とある科学の一時停止   作:ガイドライン

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一時停止と「ヒーロー」の三日目④《ハジマリ》

「…で、絶対能力進化(level6)実験が凍結されて

私は要らなくなったのかな…

容器の中から出てこれたんだけど、

どうしたらいいのか分からずここまで来たの

って、ミサカはミサカはこれまでの経緯を話してみる」

 

 

「………概ね"記憶"と一致しているわね」

 

 

 

 

 

 

「どういうこと??

つって、ミサカはミサカは問いかけてみる」

 

「なんでもないわよ、こっちの話だから」

 

 

 

 

 

 

 

この少女、打ち止め(ラストオーダー)から

絶対能力進化(level6)実験・妹達(シスターズ)

そして一方通行について話を聞いた

何もかも衝撃的なことだったが

すでに"知っていた"お陰か、衝撃は少なかった

 

 

"知っていた"というよりも"教えてもらった"

この言葉の方が正しいのだろう

昨日、食蜂から脳へ直接情報を入れてもらい

打ち止めに聞かずとも詳細は大体知っていた

 

 

それでも聞いておきたかったのは

食蜂の情報と打ち止めの情報が一致するかだった

あの食蜂が親切に教えるはずがないと

きっと何かが欠けていたり、変わっていたりなど

普通に教えるはずがないと思っていたのだ

 

 

現に『ただ教えるのも味気ないのでサプライズを

仕込んで置いたから楽しみにしてほしんだぞお☆』

と笑顔で言ってきたものだから

何かされたとてっきり……

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたの、お姉様??

なんか深刻そうな表情をしてるけど…」

 

「なんでもないわよ、なんでも

それで、どうして打ち止めだけ幼いわけ??」

 

 

 

 

「私は研究者サイドで扱いやすいように、

他の個体よりも幼い状態にされたの」

 

「それってどういう…」

 

 

 

「「妹達」が反乱や暴走を起こした際に

備えて製造された上位個体、

他の個体に対する制御や命令権を持つ

ミサカネットワークの管理者

それが私「最終信号(打ち止め(ラストオーダー))」」

 

 

 

 

 

その言葉に御坂はただ聞き入るしかなかった

絶対能力進化実験という事実に

未だに心が追い付いていないのに

なんとなくこの子とあった時から分かっていたが

この子も、打ち止めも関係者なんて……

 

 

 

 

 

「といっても、さっき言ったように

実験も凍結してから私の役割も意味を無くして

だから研究所も潰れてしまって

私も研究途中で置き去りにされちゃって…」

 

 

「け、研究途中で…って、あんた…それ大丈夫なの‼」

 

 

 

 

 

「アハハ…私は、私達(クローン)

クローン体特有のテロメアの短さによって短命なの

だからこのままだとダメだと思う…

 

で、でも、大丈夫だよお姉様!!!

その為にここに来たの、妹達に会いに来たの!!

つって、ミサカはミサカは

本当の目的を話してみる!!!!!」

 

 

 

 

「ちょっ、ちょっと待って!!!

もう…何がなんだか……

………つまりここに妹達も来てるの??」

 

 

 

 

そう、と頷く打ち止めに頭を抱える御坂

打ち止めにあった時でも衝撃的なのに

私に似た妹達がこの場所にいるなんて……

 

 

 

 

「で、それで妹達に会えば

その短命は解決されるのね」

 

 

「まぁ、はっきり大丈夫だとは言えないけど

少なくとも今までの研究成果より断然に

いい結果が出てるみたいだよ

って、ミサカはミサカは安心していいよと

お姉様に断言してみる」

 

 

 

「初め言っていたことと、

最後は違って…あぁーもういいわ……

そんな目で私を見ないでよ……」

 

 

 

 

違いを指摘されて落ち込み悲しい目で見つめてくる

同じような顔で、幼い女の子が、

こっちをじっと見つけてこられると

嫌でも私が悪いと感じてしまう……

 

 

 

 

「じゃ、その妹達を探しましょうか」

 

「一緒に探してくれるの??」

 

 

 

 

 

「一緒探した方が早いでしょう

それに私も…ちゃんと妹達と向き合いたいから…」

 

「うん、一緒に探して下さい!

ってミサカはミサカはお姉様に感謝してみる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたんですかね御坂さん…」

 

「なんかワケアリって感じでしたね…」

 

 

「まぁ、お姉様が後でお話してくださると

言ってくれましたので気にしてませんわ」

 

 

 

 

 

 

御坂がお店から離れたあと

クレープ屋の店員さんの一人と黒子が交代し

今は白井がクレープを作る係をしている

 

 

これで接客する人がいなくなったのだが

意外というか、当たり前というか、

このクレープ屋前にいる佐天と初春を目的に

正確にはそのコスプレを見に輩が集まっている

 

初めは嫌がっていた二人だが(特に初春が)

クレープ屋の貢献ということで

詳しくは報酬として

クレープの食べ放題に目がくらみ

……まぁ、マスコット的な感じでここにいる

 

 

 

で、今は黒子がクレープを作っているのだが、

 

 

 

 

 

「……といいつつ、動揺してますよ白井さん

さっきからクリーム乗せすぎです」

 

 

「わ、私としたことが‼」

 

 

 

 

 

 

一番動揺しているのはやはり黒子である

お客様に出さないといけないクレープに

大量のクリームを無意識に乗せていたようだ

 

 

 

 

 

「ご、ごめんなさいですわ!!

