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【超高校級の不運】景見凶夜 0票
【超高校級の???】神座ゐをり 0票
【超高校級の幸運】狛研叶 0票
【超高校級の資産家】財原天理 0票
【超高校級の詩人】詩名柳人 0票
【セキセイインコ】翠 0票
【超高校級の曲芸師】朱雪梅 0票
【超高校級のダンサー】羽澄踊子 0票
【超高校級の生物学者】日暮彩蝶 0票
【超高校級の侍】不動院剣 0票
【超高校級の喧嘩番長】舞田成威斗 0票
【超高校級の看護師】癒川治奈 0票
【超高校級の国王】ラッセ・エドヴァルド・シルヴェンノイネン 0票
『うぷぷぷ!!お見事大正解ーーー!!!【超高校級の不運】景見凶夜クンを殺したのは、ななななんと!女神のように美しい完璧な美少女の皮を被った、本性真っ黒の悪女【超高校級のマドンナ】白鳥麗美サン…もとい、白鳥隥恵サンでしたー!!』
『フッフッフ。今回は、クロの白鳥様以外は全員満場一致で白鳥様に投票していました!』
麗美ちゃんは、項垂れながら肩を震わせていた。
その表情は、髪の毛で隠れてよく見えなかった。
「そんな、嘘…ですよネ?麗美サンが凶夜サン殺したなんて、嘘デス!!」
「そんな…違うよな?何かの間違いだよな…?なあ、そうだと言ってくれよ…!」
「ふ…ふぅっ…うぅっ…」
麗美ちゃんは、顔を上げた。
顔を押さえていた両手を下げて、顔を露わにした。
「ふふっ…あはは…あはははははは…!」
その顔は、笑っていた。
「れ、れいみ…ちゃん…?」
「…あーあ。うまく騙せてたと思ったのに。人間、絶望のドン底まで突き落とされると逆に笑うしかなくなっちゃうわね。」
麗美ちゃんは、天井を見上げながら言った。
「はぁーあ。もう、何もかも疲れちゃった。いい子のフリをするのも、案外楽じゃないわね。ほら、始めなさいよ。おしおきとやらを。」
『おやぁ?随分と潔いですね!さっきまで、あんなに慌てふためいてたのに!』
「もう足掻く術がないって悟ったもの。どうせ死ぬなら、美しいまま死にたいわ。ほら、早くしてよ。」
「待って!」
「…はぁ?」
ボクは、麗美ちゃんを睨みながら言った。
「…ひとつだけ聞かせて。なんで凶夜クンを殺したの…?凶夜クンに恨みでもあったわけ…!?」
「…ああ、その事ね。…簡単な話よ。」
麗美ちゃんは、口角をゆっくりと上げてニタリと笑った。
「目障りだったから。理由はこれで十分かしら?」
……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………は?
「なにそれ…どういう意味よ…。」
「私は、どうしても再入学資格が欲しかった。だって、この美しい私がこんな所に閉じ込められてるなんて、あっちゃいけない事なんだもの。だから、誰かを殺す必要があった。別に殺せれば誰でも良かったんだけど、アイツがあまりにも不愉快だったから、殺す事にしたのよ。」
「目障りだって…?一体、どういう事なのかな?」
「だって、アイツは【超高校級の不運】よ?何の役にも立たない【幸運】ならまだしも、アイツの才能は、役に立たないどころか人の足を引っ張る才能なのよ?生きてるだけで周りの人間を不幸にする…そんなヤツ、死んだ方が世のためでしょ?」
麗美ちゃんは、ニッコリと笑みを浮かべた。
でも、その笑みはいつもの笑みとは違う…
強烈な“悪意”を孕んだ笑みだった。
「なにそれ…凶夜クンの才能が【不運】だった…たったそれだけの理由であの子を殺したの…?」
「そうよ?あんな生きてるだけで迷惑なヤツ、生きてる価値なんてないから。美しい私に殺されるなんて、名誉な事なんじゃなくって?」
「黙れ!!!」
気がつくと、ボクは麗美ちゃんの胸ぐらを掴んでいた。
「キミは、自分が何をやったかわかってるの!?目障りだから殺しただと!?ふざけんな!!」
