遊戯王IS〈インフィニット・ストラトス〉 作:LAST ALLIANCE
前にUA5,000突破記念の番外編を記すと言いましたが、投稿は第1章が終わってからになります。本編のネタバレはなく、あくまでIF世界の話にする予定です。
評価ポイントが入りましたが、あまり良い点数ではありませんでした。
これはもっと頑張れと言うお告げだと割り切って、頑張っていきます。
(まずいなこのままだと……まさか代表候補生が授業をボイコットしているなんて……とんでもない事案だ)
IS学園。『カードターミナル』IS学園店。学年別クラス対抗デュエルトーナメント開催まで残り1週間となった。そんな中、『デュエル・ストラトス』こと『遊戯王OCG』の講師として派遣された、『カードターミナル』のスタッフ、長尾大樹は困った表情を浮かべていた。
その理由は彼が講師を受け持っている1年6組にあった。6組のクラス代表兼オーストラリアの代表候補生、エヴァ・ヨハンソンが授業を全て欠席している事。代表候補生はこの大会に出場義務があるにも関わらず。この出場義務を定めたのは自分達でも、IS学園でもなく、IS委員会なのに。
このイベントの主催者ことIS委員会のシナリオでは、このイベントを通じてISのイメージ回復兼『デュエル・ストラトス』の普及を行いながら、チケット販売等で得たお金を莫大なコストがかかるISに充てたり、自分達の羽振りの良い豪華な生活に使用するつもりだ。
しかし、現実は予想通りに行かないのが常である。まさか彼女達も予想していなかっただろう。授業を全部欠席している代表候補生がいると言う事に。
(エヴァさんがクラスで横暴な振る舞いをし続けたせいで、クラスの雰囲気は最悪で団結力はないような物だ。担任の先生も見て見ぬふりをしているし、学級崩壊と言っても良いレベルだ。よく今までもっていたな……)
6組の問題はエヴァだけではない。彼女が横暴な振る舞いをし続け、担任の先生がそれを黙認しているせいで、6組の雰囲気が余りにも悪いとしか言えない物となっていた。
クラス代表と担任を除けば、副担任の先生とクラスのまとめ役のおかげもあって、何とかクラスとしての機能を維持している。
外部から来た自分でも分かるくらい、現在の1年6組の内情は酷いとしか言えない。早急に何とかしないといけない。と言うのも、学年別クラス対抗デュエルトーナメント開催まで後1週間となった事もあるが、この時既にチケット販売が始まっている事が問題だった。
そんな状態に加え、IS学園は『カードターミナル』のスタッフにこのような意向を示した。“1ヶ月で初心者たるIS学園の生徒達をトーナメントプレーヤーの純一レベルにするように”。ただでさえ無茶な要求に加え、6組の内情が内情なだけにとてもではないが、IS委員会の要望を満たす事は難しい。
IS委員会が主催するIS学園及びISのイメージアップ、『デュエル・ストラトス』のお披露目イベントの大会。現状のまま大会を迎えれば、確実に6組のゴタゴタの影響を受けてISの更なるイメージダウンに繋がってしまう可能性は高い。
そうなった場合、IS委員会は大会失敗の責任を自分達、『カードターミナル』に擦り付けるつもりだ。”お前達がしっかりした授業が出来なかった為、醜態を世間に晒す事になった”だの好き勝手言いながら。
「はい、授業を始めます。その前に皆さんに大事なお話があります」
1年6組。『遊戯王OCG』の授業。この日もエヴァは欠席し、整備室でISのシュミレーターで一人訓練に励んでいた。
そんな中、大樹は6組の女子生徒達にカードショップ側の人間として現実を突き付ける事に決めた。例えどう思われようとも、自分の仕事を果たす為に。
「学年別クラス対抗デュエルトーナメントまで残り後一週間となりました。はっきり言わせてもらいます。このままで行くと、このクラス、6組のせいでイベントが失敗になる可能性があります」
『……』
大樹の発言に6組の誰もが俯きながらも現実を受け入れた。彼女達も理解していた。傍若無人過ぎるエヴァの振る舞いと、それを見て見ぬふりで黙認している担任。2人がいる限り、6組に真の平和は訪れない。
出場義務のある代表候補生が授業をボイコットし、担任も出席していない。それを放置しているクラスメートも連帯責任で何かしらの罰を受ける事になるだろう。
恐らくIS委員会と女性権利団体は代表候補生を守り、一般生徒を切り捨てる方針で行くつもりだ。エヴァの実態を知らない彼女達ならばやりかねない。
