いよいよユイとシャルロットの登場です
今回の話はシャルロットを主人公にした
場合のオープニングと彼女をメンバーに
入れたエンディングを見ていない人には
分からないネタがありますのでご注意下さい
ユイが実体を得た真相は果たして?
……それではご覧下さい
獣人に占領されてしまった
ジャドの町に到着したその日の夜
キリトとホークアイは酒場で得た
情報通り人に似た姿から獣の姿に
なり警備が手薄になった隙をつき
無事にジャドの町を脱出していた
「ふぅ~~、難なく脱出できて良かったな」
「あぁ、酒場のマスターに感謝しなくちゃな」
そう言いながらホークアイとキリトは
ジャドの城門のような町の出入り口を
出るとウェンデルを目指し歩き始めた
道は一本道だったお陰で迷うことなく
進めたが道中はモンスターが住み家と
なっていた為にキリトとホークアイは
モンスターを倒しながら進んでいった
幸い通りに生息しているモンスターは
レベルも戦闘の能力も低くかったので
苦戦することもなく進めていたのだが
ウサギのような姿のラビという名前の
モンスターを見てホークアイに尋ねた
「なぁ、ホークアイ」
「どうした、キリト?」
「あのウサギのモンスターって食えるのか?」
「食えるのかって、ラビの事か?……何でまた?」
「いや、ちょっとな……」
「???」
そう言うキリトの脳裏には
アインクラッド74層でS級食材である
ラグーラビットの肉を手に入れアスナに
調理してもらった時のことを思い出して
思えばラグーラビットのお陰でアスナと
親しくなる切っ掛けになったんだったなと
ラビの姿を見た瞬間に思い出していたのだ
加えてラビの姿はマナの世界に飛ばされる
日にアスナからプレゼントされてスマホに
取り付けいたウサギのぬいぐるみに似ていたのだ
今思うとアスナもあの時の事を思い出して
ウサギのぬいぐるみのキーホルダーを
プレゼントしてくれたのかもしれない
因みに……
ーーキリトとホークアイが通った数時間後ーー
「ねぇ、リース」
「アスナ、どうかしましたか?」
「あのウサギのモンスターって食べれるかな?」
「ラビをですか!?
さぁ、モンスターを食べようなんて
考えたこともありませんでしたけど?」
「そうか……そうよね
変なこと聞いてごめんなさい」
「はぁ……?」
キリトと同じくラビの姿を見て
"ラグーラビット"を思い出した
アスナがキリトがホークアイに聞いたのと
全く同じ質問をリースにしていたのだった
アインクラッドでの思い出に浸りながら
ホークアイと共に歩みを進めていると
金色に光輝く女神のような像が現れた
そこから道は橋を渡って真っ直ぐに
向かう道と左に曲がる道の2つに別れている
「ホークアイ、この金色の象は何だ?」
「これはマナの女神様の力が宿っている象だ
世界中の至る所にあって触れると体力や傷や
魔力が一瞬にして癒されるんだ」
「マナの女神様って、この世界を作った?」
「そうだ、まぁ見てなって」
キリトに説明しながらホークアイが
マナの女神の象に触れるとこの場に
辿り着くまでに負ったホークアイの
傷が一瞬で消えてしまったのである
その様子をキリトは唖然としながら見つめる
「凄いだろ。キリトも触れてみろよ」
「あっ、あぁ……」
ホークアイに促されるままに
女神象に触れると傷だけでなく
消耗した体力が完全に回復して
まるで熟睡から目が覚めた後の
ような爽やかな気持ちになった
「凄いな……」
「そうだろ?
この先、宿に泊まれない時があっても
マナの女神様の象を見つければ良いのさ」
「成る程……これは助かるな」
マナの女神象を見つめながら
異世界に来たんだなと改めて
キリトは実感していたのだった
「さて……道が2つに別れているな
ウェンデルにはどっちに行けば良いんだ?」
女神象から別れている2つの道を前に
どっちに行けばウェンデルに着くかと
ホークアイが悩んでいるとキリトが
女神象の横に立札があることに気づく
「おい! そこに立て札があるぞ
もしかしたら道案内の立札じゃないのか?」
「おっ! 多分そうだ、ありがたい」
キリトに言われホークアイは
女神象の側の立札の文字を読んでみた
「えーと……何々?
