召喚される前にクライン達と買い物を
楽しむ話になります
勿論、本人達にそのつもりはありませんが
マナの世界へ行く準備みたいな感じになります
それではご覧下さい
川越市の自宅を出た和人と直葉は
駅に向かい電車に乗り首都圏にある
ショッピングモールへとやって来た
「あっ! キリト君、直葉ちゃん!」
「よう、明日奈」
ショッピングモールにやってくると
既に明日奈を始めクライン達が待っていた
「遅せぇぞ"キリの字"!」
「10分遅刻よ!」
「悪かったて、クライン、リズ」
クラインこと壷井遼太郎と
リズベットこと篠崎里香に
突っ込まれて閥が悪そうな桐ヶ谷和人
「お兄ちゃんが準備に手間取ったから」
「アハハ……」
妹の直葉から遅れた原因を暴露され
苦笑いを浮かべる和人であったが
その表情は幸せと喜びに満ちていた
そもそも準備に時間が掛かったのも
アンダーワールドという人工の
異世界から帰還して始めて仲間に
会えるということもあったので
昨晩楽しみにし過ぎたあまりに夜も
あまり眠れず寝坊したためだった
今日はクラインとリズベットの他に
シリカこと綾野珪子、シノンこと朝田詩乃
エギルことアンドリュー・ギルバートの姿も
「まぁ、まぁ、リズさん
それより、早く行きましょうよ?」
「ええ、時間が勿体無いわ」
シリカとシノンがキリトを
茶化すクラインとリズベットを宥める
「そうね、折角のキリトとアスナの
快気祝いだし今日はきっちり楽しむわよ」
「「おぉーーーーーーーっ!!」」
仕切り直したリズベットの
言葉にシリカと直葉も笑顔で声をあげる
「よっしゃーー!、行くぜエギル!」
「……お前は、はしゃぎ過ぎだろ、クライン」
大人なのにリズベット達と同じテンションで
盛り上がるクラインに若干引いてるエギルも
久しぶりにキリトに会えたこともあってか
その表情は嬉しそうだ
そんな友人達の様子にキリトは……
「…………」
「キリト君、どうかしたの?」
アスナが心配してキリトに尋ねる
「何でもないよアスナ……ただ」
「ただ?」
「アンダーワールドで色々あったからか
やっぱり皆と……SAOを共に生き抜いた
皆との時間は格別だなと干渉に浸ってな」
「うん……そうだね」
キリトの言葉にアスナも共感したらしく
盛り上がっている仲間達を見つめている
「ほーら、二人とも早く来なさいよ!」
「主役が居なきゃ話にならねぇぞ!」
そんなキリトとアスナを
リズベットとクラインが呼び掛ける
「おう、今行く! 行こうかアスナ」
「うん」
キリトはアスナの手を取り
仲間達の元へと駆け出していった
ーーショッピングモール内ーー
モール内を歩くキリト達
「そういえば此処って前に
オーディナル・スケールに嵌まった頃に
シリカがユナの歌を披露していたわね」
「あっ! あれはリズさんが
音楽をかけたり色々とセッティングしたから」
「でもノリノリだったじゃないの」
「うん、シリカちゃん可愛かったわよ」
「今思うと恥ずかしいです……(*/□\*)」
フルダイブ型ゲーム機アミュスフィアと違い
現実の世界の中で仮想世界が楽しめる最新機
オーグマーによって楽しめたランキング形式
オーディナル・スケールのイメージキャラで
シリカが大ファンである世界初ARアイドル
ユナの曲を披露した時のことをリズベットと
アスナに指摘され顔を真っ赤にするシリカは
慌てて話題を変える
「そういえば、キリトさん
アリスさんはお元気なんですか?」
「ん? あぁ、元気だよ
未だに現実世界の生活に慣れなくて
大変そうだって神代教授が言ってたよ
今日はアリスも居たら良かったんだけどな」
「仕方ないわよ
アリスちゃんは忙しいし
ある意味、今世間でも有名だから
外出なんてしたら注目の的になるわ」
「だよな」
あのアメリカ、韓国、中国のVRプレイヤーを
巻き込んだアンダーワールドでの戦いを終え
無事に現実世界へ連れ出した整合騎士アリス
世界初の真正汎用人工知能という存在となり
