ダンガンロンパPRISON   作:M.T.

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第1章 非日常編①(捜査編)

…嘘でしょ。

 

なんで凶夜クンが…

 

昨日まで、一緒におしゃべりしたり、ご飯食べたりしてたのに。

絶対にみんなでここを出るって約束したのに。

みんなでパーティーを開いて、楽しい事いろいろやって…まだ、キミと話したい事だってあったのに。

なんでキミがこんな事に…!

 

「嘘でしょ…ねえ、凶夜クン!起きてよ!!…本当は死んでなんかないんでしょ?ねえ!!」

 

ボクは、凶夜クンをゆすり起こそうとした。

凶夜クンの身体には、体温が無かった。

ボクの方に向けられたその目は、瞳孔が開ききっていた。

「そんな…!いやだ、いやだいやだいやだ!起きてよ…お願いだから、起きてよ凶夜クン!!」

ボクも、本当はわかっていた。

凶夜クンは目覚めるわけがないって事は。

でもその事実を、受け入れたくなかった。

 

「クッソ…!景見…なんでだよ…!チクショウッ!!」

 

『うっぷぷぷぷ!!早速犠牲者が出ちゃったね!』

『フッフッフ。アナタ達、仲良しクラブじゃなかったんですか?【超高校級】ともあろう者が、こんなにあっさり殺されて…情けないですね全く!』

「テメェら…!一体何しに来やがった!?景見に何をした!!」

『ちょっと!やめてよね栄クン!ボク達は、景見クンを殺したりなんかしてないよ!冤罪だよ冤罪!』

「うるせェ!!テメェらの差し金だろうが!!」

『全く…人が1人死んだだけでこれですか。…それにしても、【不運】が最初の犠牲者になるとは…やはり、彼は最期まで自分の運命に抗えなかったようですねェ。おお、愚か愚か。』

「黙れ!!」

『おやぁ?狛研サン?』

「凶夜クンを…ボクの親友をバカにするな!!」

『うぷぷ、親友…ねえ。そんな甘ったれた事言ってるから、クラスメイト一人守る事すらできなかったんでしょ?ほら。悔しかったら何か面白い事してみなよ。…ま、何の才能もないくせにラッキーで希望ヶ峰にスカウトされたキミじゃムリだろうけど!』

「ッ…!!」

何もしなかった。

…いや、何もできなかった。

ここで攻撃したらどうなるかは、考えるまでもなかった。

『おや、耐えますか。案外利口じゃないですか。…それとも、ただの意気地なしですかね?』

「テメェ!!」

『おお、こわいこわい。狛研様と違って、栄様は血気盛んですねェ。』

「…それで、キミ達は一体何をしに来たの。」

『おやぁ?狛研サン、仲間を殺されたってのにやけに冷静じゃん。やっぱり、その状況把握能力は名探偵の父親譲りかな?』

「いいから答えて!!」

『…仕方ないですねェ。それは今から説明しますから、少々お待ちください。』

 

「ねえ、何があったんだい?」

後ろから星也クンが話しかけてきた。

「穴雲…!!」

「栄君が食堂にいないから心配で見に来たんだけど、中で何が…」

星也クンが、部屋の中を覗いた。

「ッ…!?」

星也クンは、顔を真っ青にして、口を手で押さえた。

「嘘だろ…!?…それ、景見君…だよね?」

『…フッフッフ。これで3人目ですね。』

「モノベル!?それに、モノクマ…!?何がどうなって…」

 

 

 

ピーンポーンパーンポーン

 

『オマエラ、死体が発見されました!!2階の【超高校級の栄養士】の研究室にお集まりください!!』

 