「このクラスで一体何があったのかは聞きません。私は外部から来た講師なので、この学園の事情に踏み入る事は出来ません。ですが、代表候補生が使い物にならないどころか義務を果たさない体たらくでは、試合に勝つ負ける以前の話になります。今の6組は正直クラス対抗戦に挑める状態ではありません」
大樹はこの時内心ではエヴァと担任の永田洋子に激しい怒りを覚えながらも、それを押し殺して冷静に話を進めた。
代表候補生と言う立場にいる以上、やらなければいけない事や背負わなければいけない物がある。つまり責任や義務が発生すると言う事となる。
エヴァの体たらくもあって、1年6組は雰囲気だけで見ると、全クラスの中でもぶっちぎりの最下位。クラス代表のエヴァが傍若無人な振る舞いをしつつ、クラスメートを道具扱いしている事から総スカンを喰らっているに等しい状態。更に言えば女尊男卑を掲げている為、純一からの説得や援助は期待できない。
それに対して担任の永田洋子はただ見ているだけでエヴァを注意しない。更には自分の授業の大半を自習にする程。一体何処で何をしているのやら。おかげで6組の成績もあまり良いとは言えない。
クラス対抗戦では個々の実力やデッキ構築力もそうだが、それ以上にクラスの団結力が問われる。誰がどのデッキを使うか。どのカードを選ぶか。それだけを切り取っても、周りとどれだけ協力出来るかが問われる大会となる。
そんな人間関係が最悪と言って良い状態でどうやって勝ち抜けと言うのか。6組は全員が初心者であり、エヴァもその一人だ。それなのに授業をボイコットしている。勝てる筈の勝負を自ら捨てに行っているとしか思えない。
確かにIS学園の一日のスケジュールを見ると、当然の事ながらISに関する授業や訓練の比重が大きい。疲れもあるだろう。授業の予習復習もしたいだろう。その気持ちも分かる。
しかし、その合間を縫ってデッキを構築したり、デュエルしたり、情報交換を行う等と努力をしている生徒達がいる。その人達の為に鬼になるしかなかった。
「長尾先生はこのクラスを捨てるつもりですか?」
「まさか。ただ私はこのクラスがきちんと大会に出て、それなりのデュエルをする為にはあの代表候補生と担任が危ないと思っているだけです。はっきりと言います。このクラスを守る為にはあの2人を排除すべきです」
「私も……そう思います」
「伊藤さん?」
「長尾先生……抽選会があった日、私……エヴァさんの所に行きました。その時に言われました。“自分は名前だけ登録するけど当日は出ない”と」
亜依の言葉に大樹は目を見開き、クラスの至る所でどよめきが起こった。まさかここまで傍若無人だったとは。出場義務のある大会に出ず、無関係を貫き通す。
その姿勢に大樹は悟った。もう話し合いでどうにか出来るレベルではない。実力行使でどうにかするしかないと。
「それに、純一君のいるクラスと対戦が決まった事を伝えたら酷く怒られました……もう我慢出来ません。正直嫌です。エヴァさんがいるとこのクラスどころか、私もどうにかなりそうで……それで5組のナタリアさんに相談しました。そうしたら嘆願書を書き、理事長に提出するようにアドバイスを受けました」
そう言った亜依が見せた嘆願書、もとい報告書の書類。そして証拠記録として用意していた音声や映像記録の数々。テープレコーダーやら何やら色々とある。
“膨らみ過ぎた風船はやがて破裂する”とは言うが、今まで伝えるチャンスを逃していた為、かなりの数となっていた。
試しに大樹は報告書に目を通してみた。書類だけでもかなりの数があり、普段どれだけエヴァが横暴な振る舞いをしてきたのか、理事長に伝えるには十分すぎる内容と言える。
「これは驚いた……まさかここまでだったとは」
「長尾先生、ご協力をお願いします」
「分かりました。出来る限りの事をします。ですが出来れば大会が始まる前に決着を付けましょう。私の経歴に泥を塗る事は一向に構いませんが、皆さんの美しい顔に泥を塗る訳には行きません」
こうして長尾大樹は講師としての仕事を逸脱する事を理解した上で、1年6組からエヴァ・ヨハンソンと永田洋子を追い出す手助けをする事となった。
何故手助けをするようになったのか。理由は幾つかあるが、一番はエヴァと洋子以外の面々がきちんと授業を受け、着実に成長している姿を見ている事だった。
ーーーーー
