遊戯王IS〈インフィニット・ストラトス〉 作:LAST ALLIANCE
今回は第1話の序盤をリメイクしつつ、純一君が弾君と協力して【Kozmo】デッキを作る過程を記しました。この小説では普段脇役の弾君も準レギュラー扱いで出していく予定です。
この小説は一応架空デュエル小説ですが、このようなリアリティーも追及していくスタンスなのでよろしくお願いします。
※小説のタイトルとタグを訂正したりしましたが、近い内に注意事項と小説で行われるルールをまとめようと思います。
※小説の章は過去に発売された『遊戯王OCG』のパックの名前から取っていきます。
来週の月曜日にデュエルディスク型のISによるプレゼンと、IS学園で行われる『遊戯王』の説明会を控えたとある休日。
純一は自室でパソコンを操作しながら、手元にあるメモに何かを記している。それは束が推薦した純【Kozmo】デッキのレシピ。自分がどのカードを持っているか一通り把握した後、インターネットで大会優勝者や有名動画投稿者のデッキレシピを見ながら、自分が使いやすいように構築を考えている。
もちろんIS学園での特殊制限ルールを踏まえた上での構築になるが、先ずは公式大会で使われる構築にしてみて、そこからIS学園仕様に寄せていこうと言うのが純一の考えだ。
「取り敢えずこんな物かな? いや~ゴーキンが禁止なのはやっぱりきつい。相性良いのにな~代わりは《闇の誘惑》にするかな? でも準制限カードだから、そこに制限カードの《封印の黄金櫃》入れて、4枚目の《抹殺の指名者》にするか……」
今はIS学園で使うレシピを考えている最中。純一が悩んでいるのは《強欲で金満な壺》と言う魔法カードを入れる代わりに、どのカードを入れるかと言う事。
ゴーキンこと《強欲で金満な壺》。自分のエクストラデッキの裏側表示のカードを3枚、若しくは6枚ランダムに除外すると除外したカード3枚につき1枚ドローする、最大で2枚ドローが可能な超強力な魔法カード。
エクストラデッキを多用する・依存するデッキには採用しにくいが、メインデッキだけで戦えるデッキや、エクストラデッキをそこまで必要としないデッキ等に採用しやすい。例えば【メタビート】や【トゥーン】デッキのように。
【Kozmo】はメインデッキだけで戦えるデッキなので、《強欲で金満な壺》を採用する事が出来る。しかし、学園の特殊制限ルールの“市場での平均価格が1000円以上するカードは使用禁止”と言う事項に引っ掛かった為、《強欲で金満な壺》はIS学園でのデュエルでは使用禁止となってしまった。束に確認した所、“幾らそのカードを使えるデッキが限られたとしても、高額カードであれば問答無用で禁止になる”と言う回答が返ってきた。
その為、3枚入れようとしていた枠を他のカードで代用する事となった。純一が考えているのは魔法カードの《闇の誘惑》。デッキから2枚ドローし、その後に手札の闇属性モンスター1体を除外する準制限カード。【Kozmo】は闇属性モンスターが多い為、このカードを投入しても相性が良い。
《封印の黄金櫃》。デッキからカード1枚を選んで除外し、発動後2回目の自分スタンバイフェイズに、この効果で除外したカードを手札に加える効果の魔法カード。環境によって制限から準制限、そして無制限を行ったり来たりと忙しいが、【Kozmo】デッキに入れると、効果で除外したモンスターをフィールド魔法、《Kozmo-エメラルドポリス》の効果で回収すると言う、疑似的なサーチが出来る。
《抹殺の指名者》。宣言したカード1枚をデッキから除外する効果持ちの速攻魔法。ターン終了時まで、この効果で除外したカード及びそのカードと元々のカード名が同じカードの効果は無効化される。
主な使い方としては相手のデッキのキーカードを除外すると言う、メタカードの側面がある一方、《封印の黄金櫃》と同様に効果で除外したモンスターをフィールド魔法、《Kozmo-エメラルドポリス》の効果で回収する事も出来る。
「まぁ今日は一夏とカードショップ行って、色々話しながらデッキ組んでフリー対戦する予定なんだけど……あれ? 一夏から電話だ。どうしたんだろう?……はい、純一です」
『純一か? 悪いけど今日カードショップ行けなくなった……ごめん!』
「何かあったのか?」
『その……ついさっき箒達が俺の家に来て、これから一緒にカードショップ行く事になったんだ。純一がいつも行っている所とは違うから会う事は無いけど……ごめんな。せっかくの予定が台無しになって』
