ARIA the Weigh anchor〜その 暁色の 素敵な出会いに   作:リリマル

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ずっとこのコラボレーションを書きたいと思っていました。新作のお話が出たので、いても立ってもいられずに…ご感想お待ちしております。


Prologue〜その 暁色の 素敵な出会いに

 やっちゃったぁ…

 

 そんな顔?をしたまま、もっちりとした身体を船体から少し乗り出し、彼はため息をついていた。

 

〜〜〜

 

 今日は朝から自分の会社の従業員たちは多忙な様で、朝食後早々に漕ぎ出していってしまい、桟橋で見送った彼はそのままのんびりと日向ぼっこをして過ごしていた。

 この業界では伝説的とも言える社員を二人も育て上げ、今も昔も少数精鋭ながら将来有望な社員を抱える彼。海鳥たちと揺らめく水面を見つめながら、最近の自社の動向を思い出してみる。

 

 自社のエースたる一人は、毎日の予約客にも丁寧に対応し、やっと慣れてきた経理関係の書類仕事に追われるような忙しさ。それでも彼女の魅力たる素敵ムーブを絶やすことなく、順調にファンを増やしている。昔から顔なじみの火炎之番人からの予約が入ると、朝から髪を何度もセットしたり帰りが遅くなったりすることもあるが、仕事に手を抜かない彼女の姿勢に胸が熱くなる思いだ。先の二人を追い越すような素晴らしい水先案内人になるだろう。

 

 新入社員だったもう一人も日に日に腕を上げ、業務をこなしつつ日々人脈作りとトレーニングに励んでいる。他社の友人たちも増え、彼女のみらくる体験には懐かしき過去の景色が瞼をよぎり微笑ましい思いで見守っている。そもそも『アイツ』に出会ったもう一人なのだから、心配するようなことでもないとは思うが。

 

 

 だがここでふと思い立つ。あれ?自分なんの仕事もしていないなと…

 

 

 もちろん舟に同乗した際は、厳しくも暖かく指導に励んでいるし、お客様がいらっしゃった際には魅惑のボデーとつぶらな瞳で癒しを提供したりしている。何故か優しい笑顔で分けて頂けるおやつはとても美味しい。

 

だがそれだけで良いのだろうか?自分も会社のトップとして、我社の名前を更に広めるために、営業活動をしなければ!

 

 そう思い立ち、愛用のミニゴンドラに乗り込むと、大冒険(営業活動)に漕ぎ出した!

 

 

 

 

 

頑張れ!アリア・ポコテン!あなたの勇気が世界を救う(業績UPに繋がる)と信じて!!

 

 

 

 

 

「ぷいにゅ!」

 

 

 

 

 

〜〜〜

 

 

 

 

 

「ぷぃ〜にゅぱ〜い…」

 

 アリア社長がARIAカンパニーから自分のミニゴンドラで漕ぎ出して数分、調子に乗っていつもの航路を外れた彼は、瞬く間に座礁してしまっていた。

それは最近の文字通りの社長待遇により、もちもちポンポンがグレードアップしていた為に、舟底が普段より沈み込んで起きた悲劇だったのだが、そのことを彼は知らないし認めないだろう。

 なにはともあれ、アリア社長は困っていた。まだ河川からも離れている会社近海ということもあり、ここを通る船も舟もほとんど居ない。

頼みの綱の社員二人、『水無灯里』『愛野アイ』も前述の通り今日も朝から出掛けており、夕方まで戻る予定はなかった。

 

 座礁してからなかなかの時間が経ち、既に持ってきたランチも消費してしまった。

さっきまで仲良く海を眺めていた海鳥たちも、舟に来ては残念なものを見る瞳を向けては飛び立っていく。

 

「ぷっ、ぷいっ、にゅっ」

 

何度もゴンドラを揺すってはみるものの、ギシギシと音を立てるだけで舟が動き出す気配はない。

 

「ぷいにゅ〜…」

 

アリア社長の蒼い瞳に涙が溜まって来た。自分はこんなに頑張っているのに、どうしてこんな事になっているのだろうと。このまま独りぼっちでご飯も食べれずこの舟の上で暮らして行かなければ行けないのかと。

 

(ARIA社長〜、今日も素敵でみらくるなことを探しに行きましょうね!)

 

「ぷいちゃぁ〜…」

 

悲しげに脳裏に浮かぶアイの名を呼ぶも、その声は波音にさらわれていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お困りかしら!猫さん?」

「ぷいっ!?」

 

 突然後ろから声を掛けられ、ビックリしてそのまま海に落ちそうになるも既のところで踏ん張る。アリア社長が振り返ると、そこには有り得ない光景が広がっていた。

 

「大丈夫かい?」

「あ〜、やっぱり座礁してるわね。私達に任せなさい!」

「もう平気なのですよ」

 

 そこには揃いの服に身を纏った4人の少女が

 

 

 立っていた。

 

 

今まで舟も何も居なかったはずの海上に突然現れたような四人の少女達は、セーラー服に茶色い革靴を履いた地球(マンホーム)の日本の古い女学生のような姿で、水の上に立っているのだ。よく見れば背中や腕に見たことも無いような金属の道具を着け、心配そうだったり笑顔だったり四者四様の表情でゴンドラを覗き込んでいる。

 

「ぷい…」

 

呆気にとられるアリア社長だったが、その中の最初に声を掛けてきた黒髪の少女が徐に手を伸ばし、抱き抱える。

 

「今舟を引っ張ってあげるからこっちっ…てふぁああ、あなたちょっとすごいもちもちね!?火星(アクア)猫って皆もちもちなの!?」

 

