とある科学の一時停止   作:ガイドライン

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どうも。
以外に早く更新出来ました。
まあ、このあとはまだ全然考えてないので(笑)
好評が良ければ?頑張るかも♪

それではどうぞ!






三人四脚

「それではもう一度ルール説明します。

三人四脚で一キロ先のゴールに向かってもらいます。

ゴールまでのコースは自由。建物や観客に被害が()()()()()()()()()()()()()()。選手に妨害行為はもちろんOKですが怪我をするような能力使用は認められてません。さらに足に巻かれたバンドが外れたら退場になります。より速くゴールした選手の勝ちとなります。

今回level5であります垣根 帝督さんの参戦ということで能力使用が制限されており、自身から一メートル以内の使用のみ。選手への直接攻撃は認められてません。さらにハンデとして一分後のスタートとなります」

 

 

こうしないと三人四脚、帝督の独擅場と化す。

こうやって制限してもまだ有利にたっていると感じるが三人四脚のルールを上手く利用すれば誰にでも勝利する確率が上がる。

 

 

「大分制限されましたねてーとん」

「関係ねぇ。ぶっちぎりで一位だ」

「なんか秘策でもあるのか第二位」

 

「まぁな」

「頼もしいかぎりです」

「じゃ、スタートまでのんびりさせてもらうかニャ~」

 

 

完全にリラックス体勢に入った三人。

その他の5組はスタートにピリピリしている。

そしてスタートの号令が鳴り響く。

 

 

「それでは…スタートッ!!!!」

 

 

その瞬間三組とも能力を発動させる。

一組は炎を産み出して、相方がその炎を形成させた。

一組は近くにあったゴミ箱などを浮遊させ、相方が硬化させた。

一組は光を集めて、相方がそれを凝縮させた。

 

それを三組共に一斉にハジメ達に向けて放つ。

 

 

「最初にッ!!」

「やられろッ!!」

「level5ッ!!」

 

 

まるで日頃からの行いが招いた結果と言わんばかりに今年を込めた攻撃だった。

炎は力強い獅子の形となり、ゴミ箱等は鋼の固さに変わり、光はレーザーのような凶器へと変貌していた。

 

どれもマトモに当たれば大怪我必至。

いきなりルールを破るという波乱の幕開け。

しかし、そんなものが()()()()()()()()()

 

 

「どいつもこいつも…真正面から来やがれってんだ…」

 

 

能力使用制限があったとはいえ相手はlevel5

そしてその能力は未元物質(ダークマター)

この世に存在しないものを顕現させて扱うことの出来る能力。

それを使用させ出来れば三組から放たれた能力全てを抑え込むことなんて問題ない。

 

炎もゴミ箱もレーザーも全てダークマターに飲み込まれた。

 

 

「…うそ、だろう……」

「くそがッ!!」

「…これでも…勝てねえのかよ……」

 

 

攻撃してきた三組は即刻退場。尚且つ警備員(アンチスキル)により取り押さえられた。

 

 

「ったく…バカな真似をしやがって……」

 

 

そこに現れたのは顔見知りのアンチスキル。

 

 

「あっ。ヨミヨミ、お疲れ様です」

「こんなところでなにしてんじゃんよ。

それに土御門までいやがる」

 

「まさかここで会うなんてな~」

「知り合いでしたか」

 

 

そんな挨拶をしている間にも残りの二組が一気に時崎達から遠くへと走っていた。まだ追い付ける距離かもしれないがなにせ能力制限がかかっている状態。

 

 

「どうするんですかてーとん?」

「やることは一つだ。こっちは…使いたくなかったんだがな…」

 

 

すると時崎が帝督にべったりとくっつきだした。

そしてその帝督も嫌がる様子もなく背中からダークマターで作った羽を出す。

それをみた土御門は冷や汗をかいて

 

 

「ちょっ、ちょっと待て…」

「バンドが外れないようにしてくださいね」

「離れたら突き落とすぞ」

 

「いや、だからまっ!!!!!」

 

 

その時にはすでに上空へと舞っていた土御門。

そう帝督の作戦は"バンドが外れなければ飛んでもよくねぇ?"作戦だった。

三人四脚や二人三脚などで"空を飛んではダメ"とか書いてない。

だって飛ぶ人がいないので。

 