「成る程……そりゃ仕方ないな。一夏、今日は箒達が満足するまで付き合ってあげて。僕の事は気にするな。一人で出来るから。今日の埋め合わせはまた次の時に」
純一のこの日の予定。一夏と共に地元にあるカードショップの『デュエルラボ』に行って、【Kozmo】デッキに必要なカードを買い足してデッキを完成させる予定だった。
同時に一夏のデッキも構築して完成させ、2人でフリー対戦しながらデッキの動かし方を体に染み付かせる。本来であればその予定だったが、一夏からの電話でそれが無くなった。
箒達に振り回されている一夏の様子を想像して苦笑いを浮かべると、純一は身支度を済ませて『デュエルラボ』に向かっていった。
ーーーーー
(これで一通り足りなかったカードは揃った……これからは必要そうなカードも買うし、後はどんなデッキにしていくかが問題だな。まぁ帰ってから考えるとするか……)
「ん? あれ? 純一、お前来てたのか?」
「その声は……」
『デュエルラボ』の店内。メモ用紙に記載したカードを一通り揃えた純一が考え事をしていると、そこに赤い長髪にバンダナを巻いたイケメンが声を掛けてきた。
彼の名前は五反田弾。純一の中学生時代からの親友であり、デュエル仲間でもある。どうやらカードやパックを買いに来ているのだろう。弾の実力は純一に匹敵するレベルであり、彼自身も大会での優勝経験もある。
「弾。まさかここで君達に会うとはな……」
「あぁ。純一、お前『遊戯王』に復帰するのか?」
「まぁそんな感じだ。人目が付くから詳しい事はここでは話せないけど……」
純一は弾にカードショップに来た理由を話した。【Kozmo】デッキを作っている最中なのだが、【Kozmo】カードが足りない事に気付き、買い足しに来た事を。
弾はデッキをそこそこ持っている筈の純一がまたデッキを作ろうとしている事に疑問を抱くと、純一が先にその質問に答えた。
「【Kozmo】デッキか……俺も大会で見かけた事あるからアドバイスは出来るぞ?」
「ありがとう。こうなったのもIS学園が特殊制限ルールを定めたおかげで、市場価格の平均が1000円以上するカードが使用禁止になったんだ……おかげで【
「かなり変わった特殊制限ルールだな……でも構築変えれば戦えるだろう? そりゃエクストラは制限されるけど……」
「そうなんだよ……けど僕には出来ない。僕にとって
純一は劇場版『遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』の前売り券特典カードとして配布された
それ以来大会で優勝した時も、【
しかし、IS学園の特殊制限ルールで
「そっか……お前の
「本当は一夏と一緒にここに来る予定だったけど、箒達にドナドナされたみたいで……」
「ありゃ~それは大変だな」
「それに普段使っている《うらら》や《増G》も駄目となった今、構築を工夫して考えないと、IS学園の特殊制限下の大会で勝ち上がるには恐らく難しいと思う。IS学園にいる女子生徒は皆すげぇ倍率の中を勝ち抜いて入学してきたエリートなんだ。『遊戯王』にも直ぐに適応してしまうだろう」
「まぁ《幽鬼うさぎ》や《ヴェーラー》が禁止になっていないのは良心的だな……なぁ純一。これから家帰ってデッキ作るんだろう? 俺も付き合って良いか?」
「良いよ? 調整相手お願いします!」
純一達はお互いに購入するカードを持ってレジに並び、会計を済ませてカードショップを後にして純一の家へと向かっていった。
そこでIS学園での特殊制限環境仕様の純【Kozmo】デッキを作り、フリーデュエルをして調整を行う。この後の予定は決まった。その前に途中のラーメン屋に立ち寄り、ラーメンを食べたのは余談だが。
ーーーーー
「さてカードショップで言っていたけど、IS学園で『遊戯王』をやる事になった理由を話す。けどこれは他言無用で頼む。僕は君を一人のデュエリストとして、一人の親友として信頼している」
「何やら曰くつきって奴か……」
純一の自室。そこで彼は弾に自分が『遊戯王』に復帰する事となった経緯を話した。デュエルディスク型のISのモニターに選ばれた事。それが切っ掛けでIS学園で『遊戯王』を行う事になった事。非公認で小規模・中規模とは言えど、大会優勝経験のある自分が皆を引っ張らないといけなくなった事。
