とある科学の一時停止   作:ガイドライン

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どうも!!
仕事があまりないよーまた休みだよーだから更新だよー
一刻でも早く日常に戻るように祈りながら。書いてみました。
さて、こっちのウイルスはこの人達が倒しますよ。
それではどうぞ!




個々集まれば、怖くない。

「な、何なのよこれはッ!!!!」

 

計画は完璧だった。はずだ。

御坂美琴のクローン"妹達(シスターズ)"にウイルスを打ち込み誘拐して管理することで有利に立つはずだった。

なのに、たった一人。たった一人現れただけで全てが狂った。

 

計画の最終工程は明日のはずだった。

なのに急遽今日行うことになり、そしてそれを起こそうとする者は警策(こうざく)看取(みとり)の前に立っていた。

 

「完璧なものはないということだよ。

私の予測さえも上回るとは…さすが一時停止(サスペンド)といったところか」

 

「分かってるのッ!!!??すでに向こうはこっちを潰しにかかってるのよ!!!」

 

「だから早めたのだよ。幸いというべきか外装代脳(エクステリア)が狙いだと分かっていても向こうは完全に防御出来なかった。それは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だよ。一時停止はやたらと"友達"に固執しているし、周りもその影響がある。だから外装代脳に完璧な防御体勢を引けなかった」

 

この計画は"御坂美琴"と"外装代脳"の2つだった。

そして時崎達は御坂を優先し、木原幻生は外装代脳を優先した。

そのために時崎達は後手に回ってしまったが、それでも木原にとっては危うい状態にいることには変わりなかった。

 

「さて、私はこれから"解除コード"を手にしに向かうけど」

「……ええ。私は御坂美琴を"絶対能力者"へ」

 

そういって二人は別れた。

一人は外装代脳の出力をあげるために、解除コードを手にするために。

一人は御坂美琴を絶対能力者にして、学園都市の"あのビル"を倒壊させるために。

 

そう、すでに悪魔の一手は打たれてしまった。

 

…………………………

 

少し時間を戻し、ここは"玉入れ"学園都市行われる会場。

 

「頑張ってくださいなお姉様。黒子は全身全霊で応援しておりますので」

「普通に応援出来ないの?」

 

「それではお姉様の偉大さが!!」

「伝わらなくていいのよ!!!」

 

電撃を黒子に放たなかっただけでもずいぶん丸くなった。

それは黒子本人が少し変わったということもある。

ずっと「お姉様、お姉様」と言っていた黒子が最近「時崎」というワードが多くなったのだ。

 

そのお陰かあの異常と思われる"愛"が減ったように思われる。

少し、ホンの少しだけ寂しいと思うが絶対に見せないようにしている。100%調子に乗るからだ。

 

しかしその変化に御坂も黒子に対しての接し方が変わった。

力ずくが多かったがそれでも回数は減ったと思う。

言葉をいえば理解してくれることが多くなったのだ。それならそれなりの対応をしないといけない。現に

 

「そうですね。食蜂操祈が時崎さんにやるようなことは時崎も嫌うでしょうし。わたしくとしても人の嫌がることはしたくありませんわ」

 

「…………………」

 

「なんですのお姉様。その信じられないような目は?」

「たまに本当に黒子かな~って思うのよね……」

 

「失礼ですわ。私がお手本になるべき相手が時崎さんに変わったので、時崎さんのようになれるように精進しているだけですわ」

 

「そうよね。間違ってあの腐れ思考になったときは私が責任もって時崎を消してあげるから

 

「何一つ安心できませわ。それ……」

 

はぁ~とため息をつく黒子。

それでも黒子本人も以前に比べて"御坂美琴"に固執していないことは分かっていた。それが時崎から影響されたことも。

それでもそれが色恋なんてことはない。

あくまでも人として、年上の人として、一人の男性として、尊敬できるからである。

 

御坂からしたらそれは時崎に好意があるのだとしか見えないがこれをいったらしつこいぐらいに違うと批判してくるので言わないことにしている。

 

「ほら、もうすぐ始まるんだから観客席に戻りなさい」

「そうですわね。お姉様が圧倒する様を見ておりますわ」

 

変わったといっても未だにこうして慕ってくれるのは悪い気分ではない。

黒子がこの場を離れて誰もが開始の合図を待つために、より多く玉を篭にいれるために最短距離である場所に人が集まってきた。

 

そしてそんな合図待ちをしている間に明らかにおかしいことに気づいた。

 

(な、なんでアンタがそんな所にいるのよッ!!!??)