そんな裏をかいた作戦により土御門は恐怖のジェットコースターに乗せられた気分を味わっていた。

元より暗部や裏仕事が多い土御門にとっては空の移動など問題はなかった。なかったのだがこれに関しては次元が違う。

 

最短距離で使うためにビルの壁ギリギリを飛び、看板を避けるために上下左右に動き回り、ノンストップで突き進むため流石の土御門もダウン寸前。

 

 

「と、とま……ッ!!」

 

 

止まってほしいという言葉は届かずに三人四脚のゴールへと突き進みそしてゴールテープを切ったのだった。

 

 

『ゴ、ゴールウウウゥゥゥッ!!!!

な、なんとも大人げないゴールだぁ!!!ルールの裏をかいて空からゴールをするなんてそれがlevel5のやることかああああああぁぁぁぁ!!!!』

 

 

まさにその通りである。

しかし土御門はそんなことを気にしている場合ではなくすぐさまバンドを外してトイレへと駆け出していった。

 

 

「もう三半規管が弱いんですから」

「てめぇも同じ目にあわせる気だったんだかな」

 

「やっぱりワザとでしたか。プンプンですよ」

「知るか。第一、マトモに三人四脚進めなかっただろうが!」

 

「それはお二人が息を合わせないから」

「てめぇに合わせられるかあッ!!!!

タイミングが独特しすぎて分からねぇんだよ!」

 

「それを克服してこそ友情が更に高まったんですけどね。

仕方ありません。次にいきましょうか」

 

「誰が行くかッ!!!!」

 

 

そんなことをいい放ちとっさに空へと逃げた帝督。

 

 

「俺は抜けさせてもらうぜ!」

「仕方ないですね。後で連絡いれますから来てくださいね」

 

「いかねぇっていってるだろうが!!!!」

「来ないとフォークダンス、とんまと踊ってもらいますよ。

最初から最後まで。一時停止で両手を固定して……」

 

「行けばいいんだろうが!くそがッ!!!!」

 

 

結局、時崎に逆らうことが出来ずに逃げるように去った帝督。

 

 

『協議の結果、やはり三人四脚は走ってこそ意味があるということで先ほどゴールされたチームは失格となります』

 

「あら」

 

 

…………………………

 

 

「負けてしまいました」

「なにやってるんだお前らは……」

 

 

報告をかねて当麻の所へ向かった時崎。

いつまで待っても帰ってこない土御門のことはすでに頭にはなかった。

 

 

「まぁ、お前らがマトモに競技に出ること自体あり得ないんだよな……」

 

「どういうことですか?」

 

「いや、あのlevel5のお姉さん?がやたらやる気でよ。

……もうチームリーダー的な立ち位置で引っ張るもんだから…」

 

 

そういってこれまでやった競技の結果が記された紙を見せてもらうと

 

 

「おお。なかなか好成績ですね」

「でもよ、一位を取らないとめちゃめちゃ怒ってくるんだよ!!!それも怒られたあとに知り合いだからって俺に八つ当たりしてくるんだよッ!!!!」

 

「それは普段のとんまが悪いからです」

 

 

しかしあの麦野がこんなに積極的になるとは…

と、ちょっといい誤算だったなーと考えていると

 

 

「ど、どうでもいいから…ご飯…なんだよ……」

「お前、あんだけ食べてまだ食べる気か……」

 

「本屋ちゃんと僕は燃費がいいですからね」

「いや、燃費の問題じゃねえよ」

 

 

そうですか?と言いながらマップを広げて飲食店を探してみる時崎。出来るだけ近くてお店が多い所を探すと

 

 

「あっ。ここに行きましょうか」

「早く行くんだよッ!!」

「はいはい。とんま、ゴチになります」

 

「この歳で借金しろっていうのかあああぁッ!!!!」

 

 

冗談ですよ。といってあげるとホッとした当麻。

大食い二人だととんでもない金額になるところだ。

こういうとき時崎が奢ってくれるのは本当に助かる。

今のうちに食い溜めしておこうかな。でもまだ競技もあるしなー。とか呑気に考えていると

 