神代教授が提唱しているAIへの人権付与に
協力するために多忙な日々を送っている
「あっ、でも今度ALOで
私とシリカとアリスの3人で
フィールドへ狩りに行く約束をしたのよ」
「あら、そうなの? いいな、私も混ぜてよ」
「勿論良いわよ」
「やった、キリト君も行こうよ」
「そうだな……今日は現実世界で
そしてアリスと約束した日は皆で
アリスとAIOで遊ぶのも良いな
クラインとエギルはどうする?」
「おうっ、勿論行くぜ
俺もアリスに会ってみたいからな」
「俺も暇だったら行くよ」
「よし! じゃあ約束の日が
決まったら皆にも連絡するわね」
こうして後日AIOで皆で
アリスと遊ぶことが決まった
実は今ではアリスもAIOにダイブし
俺達と共にフィールドへ狩りに行ったり
新生アインクラッド攻略に加わったりしてる
AIOは風景がアンダーワールドに
似ている事もあり息抜きをも兼ねて
しょっちゅうログインしているのだ
因みに種族は竜騎士を目指すために
ケットシーを選んだらしい
そんな感じて今までの思いで話に
浸りながら俺達はショッピングをしていると
「あっ! ファンシーショップがある」
「本当だ! 新しく出来たんですね」
「そういえばテレビでCM見た時
新しくオープンするって言ってたっけ?」
「あっ! 私もそのCM見ました!」
リズベット、シリカ、シノン、直葉が
ファンシーショップの存在に気付く
直葉の言うとおりキリトとアスナが
アンダーワールドで200年の時を
過ごしている間に出来たものだった
「ちょっと寄ってみない」
「良いですね」
「うん、行こ行こ!」
「そうね」
キリト達、男性3人を余所に
ファンシーショップ行きが決定した
「キリト君も行かない?」
「いや……俺は遠慮するよ」
「俺も此処で待ってるぜ」
「右に同じく……」
アスナからの誘いに丁重に断る
キリト、クライン、エギルの男達
はっきり言って目の前のファンシーショップは
妖精の世界をイメージしたような内装で出来て
男が入るにはかなり勇気が必要な場所であった
「じゃあ、なるべく早く戻るから待っててね」
そう言ってリズベット達と共に
ファンシーショップへ向かうアスナは
なるべく早く戻るとは言ってはいたが
「なぁ……クライン、エギル」
「「ん?」」
「直ぐに戻るって言ってたけどよ……」
「あぁ……絶対直ぐには戻らないよな」
「……だろうな」
そう言って互いに顔を見合わせるキリト達
女の子というのはあの手の店に入ると
一時間は出てこない可能性が高いとキリトは
妹の直葉の買い物に付き合わされた経験から
容易に予測したが案の定予測通り女の子達は
一時間半近くもして漸く戻ってきたのだった
「「「お待たせ」」」
「「お待たせしました」」
満面の笑みで戻ってきた女の子達の
両手にはグッズが入った紙袋がある
こうなると次に待っているのは……
「……結局こうなるのか」
「まぁ、予想はしていたが」
そう言うクラインとエギルの手には
先ほど女の子達の持っていた紙袋が
お約束と言うべきか案の定、男性陣は
荷物持ちをさせられてたのであった
因みにキリトはアスナの荷物持ちだ
「ごめんねキリト君
思いのほか買い過ぎちゃって……」
「いや、アスナが楽しいなら良いさ」
「ありがとう、優しいねキリト君は」
「アハハ……」
予想通り過ぎる展開に苦笑いを浮かべる
キリトだったがリズベット達と買い物を
楽しんでいるアスナの姿を見ていると
こういうのも悪ないなと思えていた
その後は暫くモール内を歩いていたが
クラインがトイレに行きたくなったのを
切っ掛けに少しベンチで休憩していると
「ねぇ、キリト君」
「どうした、アスナ?」
キリトの隣に座るアスナが
恥ずかしそうに声をかけてくる
「コレ、さっきファンシーショップで
買ったの……キリト君にプレゼント……」
「え?」
そう言って小さな包みをアスナは渡してきた
「ありがとう……開けてもいいか?」