 

目の前、というわけではないが相手側の陣地の中、たまたまその人混みの中に見つけてしまったのだ。ツンツン頭の見覚えのある男を。

 

そしてその隣にはサングラスをかけた同じ年だと思う男と、そして周りには気づかれていないがハッキリそこにそこにいることが分かる男が

 

(と、時崎までッ!!!??ここはアンタらが出る競技じゃないでしょうがッ!!!??)

 

当麻とサングラスの男は何故か中学生の体操服を着て紛れていた。時崎は能力で周りには見えていないためにそのままだが、それでもここにいる理由にはならない。

 

(も、もしかして…私に勝つためにこんなことしてまで来たと言うのッ!!!??)

 

全くもって違うのだが、御坂の中ではまだ当麻との勝負は継続中なのである。もちろんあの賭け事はなしではあるが、それでも当麻に勝つ!という気持ちはまだあったようでそのお陰で勘違いしている。

 

(……いいわ。そっちが、その気なら勝ってやろじゃないのッ!!!!!)

 

俄然やる気になった御坂。

しかし、そのやる気は、無情にも、突然に、終わることになる。

 

 

 

『さて、“絶対能力(レベル6)”にたどり着けるかどうか』

 

 

 

その声が聞こえたわけではない。

しかし何処から発せられたその声を皮切りに御坂の意識は遠退いた。

 

…………………………

 

「お、おい…なんか御坂のやつおかしくないか?」

 

時崎からここに"運び屋"が隠した魔術、速記原典(ショートハンド)を見つけるためにこの玉入れの競技に紛れた当麻と土御門と時崎。

その競技に御坂を見つけた所で時崎が「今すぐにとんまのみぎてでみーちゃんに触れてください」と言われて、何のことか分からないまま人混みをかき分けて御坂に近づこうとしたのだが、突然立った状態で意識を失ったように見えた。

 

「………遅かったですか……」

「何か知ってるのか?」

 

「悪いですけどトモルン。しばらく一人で対応お願いしますね」

「どういうことだニャー??」

 

その答えを聞かない内に御坂の体が、全身が()()()()()()()()()()()()。それに気づいた周りの生徒は何だと?と一定の距離をあけて様子を見守っていた。

 

『この街の元凶、あのビルを壊しちゃおうか』

 

御坂に変化があった時からずっと語りかけてくる声。

何故かそれに引き寄せられるように御坂の心はそれに従って

 

「おいおい…なんだあれはよ………」

 

すでに御坂の姿ではなく、人ではなく何かの姿に変わってしまった御坂は巨大な電撃の槍を作り出して、放った。

 

「うわっ!!!!!」

 

余波で浮き飛ばされる周りの生徒達。

電撃の槍は"窓のないビル"に激突し破壊……されなかった。

その一撃なら普通ならビル何棟も壊してしまう威力。

なのにも関わらずにそのビルは傷一つなかった。

 

それを目の当たりにした生徒達は一斉にその場から逃げ出した。

それはもうパニック状態。突然一人の生徒が豹変し攻撃を仕掛けたのだ。巻き込まれないために必死にその場から逃げ出すのは本能である。

 

「み、御坂ッ!!!??」

「いまのみーちゃんには声は届きませんよ。

トモルン、こういうことです。あとは任せましたよ」

 

「時崎がいるなら大丈夫だろうが……こっちも手が必要だからな。さっさと終わらせろよ」

 

人がいなくなり残された玉入れの道具の一つに速記原典を見つけるのは簡単だった。それを当麻に壊せたあとに土御門はこの場から離れていった。

交代したかのように生徒や観客を避難誘導していた黒子が時崎達の元に現れ

 

「お、お姉様…………時崎さん、一体何が起きてますの?」

「みーちゃんが操られてます。恐らくこの近くにみーちゃんの深層心理に呼び掛けて暴走させている人が」

 

「…………分かりました。そちらはわたくしが見つけますわ」

「はい。僕ととんまはみーちゃんを押さえておきます」

 