 

「見つけたわよー!勝利のピース!!!!!!」

 

 

突然現れた御坂が当麻の首根っこを掴んで走り去った。

一体何が起きたのか分からなかったが、どうやら二人三脚は終わり別の競技に出ているようだったので

 

 

「本屋ちゃん。 何を食べましょうか?」

「私、お肉が食べたいんだよッ!!」

 

「いいですねー焼き肉とステーキならどちらが」

「ステーキッ!!!」

 

「それじゃ行きますか。

どうせならあーくんも呼びますかね」

 

 

なにもなかったように話を進める二人。

食欲に勝るものはない。特に当麻に関しては。

 

 

…………………………

 

 

「呼び出してるんじゃねえクソが……」

「そのわりには来てくれましたよね」

 

「こいつが飯を食いたいって言ったからだ」

「ミサカが言ったのはアイスで…イテテテッ!!

なんで暴力を振るうのッ!!ってミサカはミサカはプンプンと怒ってみたり!!!」

 

「その割りにはちゃっかりと注文してるじゃねェか……」

 

 

屋台で大量買いをして簡易テーブルを3つ使って料理を乗せて食べている時崎とインデックス。

そこに呼び出した一方通行と打ち止め。

時崎に何でも食べていいですよ。と言われて一方通行と約束したアイスを注文して待っているところである。

 

 

「それよりも競技には出なくていいの?ってミサカはミサカはアイスの美味しさに感激してみたりー!」

 

「ちょっとですね。やらないといけないことがあってですね。

……どれから手をつけようかと考えてまして」

 

「………詳しく話せ」

 

 

少しドスの効いた声で言ってくる一方通行に時崎はいつも通りに答える。

 

 

「大丈夫ですよ。今回はあーくんは不参加ですから」

「それは俺が決める」

 

「あーくんは打ち止め(この子)の側にいないとですよ。

厄介事は任せてください」

 

「チィッ。やっぱり厄介事かァ……

いいから話せ。じゃなきゃ……()()()()

 

 

すると一方通行の周りを空気が渦を巻くように流れ始めて、その風が一方通行の掌の中に集まっていく。それはまるで小さな台風のように。

それが一方通行の制御から解き放たれたらこの周りは一気に台風が襲ってくるかのような暴風に晒される。

 

 

「……もう。子供じゃないんですから。

なら、簡単な方をお願いします」

 

 

流石に本気だろうと感じたのか秘密にしていたことをあっさりと白状する。

 

 

「みーちゃんが狙われてます。

能力では勝てないでしょうから機械、それもみーちゃんの電磁波に気づかれない高性能の物で、それも小さなやつですかね」

 

「………何が始まるってんだァ……」

 

「詳しくはまだ。

でもそれは操祈さんのこととも関係するです。

用はバカな実験に二人が選ばれた。みたいな感じですか」

 

 

はぁーとため息をつきながらお好み焼きとモダン焼きとたこ焼きを交互に食べる時崎。それを目撃する周りの人達は胸焼けがするのだろう、胸を押さえつけて嫌な表情をしている。

 

 

「クソがァ。まだ懲りてねぇのか…」

「懲りるわけがないからやってるんでしょうね。

きっとこの先もあるんじゃないんですか?」

 

「まぁ、潰せばいいだけだがな」

「そうですね」

 

 

立ち上がる一方通行。

隣で幸せそうにアイスを食べていた打ち止めも一緒に立ち上がり

 

 

「何かあったらすぐにあーくんを盾にしてくださいね」

「はーい!!ってミサカはミサカは素直に返事してみたり」

 

「邪魔だったら置いていくからなァ」

 

 

昔だったら置いていくと言っていたのに、こうしてキチンと保護者して偉いなーと優しい目で見る時崎は、テーブルにあった最後のスパゲッティをインデックスに譲って

 

 

「それ、食べ終わったらいきましょうか」

「?? どこに行くんだよ?」

 

「とりあえずはあそこに行ってみますか」

 

 

そうやって指差す方向には巨大なモニターがあり、そこに映し出されたのは当麻と御坂がインタビューを受けているところだった。


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