「なんだ…!?今の放送は…!」

『うぷぷ、死体発見アナウンスだよ。このアナウンスは、3人以上が死体を発見した際に流れます!』

「3人…?なんですぐに放送しないの?」

『うぷぷ…それは後でわかる事だよ。…おっと、全員揃ったみたいだね。』

「きゃあぁああああああああ!!?」

「嘘でしょ…!いやっ…!きょうやくんが…なんで…!」

「ピィ!ピィピィピィ!」

「そんな…景見殿…!」

「ひぃいいぃい!!ひ、人がし、死んでるのだぁあ!うぷっ…」

「嘘でしょ…なんでキョウヤが…アタシ、こんなの無理…!」

「嘘だろ…!?そんな、相棒…おい、凶夜…起きろよ…凶夜ぁあああああああ!!!」

「そんな…!景見さんが…!」

「…フン。これだから凡愚は…」

「…この匂い…もしかして、人が死んだのかい?」

「っわー!早速景見クンが他界他界しちゃったねー。脱落者1名ーっと!」

「………………。」

驚きのあまり悲鳴を上げる麗美ちゃん。

その場に座り込んで泣く彩蝶ちゃん。

凶夜クンの遺体の前で鳴く翠ちゃん。

顔を真っ青にしながら凶夜クンを見る剣クン。

あまりの出来事に、泣きながら嘔吐する才刃クン。

顔を真っ白にして倒れ込む踊子ちゃん。

泣き叫びながら凶夜クンに駆け寄る成威斗クン。

顔を両手で覆う治奈ちゃん。

腕を組んでそっぽを向くラッセクン。

戸惑いながら状況を確認する柳人クン。

余裕な様子の天理クン。

黙ったままのゐをりちゃん。

「…癒川さん。」

「ッ…!ダメ…!亡くなってから時間が経ちすぎていて、蘇生できません…!」

「そんな…」

「はっはっは!天理サンの次は凶夜サンですカ!?全く、二人トモ死んだフリなんて、悪趣味ですネ!その手のイタズラにハもう騙サレませんヨ!起きナサイ凶夜サン!」

雪梅ちゃんは、今回もいたずらだと思っているみたいだ。

「朱さん、違うんだ。景見君は本当に…」

『うぷぷ、イタズラ?バカじゃないの?本当に死んでるに決まってんじゃん!』

「っえ…!?ウソ、ウソですよネ!?凶夜サン!?凶夜サン!起きてクダサイ!!」

『フッフッフ。無駄ですよ。このご時世、実は生きてましたなんてオチが許されるわけないでしょう。』

闭嘴(黙れ)‼︎アナタ達、凶夜サンに何しましタ!?ワタシ、オマエラ許さないでス!!」

「テメェら、よくも俺の相棒を…ブン殴ってやらぁあああああああああ!!!」

『ちょっとちょっと!言い掛かりはよしてよ朱サンに舞田クン!本当はもうわかってるでしょ?』

 

『景見クンを殺したのは、オマエラの中の誰かなんだよ!』

 

「…そんな!」

『フッフッフ。午前8時までに犠牲者が出たので、犯人の方を希望ヶ峰学園のエリートクラスに編入させて差し上げます!』

「クソッ…犯人の野郎…!景見を殺して、ここから出ようってのかよ…!」

『おやあ?悔しいみたいだね、栄クン!そんなキミに朗ー報ー!!』

「…朗報?」

『オマエラ、校則の6番目を覚えてる?』

「…『仲間の誰かを殺したクロは『退学』となるが、自分がクロだと他の生徒に知られてはならない』…だったか?」

『その通り!今から、クロがちゃんとその校則を守れていたかどうかの審査を行うのです!オマエラには、今から景見クンを殺した犯人が誰なのか、一定時間捜査してもらうよ!』

『捜査時間を過ぎたら、全員参加型の『学級裁判』を執り行います。そこでクロが誰なのかを議論し、最終的に投票でクロを決めていただきます。多数決の結果、そのクロが正解だった場合、校則第6項目めに違反したとみなし、クロの生徒をおしおき…つまりは処刑させていただきます。』

「なっ…!?なんだよそのルール!聞いてねェぞ!!完全に後付けじゃねえか!!」

『うぷぷ、殺人犯をみすみす逃すわけないじゃん。ルールを守れなかったんなら、ちゃんとそれ相応の罰は受けてもらうよ!』

「今、正解だったら…と仰いましたけど…もし不正解だった場合はどうなるのですか?」

『フッフッフ。その場合は、クロは約束通りエリートクラスへの進学、そしてそれ以外の皆様を処刑します!』

「はぁ!?何よそれ…!アタシ達に死ねって言ってるようなもんじゃん!」

『うるさいなぁ!そんなに死にたくないなら、クロを見つければいいんだよ!!』

「見つけるって言っても…俺達は、探偵や警察じゃないんだぜ?ハッキリ言って無理ゲーだろ。」

『あ、そう?じゃあ、いい物プレゼントしてあげるよ!ザ・モノクマファイル!!』

 