「まさかここまで酷い有り様だったとは……私の教員の管理不届きですね」
「これは酷い……まさか代表候補生あろう者が……」
次の日。理事長室。IS学園の実務関係を取り仕切る事実上の運営者こと轡木十蔵と、その妻である轡木綾子の2人は6組の嘆願書と証拠記録に一通り目を通すと、6組で起きていた事の重大さに打ちのめされた。
まさか自分達の知らない所で代表候補生が横暴な振る舞いをしていたり、担任の先生が授業放棄をしていたとは思ってもみなかったのだろう。
「直ぐにエヴァさんと永田先生を呼ぶように」
そう言い切った十蔵は内心激怒していた。そこには“学園内の良心”と言われている姿は無く、妻の綾子ですら一歩引く程の怖さを放っていた。
それから数分後。理事長室に2人の女性が入って来た。彼女達は真剣な面持ちをしながら、十蔵と向き合っていた。
1人は1年6組のクラス代表でオーストラリアの代表候補生、ツインテールの金髪に釣り上がった瞳が特徴なエヴァ・ヨハンソン。もう1人は黒髪のショートヘアで怖そうに目を吊り上げている永田洋子。
「何かあったんですか?」
「私はISの訓練がありますので手短にお願いします」
洋子とエヴァの言葉を受けた十蔵は渋い表情となった。まるで他人事のような態度だったからだ。
自分達のせいで1年6組の皆が辛くて嫌な思いをしている事に気付けない、気付こうとしない事に苛立ちを覚えながらも、十蔵は彼女達に現実を突き付け、理事長としての判断を下す事を決めた。
「お忙しい所大変申し訳ありません。今回お話したい事なんですが、実はお2人がいる1年6組の皆さんと講師の方から報告書を頂きました」
そう言った十蔵は目を鋭く細めながら、彼女達に6組の皆が記した報告書の数々を渡し、数々の証拠を見せた。
報告書に目を通し始めたエヴァと洋子の表情が見る見るうちに青褪めていく。まさか6組の生徒達が、見下している女子達が結束して自分達を陥れようとは思ってもみなかったのだろう。
「エヴァさん。正直言って貴女の行いは代表候補生はおろか、人間の風上にも置けません。クラス代表で代表候補生を務める貴女が授業をボイコットしているに飽き足らず、これまでクラスで横暴な振る舞いをしていました。幾ら代表候補生になれたと言っても、やって良い事と悪い事があります。貴女の行いは最早常識から逸脱しています」
容赦なくエヴァに突き刺さる十蔵の言葉。普段は決して怒らない人物だが、怒った時の迫力は千冬ですら震え上がる程に凄まじい。
そんな十蔵の姿にエヴァは震え上がる事しか出来ない。今までの行いのツケが、これまで自分の行いで迷惑を被った人間の代弁として聞こえて来たからか。
「永田先生。貴女も同じです。私はこの報告書に目を通し、音声や映像記録を一通り確認しました。そして長尾先生の話も聞きました。エヴァさんが授業に出てくれない。クラスの生徒がどんなに説得しても駄目だと。毎回酷い事を言われる。自分が説得しても全然駄目だ。もうこのクラスは学級崩壊しているも同然の状態。大会まで残り一週間しかない。今の内にどうにかしないととんでもない事になる。長尾先生はこのように仰っていました。外部講師として来た長尾先生の方が、担任を務める貴女よりクラスの事を思い、例え自分がどうなろうともクラスの皆を守ろうとしている。貴女は何も感じないんですか!?」
「クラスが崩壊しかけているにも関わらず、貴女は担任の仕事も放棄し、自分の授業も自習にしていると色んなクラスから苦情も来ています。一体どういう事ですか? 全部話してもらいますよ」
「申し訳ありません。何分他の仕事が重なっていて中々出席出来ず……」
「他の仕事? あぁ、女権団体の理事を務めているんですよね貴女は」
「ッ!? どうしてそれを!?」
「文化祭で純一君が襲撃された事件を覚えていますよね? 犯人のIS部隊を雇った女権団体の名簿を調べていた時、貴女の名前があったのですよ。貴女ですよね? 文化祭の日、純一君を襲撃する部隊を迎え入れ、何の罪もない一般人に怪我をさせたのは」
十蔵は全てを理解していた。文化祭で純一を襲撃したIS部隊を雇った女権団体。その役員の一人が永田洋子である事に。
でないと納得が出来ない。何故十数人以上ものIS部隊がIS学園に簡単に侵入する事が出来たのか。それはIS学園に内通者がいたから。となると、IS学園の中に女権団体の役員を務めている人がいるとしか考えられない。