「え、ズルいのです暁!代わってほしいのです!」

 

「ちょっと暁!電!?遊んでないで手伝ってよ!」

 

「グヌヌ…」

 

 一生懸命に舟を引っ張る銀髪の少女と、茶髪を肩ほどの長さにしている少女が、社長の魅惑のボデーに魅了された『あかつき』『いなずま』と呼ばれた少女を窘めるも、二人でサンドイッチ状態で抱きしめたままだらしない表情をして動かない。

 

「ぶいにゅぅぅ〜」

 

 アリア社長は再度思う。

 

 どうしてこんなことになっているのだろうと。

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 

 この(アクア)はかつてオレンジ色に包まれていた

 

そんなことを誰かが言っていたらしいが、その言葉に恥じぬ素晴らしい夕暮れの色に包まれた海上で、雰囲気もへったくれも無く息を切らした四人と一匹が佇んていた。

 

「ま、まぁ!このレディーの手にかかればざっとこんなものよ!」

 

「なのです!」

 

「ほとんど私と雷が頑張ったんじゃないか…」

「響だめよ、突っ込んだら負けよ」

「ぷい」

 

誇らしげに爽やかな笑顔で胸を張る暁と電を、ゴンドラに乗ったアリア社長と『ひびき』『いかづち』と呼ばれた少女がジト目で見ていた。

あの後、ドタバタとしながらもゴンドラを救出し、無事アリア社長は解放されていた。勿論響と雷も魅惑のボデーをたっぷり堪能したが。

 

「煩いわよそこ!私達『第六駆逐隊』の勝利なんだから、ごちゃごちゃ言うなぁ!」

 

「ぷいにゅにゅい?」

 

「では猫さん、私達はそろそろ行きますが、お家にちゃんと帰れますか?」

 

「ぷいにゃい!」

 

ギャーギャーと喧嘩する三人は放っておいて、電はゴンドラに乗るアリア社長に問いかけると、社長は少し離れたところにある白い建物を指差した。

 

「えっと、『ARIA COMPANY』?あそこがお家なのですか?」

 

「ぷ、ぷえにゅぁ?」

 

「ふふ、私達『艦娘』は目が良いのですよ」

 

いくら距離が近いとはいえ、看板に書かれた文字を読むには遠いと思ったアリア社長に笑顔でサラリと応える電。

 

「ふ〜ん、ゴンドラがあるし、猫さんはもしかして社長さんかな?」

 

「え、社長さん!?」

 

「あぁ。何でもネオ・ヴェネツィアでは、マリンブルーの瞳を持った猫を社長に据える伝統があるって司令官が「ぷいにゅ!「…ほらね?」

 

響と雷にそう言われ、胸を張ってお辞儀をするアリア社長。まるで昔見た、時代劇のお殿様が正体を表す。そんなシーンを思い出し少しドヤ顔をしている。

 

「しゃ、しゃしゃしゃ…」

 

「暁はなんでそんな変な笑い方をしてるんだぃ?」

 

「違うわよ!わ、私そんな偉い猫さんに失礼なことを…」

「はわわわわ…」

 

 

 

 

「じゃあね姉さん(あかつき)。姉さんなら何度でも蘇るって…信じてる」

 

「ありがとう電。頼れる(いけにえ)を持って私は幸せだわ」

 

 そう言い残すと、響と雷は滑るように水平線に向かって進みだした。よくよく考えると自分たちも揉みくちゃにしていたので、最初に手を出した二人に責任を擦り付けて逃げ出した形だ。

 

「待てやコラ不死鳥(ひびき)ー!!!」

 

「こんな時ばかり頼らないでほしいのですーっ!!!」

 

そう叫ぶと片や怒りの形相で、片や半泣きで暁と電も二人の後を追う。よく見ると、沖にはプレジャーボートが一隻居り、そこに向かっているようだ。

 

アリア社長は呆気にとられながらも、まるで嵐のように去っていった4人に向かって手を振った。

 

「ぷいにゃにゃ〜い」

 

 

 

「じゃあね社長さーん!」

 

「気をつけるんだよー」

 

「まったねー!」

 

「ばいばいなのですー!」

 

 

振り返って手を振りつつ夕陽に向かって進む彼女達の姿は、キラキラと輝いていた。まるで暁の水平線に向かい魂を燃やしたという、かつての英雄達のように。

 

 

〜〜〜

 

「あれ〜?アリア社長?」

 

「本当だ、どうしたんですかアリア社長ー、こんな所で」

 

 暁たちが去っていった水平線をゴンドラに乗ったままボーッと眺めていると、アイと灯里の声が聞こえたので振り返ると、白と黒のゴンドラが1隻ずつ並んで近づいてきた。

 

「ぷいにゅ〜!」

 

「そろそろ夕ご飯ですよアリア社長。帰りましょ〜?」

 

「今日は、アリシアさんも来てくださるんですよ。さ、社長」

 

「ぷいぷいにゅ!ぷいにゃ!」

 

「ど、どうしたんですかアリア社長?何かありましたか?」

 

「ぷにゃにゅにゃ!ぷ〜にゃにゃんにゃんっにゃ!」

 

「は、はひ〜、落ち着いて下さい社長!帰ってからゆっくり聞きますから!」

 

そんな会話をしながら、3隻のゴンドラはARIA COMPANYに向かって帰っていく。この後、アリア社長からの驚くような話が聞けるとは思ってもいない二人であった。

 

 

 

 

to be continued…?

 




続くといいなぁ…
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