ヴーーーーーーッ

 

手帳が鳴ったので確認すると、手帳に新しいアプリが入れられていた。

『そのファイルに、事件当時の詳細が書かれてあるから、参考にしてみるといいよ!』

『フッフッフ。それでは、ご機嫌よう!!学級裁判でまた会いましょう!!』

クマさんとベルさんは、笑いながら去っていった。

「どうしよう…犯人を見つけられなかったら、アタシらが処刑されちゃうよ…!」

「わたし、まだきょうやくんが死んだ事で、全然頭が回らないのに…!」

「…フン。捜査したくない奴は勝手にしろ。その代わり、捜査を拒否するなら、学級裁判に参加する資格も無いと思え。」

「そーそー。自分は何もしないくせに、言いたい事だけ言おうなんて自分勝手なマネさせるかっつーの。あ、言っとくけど、俺は問答無用で捜査に参加しなかった奴に投票するからねー?」

「っえ…!?それって、いくら発言しても勝手に犯人にされちゃうって事なのか!?そんなの嫌なのだ!!僕ちゃんは、捜査やるぞ!!」

「私も…こんな所で死ぬわけにはいきません。捜査をお手伝いします…!」

「私も、犯人の捜索に尽力致します。武士たる者、たとえ級友であろうと、悪行を働いた者を赦す訳には参りません。」

「俺はもちろん参加するぞ!!相棒を殺した奴は、誰であろうと許さねえ!!凶夜の仇!!」

 

ボクは、凶夜クンを…親友を失って、心の整理ができていなかった。

ここに来て初めてできた友達を殺されたんだ。

冷静でいられるわけがなかった。

泣きたい。叫びたい。怒りたい。

だけど、そんな甘えは許されない。

ボクは、絶対に犯人を見つけ出す。

生き残るため、そして凶夜クンの仇を討つために。

…お願い、お父さん。

ボクに力を貸して。

ボクは、お父さんの帽子を深く被り直して、決意を固めた。

 

 

 

 

ー《捜査開始》ー

 

「どうする?」

まずはモノクマファイルとやらを確認しよう。

 

 

モノクマファイル①

 

被害者は【超高校級の不運】景見凶夜。

死体発見現場は、内エリア2階の【超高校級の栄養士】の研究室。

死亡推定時刻は、21時40分頃。

死因は、腹部からの出血による失血死。

腹部に刃物で刺したと思われる傷が一つある。

 

コトダマゲット!【モノクマファイル①】

 

「このファイルだけど…どう思う?」

ボクは、星也クンに聞いてみた。

「うーん。なんとも言えないけど…モノクマ達が用意したファイルだからね…あんまり信用はできないかな。一応、癒川さんに検視をお願いしようかな?」

「はい…私、がんばります。」

「おい、待て。この小娘が不正をしないとも限らん。誰か見張りをつけろ。」

「見張りかぁ。わたしがやろっか?」

「彩蝶ちゃん?いいの?」

「うん。わたしも、生物学は得意だから。一緒に検視できるでしょ?」

「…そうだね。日暮さんがいるなら安心だね。じゃあ、みんな捜査をしようか。」

ボクも、捜査しないとな。

まずは、現場の確認でもしてみるか。

 

ボクは、部屋を隅々まで調べた。

…部屋は、少し散らかってはいるけど、あまりいじられていないな。

この部屋には、通気口があるけど、蓋を開けられた形跡は無いし…

隠し通路とかも見つからない。

犯人は、正面のドアから入ってきたと考えるのが妥当だろう。

ドアを無理矢理こじ開けた形跡は無い…

陽一クンが何の違和感も抱かずに部屋の鍵を開けていた事から察するに、犯人は鍵を開けて部屋に入って、鍵を閉めたって事か?

