「二人とも困ったものです。
完全に僕のことを忘れるなんて……」
あの後、垣根は素直に席につき食事を始めたが
やはり個性が強いlevel5の二人
一分も経たずに言い合いが始まってしまった
初めは時崎が止めに入ってはいたのだが
それはあくまでも「認識」されていたからだ
しかしいまの二人は喧嘩に夢中になっている
そのため時崎の存在は忘れられた
こうなったら二人がその喧嘩を終えるまで続く
そしてこの二人の喧嘩が終わるのはしばらくかかる
ので、とりあえず料理を二人分残して
後はすべて残さずに食べてお店から出た
そしてとりあえずブラブラと街を歩いているのだが
さすが一時停止、誰一人「視線」が向かってこない
誰も街中を歩く人を全員見ているわけではない
向かって歩いてくる人を避けるために
その人の行動を見て予測してどう動くか決める
だけどその視線さえもなければどうなるかというと
透明人間に知らずにぶつかってしまうと同じになる
だが時崎はそこら辺はお手のもの
より正確に人の行動・思考を読み取り
誰一人当たらずに人混みの中をすり抜けていく
なのでぶつかれば存在が分かると知っていても
自分からその存在を消していることになる
それでも人に迷惑をかけないようにと
そんな行動をしてしまっているのだから
一つに能力のせいだとはいえなくなっている
さて、缶ジュースを片手に街中を歩く時崎は
どこに行こうかと考えていると
いきなり頭部にとてつもない衝撃が走った
持っていた缶ジュースを落としたが気にしないほど
頭に激痛が走りその場に踞り痛みを堪える
すると目の前をコロコロと何かが転がっていく
なんだろうとそれを手に取り見てみると、
「サバ…缶……??」
なんでこんなところに??とは思ったが
まぁ、学園都市でもサバ缶ぐらいはある
だけど問題はこのサバ缶のへこみ部分
それもどうやらそのへこみは
自分の当たった頭部のように見える
「本当にあり得ないって訳よ!!
人のご飯を投げるなんてなに考えているのか…」
行き交う人達の中から
金髪の女の子がこっちに向かってくる
まさかと思いサバ缶を手に取り渡そうとするが
時崎に気づかない女の子は通りすぎる
「確かこっち飛んで結局何かに
ぶつかった音がしたんだけどな……」
地面に落ちていないかと探しているが
見つからないようである
本当にこのサバ缶なのかと
その手に持っていたサバ缶を離した
カンッと鉄の音で気づいた女の子は振り返り
「あった!!!
これでひもじい思いしなくてすむって訳よ」
「貴女はサバしか食べられないんですか??」
「そういうわけではない……って!!?
誰な訳よ!!私に話しかけてきたのは!!!!」
どうやら声は聞こえたようだが
姿は認識していないようだ
周りをキョロキョロと誰かいないかと探している
しかし誰もいないとちょっと慌てている
このままだと時崎は幽霊という
ステルスの最上級になってしまう
あまり気が進まないが脅かせないように
金髪の女の子の肩に触れようとしたが
「超なにをしているんですか??」
「絹旗!聞いてください!!!
幽霊です、幽霊が私に話しかけてきたんです!!!!!」
「………弄られすぎて頭が超おかしくなりましたか…」
「信じてください!!!
結局これはサバ缶のお化けって訳なのよ!!!!」
「………超イタ過ぎですフレンダ……」
頭を抱える絹旗という女の子
パーカーのフードをかぶり呆れた目で
金髪の女の子、フレンダを見ている
この絹旗という女の子なら怖がらずに話を…
「大体そんな展開は超認めません
サバのお化けなら喋れる訳がありませんから
それに頭がサバで下が人間だと超みました」
「な、なるほどって訳よ…
結局はB級映画マニアって訳よ……」
なんだか幽霊から化け物へと昇格…いやひどくなった
このままだと不味いと思った時崎は
絹旗の肩に触れて……と思ったが、
肩に触れる前に何かを一時停止させたようで
不意に熱いものを触りすぐに離れたような
反射神経で一瞬のうちに時崎から離れた
「な、なんですか超今のは!!!??
私の窒素装甲(オフェンスアーマー)が機能しなくなった??」
「やっぱりサバのお化けって訳よ!!!!
それも能力者を恨んでいるサバな訳よ!!」
「……これは超マジですか…」
さらにひどくなった……
能力者を恨んでいるサバのお化けってなんですか??
それにまさか能力を使用していたなんて…
悪いことしたわけではないのに
どんどん状況が悪化していく……
これは驚かれても存在を教えないとまず…
「なにしてんのよ二人して」
「む、麦野!!!
結局いたのよ!!この世に幽霊は存在した訳よ!!!!」
「………とうとうイカれたか……」
「絹旗と同じ反応しないで欲しいわけよ!!!!」
「………幽霊いたの??
……会ってみたい…」
「滝壺は超信じる方ですか。
私は信じたくないのですが
いやそうとしか超説明がつかないんですよ」
「なにお前まで変なこといってるんだ??
そんなもんいたとしてもぶち殺せばい」
「お久しぶりですシズ姉。」
「うおわあぁぁぁぁ!!!!!!!」ビッーーーー!!!!!
「「出た幽霊いいいぃぃぃぃいいぃぃ!!!!!!!!!!」」
「こんにちわ幽霊さん」
「こんにちわ。」
学園都市暗部組織「アイテム」構成員
絹旗 最愛、フレンダ・セルヴィルン、滝壺 理后
そしてリーダーであるながら第四位、麦野 沈利
お知り合いの方もいたということで話しかけたのに
どういうわけだか攻撃された
まぁ、いつものことだろうと深く考えないよう