親友である彼に全てを打ち明けた。もちろん良い事ばかりではなく、今まで一夏の影だった自分が光を浴びて良いのかといった苦悩も全て打ち明けた。
「IS学園に入学してから、僕は一度も輝いた事が無かった。僕の直ぐ隣に一夏がいた。初心者なのに専用機貰えて、何か事件やトラブルがあるといつも解決して、その度に皆からワーキャー言われて、色んな女性から好意を抱かれて……僕なんか一度も光を浴びた事なんか無かった。テストで20番以内に入っても、一夏と一緒にトラブル解決しても、誰も何も言ってくれなかった。皆は僕の事なんかどうでも良いのかなって思えて……でもそんな僕が初めて輝けるチャンスを手にしたんだ。けど……こんな僕で本当に良いのか、もっと相応しい人がいた筈なんじゃないかだと思えて……」
「そっか……俺はIS学園の事はよく分からないけど、純一が悩んでいる事は分かったよ。一夏は確かにイケメンで女性から好かれやすいし、千冬さんの弟だから専用機を貰えて当然だよな……でも皆が皆、お前をどうでも良いと思っていないはずだ。だってお前は“世界で2番目のIS男性操縦者”なんだろう? 世界でたった2人しかいない貴重な存在なんだろう? ISの男性操縦者は。それこそアメリカの大統領や日本の総理大臣よりも大事なんだよ。IS学園の先生もそうだし、ISの関係者も皆お前が分からない時に色々配慮しているんだよ。一夏から聞いたよ。すげぇ倍率のエリート学校に何もない人が放り込まれても、それなりに上手くやれてるって。国家代表が専属コーチなんだって? テストで良い点数取って、テストが近付けば皆から頼りにされているんだって? そんな奴をどうでも良いなんて思えないよ……普通は」
「……そんなもんかな?」
「お前はさ、もっと自分の事を認めてやれよ。そりゃ確かに隣に一夏がいて自分より凄い事やっているのは分かったけどさ、お前には一夏にはない良い所があるんだ。それは物事に真剣に取り組み、向き合う事だと俺は思う。『遊戯王』だってそうだろう? 最初は弱かった。でも一生懸命デッキ作って、大会やイベントに出て修行して、フリーデュエルで経験積んで、大会優勝するまで強くなったんだろう? その……今まで積み上げてきた努力が今回結果として出たんだ。ここから先はお前が輝く番だ。今まで一夏が好きにやってきたんだろう? だったら純一も好きなようにすれば良いよ」
「好きなようにしろ……か。そうは言われても、僕は思うんだ。これからは僕が皆を支えると言うか、リードしていかなければならないって。今まではISの事は色んな先生だったり、先輩だったり、同級生から教わりながら勉強していった。でも今度はその逆になると思う。『遊戯王』の事を皆に教えつつ、一緒に楽しんでいかなければいけない。と言うより僕にはその責任や義務がある。例え小規模・中規模だったとしても大会優勝経験があるから、実績や経験がある訳だから自分にすげぇ大役が来たんだ。これからはIS学園と、僕を信じてデュエルディスクを託す企業の看板を背負う事になる……そう思うと今から頭が痛いよ」
弾は純一の“自分が皆に認められていない”と言う悩みを否定しながら励ます一方、純一は自分がIS学園と企業の看板となるだけでなく、自分にかつてない程の大役を任される事への重圧を打ち明けた。
IS学園の皆だけじゃなく、デュエルディスクを渡す企業や全世界にいるデュエリスト達の思いを背負わなければならない。何故ならデュエルディスクのモニターに選ばれたのだから。自分達がしている『遊戯王』の新たなる可能性を示し、いずれ辿り着く場所の景色を見せてくれる先駆者なのだから。
「そうだよな……そう思うのも無理はねぇか。けど純一、お前色々考えすぎなんだよ。難しい事になると特にそうだけど……もっとこう……理論的じゃなくて感情的に動いても良いんじゃねぇの?」
「そう言われても難しいんだよ……いずれ僕は親父の跡を継いで社長になる。そういう夢がある。親父から教えられた事がある。ボスとリーダーの違いについて。ボスは強いだけの奴が務める。リーダーは強くて皆を引っ張れる奴が務める。……ってな。僕は束さんから託された。皆にデュエルの楽しさや面白さを伝える事を。色んな人の思いや期待を背負わされるんだ。考えすぎって言われても……僕よりもっと強い人だったり、人間が出来た人ならもっと楽にいけるだろうけど」