「あら。なんであなたがそんなに怒ってるのよ?アイツが死にたいって言ってたの、忘れた?死にたい死にたいうるっさいから、お望み通り殺してあげたまでよ。優しいでしょ?」
「違う!!凶夜クンは、約束してくれたんだ!!全員でここを出るって…!」
「それでこのザマ?ふふっ、甘すぎるのよあなた。いい加減現実見なさい。」
「黙れ!もう、キミの声なんか聞きたくない!!」
「ふふっ、あーあ。嫌われちゃったわね。さ、モノクマ。早くおしおき始めちゃって?」
『え、もういいの?じゃあ、白鳥サンも死にたがってるし、早くおしおき始めちゃおっか!ではでは、おしおきター…』
「はいストーップ。」
天理クンは、眠そうにしながらのっそりと右手を挙げた。
「…財原君?」
「ねえクマちゃん。なんで白鳥サンは偽名を名乗ってたの?」
「………は?」
麗美ちゃんの顔は、今までの不気味な笑顔から、急に無表情になった。
「俺、スッゲー気になるんだけど。ねーねー、クマちゃんおーしーえーてー!」
天理クンは、バタバタと暴れながら子供のように駄々をこねた。
『あー、もう!わかったよ!そうだよね!知りたいよね!ではでは、特別に教えてあげましょう!』
「やったー☆」
「ちょっと待って…!お願い、言わないで!」
麗美ちゃんはクマさんにしがみついて制止しようとしたけど、クマさんは聞く耳を持たず話を続けた。
『実は、彼女が景見クンを殺してまで再入学を望んだのには、深〜いワケがあるのです!』
「やめて…お願いします…やめてください…!」
麗美ちゃんは、涙目になりながら土下座までしてクマさんの発言を止めようとした。
『やだ。それじゃ、VTRスタートッ!!』
「いやぁああああああああああああああああああ!!!」
昔々ある所に、とある夫婦がいました。
夫はお金持ちの社長、妻はとても綺麗な女性でした。
そんな理想の夫婦の間に、双子の女の子が産まれました!
姉はお母さんに似てとても可愛らしい女の子、そして妹はこの世のものとは思えないほど醜い顔の女の子でした!
夫婦は、姉に『麗美』、妹に『隥恵』と名付けました!
そして数年後、二人はすくすくと育ちました!
麗美サンは、賢く、気高く、そして美しい女の子へと成長しました。
一方、隥恵サンは、何をやらせても大した才能が無く、卑屈な性格に育ってしまいました。
両親が、可愛くて才能がある麗美サンばかりを可愛がった事もあって、隥恵サンは姉に対する劣等感を膨らませていました。
しかし、彼女達の日常はある日突然終わりを告げました!
なんと、彼女達の家に飛行機が突っ込んできて、隥恵サン以外の全員が亡くなってしまったのです!
命からがら生き残った隥恵サンも、全身が潰れて原型がわからない程の重傷を負って病院に搬送されました。
そして、彼女が目覚めた時、彼女にとって信じられない事が起こりました。
なんと彼女は姉そっくりの美少女になっていました!
彼女を助けた医師は、彼女を麗美サンだと勘違いして、重傷を負った隥恵サンを麗美サンそっくりの顔に整形してしまったのです!
親族の人達はみんな、麗美サンが助かったと大喜びしました。
喜ぶ親族達の顔を見て、隥恵サンは、自分は本当は麗美サンじゃないと言い出す事ができませんでした。
周りはみんな、麗美サンが生き残り、隥恵サンが死んだと思い込んでいました。
…しかし、現実というものは皮肉なものですねぇ。実際はその逆だったのです。
こうして隥恵サンは、麗美サンとして生きる事となったのです。
しかし、姉の麗美サンと彼女の才能は、雲泥の差でした。
彼女は、姉に嫉妬すると同時に、心の奥底では憧れていたのです。
だからこそ彼女は、姉である麗美サンになり代わろうとしました。
彼女は、姉のレベルに追いつくため、血の滲むような努力を重ねました。
そして約10年の月日が流れ、まるで姉の麗美サンのような完璧な美少女へと生まれ変わった隥恵サンは、【超高校級のマドンナ】として希望ヶ峰学園にスカウトされました!