 

コトダマゲット!【入室・退室の方法】

部屋には隠し扉等が無くドアを無理矢理こじ開けた痕跡もない事から、犯人は鍵を開けて部屋に入り、凶夜クンを殺した後部屋の鍵を閉めた…?

 

…ん?

この部屋の照明…景見クンの研究室や麗美ちゃんの研究室とちょっと違うな。

普通の白熱電球じゃないのか?

「へえ、なるほどね。ちゃんと細かいところまで、気が利いてるね。この研究室は。」

天理クンが、天井を見上げながら何か言っていた。

「天理クン、どうしたの?」

「ああ、この部屋の照明、太陽光に似た光源が使われてんだよ。外エリアの照明も、同じヤツだね。多分、部屋の野菜の苗を育てるための工夫なんだろうけど。」

太陽光に似た光源か…

 

コトダマゲット!【研究室の照明】

太陽光に似た光が使われている。

 

「天理クンは、事件当時何してたの?」

「ん?俺?温泉で温泉卵作ってたけど?夜食に食おうと思って。」

温泉卵かぁ。

ボクも食べたいなぁ。

…はっ!!いけないいけない。

「…そっか。ありがとう。」

「えへへ、俺に色々聞きたいんだったら、とりあえず付き合っちゃう?なーんつってwww」

「付き合う?どこに?」

「…悪い、今の聞かなかったことにして。」

…?変なの。

 

あとは、部屋を探索している才刃クンと陽一クンにも話を聞きたいな…

「ねえ、陽一クン。」

「ん?狛研ちゃん?どうした?」

「ねえ、陽一クン。何か知ってる事があったら教えてくれないかな?」

「おう、いいぜ。」

「あのさ、陽一クンは、犯行が起こった時、何してたの?」

「えっと…それなんだけど、多分気絶してた。」

「…え?」

「なんか、後ろからガツーンって殴られてよ。それで、気を失っちまったんだよ。…20分くらいかなぁ。それで、気がついたら廊下で寝てて…」

「大丈夫なの?」

「ああ、ちょっと頭から血が出ちまったけど、大した事ねェよ。」

「犯人の顔は見てないかい?」

「…やー、ごめん。見てないかな。」

なるほど、だからさっき頭を押さえながらボクの事を疑いの目で見てたんだね。

 

コトダマゲット!【陽一クンの証言】

後ろからいきなり殴られたらしい。気を失っていた時間は、約20分。

 

「ねえ、陽一クン。」

「ん?まだ何か聞きてェ事があんのか?」

「うん…あのさ、殴られた事なんだけど、心当たりは無い?」

「あるわけねェだろ!なんでオレが殴られなきゃなんねェんだよ!…あー。もしかして、アレか?風呂覗いちまった事か?」

「それが原因じゃないといいけどね。殴られた前の行動にヒントがあるかも…ねえ、殴られる前は何をしてたの?」

「えっと、さっき話してたレシピを作ってたよ。それで、出来上がったんで部屋に戻って寝る支度しようとしたら、いきなり後ろから殴られたってワケよ。」

「部屋を出る時、ちゃんと鍵は閉めた?」

「おう。それは間違いねェ。」

「…なるほどね。…レシピ、かぁ。ねえ、そのレシピちょっと見せて。」

「おう、いいけど…」

ボクは、調理台の上にあったレシピに目を通した。

…ふうん、なるほどね。

季節の焼き魚に、レンコンの煮物に、炊き込みご飯…魚の付け合わせはもみじおろしかぁ。

どれも美味しそうだな…じゅるり。

じゃなくて!!

今は捜査中だよ!!