「うん……」
ファンシーショップで買った物だったので
女の子っぽい物では無いかと思いながらも
キリトはアスナからのプレゼントを素直に
嬉しく思い包みを開けてみると
「これは……ウサギのキーホルダー?」
予感的中(^3^)/となったキリト
包みの中には黒いつぶらな目をした
可愛らしい小さなぬいぐるみの黒い
ウサギのキーホルダーだった
「前からキリト君とお揃いの物を
何かプレゼントしたいと思っていたの」
そう言うアスナの手にはキリトのとは
色違いの黄色いウサギのキーホルダー
それを見たキリトはアスナの気持ちを
嬉しく思うようになった
何よりしっかりキリトの好きな色の黒を
選んだのもアスナの思いが伝わって来る
「ユイちゃん私からのプレゼントなら
きっと喜んでくれるって言ってたけど
流石にウサギは恥ずかしいよね?」
「いや、ユイの言うとおり
アスナが選んでくれた物なら嬉しいさ
さっそくスマホに取り付けてさせてもらうよ」
「嬉しい、じゃあ私も着けようかな?」
「ああ」
こうして互いのスマホに
ウサギのキーホルダーを結びつけた
「えへへ、キリト君とお揃いだ♥️」
自分とキリトのスマホにキーホルダーが
結びつけられたのを見てご満悦なアスナ
すると……
「ママ、パパに喜んでもらって良かったですね」
「うん、ありがとう、ユイちゃん」
「えへへ」
スマホから話しかける愛娘に微笑むアスナ
キリトも結びつけたキーホルダーを眺めて
悪くないなと思っていると
「コホン」
「「!?」」
不意に横から咳払いが聞こえ
二人が慌てて振り返ってみると
「お二人さん」
「そういうことは
二人だけの時にしてもらえますか?」
リズベットと直葉を始めとした
他の面々にジト目で見られていた
因みにエギルのみ「若いっていいね」
といった笑みをキリト達に向けていた
「さて、次はどこに行きましょうか?」
直葉が仕切り直しとばかりにそう言うと
「あっ、俺ちょっと行きたい所が
あるんだけれど行ってきても良いか
前から買いたいと思っていたものが
あるから買って行きたいんだけど?」
「良いけど、何処のお店?」
不思議そうにリズベットが尋ねると
「電化製品店」
「電化製品店!?」
「何が欲しいんだキリの字?」
今度はクラインが尋ねてくる
「スマホ用のソーラー充電器だよ
外に出掛ける時とかにあると便利だからな」
そう言って説明するキリト
実はオーディナル・スケール事件の後で
アスナと二人で流れ星を見に行った時に
スマホの充電を忘れて電池残量が僅かに
なった時があったのでソーラー充電器が
欲しいと兼ねてから思っていたのだった
という訳で電化製品店にやって来た一行は
折角だから色々見ていこうとキリトと中へ
入っていき各々見たい電化製品を見に行く
勿論アスナはキリトと行動を共にしている
「キリト君、どれにするか決めてるの?」
「あぁ、前もってチェックしておいたからな」
「はい、私もパパのお手伝いをしました」
「あっ、そうだったんだ」
スマホから聞こえてきた愛娘の声に
アスナは思わず顔が綻んでしまった
その後予め買うと決めていた
ソーラー充電器を購入したキリト
因みにクライン達も乾電池やらと
生活で必要そうな物を買っていた
キリトがソーラー充電器を購入した後は
昼食を食べたりショッピングモール内の
ゲームコーナーで遊んだりと楽しい時を
過ごしている内に時間は過ぎ去っていき
すっかり夕方になってしまっていた
「さて皆、そろそろ帰らねぇか?」
「そうですね、十分楽しめましたし」
クラインの言葉にシリカが賛成すると
「あぁ、今日は俺達の為にありがとな」
「うん、凄く楽しかったよ」
自分たちの為に時間をとってくれた
クライン達にお礼を言うキリトとアスナ
「な~~に、良いってことよ」
「久しぶりにキリトやアスナと
一緒に遊べて私達も今日は楽しかったわ」
「ああ」
「はい。また皆で何処か行きましょうよ」