しかし、あくまでそれは仮の姿。
その本性は、死にものぐるいで居もしない偶像になり代わろうとする、ただの凡人だったのです!
彼女の『白鳥麗美になり切らなければ』という思いは、もはや病気の域まで達していました!
「本物の白鳥麗美なら、こんなところに閉じ込められずに、今頃希望ヶ峰学園のエリートになっているはずだ。」
その思いが強迫観念となり、彼女は姉になり切ろうとするあまり、クラスメイトを殺害してしまったのです!
ちなみに隥恵サンが景見クンを殺したのには、もっとちゃんとした理由があったんだよね!
彼女が死ぬ程の努力をしてやっと手に入れた【超高校級】の才能を、他人に迷惑ばかりかけて生きてきた景見クンが何の努力もせずに手に入れた事が許せなかったんだよ!
ま、そんなの知るかっつー話なんだけどね!
そういうわけで白鳥隥恵サンは、完璧な美少女どころか最低最悪の殺人鬼と化してしまいました!
でめたしでめたし!
「…そんな。」
「嘘でしょ…その話、本当なの…!?」
『フッフッフ!本当ですよ!ワタクシ達がウソをつくわけないでしょう!そんなに気になるなら、本人に聞いてみてはどうです?』
「うぅう…うぅっ、うぁあああぁああああ…あ゛ぁああああああああああああああああああああ!!!」
真相を暴露された麗美ちゃん…もとい隥恵ちゃんは、その場に座り込んで泣き喚いていた。
「白鳥ちゃん…今の話、ホントなのか…?」
「ち、がう…」
隥恵ちゃんは、ボソリと呟いた。
「…レイミ?」
「ちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがあ゛ぁああああああああう!!!」
隥恵ちゃんは、大声で泣き叫んだ。
顔は涙と鼻水と涎でグチャグチャになり、真っ赤に腫れ上がった頬に乱れた髪の毛が貼り付いていた。
その顔はもはや、美しかった『白鳥麗美』の顔ではなかった。
「ちがう!!あんなの、ちがう!!わたしは、白鳥麗美…!!サカエなんて、ダサくてかわいくない女がわたしなわけない!!わたしが、わたしだけが、“白鳥麗美”なんだよぉおおおおおおお!!!」
「うっわ、壊れたw」
「幼児退行しちゃったね…」
「れいみちゃん…」
みんな、隥恵ちゃんを哀れみの目で見ていた。
今の彼女は、完璧な美少女じゃない。
ただの、泣き喚いて駄々をこねている子供だ。
【超高校級のマドンナ】白鳥麗美は、たった今死んだんだ。
…いや、そんな人間、最初からいなかった。
【超高校級のマドンナ】白鳥麗美は、隥恵ちゃんが作り出したただの幻影だった。
「わたしは、完璧な美少女なの!!このわたしが、こんな所で死ぬわけがない!!そうだ、景見くんが死んだのも、全部嘘だったんだよ!完璧なわたしが人を殺すわけがない!!ほんとうは景見くんは生きてて、裁判の結果は全部まちがいだったんだよ!そうに決まってる!!だって、わたしは、【超高校級のマドンナ】白鳥麗美だもん!!」
隥恵ちゃんは、わけのわからない事を言い出した。
きっと、抑え込んでいたものが一気に爆発して、心が壊れちゃったんだ。
「…白鳥サン。」
「ねえ、財原くん!財原くんからも何か言ってよぉお!!わたし、誰も殺してないよね!?何もまちがってないよねぇ!?」
隥恵ちゃんは、天理クンにしがみついた。
「うるせェ。」
天理クンは、隥恵ちゃんの前髪を掴んで、顔を覗き込んだ。
「キミなら、もっとこのゲームを盛り上げてくれると思ってたのに…このザマはなぁに?俺のお楽しみをブチ壊してんじゃねえよ。」
「あ、え…?」
何を言われているのかわかっていない様子の隥恵ちゃんに、さらに天理クンは言葉を浴びせた。
「あんまり俺を失望させるなよ。」