「このレシピ、誰かに見せたりした?」

「いやぁ?見せてねェけど?」

「…そっか。ありがと。」

 

コトダマゲット!【陽一クンのレシピ】

今日の朝ごはんのメニュー兼レシピ。ボク以外には、誰にも見せていないらしい。

 

「ねえ、最後に一個だけ確認いい?」

「確認?何を?」

「手帳で誰かの入室を許可したりした?」

「いや、してねェけど。2日目までは女の子を一人ずつ入室許可したりしてたけど、狛研ちゃんと日暮ちゃん以外誰も部屋に来てくれないからもう諦めたんだよ。癒川ちゃんには、穴雲と話があるからっつってやんわり断られたしよ…クソッ。」

「ふんふん。つまり、今この部屋の開閉をできるのは陽一クンだけって事だね?」

「そうだな。」

「わかった。ありがとう。」

 

コトダマゲット!【手帳のロック機能】

研究室や独房の住人本人と、住人に入室を許可された生徒一人だけが、部屋の鍵を開閉できる。陽一クンは、昨日からずっと誰も入室許可をしていない。

 

…うーん。

手帳の機能については、ボクもよくわからないなぁ。

才刃クンに聞いてみよう。

「ねえ、才刃クン。」

「ん!?なんだ、誰かと思えばオマエか!この僕ちゃんに何の用だ!!」

「あのさ、才刃クンって、機械に詳しいんでしょ?だったら、この手帳に関しても詳しかったりする?」

「はぁ!?オマエ、何をほざいているのだ!?この僕ちゃんに不可能なんてない!!バカ侍とガキに手帳の操作方法を教えてやったのは僕ちゃんだぞ!!」

「そうなんだ。」

「アイツら、あまりにも機械オンチすぎるからな!最初のうちは僕ちゃんが代わりに操作してやったのだ!!」

「えっ?じゃあ、二人の手帳を、才刃クンが操作したって事?」

「む!?そうだが!?」

「…なるほどね。ありがとう。」

 

コトダマゲット!【才刃クンの証言】

剣クンとゐをりちゃんの手帳を代わりに操作した事があるらしい。

 

「ところで、才刃クンは事件当時何してたの?」

「む?僕ちゃんか?僕ちゃんはだな。食堂で、機械オンチ共と一緒に折り紙折ってたぞ!アイツらが、手帳の操作方法を教えてくれた礼にと折り方を教えてくれたのだ!」

「…なるほど。ありがとう。」

もう少し部屋を調べてみよう。

…調理台が怪しいかな。

ん?

流しにおろし金が置いてあるな。

陽一クンなら、調理器具をこんな乱雑な扱い方しないだろうし…犯人か凶夜クンが置いたのかな?

おろし金に何かついてるな。

…これは、大根?

 

コトダマゲット!【おろし金】

流しに放置されていた。わずかに大根が付着している。

 

一緒に調理台を捜査している星也クンにも話を聞いてみよう。

「ねえ、星也クン。何か気付いた事はあったかい?」

「えっとね、これを見て欲しいんだ。」

星也クンは、調理台の下の引き出しを指差した。

「見て。包丁が一本足りないでしょ?」

「ホントだ。」

 

コトダマゲット!【調理台の包丁立て】

包丁立てから包丁が一本なくなっていた。

 

「ねえ、星也クンは、事件当時何してたの?」

「癒川さんと一緒に、外エリアの春部屋で話してたよ。」

「その時、誰か出入りしたりした?」

「ううん?」

「…そっか。ありがとう。」

調理台の捜査は終わったし、誰かの証言を聞こうかな。

 

 

 

 

【景見凶夜の独房】

 

凶夜クンの独房では、柳人クン、成威斗クン、剣クン、ゐをりちゃんが捜査をしていた。

「みんな、何かわかった事はある?」

「そうですね…特に部屋が荒らされたといった様子もありませんでしたし、この部屋に何者かが侵入した可能性は無いと思われます。」

 

コトダマゲット!【独房の様子】

部屋はほとんど荒らされておらず、何者かが侵入した形跡は無い。

 

「剣クンは、事件当時何してたの?」

「入田殿と神座殿と一緒に折り紙で遊んでおりましたが。」

さっきの才刃クンの証言は嘘じゃなかったっぽいね。

「成威斗クンは?」

「俺は、特に手がかりとかは見つけられなかったな。ごめんな叶。」

「じゃあ、事件当時何してたかだけでも教えて貰えない?」

「おう、いいぞ。俺は、外エリアの夏部屋で筋トレしてたぜ。」

「誰も入ってきたりしなかった?」

「ああ。入って来てねえけど。」

「ありがとう。…柳斗クンは?」

「オイラはそもそも目が見えないからねぇ。捜査の役に立てなくてごめんよ〜?」

「じゃあ、事件当時は何してたの?」

「秋部屋で、日暮君と歌ってたよ〜♪…あ、そうそう。実は、事件のちょっと前…9時35分くらいかな?飲み物を買おうと思って娯楽室に行った時、『ゴッ』ていう音が聴こえたんだよね。」

