とある科学の一時停止   作:ガイドライン

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欲望から始まる第一試合②

(さて、こッちも始めるとするか……)

 

 

首をゴキゴキと鳴らし枕を手にとって投げる相手(ターゲット)をロックする。相手としては何も面白味はないがこれは戦いであり卑怯などと言われる筋合いもないだろう。なので遠慮得なく

 

 

 

「オフッ!! な、何するんだよ!!!!??」

 

「オイオイ、枕投げで枕を投げつけて「何するんだよ」っておかしくねェか??」

 

「そうかもしれ…ゴボッ!!って話している最中に投げるなんて非常識かも!!!!!」

 

 

そんな言葉なんて聞く耳もたない一方通行は気にせずに枕を投げる。もちろん能力(一方通行)は使っているが気絶しない程度の威力に留めている。そうした方が相手は今はこうして怒っているが敵わないと感じればそこで戦意喪失となる。まぁ、そんなことしなくても目の前の奴は反撃出来ずに縮こまっているのだが

 

 

「ちょっ、ちょっと一方通行!!!あんたやり過ぎでしょうが!!!」

 

「ただの枕投げになにムキになッてるだ第三位

それにコイツだッてこうなることは分かって参加してるンだぜ」

 

「そ、それはそうだけど…一方的でしょうが!!!」

 

「いいじゃねェか!!!!こっからは「一方通行(いっぽうつうこう)」だアアアアアアァァァァァ!!!!!!!!!」

 

 

なんかテンションが上がり次々に枕を投げまくる一方通行。それを離れた場所から観賞している時崎は一言

 

 

「アレですね、嫌い嫌いも好きのうち」

 

「あぁ、なるほど。ロリコンですね」

 

「テメェらは後でぶっ飛ばすウウウウゥゥゥゥ!!!!!!!」

 

 

と言いながらも最高速度で枕を時崎へ投げつける一方通行だが、そんなもの時崎には意味もなく簡単に塞がれてしまう。怒りが治まらないのかさっきまでの威力が上がり何度も何度もインデックスに枕が当たり続ける

 

 

「た、助けて…なんだよ……」

 

 

そんな小さく掠れた言葉は周りの音で聞こえないはずなのに、まるでその言葉が届いたようにインデックスに向かっていっていた枕がある人物の手によって止められた

 

 

 

「……な……………る……だテ……ェは……」

 

「オイオイ、邪魔するなよ三下がァ。さっきまでのように伸びてればいいものを…」

 

「何してるんだテメェは!って聞いてるんだこの野郎!!!!!」

 

「………………アァ??」

 

 

ハッキリと聞こえた。相手の実力を知ってもなおバカみたいに挑んでくる奴の言葉を。どうやら真っ先にヤられたいようだと一方通行は上条に向かって最高速度のスピードで枕を投げた。この最高速度は枕が相手に当たるまでの間に耐えられるスピードのことであり飛んで行く距離が伸びれば枕のカバーは割けて飛び散るだろう。そんなギリギリのスピードで投げた枕を

 

 

「うおおおおおおおおぉぉぉ!!!!」

 

 

能力も何もない上条の右手一本で枕を叩き落とした。いくら枕とはいえ素手で殴るなんて確実にダメージを負う。実際に上条は激痛を我慢して一方通行と対峙する

 

 

 

「………少しは、やるみたいだな……」

 

「インデックスには悪いと思ったが少し観戦させてもらったからな、スピードに目が慣れたんだよ」

 

「ちょっ、ちょっととうま!!!私を囮にするなんて卑怯かも!!!!!!」

 

「インデックスさんだって簡単に俺を見捨てて御坂に助けてもらってたよな!!!体が動かなかったけど意識はあったんだぞ!!!!!」

 

「……………なんのことなんだよ………」

 

「……悪かったな一方通行、あとは存分にやっ」

「私が悪かったんだよ!!!だから見捨てないでとうま!!!!!」

 

 

そんな夫婦漫才的なことをしているものだから一方通行からと「もう一方から」枕が飛んできて上条にダブルヒットした。どこから飛んできたのかは分からなかったが何か怒りがこもっているようには感じた。

 

 

「そこをどけ上条」

 

「退くわけないだろう」

 

「こッちは確実に勝ちにいきたいからな、テメェとやるよりもそこの弱い奴を狙った方がいい。それとも何か上条は俺と一戦交わりたいのか、アァ??」

 

「お前がインデックスを狙うならそうなるな」

 

 

睨み合う二人、すでにどちらが引くことが出来ないような雰囲気を出している。しかしそれは現場の空気がそういう風に感じ取れるだけで、

 

 

「ただの枕投げですよね?」

 

「枕投げですね」

 

 

と、ガヤからしたら何してるんだアレは?と疑問を持ちたくなるのだが、面白くなりそうなので見守ることにした。

 

 

「分かってるのか上条。テメェじゃ俺には勝てねェ」

 

「能力者と無能力者だからか?