そう考えながら調べていた時、襲撃部隊の雇い主だった女権団体の役員名簿の中に洋子の名前があった。顔写真も掲載されており、完全に一致していた。言い逃れは出来ない。
ちなみに洋子は授業を放棄している間、女尊男卑を掲げる権利団体の会合に参加している。一説に寄ると、IS委員会の下請けと化している女尊男卑を掲げる権利団体から送り込まれたスパイとされている。
IS学園には女尊男卑の思想に凝り固まった女子生徒や教師が多い。洋子のように女尊男卑を掲げる権利団体に所属している誰かが内通している事で、文化祭の黒田純一襲撃事件を引き起こした程、女尊男卑の思想は根強く浸透されている。
「お二人には懲罰房にて無期限の謹慎処分を下します。エヴァさん。今回の一件はオーストラリア政府に報告します。永田先生も追って処分を言い渡します」
余談だが、2人のその後について少し語っておこう。先ずはエヴァ。彼女は6組で行った数々の悪行がIS学園において白昼に晒されただけでなく、SNSに拡散され、世論から袋叩きに遭った。自業自得としか言えない。
事態を重く見たオーストラリア政府は彼女を強制帰国させて事情聴取を行っている時、各国の代表候補生から“エヴァは間違ったやり方で代表候補生になった”と言う告発文書が次々と送付された。
調査の結果、エヴァの母親が女権団体の役員を務めており、政府の要人に賄賂を贈って彼女を代表候補生に選ばさせたと言う事実が明らかになった。また、オーストラリアの代表候補予備生達からも同じように告発が殺到した。
クラスだけでなく、世界中から総スカンを受けたエヴァは代表候補生の権限を剥奪させただけでなく、母親と共に国外追放となった。2人は女権団体に保護され、同士として迎え入れられる事となった。
担任の永田洋子は教員免許を剥奪され、女権団体に身を寄せる事となった。しかし、この時十蔵は知らなかった。エヴァと洋子。2人を保護した女権団体が後に報復としてIS学園を襲撃しに来る事に。
ーーーーー
「はい! 皆さんこんにちは! 今日の授業で召喚方法を一通りマスターする事となります。今回はペンデュラム召喚とリンク召喚の2つを一緒に勉強します。では最初にペンデュラム召喚から入ります。教科書の〇ページを開いて……」
理事長室で6組の担任とクラス代表に制裁が加えられているのと同じ頃。1年5組では『遊戯王OCG』の授業が行われている。この日のお題はペンデュラム召喚とリンク召喚。
今回の授業でようやく一通りの召喚方法をマスターする事となる為、女子生徒達とナターシャの目は真剣だ。そんな中で純一は召喚口上を言わされると思うと、少し憂鬱そうにしているのは秘密だ。
「先ずはペンデュラムモンスターの説明をします。ペンデュラムモンスターは、モンスターとして召喚するだけでなく、ペンデュラムゾーンに魔法カードとして発動する事も出来る、一枚で二度美味しいモンスターカードです。モンスターとして召喚する場合はメインモンスターゾーンに召喚します。魔法カードとして使う場合、魔法・罠ゾーンの左端と右端、ペンデュラムゾーンに置いて発動します」
「ペンデュラムモンスターの左側に青色の矢印、右側に赤色の矢印が書かれているのが分かりますか? この矢印の下に数字がありますが。これはペンデュラムスケールと言う数字になります。ペンデュラム召喚に必要な数字になります。ここで例として、2枚のカードを挙げましょう。《星読みの魔術師》と《時読みの魔術師》です」
《星読みの魔術師》
ペンデュラム・効果モンスター
レベル5/闇属性/魔法使い族
ATK/1200 DEF/2400
【Pスケール:青1/赤1】
(1):自分のPモンスターが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法カードを発動できない。
(2):もう片方の自分のPゾーンに《魔術師》カードまたは《オッドアイズ》カードが存在しない場合、このカードのPスケールは4になる。
【モンスター効果】
(1):1ターンに1度、自分フィールドのPモンスター1体のみが相手の効果で自分の手札に戻った時に発動できる。その同名モンスター1体を手札から特殊召喚する。
《時読みの魔術師》
ペンデュラム・効果モンスター
レベル3/闇属性/魔法使い族
ATK/1200 DEF/600
【Pスケール:青8/赤8】
自分フィールドにモンスターが存在しない場合にこのカードを発動できる。