「どんな音だった?」

「何か硬いものを衝突されたような…そんな音だったよ。」

「…転んで頭をぶつけた音、とかではなかったよね?」

「いや、違うね。もっと重くて大きな音だったよ。ちょうど、鈍器で頭を殴ったような音かな。おっと、誤解しないでくれよ?ドラマでその音を聴いたことがあるから知ってるだけだからね。」

「…なるほどね。その後は、秋部屋に戻ったのかい?」

「ああ。戻ったのは、9時40分頃だね。」

 

コトダマゲット!【柳人クンの証言】

事件発生直前、鈍器で頭を殴られるような音を聴いていたという。

 

「………。」

ゐをりちゃんが、服を引っ張った。

「ゐをりちゃん?どうしたの?」

「……………見つけた。」

ゐをりちゃんは、紙切れを見せた。

何か書かれてるな…

 

景見へ

ちょっと話したい事があるから9時40分にオレの研究室に来てくれ。

栄陽一

 

定規で文字が書かれていて、誰が書いたのかわからないな。

「ありがとうゐをりちゃん。」

「………。」

 

コトダマゲット!【紙切れ】

凶夜クンに宛てた手紙のような物だ。定規で書かれていて、誰が書いたのかは不明。

 

さてと、ここで手に入る情報はこれくらいかな。

 

 

 

 

【娯楽室】

 

娯楽室では、雪梅ちゃん、麗美ちゃん、踊子ちゃん、ラッセクンが捜査をしていた。

「ラッセクン。何か手がかりはあった。」

「…これを見ろ。」

ラッセクンは、ボウリングのピンを見せてきた。

「それがどうしたの?」

「よく見ろ。このピン、僅かだが血液が付着している。」

「あ、ホントだ。」

 

コトダマゲット!【血のついたピン】

一本だけ、わずかに血液が付着したピンが置いてあった。

 

「ラッセクンは、事件当時何してたの?」

「そういう貴様は、何をしていたんだ?」

「部屋でお父さんの小説読んでたよ。ラッセクンは?」

「…冬部屋で考え事をしていた。」

「誰かが入ってきたりはした?」

「してないな。」

「そっか、ありがとう。」

次は、麗美ちゃんに話を聞こうかな。

「麗美ちゃん、何か知ってる事があったら教えてくれないかな?」

「別に、何も知らないわよ!」

「じゃあ、せめて事件当時何をしてたのかは教えてくれないかい?」

「娯楽室で、羽澄さんのダンスを朱さんと一緒に見てたわよ。あ、でも途中、忘れ物を取りに行くために外に出たわね。」

「忘れ物?」

「ハンカチを研究室に忘れて来ちゃったのよ。」

「なるほどね。…あれ?その赤い指輪、綺麗だね。どうしたの?」

「2日目に景見君に貰ったの。この宝石、アレキサンドライトっていうのよ。」

「ふぅん。」

 

コトダマゲット!【指輪】

麗美ちゃんの指輪。赤色のアレキサンドライトが付いている。

 

次は、雪梅ちゃんと踊子ちゃんに話を聞いてみよう。

「ねえ、二人とも。何か知ってる事があったら教えてくれないかな?」

「ゴメンナサイ叶サン。ワターシ、手がかり、見つけられマセンでした。」

「アタシもよ。」

「じゃあ、二人とも事件当時はの状況を教えてくれないかな?」

「えとですね、踊子サンのダンスを、麗美サンと一緒に見ていましタ!でも、9時半くらいに麗美サンが途中でハンカチを取りに外に出テ…それからしばらくして、踊子サンがトイレ行きましタ!その後、麗美サンがハンカチ持て戻テきましタ。踊子サンが戻テきたの、その後でス。」