「ッ!!!」
天理クンは、威圧するような目で隥恵ちゃんを睨んだ。
隥恵ちゃんは、天理クンに気圧されたのか、それ以上何も言わなくなった。
「はーい、もう敗者さんに用はありませーん!服が汚れるからそろそろ離れてくれる?」
天理クンは、またいつものあっけらかんとした笑顔に戻り、隥恵ちゃんを投げ捨てた。
「あ、う…!」
隥恵ちゃんは、ラッセクンの証言台の前まで投げ出された。
隥恵ちゃんは、訴えかけるような目でラッセクンを見た。
「ら、ラッセくん…」
「気安く俺に話しかけるな。」
ラッセクンは、失望や哀れみ、軽蔑…そういった感情が混ざり合った目で隥恵ちゃんを見た。
「ッ、うぐっ…えぐっ…う、あぅ…!」
見捨てられたのがよっぽどショックだったのか、隥恵ちゃんはうまく言葉を紡げないようだった。
『あーあー、見苦しいね全く!ちょっと昔話をしてあげただけでコレだよ!じゃ、あんまり神聖な裁判場を汚されるのも不愉快なんで、とっととおしおきしちゃうよ!』
『フッフッフ!全く、哀れですねェ!所詮、アナタはただの
「いやだぁ!わたしは、完璧な美少女なのにぃい!なんで死ねとか殺すとかいうの!?ねえ、狛研さん!何か言ってよ!わたしを助けてよぉおお!」
「…ごめんね。もっと早く、ボク達に本音を打ち明けてほしかった。」
「ッ…!!」
『それでは!【超高校級のマドンナ】白鳥隥恵サンのために!スペシャルなおしおきを用意しました!』
「いやだ…やめて…いやっ…死にたくない…!やめて…」
『ではでは…おしおきターイム!!』
「いやだぁあああああぁあああああああああああああああああああぁあああああああああああ!!!」
クマさんはハンマーを取り出すと、せり上がってきた赤いボタンをピコっと押した。
ボタンの画面に、ドット絵の隥恵ちゃんが連れ去らせる様子が表示された。
GAME OVER
シラトリさんがクロにきまりました。
オシオキをかいしします。
白鳥の下の床がパカッと開き、白鳥が下に落ちる。
白鳥は、暗闇の中に吸い込まれていき、姿が見えなくなった。
するとモニターの画面が切り替わり、薔薇庭園のような空間が映し出される。
白鳥は、薔薇庭園の中の椅子に固定される。
その近くには、メイドの格好をしたモノクマとモノベルが立っていた。
モニターに、文字が表示される。
悪ノ華 無惨ニ散ル
【超高校級のマドンナ】白鳥麗美 処刑執行
庭園のテーブルの上には、小さな鏡が置かれていた。
その鏡に、まるで昔の白鳥のような醜悪な顔が映し出された。
それを見たモノクマとモノベルは、ポケットからハンマーやペンチなどの道具を取り出した。
そして、モノクマは白鳥の左頬をハンマーで思い切り殴った。
そして、モノベルは、ペンチで右のまぶたを引っ張った。
あまりの激痛に白鳥は泣き叫ぶ。
だが、モニターの向こうにいる仲間にその声が届く事はなかった。
モノクマとモノベルは、ペンチやハンマーを使って、白鳥の顔を鏡の顔そっくりに変形させていく。
そして、白鳥の顔は鏡の顔そっくりに仕上がった。
さらに、モノクマが鏡に蹴りを入れると、鏡が割れて鏡の破片が白鳥の顔に突き刺さる。
たった今、白鳥の美貌が失われた。
それを見たモノベルは、指笛を吹いた。
すると、庭園の奥から茨が伸びて、白鳥の体を縛った。
茨の棘が、白鳥の身体中に突き刺さる。
そして、茨は白鳥を庭園の奥へと引きずり込んだ。
白鳥は、茨に縛られたまま、下を見下ろした。
すると、巨大な薔薇の花が開いていた。
その中央には、ブクブクと泡立った酸の池がある。
茨は、酸の池の中に白鳥を落とそうと、茨を思い切り振り下ろす。