《 ← 湖畔の村アストリア》か
確か滝の洞窟はアストリアの側にあった筈だから
左に進んで行けば滝の洞窟に辿り着けるだろうぜ」
「そうか、なら左に進もう
寄り道なんてしている暇なんて無いからな」
「あぁ、行こうぜ」
こうして左に進み暫く歩くと
再び二人の前に立札が現れた
《 ↑ 湖畔の村アストリア》
《 ← 滝の洞窟/聖都ウェンデル》
どうやら再び左に進めばウェンデルへと
繋がる滝の洞窟に辿り着けるようである
その証拠に近くに滝の音が聞こえてくる
「此処を左に進めば良いみたいだな」
「漸く此処まで来れたな……」
立札の案内に従い再び左に進むと
滝が流れ落ちる道の先に洞窟が見えてきた
「コレが滝の洞窟の入り口か?」
「あぁ、この洞窟を抜ければ
ウェンデルに着く筈だ、早く行こうぜ」
「あぁ、そうだな」
目的地が目の前だと分かって
駆け出したホークアイの後に
続いてキリトも洞窟に入ろうとしたが
キィィィィィィィン
「ぐあっ!?」
「うおっ!?」
洞窟に入ろうとした二人だが
入り口が光ったと思った瞬間
二人の体は大きく弾き飛ばされてしまった
「何だ、どうなってるんだ!?」
突然のことに驚きながらもキリトが
再び洞窟に入ろうとするが先程のと
同じように不思議な力で弾かれると
ホークアイが驚きながら声を上げた
「キリト、これは結界だ!!」
「結界!?」
「あぁ、魔力で作られた目に見えない壁だ」
「そうか、参ったなコレは……」
「あぁ、鍵のかかった扉なら得意なんだけどな」
「そっか……お前盗賊だったけ?」
ホークアイの説明を聞いたキリトだったが
ホークアイと二人で此処に辿り着くまでに
モンスターや獣人にマナの女神象と幾つも
異世界を象徴する物を見てきたキリトは
最早結界くらいでは驚かなくなっていた
「けど、此処まで来て足止めを喰らうとは」
「どうするんだ?」
結界を破る方法が思い浮かばず
ホークアイが途方に暮れていた
その時!!
「「きゃあぁぁぁぁぁっ!?」」
「「ん?」」
何処からか悲鳴が聞こえてきたと思った瞬間
ドーーーーーーーーーーン
「「ぐはぁ!?」」
「「きゃっ!?」」
悲鳴と共に空から飛んできた
2つの何かがキリトとホークアイに直撃した
「なっ、何だ何だ?」
突然の事態にキリトが戸惑いながら立ち上がると
「なっ、キリト、女の子だ!?」
「何だって!?」
ホークアイに言われて見てみると
確かに小さな女の子が二人倒れていた
「何で女の子が空から飛んで来るんだ!?」
「分からん、とにかく手当てをしないと
俺は金髪の子を、キリトは黒い髪の子を頼む」
「あぁ、分かった」
二人の女の子の内、金髪の女の子を
ホークアイに任せキリトは黒い髪の
女の子を介抱しようと抱き起こした瞬間
「なっ!?」
女の子の姿を見た瞬間
キリトは思わず驚きの声を発した
だがキリトが驚くのも無理はなかった
女の子の容姿はユイと瓜二つだったのだ
余りにも似ていた為にユイに似ている娘だと
思いながら女の子を顔をガン見していた瞬間
「うぅ~~」
黒い髪の女の子が意識を取り戻したのだ
「おい、大丈夫か!?」
そう言いながら意識を取り戻した
女の子に声をかけ目が合った瞬間
「あっ!」
キリトの顔を見た女の子も
驚きと嬉しさが混ざった声を出した次の瞬間
「パッ、パパーーーーーーーッ!!」
「!!!?」
女の子が嬉しそうにキリトに抱き付いたのだ
そして女の子に抱き付かれ声を聞いた瞬間に
目の前の少女が本当に自分にとってアスナと
同じくらい大切な愛娘であることを悟った
「ユイ!? お前、ユイなのか!?」
「はい、ユイです! パパ、会いたかったです!」
満面の笑みで答たユイの姿はアインクラッドで
アスナと結婚した後に第22層で出会った時と
同じ白いワンピースを着ていた
「何でユイが此処に……しかもその姿は!?」
キリトがそう尋ねるのも無理はなかった
この世界は仮想世界などではない現実の
世界なのでユイが仮想世界の中のように
人間の姿でいられる筈が無いからだ
「驚かないで下さい、パパ
ユイは……人間になれたんです!」
「なっ……そんなバカな!?」
「本当なんです、見てください
今、地面にぶつかった時にできた擦り傷を!」
「コレは……血!?」
「はい! ユイの体に血が流れているんです」
そう言いながらユイが自分の膝を見せると
確かに地面に激突した際に出来たと見られる
擦り傷から微量の血液が流れ出ていたのだ
"AI"であるユイの体に血が流れている
それは紛れもなくユイが人間になれた
紛れもない証拠であった
「けど……どうして、人間に?」
「……分かりません
あの日パパとママが光の渦に
吸い込まれた瞬間にユイの頭の中に
声が聞こえてた後に意識を無くして
気が付いたら人間になってたんです」
「声?」
「はい『貴女に私の昔の命を差し上げます』
って、言う優しい女の人の声が聞こえたんです」
「女の声!?」
ユイの話を聞いたキリトは
あの不思議な機緑色の渦に吸い込まれる
直前に聞こえた不思議な声の事を思い出した
『……見つけた』
『やっと見つけた……あなた方ならきっと』
と聞こえた神々しく優しい女の声を
自分とアスナをこの世界に召喚して
ユイを人間にしたのは同一人物(?)
なのかもしれないと推測していると
「なぁ、キリト……その子、知り合いか?
