とある科学の一時停止   作:ガイドライン

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待つ者、探す者、現れる者

「だから貴方には時崎を連れてきてほしいの

場所はメールで送るわ。くれぐれも変な真似はしないでね。

何も関係ない子を殺るのはしたくないから」

 

 

 

長い赤髪を2つに分けており、上半身は胸を隠す程度の桃色の布にブレザーを羽織り、下半身はミニスカートのみと露出度の高い結標はそう言って電話を切る。

これで土御門は確実に時崎を連れてくる。なんだかんだで土御門は人を見捨てるやつではないと分かっているからだ。そしてましてや顔見知りなら尚更見捨てることはしない。

 

 

 

(うっぷ…………ッ!!)

 

 

 

安心した途端、それまで忘れていた猛烈な吐き気が襲いかかってきた。インデックスを人質にするために二度三度と能力を、座標移動(ムーブポイント)を使いビルの屋上へと移動していた。

結標の喉が焼き付く胃酸の痛みを発する。それでもかろうじて喉元で腹の中身を押さえつけ、表面上は事なきを得る。軍用ライトを握る手の中に、嫌な汗が溜まった。

結標 淡希は過去に自分の能力の制御を誤って事故に巻き込まれている。そのせいで彼女は自分の体を自らの能力で転移させると、体調を狂わせるほどの壮絶な緊張と恐怖に襲われるのだ。

 

 

 

「た、体調が悪いの……」

 

「貴女には関係わ、それより自分の心配をしてなさい」

 

「それは大丈夫なんだよ‼とうまやはじめが来てくれるから!!!!」

 

「……そう、なら()()心配しなくていいわね」

 

 

 

息を整えフェンスに寄りかかる結標。この人質は騒ぎ立てることもしないので正直気は楽だった。初めは土御門の妹である舞夏を人質にしたほうが効果的だと思ったのだがどういうわけか本人を探し出すことが出来ず、こうして現場にいたインデックスを人質にすることにした。

 

 

 

「でもなんでこんなことするの??はじめならちゃんと話を聞いてくれるんだよ」

 

「それは貴女だから、貴女達だからでしょう。私はなんの接点もなく、私の願いはきっと理解してくれない。だからこうするしかないのよ」

 

「そんなこと話してみないと……」

 

 

 

インデックスの言葉が途切れた。正確にはその場にいたインデックスが姿を消したのだ。すると次の瞬間には空から悲鳴が聞こえてくる。そう結標はインデックスを上空へと転移させたのだ。重力落下をするインデックスは悲鳴を上げながら迫り来る地面を見ると恐怖のあまり目を瞑った。それを確認した結標はまたインデックスを転移して元の地面に下ろした。

 

 

 

「あまり口答えしないでね。その気になればコンクリートの中にでも転移出来るから」

 

「………………」

 

 

あまりのことに言葉が出てこないインデックスを確認し、もう余計なことは言わないだろうと少しその場から離れた。結標は金網のフェンスから地上を歩いている人達を見下ろす。

 

 

 

(私の気持ちは私と同じ力を持つ人だけよ。そうよね……白井さん…………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたのよ黒子??」

 

「いえ…誰かに呼ばれたような……」

 

「そう、私には聞こえなかったけど……それよりなんで私があんたの賭け事に付き合わないといけないのよ」

 

「いいじゃありませんかお姉様」

 

 

 

はぁ~とため息をつく御坂。午前中で授業を終えてブラブラと帰ろうとしたところで黒子から電話が掛かってきた。聞いてみると第四位である麦野達アイテムと時崎を賭けた勝負することになったようだ。で、さすがに人数負けしている黒子は御坂に協力を頼んだのだが

 

 

 

「それに風紀委員の仕事はいいわけ??」

 

「問題ありませんわ。その犯人を捕まえることが風紀委員としての仕事ですわ」

 

「だから公私混同していいのかって言ってるのよ」

 

「それでしたら先日、お姉様がハイキックで自動販売機を蹴って飲みものをお金を払わずにお飲みになられましたわよね。その時のことを固法先輩に……」

 

「張り切って犯人を探しましょう!!!!」

 

 

 

無理矢理会話を終了させた御坂。まぁ黒子にとっても終わらせたかったので良かったのだが、これはこれでいいのかと良心が痛む。しかし時崎を巡る戦い、これに負けるわけには、特にあのオバサンに負けるのだけはしたくない。

 

 

 

「といいましても、もうこの地下街には私達と第4位の人達と警備員と犯人ぐらいしかいませんからすぐに見つかりますわ」

 

 

 

 

すでに現在特別警戒宣言(コードレッド)が発令されており地下街にいた人達は避難している。なのでここには決まった人達しかいないので簡単に犯人を見つけられるだろう

 

 

 

「そうね、さっさと見つけて………」

「ぎゃあああああぁぁぁぁ!!!!」

 

「悲鳴ですわ!!!」

「うわぁ~なんか…すごく聞き覚えがあるんだけど……」

 

 

 

嫌な予感がしているが、とにかく現場を見てみないことには判断できない。

と、現場を見ていると結局は御坂の予想通りだった。目の前には壁にめり込まれている上条とハァハァと息を切らしている絹旗と平然と現場を見ていると仲間

 