勝敗の確率は変わるかもしれないけど0じゃないはずだ」

 

「なんですか、なんですか、例え0.001%でも可能性があるならそれに賭けるってか!!」

 

「あぁ、だから俺はお前を倒す」

 

「面白れェ!!!かかってきやがれエエエエェェェ!!!」

 

 

 

もう一度言っておきます。枕投げです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正直上条には勝つ自信はない、そう完全に見栄を張り一方通行に勝負を挑むのだ。左手に枕を持ち一方通行に向かって走り出すがすでに目の前から三個の枕が飛んできている。

第一波は真っ正面から来ており、これはスピードを殺さずに頭を下げて避けることが出来た。

それを見通したように第二波が第一波より低い所を飛んでいた。これ以上低い体勢も取れずジャンプして避ける暇もない。そのため手に持っていた枕を横からぶつけて叩き落とした。

そしてここで第三波がまるでこの状況が分かっているように左側から飛んできていた。いま左手で第二波を叩き落としたばかりで、いまから第三波を叩き落とす時間はない。なので上条は叩き落とすことを()()()

 

 

 

(ここで当たったら()()を仕掛けるのが難しくなる!!!だからここは強引でも!!!!!!!)

 

 

第二波で降った左手を、枕を叩き落とした左手を、第三波に間に合わせようと左回転に力をいれていたところを、力に逆らわずに右回転の力に上乗せさせるように力を入れる。さらに腰や足、身体全体を使い回転を加えた。そうすることにより第三波の枕が上条の脇腹ギリギリを掠めていった

 

 

(勝負は、ここからだぁ!!!)

 

 

一回転した上条はそのまま一方通行に向かって更に速度をあげる。しかしここで上条はミスを犯した。そう一方通行の行動を読みきれなかったのだ。

まず一方通行は右足を上げて地面を踏みしめた。するとその振動と衝撃を一方通行により上乗せされた力は床にあった枕に伝わる。つまりその力は上向きの力であり上条と一方通行の間にあった枕が一斉に跳び跳ねたのだ

両者は視界が悪くなり不利になったと思われるが一方通行は違う。目の前の枕を軽く触れただけで跳び跳ねた力と触れた力をベクトルを上条の方に向けたのだ。突然の出来事に対処出来なかった上条は顔面に枕が直撃してよろけてしまう。そこを畳み掛けるように両手で宙に浮いている枕に触れて上条の顔両サイドから枕をぶつけた。

それにより前へ倒れる上条へ一方通行は一番近くの枕を掴んで、

 

 

 

(これで…終わりだァァァ!!!!!!)

 

 

 

 

真上から上条の頭に向けて枕を、

 

 

 

 

振り落と()()()()()

 

 

 

「なッ!!?」

 

 

忘れていたわけではない、もちろん気を付けて対応していたあの「右手(幻想殺し)」を。時崎と同じように能力そのものを無効化させるチートな力を一方通行が無視するわけがない。だからその右手を使わせないように上条自体を倒せばいいと考えていた。

 

しかし一方通行はミスを犯した。

 

上条のミスは「右手に意識を向かせないように左手に枕を持つ」という方法を取った為。そのために利き手ではない左手はとっさの反応が出来ないため枕が顔面に直撃した。

一方通行は逆に「厄介な右手を対処するため上条自身を倒す」というミスを取った。これは一方通行に対して有効な攻撃に対処するために行ったのだが、こうして反撃がくるとは「考えていなかった」。時崎に何回も無効化されたが、対処したことがなかったために起きたこと。時崎は全身に対して上条は右手一本。だから右手以外の所を叩けば倒せると思っていた。

 

 

(……なんだコイツは……)

 

 

そう、一方通行のミス

上条の「しぶとさ」を計算にいれてなかったこと、今こうして右手で攻撃を塞がれてたこと、その右手が幻想殺し(イマジンブレーカー)であること。

そしてその右手が一方通行の能力を無効化している。

 

目の前のlevel0(上条 当麻)はlevel5である俺にこうして真っ正面に立っている。もう一人のlevel0(時崎 一)とはまた違う力を持っている。

どうしてこんなにlevelが違うのに俺に向かってくる…

どうして俺の目の前に立っていられる……

どうして俺に勝てると考えられる………

 

上条の左手には枕が握られており、小さな声で、一方通行にしか聞こえない声で、

 

 

「悪いがお前の一方通行、通らせてもらうぞ」

 

 

それと同時に上条は枕を上から下へ一方通行に振り下ろ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カッコいい決め台詞のところ悪いですが時間切れです」

 

 

その時崎の言葉に自分が言ったことに対して恥ずかしさが込み上げてきた上条は、枕を振り落とすために前に出した足を謝って枕の上に。それにより足元が不安定になりバランスを崩して後ろへ倒れる形になった。その際辛うじて枕が一方通行の肩に当たったが掠めた程度であり、その枕さえ自分の顔面に落ちてきたのだからツイてない

 

 

「………ふ、不幸だぁ………」

 

「とんまはこれが通常ですから問題ありませんよ?」

 

 

トドメを刺された上条はガクッと力が抜け動かなくなった。まぁそんなこと気にすることもなく時崎は一方通行の元へ行き、

 

 

 

「どうでしたか、()()()()と勝負してみて??」

 

「………どこぞのチンピラよりかはマシなだけだ」

 

「………でも、()()()()()()()()()()??」

 

()()()()()()()()()()……」

 

 

 

舌打ちをして時崎から離れていく一方通行。その姿を見ながらあの()()が口元の両端を上げて

 

 

「楽しんでいるようで良かったです」

 

 

すれ違いの時に見えた気がした…

一方通行が楽しそうにしている表情をしていたのを……

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