い、今すぐに新しいものを…」

 

「いえ、良かったらこのまま作ってください」

 

 

 

 

「よ、よろしいのですか…

作ってしまった私がいうのもなんですが

この量のクリームは危ないかと…」

 

「問題ないです」

 

 

 

 

あまりにも淡々と言ってくるお客に黒子は

言われた通りにそのまま調理を続ける

出来上がったのはクレープ生地に包まれた

大量のクリームが見えており

一緒に入れたはずのフルーツは全然見えない

 

 

 

 

「こちらの手違いですのでお金は入りませんわ」

 

「そういう訳にはいきません

むしろ感謝しているのにここで無料なんて

そんなことは許されません」

 

 

 

「そ、そうですか…それでは……」

 

 

 

 

 

お客は黒子に代金を支払いクレープを手渡す

改めてそのクレープを見たのだが

やはりあり得ないくらいクリームが入っている

本当に渡して良かったのかと不安があるなか

手渡された瞬間にお客はそのクレープに食らいつく

 

あまりにも多すぎるクリームが

そのお客の口の周りにベットリと付いてしまった

だが、そんなこと気にしていないのか

アレだけクリームが入っているクレープを

平然とモグモグと食べている

 

 

 

 

 

「む、胸焼けが…」

 

「さ、流石に…アレは……」

 

「あぁ~あ、口回りが…これでお拭きに」

 

 

 

 

そのお客の姿に佐天も初春も黒子も

もちろん周りにいる人達もその光景に引いたいた

別にゲテモノを食べているわけではないのに

遠くからでも大量のクリームを食べていると

ハッキリ見えてしまうためである

 

 

そんなことなんてお構い無しにお客は食べ続け

子供のように口元周りに

クリームが付いているのを見た黒子が

何枚か取ったナプキンをお客に渡したそうと

手を伸ばしたのだが、その前にペロリと

その舌で口周りをキレイに取った

 

 

 

 

「美味しかったです」

 

「そ、それは良かったですわ…」

 

 

 

まるで子供のような行動と大人のような対応と

人を引き付けない無愛想な表情と

逆に引き付けるような言葉

 

 

 

 

(なんか…掴みようのない方ですわね…… )

 

 

 

 

初対面なのにこんなことを思うのは失礼だろう

しかしそう感じてしまうほどこのお客は、

 

 

 

と、その時このテーマパークに警報が鳴り響いた

 

 

 

 

それと同時に警備ロボが大量に現れ

お客を避難させるかと思いきや

普通は装備しているはずのない銃器を取りだし

その銃口をお客に向けて警告を発した

 

 

 

 

 

『只今カラアナタ方ハ人質デス

抵抗セズニ大人シク指示ニ従ッテ下サイ』

 

 

 

 

 

一人の悲鳴と共にこのテーマパークは

恐怖と混乱へと陥った

警備ロボはお客を静めるために銃口を空に向け

何発も銃弾を放ちお客がその場に留まるように

逃げようとすることを止めるまで打ち続けた

 

 

その場には佐天、初春、黒子もいて

突然の出来事に驚きはしたが

逃げ出すことはしなかった

正確にはどうやってこの混乱を静めるか考えてるが

 

 

 

 

(厄介なことになりましたわ…

この場だけなら制圧できますが

恐らく施設全体で騒動が起きているはず

下手に動けば被害が酷くなるかもしれませんわ…)

 

 

 

 

そういう風に考えたのは

警備ロボが空に向けて銃弾を放ったとき

同時に他の所からも同じ音が聞こえてきたからだ

つまりこの警備ロボは他の警備ロボと

連絡、もしくはリンクしており

情報を共有できているはずだ

なら、ここで作戦もなしに行動すれば

取り返しのつかないことが起きる可能性がある

 

 

 

 

(……ここはお姉様と連絡を取らないといけませんわ

相手が警備ロボだけとは限りませんが

少なくとも「機械」ならお姉様がいれば……)

 

 

 

 

そうかんそう考えを纏めていたときである

その考えを吹き飛ばすような出来事が目の前で

それも見たことのある、時間して「ついさっき」の

クレープを食べていたお客が

今度はホットドッグを食べながら警備ロボに近づき

 

 

 

 

『今スグ離レテ両手ヲ頭ノ後ロデ組ミ

膝ヲ地面ニ付ケナサイ』

 

 

「…近々何かをするとは思ってましたが……」

 

 

 

 

 

 

警備ロボの警告を無視するお客に

装備しているその銃口をお客の額に向けた

 

 

 

 

『警告シマス

アト五秒数エタ後、行動シナケレバ

……反逆者トシテ発砲シマス』

 

 

 

 

 

普通なら恐怖し表情が変わり

警備ロボの指示に従っても仕方ないのだが

そのお客は、いや、時崎 一は無表情のまま

 

 

 

 

「……まさかこんな手に出るなんて…

これは少し…お灸を据えた方が良さそうですね」

 

 

 

 

ここにはいない相手に対して呟き

その瞳は目の前の警備ロボではなく

その向こうの首謀者に向けて見ている

 

ここから始まる長くて短い戦いに向けて…

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