「そっか……まぁまた何か困った事あったら遠慮なく俺や数馬に伝えてくれよ。話を聞く事なら出来るからさ。それで前置きがすげぇ長くなったけど、【Kozmo】デッキを作っていこう! ……そもそもの話、純一って【Kozmo】知っている?」
「あぁ。大会でこれまで何度も対戦してきた。勝ったり負けたりを繰り返してきた。……嫌でも知っているよ。相手のターンだったり、自分のバトルフェイズ中にオールラウンドに動けるデッキって印象が強い。下級サイキック族と上級機械族の2種で構成されていて、サイキック族がフリーチェーンでフィールドから除外出来る効果を持っていて、フィールドから除外されると手札から自分よりレベルの高いモンスターを特殊召喚出来る。上級機械族は戦闘・効果破壊されると、デッキから自分よりレベルの低いモンスターを特殊召喚出来る。下級サイキックで展開しつつ、上級機械族で制圧していく感じかな?」
「正解。流石何度も戦ってきただけあるね。臨機応変に戦えるのが【Kozmo】の強みで、ソリティア嫌いでオールラウンドに戦うデッキ好みの純一にはぴったりだよ。先ずはデッキを作る上で先ず軸を決めよう。下級サイキック族の《ドロッセル》と《フェルブラン》、どっちを軸にする?」
【Kozmo】デッキの構築を始めた純一、弾、数馬の3人。先ずはデッキを作る上で必要な軸を決める事。やりたい事を決める事。
このデッキの場合、下級サイキック族の《Kozmo-ドロッセル》と《Kozmo-フェルブラン》と言うサーチャーが2体いる。
両者を混ぜ合わせた構築も十分可能だが、この2体の性質の違いは戦略にも若干の影響を及ぼす為、まずはどちらを軸にするかから決めるとデッキの方針を安定させやすい。
今回の目標は《Kozmo-フェルブラン》軸のデッキを作る事。このデッキは相手をコントロールしながら盤面を制圧していく戦術を中心にしている。。
「え~と……下級サイキック族には共通効果があって、フリーチェーンでフィールドから除外すると、手札から自分よりレベルが高いモンスターを特殊召喚出来るんだったよね?」
「そうそう。《ドロッセル》が相手に戦闘ダメージを与えると、500LP払ってデッキからのサーチ効果が発動出来る。《フェルブラン》はエンドフェイズに500LP払うとデッキから《Kozmo》カードを3種類見せて相手にランダムで1枚選ばせる。選んだカードを手札に加えて、残りは墓地に送る。墓地肥やしをしながらサーチが出来るって奴だ。どっちにする?」
「僕の性格的に考えて、《フェルブラン》軸の方が良いかな?《ドロッセル》でサーチするとなると、《ドロッセル》の攻撃力自体がそこまで高くないから、戦闘補助系のカードを入れないといけなくなる。そうなるとデッキの枠を食う事になるから、《フェルブラン》の効果を使いつつ、《ドロッセル》で補助していくスタイルが良いな。その方が良いかな?」
「俺もそう考えていたよ。それじゃ《フェルブラン》軸の【Kozmo】デッキの構築を始めますか」
純一が事前に考えていた構築案を元に、弾と共に《フェルブラン》軸の【Kozmo】デッキの構築を始めた。墓地肥しを兼ねたサーチ効果を持つ《Kozmo-フェルブラン》を主軸としたタイプのデッキ。
効果の発動タイミングの関係上相手ターンに動く事が多い為、展開がややコントロール寄りのビートダウンになる事が特徴。
墓地からの蘇生を戦術に組み込める事から、《Kozmo》の弱点の1つである除外封じにある程度対処出来る強みがある。
「取り敢えず軸となる《フェルブラン》は3枚入れるとして、《フォルミート》は……2枚で良いかな? 3枚入れ……るか? 正直3枚入れなくても良い気がするんだよな……」
「《フォルミート》は1ターンに1度、500LPを払うと、除外されている自分の《Kozmo》モンスター1体を特殊召喚出来る。でも必ずしも除外されているとは限らないし、かと言って手札には持っておきたいし……2枚で良いと思う」
「だな。《フォルミート》は2枚、《ドロッセル》も2枚で良いよ。レベル4に《グリンドル》と《ダーク・ローズ》がいるけど、どっちにするか……」
「俺個人の意見としては《グリンドル》がお勧め。攻撃力は《ダーク・ローズ》が勝っているし破壊耐性もあるけど、《グリンドル》は《月の書》搭載だからな~それに攻撃力1900あるから、効果使ってから《ライオウ》とか《虚無魔人》も突破できるし……」