 

 

「……あぁ、なんとなく分かる気がする……」

 

「そんな憶測で超納得しないでください!!!」

 

「どうせこの類人猿が貴女にセクハラして能力で殴ったという所でしょう」

 

「おぉー名推理って訳よ!!」

 

 

 

パチパチと拍手が出る中ふざけるなと睨み付ける絹旗。黒子の推理通りシェリーを探していたアイテムの前に上条と風斬が現れて、超久しぶりですと挨拶したところ向かってきた上条が落ちていた空き缶を踏んでしまい、前へと倒れこんだ上条の右手が絹旗を守っていた窒素装甲(オフェンスアーマー)を突き破り、その膨らんだ胸へとタッチダウンした。ワナワナと震え顔が真っ赤になる絹旗は一度上条を突き放し、復活した窒素装甲(オフェンスアーマー)で上条の腹に一撃を喰らわせた。

流石に可哀想だと思った風斬は怖がりながらも上条に近づいて「大丈夫ですか??」と声をかける。しかしそれがいけなかった。ただでさえラッキースケベが発動しているのにここでフラグまで立てたものなら……

 

 

 

 

「っで、なんでまた別の女の子を連れているでしょうかねこのバカは!!!!」

 

 

 

と、風斬の方に指を指し顔は上条に向かって睨み付ける。突然指を指されたことにビックリしている風斬だが自分に対するものではないと知り少し落ち着いた。だが上条はその理不尽な申し立てに

 

 

 

「な、なんで怒ってるんだよ!!」

 

「うっさい!!とっかえひっかえと見ない間に次々と……私に対する当て付けか!!!!」

 

「だから意味が分からなッ!!!? ってマジで攻撃するなよ!!!!」

 

 

 

もう完全に犯人探しを忘れて目の前にいる排除すべき相手に電撃を喰らわせる御坂。勿論上条はその右手で電撃を打ち消している

そこに今まで傍観していた黒子が、

 

 

 

「そこまでですわお姉様。例え醜い類人猿でも一応は一般人ですので避難をさせないといけませんわ」

 

「そ、それは…そうだけど……」

 

「た、助かった~ありがとうな白井、なんか物凄く嫌われているようだけど」

 

「当たり前ですわ。いくらお二人の仲を認めていても「なに言ってるのよ黒子!!!」目の前でイチャイチャされては「い、い、イチャイチャなんかしてないわよ!!!」イライラぐらい沸き上がりますわ」

 

 

 

あんなに必死になって否定しなくても冗談を言っているだけなのにな~と鈍感な上条を尻目に黒子に抗議する御坂。するとそこへ、

 

 

 

『───見ぃつっけた』

 

 

それは女の声だった。

ただし、何もないはずの壁から聞こえた。

その場にいた全員がその声を聞き、それ声の主はすぐに見つかった。壁の、ちょうど上条の目線の高さの辺りに、掌サイズの茶色い泥がへばりついていた。

ただし、その泥の中央に、人間の眼球が沈んでいた。

ギロギロと、ギョロギョロと、眼球はカメラのレンズのようにせわしく動く。

 

 

 

『うふ。うふふ。うふうふうふふ。幻想殺し(イマジンブレイカー)に、虚数学区の鍵。それに学園都市が誇る最大勢力が二人。禁書目録はいないようだけどまぁいいわ。どれがいいかしら。どれでもいいのかしら。くふふ、迷っちゃう。よりどりみどりで困っちゃうわぁ』

 

 

 

あまりの出来事に誰もが思考を鈍らせ言葉を出せずにいる。上条当麻を覗いて。そして誰も聞こえないほど小さな声で呟いた

 

 

 

「禁書目録だと……お前は魔術師なのか??

お前はテロリストさんって訳か」

 

 

 

『うふ』と、泥は笑う。『テロリスト?テロリスト!うふふ。テロリストっていうのは、こういう真似をする人を指すのかしら?』

ばしゃっ、と音を立てて泥と眼球は弾け、壁のなかに溶けて消えた。

 

 

瞬間。

 

その瞬間、地下街全体大きくが揺れた。

 

 

蛍光灯が二度三度ちらついたと思った途端、いきなり全ての照明が同時に消えた。数秒遅れて、非常灯の赤い光が薄暗く周囲を照らし始める。

すると今度は、低く、重たい音が響き始めた。

すでに地下街には上条以外は避難している。だからだろうか隔壁が下ろし始めたのだ。洪水の際に地下の浸水を防ぐためか、あるいはシェルターとして使うつもりだったのか、やたら分厚い鋼鉄の城門が出口を遮るように天井から落ちてくる。これで完全に閉じ込められた。ここには上条達と警備員と敵しかいない。

 

ぐちゃりと潰れた泥から、女の声が聞こえた。すでに壊れた『眼球』の最後の断末魔、ひび割れたスピーカーを動かすように

 

 

 

 

 

「さあ、パーティを始めましょう────

────土の被った泥臭え墓穴の中で、存分に鳴きやがれ」

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