というかキリトをパパって呼ばなかったか?」
「あっ……」
思わぬユイとの出会いに
すっかりホークアイを忘れていたことを
思い出したキリトが見るとホークアイは
案の定かなり動揺した表情になっていた
自分と年の近いキリトが小さな女の子から
パパと呼ばれたのだから無理もないだろう
「パパ、この人は誰ですか?」
「やっ、やっぱりパパって……」
「あぁ……この子はユイ
単刀直入に言うと、俺とアスナの娘だ」
「むっ、娘!? お前結婚してたのか!?」
「まぁ……あながち、間違っていないな」
現実の世界では認められないだろうが
アインクラッドでキリトはアスナと結婚し
将来は必ず現実でも結婚することを誓った
思い出は二人にとって大切な思い出なのだ
そしていつか必ずユイを現実世界で二人の
本当の娘として育てようと誓っていたので
目の前で人間になったユイを見たキリトは
この感情をどう表現すれば良いか分からず
嬉しい戸惑い状態になっていた
「けどキリトって俺と年が近いよな
だとすると、その子、やけに大きくないか?」
「あぁ……」
ホークアイに尋ねられたキリトは
人工知能と言ってもホークアイには
理解するのは難しいだろうと予測し
生まれた時から両親のいないユイを
引き取り養子にしたのだと説明した
「成る程……そう言うことか」
「あぁ、けど俺もアスナも
ユイを本当の子供だと思っているし
勿論これからも大切に育てていくつもりだ」
「あぁ、分かるぜ
実は俺も物心ついた時には両親が居なくてな」
「そうなのか!?」
「あぁ……それでナバール盗賊団に
拾われて養子として育てられたんだよ
だからその子がキリトの事をパパって
呼んで慕う気持ちは何となく分かるよ」
「そうか……悪いな、気が付かなくて」
「謝るなって、気にしてねぇよ
それに良かったじゃないか、娘に会えてよ」
「あぁ……」
なんとかホークアイにユイとの関係を
理解してもらうとユイにホークアイを紹介した
「ユイ。彼はホークアイ、パパの仲間だ」
「はじめまして、ホークアイさん、ユイです」
「おう! 宜しくな、ユイちゃん」
キリトにホークアイを紹介されたユイは
自己紹介をするとホークアイも気さくに
友好的に返答をしてくれたのでキリトは
心の底から嬉しく思いながら今のユイを
アスナが見たらこの上なく喜ぶだろうと
思いながら空から飛んできた訳を尋ねる
「ところでユイ、何で空から飛んできたんだ?」
「あっ!? 忘れてました!」
キリトの問いにユイは"ハッ!"っとした
表情になると一緒に飛んできたであろう
金髪の女の子に慌てて駆け寄り声をかけた
「シャルロットちゃん、大丈夫ですか!?」
「ふにゃ~~」
ユイにシャルロットと呼ばれた女の子は
すっかり目を回しながら完全に気絶していた
「ホークアイ、その子の様子は?」
「あぁ……意識はあるみたいだし
大した怪我もしてないらしいから
暫くしたら目を覚ますだろうぜ」
「そうか……けど出来れば
ちゃんと休めそうな所で休ませてやりたいな
ユイも膝を擦りむいてるから手当てしたいし」
「あぁ……けどジャドに戻るのはゴメンだぜ」
「そりゃそうだ……」
ユイとシャルロットを休ませる為とはいえ
折角脱出したジャドに戻るわけにも行かず
二人がどうしようか悩んでいると……
「パパ、ホークアイさん
この近くにアストリアという村が
あるみたいなんですけど知りませんか?」
「アストリア?」
「そういえば滝の洞窟のことしか
考えてなくて気にしてなかったが
さっき立札に"湖畔の村アストリア"
って書かれてあったような気がする」
「あっ、確かに……」
ユイに尋ねられキリトとホークアイは
先程見た立札の中に"滝の洞窟"の他に
"湖畔の村アストリア"と書かれていた
ことを思い出した
「実はユイとシャルロットちゃんは
ヒースという人を探していているんです」
「ヒース?」
「ウェンデルの町中で倒れていた私を
シャルロットちゃんと一緒に見つけて
面倒を見てくれた優しい神官さんです
シャルロットちゃんも慕っている人で
二人でヒースさんを探しに来たんです」
「そうか……俺とホークアイは
北のジャドって町から来たんだけど
来る途中で人には会わなかったから
ヒースって人はその村に居るかもな」
「はい! ヒースさんは
アストリアに行くと言っていたので」
「よし、行ってみるかホークアイ?」
「だな。どのみち結界が張られていて
洞窟には入れないしアストリアに行けば
結界を解く方法を知ってる奴がいるかもな」
「じゃあ行くか
俺もユイを助けてくれたお礼が言いたいしな」
こうしてキリトは人間になったユイと
思わぬ再会を果たしユイを助けてくれた
シャルロットを休ませヒースを探す為に
アストリアの村を目指すことになった
ユイが人間になったことと
理由に違和感を感じた人は申し訳ありません
ですがこの展開は既に決めていたので……
次回は多分、フェアリーが登場するかと?
それでは次回まで失礼致します!