「それとさ、これ思い出したんだけど、《グリンドル》に、《クリスタルウィング》や《インフィニティ》にモンスター効果を無効にさせる効果を使わせて、手札にある《ダークシミター》を特殊召喚して破壊するテクニックを使えるから、2枚は入れたいね」
先ずは《Kozmo》のサイキック族下級モンスターを選んでいく2人。一定値のライフポイントを支払うと、それぞれの《Kozmo》モンスターカードの効果を発動する事が出来る。
特殊召喚できるのは自身のレベルに1足した数値以上なので、基本的には低レベルの《Kozmo》モンスターを使い、広い範囲の高レベル《Kozmo》モンスターを展開していく事が理想的だ。
「えっ、そういうテクニックもあるんだ!? 実際見たの!?」
「あぁ。大会の時に実際味わった。それで《クリスタルウィング》突破されて負けた……あれは本当に凄かった。そうしたら先に下級の《Kozmo》モンスターを特殊召喚出来るカードを入れよう。《緊急テレポート》。速攻魔法で、手札・デッキからレベル3以下のサイキック族モンスター1体を特殊召喚出来る。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズに除外されるけど、効果で除外される前に下級の《Kozmo》モンスター共通効果使って、自分を除外して自分のレベル以上の《Kozmo》モンスターを特殊召喚すれば問題ないね」
「それに速攻魔法だから相手ターンに使ったり、バトルフェイズに使って追い打ちかけれるから良いよね~でもこれは準制限カードだから2枚までしか入れられない。次は上級《Kozmo》モンスターだね。《-ダーク・エルファイバー》は上級モンスターでサイキック族だけど、このカード以外のモンスターの効果が発動した時、 1000LP払うとその発動を無効にして破壊できる。取り敢えずこれを立たせておけば大丈夫。駄目なら効果使って、上級モンスターを特殊召喚すれば良い。2枚入れよう」
雑談を交えつつ、先ずは下級のサイキック族《Kozmo》モンスターを選んで枚数を入れ終えた純一と弾。次は上級の機械族《Kozmo》モンスターを選びつつ、《Kozmo》と相性の良いカードを選んで枚数調整を行う。
「ここから上級機械族になるけど、彼らは戦闘・効果破壊されて墓地に送られたら自身を除外し、自分よりレベルが低いモンスターをデッキから召喚出来る効果持ちなんだ。先ず《-スリップライダー》は2枚入れよう。召喚・特殊召喚に成功した場合、フィールドの魔法・罠カード1枚を破壊出来る。セットカードの除去要員なんだけど、これ相手だけじゃなくて、自分の魔法・罠カードでも良いんだよ。この効果を使って、専用フィールド魔法の《エメラルドポリス》を破壊する事も出来る。《エメラルドポリス》が効果破壊されると、デッキから《Kozmo》カード1枚を手札に加える事が出来る」
「そうなんだよな~それ知った時も驚いたよ。全部で3つ効果があって、1つ目はさっき言った効果で、もう1つが除外されている自分の《Kozmo》モンスター1体を手札に戻す効果。ただこれを使うと、モンスターの元々のレベル×100LP失うから使う時は気を付けないと。もう1つは手札の《Kozmo》モンスターを任意の数だけ相手に見せた後にデッキに戻して、シャッフルしてその数だけドローする効果。効果破壊された時以外の2つの効果はターン1制限付いているから気を付けよう」
「そうなると《エメラルドポリス》を持ってくる《テラ・フォーミング》を制限だから1枚入れるとして、デッキとか手札から《Kozmo》モンスターを除外する手段がないと駄目だな……」
「やっぱりドローソースは欲しいね。手札を充実させないと、《Kozmo》お得意のモンスターを入れ替える戦術は使えない。本当ならゴーキンを入れたいけど、市場環境で禁止だから《闇の誘惑》だな。これは2枚ドローした後、手札の闇属性モンスターを除外するんだけど、上級機械族の殆どが闇属性だから相性良いんだよ。《エメラルドポリス》と組み合わせれば、除外したモンスターを回収出来るからお得だね」
購入したカードや事前に用意してあるカードにスリーブを通していく純一。彼のスリーブは三重になっている。最初はカードにぴったり合ったインナースリーブ。次は公式スリーブ。純一は【青眼】のスリーブを使う事が多い。最後は硬くて丈夫なスリーブ。