(1):自分のPモンスターが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時まで罠カードを発動できない。
(2):もう片方の自分のPゾーンに《魔術師》カードまたは《オッドアイズ》カードが存在しない場合、このカードのPスケールは4になる。
【モンスター効果】
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、1ターンに1度、自分のPゾーンのカードは相手の効果では破壊されない。
「例えば《星読みの魔術師》と《時読みの魔術師》をペンデュラムゾーンにセットしました。これでペンデュラム召喚の準備が整いました。ペンデュラムスケールの間のレベルを持つモンスターを手札から特殊召喚する事が出来ます。この場合だと、レベル2からレベル7のモンスターを同時召喚出来ます。エクストラデッキからもペンデュラム召喚出来ますが、ルール改訂によってリンクモンスターを使わないと出来なくなりました……やはり簡単に大量展開出来るようになったのがまずかったのかな~と私は思います」
「ではリンク召喚について説明します。先ずはリンクモンスターから。リンクモンスターはレベルとランクと守備力を持たない、紺色の枠をしたモンスターカードです。使用する時は、メインデッキではなくエクストラデッキに入れましょう。リンクモンスターは“リンクマーカー”と言う赤い矢印を持ち、そのモンスター自身だけでなく、マーカーが指し示す先の場所だったり、その場所に置かれているカードに様々な効果を与える事が大きな特徴です」
「リンクモンスターの攻撃力の隣に“LINK”の数字があるのが見えるでしょうか? これはリンク召喚するのに必要なリンク素材の数です。この数字はリンクマーカーの数字と一緒です。モンスター1体はリンク素材1体分とみなしますが、“LINK-2”とあるリンクモンスターを別のリンクモンスターのリンク素材にする事も出来ます。その場合は、“LINK”の数字と同じ数のリンク素材として扱います。“LINK-2”とあるリンクモンスターであれば、2体分の素材として扱います」
「では実際にリンク召喚とペンデュラム召喚をやってみましょう。先ずリンク召喚のやり方を説明します。今回は例として、フィールドに《レッド・ガジェット》と《ゴールド・ガジェット》の2体のモンスターがいると仮定します。手札に《グリーン・ガジェット》と《イエロー・ガジェット》、《星読みの魔術師》と《時読みの魔術師》があります。そしてエクストラデッキに裏向きで《クリフォート・ゲニウス》、表向きで《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》がいると言う状況です」
「先ずリンク召喚を行う場合、あらかじめリンクモンスターをエクストラデッキに入れておいて下さい。そしてリンク召喚を行う為に必要なリンク素材を揃えて下さい。リンクモンスターに召喚条件が記されてますが、例えば《クリフォート・ゲニウス》はリンク2で、機械族モンスター2体をリンク素材として要求しています。今はフィールドに機械族モンスターの《レッド・ガジェット》と《ゴールド・ガジェット》がいますが、あらかじめ自分フィールドにリンクモンスターの素材となるモンスターを用意して下さい」
《クリフォート・ゲニウス》
リンク・効果モンスター
リンク2/地属性/機械族
ATK/1800
【リンクマーカー:左下/右下】
機械族モンスター2体
(1):リンク召喚したこのカードは魔法・罠カードの効果を受けず、このカード以外のリンクモンスターが発動した効果も受けない。
(2):1ターンに1度、このカード以外の、自分及び相手フィールドの表側表示のカードを1枚ずつ対象として発動できる。
そのカード2枚の効果をターン終了時まで無効にする。
(3):このカードのリンク先にモンスター2体が同時に特殊召喚された時に発動できる。デッキからレベル5以上の機械族モンスター1体を手札に加える。
「リンク素材となる自分フィールドのモンスターですが、表側表示ならば攻撃表示でも守備表示でも構いません。リンク召喚に必要なモンスターが自分フィールドに揃ったら、自分のメインフェイズに“リンク召喚”を宣言します。やり方はアドバンス召喚と似ているので、シンクロ召喚やエクシーズ召喚よりは楽だと思います。素材として使用するモンスターを墓地に送るだけなので。その後に墓地に送ったモンスターをリンク素材とするリンクモンスターをエクストラデッキから取り出し、エクストラモンスターゾーンに表側攻撃表示でリンク召喚します。これでリンク召喚が完了となります」