そして、ギリギリのところで、今度は勢いよく上に振り上げた。
その衝撃で白鳥の身体は悲鳴を上げ、血反吐をブチ撒けた。
振り下ろしては振り上げ、振り下ろしては振り上げ…
何十回、何百回と繰り返される激しい運動が、白鳥の身体にダメージを蓄積させていく。
するとそこへ木こりの格好をしたモノクマが現れ、茨を斧で斬り落とした。
白鳥の身体は宙を舞った。
やっと解放されたと思ったのも束の間、真下には、巨大なアイアンメイデンが待ち構えていた。
妖精の格好をしたモノベルが、笑いながらアイアンメイデンの扉を開いた。
そして、
落ちた。
白鳥の最期の顔は、絶望で染まっていた。
アイアンメイデンの扉が勢いよく閉まり、扉に開いた穴からは赤い液体が流れ出た。
茨は、アイアンメイデンを掴んで持ち上げると、薔薇の中の酸の池に落とした。
食事を終えた薔薇は、花をすぼめながらゲップをした。
その様子を、妖精のモノクマとモノベルがフワフワと宙を舞い、笑いながら見ていた。
『イヤッホォオオーイ!!エクストリィイイイイム!!いやー、サイッコーだねぇ!!』
『フッフッフ…ハッハッハッハッハッハッハ!!!いやぁ、傑作傑作!!きっと今夜の夕食はおいしいですよ!』
隥恵ちゃんが死んだ。
ボク達の大事な友達が殺された。
確かに隥恵ちゃんは、凶夜クンを殺した殺人犯だ。
でも、その罰は、犯した罪に対してあまりにも残酷すぎた。
「ひぐっ、ぐすっ、いやだぁ…!嘘でしょ、そんな、れいみちゃんがあぁああ…!」
「ピィ…ピィピィ…!」
「白鳥殿…」
「クッソ!!麗美…チクショウ!!」
「あ、あああ…レイミが、レイミが…!」
「なんて悪趣味な…!」
「嘘だろ…?白鳥ちゃん…?う゛っ!?おえ゛ぇっ、ゲホッ…」
「啊啊…啊啊啊…れ、麗美サンが…!」
「…。」
「マジかよ…!?こんな残酷な殺され方するなんて、聞いてないのだ…!う、うげぇっ…!」
「そんな、白鳥さん…!いや、こんなの…!はぁっ、はぁっ、はぁっ…!」
「うん、オイラにもわかるよ。白鳥君、よっぽど残酷な殺され方をしたみたいだね。」
「……………。」
みんな、反応は様々だった。
泣き出す彩蝶ちゃんを、翠ちゃんは慰めていた。
雪梅ちゃんと踊子ちゃんは、顔を真っ青にしながら呆然とモニターを見ていた。
剣クンは、モニターから目を逸らした。
成威斗クンは、仲間をまた失ってしまった事を、地団駄を踏んで悔しがった。
穴雲クンは、怒りに震えていた。
陽一クンと才刃クンは、吐き気を催して嘔吐した。
天理クンは、俯きながら肩を震わせていた。
治奈ちゃんは、ショックで過呼吸を起こしていた。
柳人クンとゐをりちゃんは、みんなの事が心配そうな様子だった。
「…白鳥隥恵。俺は貴様の事を、数少ない対等な立場で語り合える友だと思っていた。…非常に残念だ。」
ラッセクンは、俯きながら両目を右手で押さえていた。
…そっか。
ラッセクンは隥恵ちゃんといつもケンカしてたけど、本当は友達だと思ってたんだな。
王様のラッセクンにとっては、対等にケンカし合える友達が死んじゃったのは辛いよね。
『うっぷぷぷぷ!いやあ、オマエラホントよくがんばったよね!お見事お見事!じゃ、ご褒美にスロットのメダルあげるから、みんなで好きに使ってちょーよ!』
『フッフッフッフ!アナタ達、何をそんなお通夜みたいな表情していらっしゃるんですか!クロが処刑されたんですよ?もっと喜びましょう!』
「テメェら…よくも、よくもぉおおおおおおおおおおおお!!!」
「巫山戯るな!よくも拙者の級友達の命を弄んでくれたな!武士の名において、貴様らを此処で斬り捨てる!!」
隥恵ちゃんの死を嘲笑ったクマさんとベルさんに怒った成威斗クンと剣クンは、二匹に立ち向かった。