基本的にはこの順番で重ねスリーブをしており、それを入れる作業が面倒である為、入れるカードが決まったら次々とスリーブに通している。
「でも準制限だから2枚しか積めないね……後は制限カードだけど《封印の黄金櫃》。これはデッキからカードを1枚除外する魔法カード。発動後2回目の自分のスタンバイフェイズに手札に加えられるけど、その前に回収するのが多いかな? 他には《抹殺の指名者》。これは3枚入れよう。効果なんだけど、宣言したカード1枚をデッキから除外出来る。ターン終了時まで、この効果で除外したカードと元々のカード名が同じカードの効果は無効化される。《封印の黄金櫃》と使い方は同じだけど違って速攻魔法だから相手ターンに打てるし、何より相手を妨害出来るのも強い。Vジャンプの付録カードだったなぁ~これ。3冊買ったぜ?」
「な、何て模範的なデュエリストなんだ!? 《ランドウォーカー》は自分の《Kozmo》カードが戦闘・相手の効果で破壊される場合、代わりに他の自分フィールドの《Kozmo》カードを破壊出来る。さっき言った《エメラルドポリス》と組み合わせれば、デッキから《Kozmo》カードを加えられて無駄がないね。これはピン差しで。《フォアランナー》は攻撃力2800でライフ回復効果持っているけど、そこまで使わないと思う。でも入れておいて損はないから 取り敢えず1枚は欲しいな……相手の効果の対象にならないし」
「このデッキのエース、《ダークシミター》は3積み確定。攻撃力3000、召喚・特殊召喚した時にモンスター破壊、相手の効果の対象にならない、しかも戦闘・効果破壊されたら後続呼べる。強いとしか書いてない!」
「《ダークエクリプサー》は……これ入れるか? 効果は強いけど墓地にモンスターいないと意味ないし……」
ここからは《Kozmo》の機械族最上級モンスターの選別に入った。エースモンスターの《ダークシミター》は効果が強くて打点も高く、相手の効果対象にされず、破壊されても後続を呼べるから真っ先に手札に確保しておきたい。
現在の環境だけでなく、IS学園の特殊制限環境でも極めて強力なモンスターになる事は間違いない。それだけに大会で活躍して制限カード入りしそうなのが怖いが。
「まぁ《フェルブラン》の効果で墓地肥やせるし、攻撃力3000で耐性あるからアタッカーとして使おう。回してみて要らなければ、一度抜いてサイドデッキに入れれば良いし」
「取り敢えずデッキの主要パーツはこれくらいかな? 枚数は……31枚。残る9枚をどうするか考えよう。流石に守りの要素を入れないと駄目な気がする」
「守りとなると、《エナジーアーツ》と言う罠カードになるね。これは自分フィールドの《Kozmo》モンスター1体を破壊し、相手フィールド・墓地のカード1枚を選んで除外する。これ“選んで”と書いてあるから、“対象を取らない”除去になるんだ。破壊耐性持ちはこのカードで処理しよう」
「《リビングデッドの呼び声》は相手ターンに動くのなら採用した方が良いな。《フェルブラン》の効果で墓地肥やせるし、《ダークシミター》を蘇生すればけっこう威圧感あるから出したいね」
「後は手札誘発と汎用カードだね。《幽鬼うさぎ》3枚と、制限カードの《ハーピィの羽根箒》を1枚入れて完成だな!」
「41枚になったけど、メインデッキは40枚~45枚が理想だから良いんじゃないかな? 《ワン・フォー・ワン》入れても良い気はするけど取り敢えず回してみな? 俺はその間対戦するデッキをそっちの特殊制限に寄せるから」
取り敢えず完成したIS学園仕様の【Kozmo】デッキ。純一は一人回しをしてデッキの動かし方を一通りシュミレーションし始める。
その間に弾と数馬は持ってきているデッキを調整していた。それが終わると、純一が持っている分厚いカードファイルを見始めた。その数とクオリティーの高さに苦笑いを浮かべたのは秘密である。
「いや~出来た~!」
「お疲れさん。完成した純【Kozmo】デッキ、戦えそうか?」
「あぁ。元々パーツは持っていたとしても安く組めたし、回すのも比較的簡単。それでいて強いから学園の特殊制限ルールでも十二分に戦えそうだ。それにソリティアみたいな展開がそんなにないから、対戦相手に優しいのも良いね。強さも強過ぎず、弱すぎずでフリー対戦にちょうど良いね」
「それじゃあデュエルさせてもらいましょうかね!」
「僕の純【Kozmo】デッキを満足させてくれよ!」
