「どんな能力かは知りませんがどうやらテロリストは私達がここにいることを知ってしまったようですわ。こうなった以上勝負よりも人命の方が優先ですわね。幸いここにいる皆さんをだけですので早く避難を……」
「私はいかないわよ。勝負を降りようが私はテロリストを捕まえてるわ」
麦野のその言葉に一瞬思考が止まった黒子だが直ぐ様に非常識な言葉に対して反論を告げる
「何を言ってますの!!あの時とは状況が違いますの!!!逃げ場のないところで、それも地下街で貴女のような能力を使えば簡単にここは崩落します!!!!」
「知ったことではないわね。逃げるならご自由に」
そう言って掌をプラプラと降りながらこの場から去っていく。麦野の能力である
しかし黒子は知っている。あの麦野がそんな周りを気にして能力を抑えることをすることはないと。殺しはしないだろうがそれ以外は脅しだろうが出力は気にせずに能力を使うだろう。だから麦野を無理矢理でも転移させれば良かったがそのあと逆に被害は更に酷くなりそうだと思い考えるだけでもう頭が痛い……
「というわけですので私達は超気にしないでください」
「手柄は貰うって訳よ!!」
「………バイバイ」
アイテム全員が麦野の後を追いこの場から去った後、はぁ~とため息をつきながら残った人間を確認する。
「それでは私達だけでも避難をすることにしましょう。
あの人達は時崎さんにでも連絡をとってどうにかしてもらうしかありませんわね」
「……あぁ~白井には悪いけど俺もここに残るしかないみたいだ。この右手があるから白井の能力は使えないしな」
「………次から次へと……仕方ありませんわ。不本意ですがお姉様もここに残ってこの類人猿と一緒にどうにかして逃げ出してください。私はこの方を外へと運びますわ」
その言葉にええぇ!!!と顔を赤くしてビックリしている。いや一番ビックリしているのは風斬なのだが
「だ、大丈夫なんですか…テロリストがいるんですよね……」
「心配ですが、お姉様は学園都市第三位ですわ。それにその類人猿も能力なら効きません。自分からテロリスト
に向かって行かないなら問題ありませんわ」
(向かわなくても向こうから来そうなのよね……このバカに向かって不幸が……)
そんなことを言おうとしたがせっかく上条と一緒になれるチャンスを逃すわけもなく黙っておくことにした。
「それじゃ白井よろしくな。たぶんインデックスも外で風斬を探しているから見つけてやってくれ」
「迷子係りじゃありませんのよ。まぁ目立つ姿ですし探しておきますわ」
「サンキューな。風斬悪かったなこんなことに巻き込んで」
「い、いえ。気を付けてくださいね……」
黒子は風斬の肩を触り能力を発動して地下街から外へと転移し、の残された上条と御坂はこの地下街から自力で抜け出すために歩き始めた。
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「やはり混乱しているようですわね……」
「インデックスちゃん、大丈夫かな……」
地下街から外へ転移した二人の周りは同じように地下街にいた人達で溢れていた。幸い早めの避難と警備員や風紀委員の活躍により被害が出るほどの混乱はないようだ。しかしこの中から見つけやすいインデックスを探すのは難しそうだ。
「ダメですわね、時崎さんにも連絡が着きませんわ」
「ど、どうしよう……寂しくて泣いてたりしてないかな……」
「付き合いの短い私ですがどうしてもそのイメージは思い浮かびませんわね」
むしろお腹をすかして倒れているか、知らない人に「ご飯を食べさせて欲しいんだよ」と失礼なことを言っている気がする。
「……はぁ~仕方ありませんわね。………もしもし、初春?いま貴女はどこにいますの??」
『今ですか?地下街にテロリストが潜伏していると連絡がありましたので、避難誘導のために今向かっているところですが……』
「では支部に向かって下さい。ちょっと調べてほしいことがありますの」
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第177支部
そこは黒子や初春が在籍している支部
先に支部に着いていた黒子と風斬は紅茶を飲みながら初春を待っていると
「お待たせしました白井さん……って、なんで呑気に紅茶を飲んでるんですか!!それもそのお菓子私が楽しみに取っておいたやつじゃないですか!!?」
「五月蝿いですわよ初春。お客さんがいるのに大声を出さないでください。風紀委員の品位が下がってしまいますわ」
「ご、ごめんなさい……」
風斬が悪い訳でもないのに謝ったことに対して初春も「こちらこそすみません」と謝り、一番の元凶である黒子は呑気に紅茶を飲んでいる。大変な状況で呑気に紅茶を飲んでいるなんて時崎の影響があるのだろう
「それで何を調べるんですか??」
「ちょっと人探しを」
「人探しって……そんなためって言ったらダメですが私を呼ぶ必要ありますか??現場にいる警備員や風紀委員の人に協力してもらえば良かったじゃないですか」
「そんな効率の悪いことはいたしませんの。一刻でも早くお姉様の元に戻らないといけませんの」
「……その割りには焦っている様子はありませんね……」
一刻でもと言いながら紅茶を飲まれたら説得力がない。しかし急がないといけないということが分かった初春はパソコンを起動させた。そしてカタカタとキーボードを叩いて映し出されたのはさっきまで黒子がいた地下街だ。複数に映し出される映像の中には風斬が知っているお店があった
「あっ、これです」
「これですね、一時間前に巻き戻してみますね」
あっという間に映像は一時間に戻りそこから早送りでインデックスがお店を出た場面まで飛ばす。するとインデックスがお店から飛び出してきたところが映し出された。
「後を追います」
「飛び出すなんて…店内にはお二人しかいないようですし、何かあったのでしょうか?」
「わ、分かりません…私と上条さんは先にお店から出ましたので……」
「でしょうね、映像にもあることですし。しかし……」
この映像は一時間前から再生したものである。つまり上条達がこのお店に入っていく姿が映し出されているのだが
「まさか防犯カメラでさえも映し出されないなんて……本当に時崎さんは凄い御方ですわ」
「イヤイヤイヤイヤ!!ありえませんよ!!!この映像加工修正されてないんですよ。それなのに時崎さんがいるだろう場所には
「ですから、時崎さんなのですわ」
「…………………………」
言葉を無くしていたのは初春だけではなかった。その光景を見ていた風斬も時崎の存在に対して言葉を無くしていた。いや、恐怖さえも覚えていた。カメラに移らないようにすることなんて能力を使えばどうにか出来るだろう。しかし風斬はそれだけで恐怖しているとは感じていない。もっと深く、見えない、確かめることも、認識さえも、存在も、本当にいたのかさえも分からない。
しかし、いたのだ。そこに。あの瞬間に。
だからこそ、この映像が加工修正しているとは
(……貴方は、一体………)
「さてさて、どうしましょうか??」
返事を返してくれる者はおらず、その声はただ誰かの耳に入ることもなく消えていく。だけど周りにはいるのだ、人が。様々な人が行き交う道路の真ん中に
存在を知られることもない者。
しかし、それそれでも友達のために
迷わずに駆けつけてくれる者。
「みんな……どこにいったんだろう……」
時崎一 絶賛迷子中!!