「フフ、悪くないわね」
「賛成! 良いよね、お兄ちゃん」
クライン、リズベット、エギル、シリカ
シノン、直葉の順に楽しかったと告げる
「そうだな、スグ」
「うふふ、今度は皆で遊園地なんて良いかもね」
「良いですね、是非!」
遊園地を提案したアスナにシリカが
賛成すると他の面々もそれに賛同した
こうしてショッピングモールを出て
各々の家路に就こうとした時だった
ザワ ザワ ザワ ザワ ザワ
何やら周囲の人々が空を
見上げながらざわつき始めた
「何々?」
「どうしたんだ?」
リズベットとクラインがそれに気づくと
「お兄ちゃん、あれを見て!!」
「「「「「「???」」」」」」
直葉も空を見上げ何処かを
指差しているのでキリトも
見上げてみると……
ポワァァァァァァァァ
上空に黄緑色の美しい光を放つ
渦巻きが発生していたのだった
「綺麗な渦ですね」
「そうね、一体何かしら?」
渦に見とれているシリカとリズベット
「またSAOのボスモンスターが出るのか?」
「オーディナル・スケールの
サービスはとっくに終わっているだろ?」
「それに今はこの場にいる皆
オーグマーを着けてないじゃない」
「あっ、そうか……」
オーディナル・スケールによる
SAOボスモンシター登場を指摘し
エギルとシノンに呆れられるクライン
「キリト君、あれ何だろう?」
「分からない……」
キリトとアスナも呆然と
渦を見上げていたときであった
『……見つけた』
「「え?」」
キリトとアスナの耳に声が聞こえた
『やっと見つけた……あなた方ならきっと』
「なっ、なに、この声!?」
「女の人の声だな」
慌てふためくキリトとアスナ
すると……
「おい、キリの字!?」 「アスナ!?」
横からクラインとリズベットの声が響く
「何だよ、クライン、リズ?」
「何って……アンタ達の足元!?」
クラインとリズベットに言われて足元を見ると
「なっ、なんだこれは!?」
「なに、何なの!?」
キリトとアスナの足元には
上空の渦と同じ黄緑色をした
謎の模様が浮かび上がっていた
すると上空の渦も二人の真上に移動してきた
「二人とも早くその光から離れろ!!」
「お兄ちゃん、アスナさん、早く!!」
ただ事ではないと悟った
エギルと直葉が呼び掛けるが
「だっ、駄目だ、動けない!!」
「足が動かせないの!!」
「何だって!?」
キリトとアスナの言葉に
訳がわからなくなるエギル達
周囲の人々も身の危険を悟り
二人から距離を開け始めてしまっている
次の瞬間……
パァァァァァァァァァァァァ
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
足元の不思議な模様から
光が二人を飲み込みながら舞い上がり
上空の黄緑色の渦へ飛び込んでいった
「「「「「「「くっ!?」」」」」」」
あまりの光に腕で顔を覆うクライン達
幸い光は直ぐに収まったがクライン達が
恐る恐る顔を覆っていた腕を退け目を開けると
キリトとアスナの姿も地面に浮かび上がった
不思議な模様も消え上空にある黄緑色の渦も
ゆっくりと消えていったのだった
「キリト、アスナ!?」
「お兄ちゃん、アスナさん!?」
リズベットと直葉が二人の名前を呼んだが
返事はおろか二人の姿は影も形もなかった
するとシノンが動揺しながら声を発した
「信じたくないけど
最後二人の叫び声が空へ上って
行くように聞こえた気がするんだけど?」
「あぁ、俺もだ……」
エギルもシノンの話に同調する
「おいおい……まさか
二人とも、あの渦に吸い込まれたんじゃ?」
「嘘……でしょ?」
「お兄ちゃん……アスナさん……」
その場で膝をつく直葉を始め
あまりに非現実的な出来事に
クライン達は暫く呆然とするしかなく
周囲に居た人々もザワついたままであった
キリトとアスナが無事に(?)
マナの世界へ召喚される話でした
次回からキリト達のマナの世界での
冒険が始まりますのでお楽しみに!