「待って!!」
ボクは、二人と二匹の間に入った。
「なっ…!叶!!邪魔すんじゃねえ!!俺は今から、この根性のねじ曲がったクソヌイグルミ共をブッ飛ばすんだよ!!そこどけ!!」
「狛研殿!級友である貴女を斬りたくはありません!どいてください!!」
「二人とも、そんな事したら、死んじゃうんだよ!?お願いだから、もう誰も命を粗末にしないで…!!ボクは、キミ達が死ぬ所なんて見たくないんだ!!」
「ッ!!」
その言葉を聞いた二人は、二匹を攻撃するのをやめてくれた。
「…申し訳ございません、狛研殿…少し、頭に血が上っていたみたいです。」
「悪りい、叶。俺達のために止めてくれたんだな。」
『えぇー?やめちゃうの?つまんねーの!ボクとしては、暴れてほしかったっていう気持ちが半分あるんだけど!』
「…キミ達、うるさいよ。これ以上みんなをバカにするようなら、今度はボクがキレる。」
『おお、こわいこわい!せっかく、アナタ達にちょっとしたプレゼントを差し上げようと思っていたのに!』
「…プレゼント?」
『ズバリ、先日お伝えした、『裏切り者』に関するヒントです!』
「ヒント…?」
『うん!裁判を頑張ったオマエラに、ちょっとだけ情報をあげるって言ってるの!それでは、発表します!』
『ズバリ、この中に『第二の才能』を隠している方がいらっしゃいます!』
「だ、第二の才能…?」
『実はですね!ごく稀に、二つ以上の才能で希望ヶ峰学園にスカウトされる生徒がいるのです!皆様の中にも、そういう多才な方がいらっしゃるんですよ!』
『ま、その多才サンが裏切り者とは限らないけどね!それじゃ、ヒントはあげた事だし、ボク達はそろそろオサラバするよ!それじゃ、まったねー!!』
『フッフッフ!ご機嫌よう皆様!またお会いしましょう!』
クマさんとベルさんは、上機嫌で去っていった。
「そんな、第二の才能だって…?」
「マジかよ…そんなヤツがいんのかよ…!」
みんな、隥恵ちゃんの死を目の当たりにした直後で、いきなり才能の話をされて、頭が追いついていない様子だった。
「…。」
天理クンは、ずっと俯いたままだった。
「てんりくん…大丈夫?」
「テンリ、ツラいかもしんないけど、そろそろ校舎内に…」
「…ふふっ。」
「?」
「…ふふっ、はははっ…」
「あっははははははっはっはははははははははっはははははははっはははははははははは!!!」
天理クンは、お腹を抱えてケタケタと笑い出した。
「なっ…何がオカシイですか、アナタ!!」
「あっはははははは!!いやあ、マジで傑作だわ!こんなRー18モノのスプラッタを生で拝めるとはな!ホント笑えるわ。はー、腹痛てェ!」
「テメェ…!!この状況わかってんのかよ!?白鳥ちゃんが死んだんだぞ!?」
「いや、わかってるからこそ笑ってんだけど。そんな事もわかんねェの?バカなの?死ぬの?」
「ちょっと、テンリ!!アンタ、不謹慎にも程があんだろ!!アンタ、なんでそんなに笑ってられんのよ!!」
「なんでって言われてもねェ。うーん、強いて言うなら、楽しいから?あ、でも、白鳥サンをエロい目で見られなくなっちゃったのはちょっと萎えたかなー。」
ヘラヘラしながら言う天理クンの胸ぐらを、成威斗クンが掴んだ。
「ざけんじゃねェ!!このクソイカレ野郎が!!ブン殴ってやる!!」
「へぇー、いきなり暴力?いいよ。殴りたきゃ好きなだけ殴れば?一撃目は反撃しないでやるからよ。でも、俺を殴ったところで、白鳥サンが生き返るわけじゃないだろ?」
「何…!?」