「お姉様をよろしくお願いします」とすぐにこの場から離れようとしたところで黒子の携帯に着信が流れる。

 

「どうしましたの初春。いまは話している余裕が……」

『その会場の近くに怪しい人がいますッ!!』

 

「……もう状況は知ってますのね」

『はい!!白井さん、私が誘導しますので急いでください!!!』

 

「分かりましたわ」

『おい、変われ』『えっ。ちょっ、ちょっと!!』

 

『おいツインテール女。てめぇも俺の"子守り"対象だ。

指定した場所に一回来い』

 

突然割り込んできた男の声。

その声は聞き覚えのある声。

学園都市第二位の垣根帝督だと。

 

「何をおっしゃっていますの。今すぐにでも犯人を」

『二度は言わねぇぞ。万全にしててめぇらを保護者に返すのが"子守り"の役割だ。さっさと来い』

 

上から目線の言い方に反論しようとしたが時崎が黒子の肩を叩いて

 

「てーとんの言うとおりにしてください。

大丈夫です。みーちゃんは必ず無傷で元に戻しますから」

 

「…………分かりました。場所を教えてくださいな」

 

合流地点を教えてもらい移動した黒子。

その間、一歩も動かなかった御坂に変化が現れた。

手をこちらに向けて上げて、運動場にある砂鉄を、凶器になりえる硬度のもった形にして放ってきた。

 

当麻はとっさに右手を、時崎は特に動かずに、そして

 

「チィッ。面倒くさいことになりやがってェ」

 

その他に外れた攻撃は全て今現れた一方通行がベクトル操作して、全てを時崎に向けた。

もちろん時崎にダメージがあるわけがなく、全ての砂鉄はその場に固定された後に元の細かい砂鉄に戻った。

 

「僕に向ける必要あります?」

「そこのlevel0に向けてもいいが、死ぬぞ」

 

「死にませんよ。とんまにとってはご褒美です」

「アホかッ!!!死ぬわッ!!!!!」

 

「はいはい。寝言はいいので」

「上条さんを何だと思ってるんですかッ!!!??」

 

「とんま」

「右手以外使えねえやつ」

 

「この右手でぶん殴るぞッ!!!!!」

 

コントが終わると今度は電撃の雨を三人に放つ御坂。

当麻は自分に向けられた電撃を打ち消し、一方通行は周りに被害が及ばないように電撃の方向を変え、時崎は一方通行に向けられた電撃を全て止めて消し去る。

 

一切周りに被害を及ばせずに止めているが、

 

「止める方法はあるのかよ?」

「はい。みーちゃんの深層心理に呼び掛けている人はてーとん達に、首謀者は操祈さんと僕が向かいます」

 

「おい。こっちの人手はどうする気だァ?」

「大丈夫です。学園都市のlevel5はあと二人。そのうち一人は知り合いですし、こういう時タイミング良く現れるんですよねー」

 

すると時崎がいった通り、一方通行と同じように空から何が落ちてきた。ただ違うのが一方通行はスマート降りてきたのに、その男は地面にクレーターをつくったということ。それに対して悪いという気持ちもなく

 

「面白いことになってるな」

「ダメですよソギッチ。地面にクレーターなんて。

せっかくあーくんが綺麗にしていたのに」

 

「そいつは悪かったな。

しかしなんて根性のない地面だ!」

 

「ならどうせここの地面はめちゃくちゃになるでしょうから、ソギッチが完璧な根性のある地面に押し固めておいてください」

 

「いいな。なら思う存分やれそうだッ!!!」

「ならないでくださいね。制御も必要ですよ」

 

「おう。根性を入れるッ!!!」

「はい。よろしくですー」

 

 

パシッ!!と拳と手のひらを合わせて気合いを入れる学園都市第7位削板(そぎいた)軍覇(ぐんは)

 

時崎と同じようにハッキリした能力が分からない者。

だからこそか、周りが噛み合わない会話だなと聞こえても二人の間には理解しているのだから似た者同士なのだと感じた。

 

「じゃ三人でここをお願いしますねー」

 

「め、めちゃくちゃ不安だ……」

「足引っ張るなァ第7位ィ」

「根性入れれば問題ない!」

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