純一は純【Kozmo】デッキを用いて弾とのフリー対戦に挑む事にした。お互いにラバー製のプレイマットを広げ、デッキをカット&シャッフル。“デュエル!”と言う掛け声と共に対戦を始めた。
ーーーーー
「いや~強ぇな【Kozmo】。流石元環境デッキだけあるよ」
「そういう弾も相変わらず強いな!」
「純一には負けるよ」
気が付いたら外は夕暮れ時になっていた。一体どれくらいの時間デュエルしていたのだろう。何回対戦したのだろう。何度デッキを変えたのだろう。考えるのが面倒になるくらい、二人は心からデュエルを楽しんでいた。
勝てば嬉しい。負ければ悔しい。普段大会特有のピリピリした雰囲気を味わっている二人だが、フリー対戦では肩の力を抜いてデュエルしている。
「にしても特殊制限環境か……一体どうなるのやら。IS学園の特殊制限だと、今環境にいるテーマは使用禁止になるんじゃないかって思う。【サラマングレイト】や【エンディミオン】や【シャドール】みたいなストラクである程度組めるテーマは分からないけど……」
「やっぱりか~僕らが出ていた特殊制限大会もそうだし、特殊制限って聞くと普通はそっちを思い浮かべるんだよね。ファンデッキしか使えない大会だったり、そういうイベントもあるから僕自身は全然良いんだよ。多分だけど【オルターガイスト】や【トリックスター】のように安く組めて、それでいて環境入りの経験のあるデッキがこれから活躍しそうな気がする。でもね、そういうデッキが組めるのって僕達だけだと思うんだ。カード知識がそれなりにあって、かつ環境の事を知っていないと無理だから」
「まぁでもIS学園にいる女の子達の大半は『遊戯王』初心者だし、大会の事を考えるのはこれからで良いだろう。でさ、『遊戯王』を始めるのってけっこうハードルが高いと思う。と言うのも、ルール難しいし、効果処理ややこしいし、何よりお金がかかるだろう? だから学園側も高いカード使用禁止にしたんだと思う」
数馬の予想に純一も同意していた。IS学園の特殊環境では現環境を支配しているテーマが軒並み禁止に追いやられる事を。
そもそも特殊制限大会は現環境で使われているテーマやキーカードを禁止・制限する事で、プレーヤーのデッキ構築力やアイデンティティを存分に発揮させる為にある。今回の場合は初心者・復帰勢の人でも大会を楽しめるようにする配慮なのだが。
その中で昔は環境にいたけど、禁止制限や規制やカードパワーによるインフレで環境落ちを余儀なくされたデッキが活躍する。例えば【ライトロード】や【BF】等。
しかし、それを理解してデッキを構築出来るのは、それなりにカード知識のある純一のような一握りの人間だけだ。その時点で格差が出来ているが、こればかりは仕方ない。純一は特殊制限ルールで大幅な弱体化を余儀なくされたが、それでもまだまだトップに君臨出来るだけの力がある。
「多分僕以外の経験者以外の生徒は、『ストラクチャーデッキ』を3箱買って、それをベースに独自のデッキを作っていく感じかな? となると環境に入りそうなのはその辺かな?」
「俺もそう思う。となると今出ているストラクで環境入りしそうなテーマは……やっぱり【マシンナーズ】かな? 俺達がまだ小さい頃に出たストラクがリメイクされたんだぜ? すげぇよな……もう良い世の中になったよ」
純一は大会の上位を占めるのは自分達専用機持ちや代表候補生だが、使われるデッキは『ストラクチャーデッキ』を3箱買って構築した物と予想する。
それに頷く弾は環境入りするのは【マシンナーズ】のように汎用性が高く、それでいてシンプルで強いテーマやデッキが来る事を告げる。後にこの予言は的中するのだが、それはまた別の話にしよう。
「次は【ドラグニティ】だもんな……学園だとこうして環境の事とか話せる人いなくなるからな……休日は弾や数馬、カードショップにいるデュエリスト仲間が僕の満足を満たしてくれるよ」
「おいおい。学園に女友達の一人二人いるだろう? 彼女達ともデュエルしてやれよ。俺も付き合うからさ」
「ありがとな。にしても【Kozmo】デッキか……まさか今まで散々僕を苦しめたデッキと一緒に戦うなんて夢にも思わなかったよ。しかも束さんが僕にお勧めしたなんて……」
「束さんが!? どういう風の吹き回しなんだ!?」