「てか、んな事よりみんなもっと喜べよ!一歩間違えば、俺達がああなってた…でも結果はどうだ?俺達は、白鳥サンが死んでくれたおかげで生き残った…あー、ホント生きてて良かった!!勝手に死んだ白鳥サンの事は忘れて、生き残ったお祝いに、今日はパーッと盛り上がろうぜ!」
「いい加減にしなさい!!」
ビシッ
乾いた音が鳴り響いた。
剣クンが、天理クンの頬を叩いた。
「人の命を粗末にしないでください!!白鳥殿の死を笑う事は、この私が許しません!!」
「ははっ、人の命を粗末に…ねェ。心外だなぁ、不動院クン。俺は、別に命を粗末だなんて全然思ってないよ?」
「なっ…」
「大事な大事な命が危険に晒されて、それでも生き残ったからこそ、生きてるって実感できるんだろ?」
「好き勝手言いやがって…このサイコ野郎が!!」
「ねえ、財原君。君は、裁判中に変な発言ばかりしてたよね?でも、君は誰よりも早く事件の真相に辿り着いていた…だったら、なんでわざわざ裁判の進行を遅らせるような事をしたの?」
天理クンは、ニタリと笑って答えた。
「…だって、その方が楽しいだろ?」
「…は?」
「俺は、もっと刺激が欲しいのさ。下手すりゃあ自分が死ぬような危ないゲームで勝って、快感を味わいたいんだよ。自分の勝率が低いゲームの方が、よりスリリングで楽しいだろ?」
「…それだけのために裁判をかき乱して、ボク達に間違った投票をさせようとしてたの…!?」
「まあそうなるね。だって、面白くなりそうだったんだもーん!」
「ダメだね、完全に正気じゃない。正論がまるで通じないや。」
「ははっ、最高の褒め言葉をありがとよ、穴雲クン。これはあくまで自論だけど、人生を本気で楽しめるヤツらってのは、正気じゃないヤツらなんだよ。…さてと、喋りすぎて喉痛いから、部屋に戻ってファ●タでも飲もっかな。あ、喉痛いのに炭酸飲んだら逆効果かw」
天理クンは、スキップしながらエレベーターに乗り込んだ。
「クッソ、なんなんだあのサイコ野郎は…!!」
「うーん、財原君の事は、僕が監視しておく必要があるかなぁ。」
「…あの、もう、この話はやめませんか?私、誰かが死ぬとか…そんな話、耐えられないです…」
治奈ちゃんの発言に、誰も反対しなかった。
「…そうだね。とりあえず、みんな部屋に戻ろうか。」
ボク達は、エレベーターに乗り込んで裁判場を後にした。
たった4日間で、仲間を2人も失ってしまった。
正直、ボクは何度も心が折れそうになった。
…それでも、ボクは絶対に生きる。
約束してくれた凶夜クン、そして隥恵ちゃんのために…!
第1章
ー才監学園生存者名簿ー
【超高校級のアナウンサー】穴雲星也
【超高校級の工学者】入田才刃
【超高校級の不運】景見凶夜
【超高校級の???】神座ゐをり
【超高校級の幸運】狛研叶
【超高校級の資産家】財原天理
【超高校級の栄養士】栄陽一
【超高校級の詩人】詩名柳人
【超高校級のマドンナ】白鳥隥恵
【セキセイインコ】翠
【超高校級の曲芸師】朱雪梅
【超高校級のダンサー】羽澄踊子
【超高校級の生物学者】日暮彩蝶
【超高校級の侍】不動院剣
【超高校級の喧嘩番長】舞田成威斗
【超高校級の看護師】癒川治奈
【超高校級の国王】ラッセ・エドヴァルド・シルヴェンノイネン
ー以上14名+1匹ー
《アイテムを入手した!》
Chapter.1クリアの証
『アネモネのペンダント』
景見凶夜の遺品。収監生活での思い出が詰まっている。
『家族写真』
白鳥隥恵の遺品。白鳥の家族の思い出が詰まっている。
【???の独房】
っひっひひひひひひひ…!
ああ、斬りたい…裂きたい…引きちぎりたい…!
ひひひっ、また、ブッ殺してェなぁ…あの日みたいに…
第2章 上弦の月を喰べる影
To be continued…
遺品回収を忘れてたぁー!!