「麗美ちゃんと踊子ちゃんが外に出てたのは、どれくらいかわかる?」

「麗美サンは20分くらい、踊子サンは5分くらいでス!」

麗美ちゃんが忘れ物を取りに行ったのは本当だったんだね。

「途中で、柳人クンが娯楽室に入ってきたりした?」

「ハイ!ちょうど麗美サンが外に出た後ですネ!柳人サン、来ましたヨ!」

柳人クンも、嘘をついてなかったみたいだね。

「踊子ちゃんは?」

「まあ、シュエメイの証言通りよ。あ、そうそう。アタシがトイレに行く途中、レイミとすれ違ったよ。」

「それ、本当?」

「うん。そういやぁあの子、エモい指輪してたんだよね。だからちゃんと覚えてるよ。」

「エモい指輪?」

「ああ。緑の宝石がついた、鬼エモい指輪だよ!」

…緑の指輪?

ちょっと気になるな。

 

コトダマゲット!【踊子ちゃんの証言】

麗美ちゃんとすれ違った時、緑色の宝石がついた指輪をしていたらしい。

 

4人から情報は得られたし、そろそろ検視の結果を知りたいな。

 

 

 

 

【超高校級の栄養士】の研究室

 

「二人とも、お疲れ。検視結果はどうだった?」

「モノクマファイルに書いてある通りです。どうやら、このファイルに嘘は書かれていなかったようですね。腹部に、刺し傷が一ヶ所ありました。大動脈を貫通しており、おそらくこの傷が死因だと思われます。」

 

コトダマゲット!【治奈ちゃんの検視結果】

凶夜クンの腹部に刺し傷が一ヶ所だけあった。

 

「それと、腹部に刺さっていた刃物ですが、刃渡り21cm程の調理用の包丁だという事が判明しました。」

「そっか。犯人が誰かまでは、わからないかな?」

「…申し訳ございません。犯人に関する手がかりは、見つかりませんでした。すみません、すみません…!」

「い、いや、いいよ!そうだよね、犯人が都合よく証拠を残してくれてるわけないよね!?うん、治奈ちゃんはよくやってくれたよ!そうだ、治奈ちゃんは事件当時何してたの?」

「春部屋で穴雲さんとお話をしておりましたが。」

「誰か部屋に入ってきたりはしなかったかい?」

「誰も入ってきていません。」

「そっか、ありがとう。」

 

コトダマゲット!【包丁】

凶夜クンの腹部に刺さっていた。刃渡り21cmの調理用包丁だと思われる。

 

「ねえ、彩蝶ちゃん。治奈ちゃんに怪しい動きは無かったかい?」

「全然?はるなちゃんは、普通に検視をしてただけだよ。」

「そっか。じゃあ、事件当時は何してたか教えてくれる?」

「いいよ。あのね、りゅうとくんと翠と一緒に秋部屋でお歌を歌ってたんだ。あ、でもりゅうとくんが、9時半過ぎくらい?に娯楽室に行くって言って外に出て、10分後くらいに戻ってきてたよ。」

「柳人クン以外に、秋部屋に入ってきた人はいなかったかい?」

「ううん?いなかったよ?」

「そっか、ありがとう。」

 

コトダマゲット!【外エリア組の証言】

ラッセクン、彩蝶ちゃん、成威斗クン、星也クン、治奈ちゃん、柳人クンは外エリアにいた。その他に外エリアに入ってきた人はいなかったらしい。

 

ちょっと凶夜クンの死体を調べてみよう。

…ん?

手元に何か書いてあるな…

これは…

 

VDNDH

 

なんだこれは…どういう意味なんだろう?