「多分さ、【Kozmo】って宇宙をテーマにしているだろう? 厳密に言えば違うけど……そもそもISって宇宙空間での活動を想定して開発されたマルチフォーム・スーツだろう? 宇宙進出って夢を束さんが叶えたいから開発した……今はそっちの分野での研究が停滞しているけど、束さんはやっぱりISを宇宙で使いたい思いがあるんじゃないかな? だからデュエルディスク型のISを使う事になった僕に、同じ宇宙をテーマにした【Kozmo】を使って欲しいから勧めた。……と信じたいね」
その後も純一と弾はデュエリスト同士仲良く談笑に耽っていた。来週からいよいよデュエルディスク型のISを渡され、本格的にIS学園で『遊戯王』が行われる。
果たしてそのデュエルは自分を満足させてくれるのか。自分は何処まで通用するのか。自分の限界を突き破り、見果てぬ先を目指す純一の目には楽しみしかなかった。
ここまで呼んで下さり、大変ありがとうございます。
今回も後書きとして裏話・裏設定を書いていこうと思います。
・この小説における五反田弾君とは
原作では一夏君の悪友ですが、この小説ではそれに加えて純一君の親友兼デュエル仲間と言う設定です。実力は純一君と互角と言う設定にしていますが、使うデッキはまだ考えていません(汗)
イメージは戦士族モンスターを使ってそうなので、使用デッキは【カオス・ソルジャー】にしようか考えています。
純一君は弾君を親友として、デュエリストとして心から信頼していて、一夏君や両親には言えない事を正直に打ち明けていきます。例えば今回みたいな苦悩だったり。
・純一君にとっての【青眼】デッキ
亜白龍に一目ぼれしてデッキを作り、大会に出場しまくったと言う設定です。スリーブとプレイマットも亜白龍と言う異常なこだわりを見せており、亜白龍が入らない青眼デッキは使わないと言い切る程です。
なのでこの小説では【青眼】デッキのデュエルは多分1~2回あるかないかくらいの割合になると思います。
・純一君の実績と小説での立ち位置
非公認・公認大会の最高成績……優勝 店舗大会・CSの最高成績……準優勝
※CSの最高成績は青眼の全盛期で、それ以外はベスト4が最高成績です。
今作では一応このような設定ですが、特殊制限ルールによって大幅な弱体化を喰らっています。自身が実績持ちで専用機持ちになり、また企業のモニターに選ばれた為、”自分が皆を引っ張っていく”と言う自覚と覚悟を持つ事になります。
立ち位置としては主人公でありつつ、一夏君達を引っ張りながら成長を促す兄貴的ポジションになるかと。
・この小説における環境デッキは?
『ストラクチャーデッキ』で純粋に強い【マシンナーズ】、安くて強い【Kozmo】や【オルタ―ガイスト】等が来るかな?と思います。制限カードになりそうなのは《スキルドレイン》でしょうか。あれは強い(汗)ただ私が使うと敗北フラグですが(笑)
・束さんが純一君に【Kozmo】デッキを勧めた理由
本編で言及していましたが、本来宇宙空間での活動を想定して開発されたISと、同じ宇宙をテーマにしたデッキ繋がりと言う事です。
以下に掲載するのは今回の話で純一君が構築した【Kozmo】デッキ。純粋な【Kozmo】デッキです。IS学園仕様になっており、普通のレギュレーションでは《灰流うらら》や《強欲で金満な壺》を入れると、より強くなります。デッキ枚数は41枚。
遊戯王の初心者・復帰勢・【Kozmo】を使いたい方は是非参考にしてみてください。アドバイスがあれば遠慮なくどうぞ。
・モンスター:22枚
ダークエクリプサー×1
ダークシミター×3
フォアランナー×1
ランドウォーカー×1
スリップライダー×2
ダーク・エルファイバー×2
グリンドル×2
ドロッセル×2
フォルミート×2
フェルブラン×3
幽鬼うさぎ×3
魔法:13枚
エメラルドポリス×3
テラ・フォーミング×1(制限カード)
緊急テレポート×2(準制限カード)
ハーピィの羽根箒×1(制限カード)
闇の誘惑×2(準制限カード)
封印の黄金櫃×1(制限カード)
抹殺の指名者×3
罠:6枚
リビングデッドの呼び声×3
エナジーアーツ×3
純一君のコメント:ゴーキン使えるようにして欲しいなぁ……
次回は『呉島エンタテインメントスタジオ』のプレゼンと、カリスマデュエリストによるルール説明を記していきます。
次回をお楽しみに! LAST ALLIANCEでした!
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