「注意するのは、リンクモンスターをリンク召喚した時は必ずエクストラモンスターゾーンに出す事と、リンクモンスターは守備表示が存在しないので必ず表側攻撃表示でフィールドに出す事の2つです」
「続いてペンデュラム召喚なんですが、儀式・融合・シンクロ・エクシーズ・リンク召喚は条件さえ満たせば1ターンに何度でも出来ますが、ペンデュラム召喚は1ターンに1度しか出来ません。ペンデュラム召喚を行うのに必要なのは、ペンデュラムスケールの数字が異なるモンスターです。それらを2体以上入れましょう。自分のメインフェイズに、手札から自分の左右両端の魔法・罠ゾーンに、それぞれスケールの違うペンデュラムモンスターを置きます。ペンデュラム召喚しないデッキでも、手札から置く事で魔法カードとして発動する事も出来ます。発動した後はカードの効果で破壊されたり、手札に戻される等の事がない限り、ペンデュラムモンスターは魔法・罠ゾーンに残り続けます。例えば汎用カードで言うと……《解放のアリアドネ》でしょうか」
《解放のアリアドネ》
ペンデュラム・効果モンスター
レベル4/光属性/天使族
ATK/1700 DEF/800
【Pスケール:青3/赤3】
(1):このカードがPゾーンに存在する限り、以下の効果を適用する。
●自分はカウンター罠カードを発動するために払うLPが必要なくなる。
●自分はカウンター罠カードを発動するために捨てる手札が必要なくなる。
【モンスター効果】
(1):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
デッキからカウンター罠カード3枚を相手に見せ、相手はその中から1枚選ぶ。
そのカード1枚を自分の手札に加え、残りをデッキに戻す。
「《アリアドネ》のペンデュラム効果なんですが、簡単に言うとカウンター罠を発動するのに必要なコストが不要になります。有名な所で言えば、《神の宣告》・《神の警告》・《神の通告》の3枚でしょうか。この3枚は強力で、汎用カウンター罠カードの代表格と言えます。皆さんの作ったデッキにも恐らく入っていると思います」
「ただこの3枚は発動するのにライフポイントをコストとして払わないといけません。《神の宣告》だったら半分、《神の警告》は2000ポイント、《神の通告》は1500ポイント払わないといけません。ライフコストは軽いようで重いです。それを踏み倒せる《アリアドネ》はカウンター罠を多用するデッキに入れても良いと思います」
《解放のアリアドネ》は【パーミッション】や【罠ビート】デッキのように、カウンター罠カードを使うデッキに採用される事が多いモンスターカードだ。
自分のライフポイントをなるべく高く維持したり、手札コストを踏み倒して手札をキープする為に使われる事が多い。また、本来であれば使えない状態のカウンター罠カードを使いたいときにも使える状態にする事が出来る為、中々に使い勝手が良い。
「話が逸れたので元に戻します。ペンデュラム召喚の説明でしたね。2体のペンデュラムモンスターをペンデュラムゾーンに置いたら、自分のメインフェイズに“ペンデュラム召喚”を宣言します。左右のペンデュラムゾーンに置かれたモンスターのペンデュラムスケールの数字の間のレベルを持つモンスターを手札から好きなだけ……正確に言うと、自分の空いているモンスターゾーンの数まで特殊召喚する事が出来ます。これでペンデュラム召喚は完了です」
「では純一君にリンク召喚とペンデュラム召喚を実演してもらいましょう。先ずはリンク召喚からお願いします」
「はい。僕は《レッド・ガジェット》と《ゴールド・ガジェット》でリンク召喚を行う! 召喚条件は機械族モンスター2体! 現れろ、LINK-2! 《クリフォート・ゲニウス》!」
「続いてペンデュラム召喚をお願いします」
「僕は《星読みの魔術師》と《時読みの魔術師》をペンデュラムスケールにセッティング! これでレベル2からレベル7までのモンスターを同時に召喚可能! 現れろ、我がモンスター達! ってな感じで手札から《グリーン・ガジェット》と《イエロー・ガジェット》、エクストラデッキから《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》をペンデュラム召喚します」
