 

 

 

 

「複雑な気持ちですか?

かつて、あの場所にいたあなとしては」

 

 

「…………、いつもの事だよ」

 

 

 

 

 

…そう、禁書目録(彼女)の為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(なるほど…アレが魔術師の仲間ですか……)

 

 

 

 

ステイル達から見える景色には

三人が楽しそうにしている姿がある

しかし、そこに三人はいない「二人」だけだ

 

 

 

 

(……『引き裂き続ければ良いのかな』…ですか…

命令だからやっている訳ではないようですから

何かの事情でやらないといけない

そうしないといけない理由があるということですか…)

 

 

 

 

二人の魔術師

その後ろ、二人の会話が聞こえる距離に

戦いに身を置くものなら察知出来る距離に

二人が監視している少年が、時崎が立っている

 

 

小萌の部屋にいる時崎は残像

そう普通の場合は今のように誰にも気づかれない

一方通行や上条のようなイレギュラーなら

もしくは時崎と久しくなれば

ある程度時崎を認識できるだろう

 

しかし1、2度時崎を見た程度では

背後に立たれても、ぴったり側にいても気づかない

……闇討ちをしようとすれば簡単なのだが、

 

 

 

 

(もう少し様子を見てみますか

……もしかしたら、この二人も……)

 

 

 

 

 

傷つけても連れ戻す者たちが

そのターゲットを監視しながら

こんなに優しい表情、寂しい表情をするだろうか…

だからもう少しだけ、この二人を見極めたい

そして時崎は二人に気づかれないまま

その場を静かに去っていった

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