 

コトダマゲット!【ダイイングメッセージ】

凶夜クンの手元に血文字でVDNDHと書かれている。

 

あとは…

「ねえ、クマさん。ちょっと聞きたい事があるんだけど。」

『ほえ?何?』

「死体発見アナウンスは、3人が死体を発見した時点で流れるって言ってたよね?」

『そうだけど?』

「それって、犯人を除く3人なのかな?」

『犯人を除くっていうか、厳密には、死体を発見した人数が3人を超えたら、だね。だからクロは数には入らないよ。ただ、第一発見者が、目撃者のフリをしたクロだった場合は、ちゃんと人数にカウントされるから、それだけは気をつけてね!』

「なるほどね。でも、なんで3人が死体を見てからなんだい?」

『クロとシロの立場を公平にするためです!』

「そっか。ありがとう。もう行っていいよ。」

『ちょっと!何それ!クマあたりがキツいよ狛研サン!』

 

コトダマゲット!【死体発見アナウンス】

3人以上が死体を発見した際に放送される。基本的に被害者を殺したクロは数には入らないが、3人の目撃者の中にクロが紛れ込んでいた場合は、この限りでない。

 

あとは、全員分のアリバイをまとめておこう。

 

コトダマゲット!【全員分のアリバイ】

ボクは独房にいた。

星也クンと治奈ちゃんは、春部屋にいた。

才刃クンとゐをりちゃんと剣クンは、食堂にいた。

天理クンは、温泉にいた。

陽一クンは、廊下で気絶していた。

麗美ちゃん、雪梅ちゃん、踊子ちゃんは娯楽室にいて、麗美ちゃんがハンカチを取りに20分間外に出ていて、踊子ちゃんはトイレに行くために5分間外に出ていた。

柳人クンと彩蝶ちゃんは、秋部屋にいて、柳人クンが9時半頃に娯楽室に行って、10分後に秋部屋に戻ってきた。

成威斗クンは、夏部屋にいた。

ラッセクンは、冬部屋にいた。

 

 

 

 

『オマエラ、時間切れです!ついにこの時がやってきました!お待ちかねの学級裁判、始めるよ〜!5分以内に、内エリア1階の噴水まで集合してね〜!』

『遅刻欠席は許しませんよ!校則違反とみなし、問答無用でおしおきさせていただきます!』

…もう時間か。

ボクは、噴水に向かった。

 

 

 

 

【噴水】

 

「オマエラ、遅いのだ!」

「そういうあんたはビビりじゃないの。」

どうやら、一番乗りは才刃クンだったようだ。

そして、一番遅く来たのは天理クンは、5秒前に来た。

噴水の前には、クマさんとベルさんが待機していた。

『うぷぷ、全員揃ったみたいだね。じゃ、裁判場行きのエレベーターに乗ってね!』

「エレベーター?そんなの、どこにもないけど…」

『うぷぷ、まあ見ててよ。』

クマさんがパチン、と指を鳴らすと、噴水の中から赤い扉が出現した。

「んなっ…!」

「どんなトリックを使いやがった…!?」

『そんなのどうでもいいじゃん。さ、早く乗りな。』

赤い扉が開き、豪華なエレベーターの籠が止まっていた。

クマさんに急かされて、ボク達はエレベーターに乗った。

 

 

 

 

エレベーターが動き出した。

震えが止まらない。

一歩間違えば、自分が死ぬ。

生き残りたかったら、考えろ。

この事件の真相を。

…待ってて、凶夜クン。

必ず、この謎を解き明かしてみせるから!!

 

 

 

 

 


 

 

 

『フッフッフ。さァて、ここでクイズのお時間ですよ。景見様を殺した犯人は、一体誰だと思いますか?』

 

【超高校級のアナウンサー】穴雲星也

 

【超高校級の工学者】入田才刃

 

【超高校級の不運】景見凶夜

 

【超高校級の???】神座ゐをり

 

【超高校級の幸運】狛研叶

 

【超高校級の資産家】財原天理

 

【超高校級の栄養士】栄陽一

 

【超高校級の詩人】詩名柳人

 

【超高校級のマドンナ】白鳥麗美

 

【セキセイインコ】翠

 

【超高校級の曲芸師】朱雪梅

 

【超高校級のダンサー】羽澄踊子

 

【超高校級の生物学者】日暮彩蝶

 

【超高校級の侍】不動院剣

 

【超高校級の喧嘩番長】舞田成威斗

 

【超高校級の看護師】癒川治奈

 

【超高校級の国王】ラッセ・エドヴァルド・シルヴェンノイネン

 

『…そうですか。次回は学級裁判前編でございます。お楽しみに。』




ミスがあったのでちょっと編集。

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