「はい、ありがとうございました! ではここでリンクモンスターとペンデュラムモンスターの補足説明をさせて下さい。先ずリンクモンスターですが、先程も説明した通り、守備力がありません。それにレベルやランクがありません」
リンク召喚とペンデュラム召喚の説明とやり方を終えると、補足説明に入った。この補足説明にはとても大事な事がある為、女子生徒達はしっかりと聞いてノートに記している。
「レベルやランクがないと言う事は儀式召喚のリリースに使えないですし、シンクロ召喚・エクシーズ召喚の素材に一切使用出来ません。それに守備力が無いと言う事は表側・裏側問わず守備表示に出来ませんし、表示形式を変更する効果を持つカードでリンクモンスターを対象にする事も出来ません」
「次にペンデュラムモンスターです。戦闘やカードの効果で破壊されたモンスターは普通であれば墓地に送られますが、ペンデュラムモンスターは例外です。ペンデュラムモンスターはフィールドで破壊された場合、墓地には行かずにエクストラデッキゾーンに表向きで置かれます。もしそれが相手ターンに破壊されて次に自分のターンでペンデュラム召喚を行う時、エクストラデッキゾーンに表向きにペンデュラムモンスターが表向きで置かれていると言う状況があるとします。そうなった場合、そのペンデュラムモンスターもペンデュラム召喚する事が出来ます」
「しかし、ここで注意事項があります。エクストラデッキからペンデュラムモンスターをペンデュラム召喚する場合、手札からペンデュラム召喚されるモンスターとは違い、エクストラモンスターゾーンに特殊召喚されます。ただ、自分フィールドのエクストラモンスターゾーンにリンクモンスターがいると、エクストラモンスターゾーンだけではなく、リンクモンスターのリンクマーカーが指し示す先のメインモンスターゾーンに特殊召喚する事が出来ます。なのでペンデュラム召喚からモンスターを大量展開したいとなると、どうしてもリンクモンスターが必要不可欠になってしまいます。そこに注意しましょう」
「……おっと、授業はここまでです。次回はクラス対抗戦前最後の授業となります。実際のデュエルの進め方を一緒に勉強していきます。教材なんですが、純一君と私が次の授業までにデュエルをします。それを撮影した物を皆さんと一緒に観ながら、解説していこうと思います」
次の『遊戯王OCG』の授業。学年別クラス対抗デュエルトーナメント開催まで残り3日となる為、大会実施前最後の授業となる。
そこで実際のデュエルの進め方を純一と俊介が対戦した様子を撮影し、それを皆で観ながら随時解説していくスタイルとなった。
それを聞いた5組の女子生徒とナターシャは目を輝かせる。トーナメントプレーヤーであり、5組最強の純一のデュエルがまた観れる。その事実に喜ぶと共に興奮していた。
ここまで呼んで下さり、大変ありがとうございます。
今回も後書きとして裏話・裏設定を書いていこうと思います。
・ペンデュラム召喚とリンク召喚
けっこう好き嫌い激しそうな召喚方法ですが、私は好きです。でもペンデュラム召喚がやりにくくなったのはなぁ……(【クリフォート】使い)
・女尊男卑について
原作では全然と言って良い程触れられていませんが、中にはこのように横暴な振る舞いをやっている人もいると思います。
と言うか原作は一夏とその周辺にスポットが置かれ過ぎている気が……(それを言っちゃおしまいだけど)
次回なんですが、この小説のオリキャラが登場して純一君とデュエルします。
・次回予告
クラス対抗戦まで残り2日。デッキ調整等に勤しむ生徒達。
そんな中一人休んでいた純一の前に一人の少年が姿を現す。
彼の名前は平等院零児。
友希那の指令で純一の実力を調べに来たと言う彼は、眼鏡を外せば髪型以外は織斑一夏とそっくりな人物だった。
零児と純一の間で繰り広げられるデュエル。果たしてその勝者は?
次回 平等院財閥からの刺客!? 【Kozmo】VS【Sin】
デュエルスタンバイ!
次回をお楽しみに! LAST ALLIANCEでした!
皆さん。よろしければ感想・高評価・お気に入り登録の方よろしくお願いします。
あたたかい感想や前向きなコメント、アドバイスやモチベーションが上がるような応援メッセージや高評価もよろしくお願いします。