ダンガンロンパPRISON   作:M.T.

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お話の都合上ちょいと編集。


第2章(非)日常編④

うーん、よく寝たぁ…

収監生活も、これで6日目かぁ。

今日は、何して遊ぼっかな〜。

 

『フッフッフ。おはようございます!!起床時間ですよ!!アナタ達、今すぐ起床しなさい!!しないとブチ●しますよ。』

 

…あーあ。

毎朝毎朝うるさいね。

ホント、ローテーションまでしてよく飽きないね。

さてと、気分転換に娯楽室にでも行こーっと。

ボクは、着替えて娯楽室に行った。

 

 

 

 

【娯楽室】

 

天理クンにいっぱいメダル貰ったし、ガチャで遊ぼーっと。

今度は何が出るかな?

お、なんだこれ。

石…?

なんか、魚みたいな模様だな。

なんなんだろ。

なんかの化石かなにか?

魚といえば、彩蝶ちゃんがこういうの詳しそうだよね。あとでこれがなんなのか聞いてみよっと。

 

まだメダルあるし、もう一回引こっかな?

今度は何が…

おっ、これは…キャップ?

なんか、ボロくて文字が書いてあるな…

こういうの、踊子ちゃん好きかな?

おっと、そろそろ朝ご飯の時間だね。

食堂に行かなきゃ。

ボクもうお腹ペコペコだよぉ〜。

 

 

 

 

【食堂】

 

「みんなおはよー!」

「おはよう、狛研さん。」

「おはようございます、狛研さん。」

「ふむ…おはようございます狛研殿。」

「おはよう、狛研君。」

「オハヨーございます!叶サン!」

今いるのは、星也クン、治奈ちゃん、剣クン、柳人クン、雪梅ちゃんかぁ。

陽一クンは、厨房にいるのかな?

今は8時20分…ご飯まであと10分だね。

おっ。

「…フン。」

ラッセクンが来た。

それから10分後、集合時刻ちょうどに才刃クン、成威斗クン、踊子ちゃん、ゐをりちゃんの順番に来た。

「ふんっ!僕ちゃんが来てやったぞ!!」

「お前ら、おはよう!!」

「………………。」

「おはよ。ホラ、ヰヲリ。アタシの後ろに隠れてないで、中入んな。」

「………。」

ゐをりちゃんは、目をこすりながら食堂に入った。

…まだ眠いのかな?

「みんな、おはよ。」

あ、陽一クン。

やっぱり厨房にいたんだね。

昨日、彩蝶ちゃんとゐをりちゃんのクッキー食べて死にかけてたけど、ちゃんと回復したんだね。

「…チッ、鳥娘と成金は何をやっているんだ。アイツら、時計が読めんのか?」

「まあまあ、国王陛下。落ち着いてください。」

ラッセクンは、爪先と指をトントンと動かしながら舌打ちしていた。

…そういえば、まだ二人が来てないねぇ。

 

結局、集合時刻の5分後に彩蝶ちゃんが、15分後に天理クンが来た。

「ごめんねぇ〜。また寝過ごしたー。」

「…アンタ、どんな生活送ってたらそんなに遅刻できんのよ。」

「そんな事言われても、眠いものは眠いんだもぉ〜ん。ゆっくり寝させてよぉ〜。」

「てんりくん、遅刻はダメだよ〜。」

「いや、アゲハ。アンタも人の事言えないから。」

「そうだねぇ…ごめんね、ようこちゃん。」

この二人、毎日遅刻してくるよね。

朝が弱いのかな?

ボクなんて、朝になったらすぐ起きたくなっちゃうけどね!

「アンタらなんでそんなに起きるのが遅いのよ。夜更かししてるんじゃないでしょうね?」

「してないよぉ。いっつも、8時には寝てるんだぁ。」

「8時!?って事は、ほぼ半日寝てるって事!?アンタそれ寝すぎでしょ!!」

「ごめんね?わたし、ちゃんと寝ないと動けないんだ。」

「俺も、初日は夜までギャンブルやってたけど、2日目からはちゃんと10時に寝てるよー。でも、なんでかわかんないけどクッソ眠いんだよねー。」

「わたしも、ちょっと眠いかも…」

「…オマエラ、ナマケモノみたいなのだ。」

「みんな、おしゃべりはその辺にして席につこうね。全員揃ったし、ご飯食べよっか。」

「賛成ー。もうお腹ペコペコだよぉ〜。」

「遅れてきたお前が言うな。みんな、お前を待ってたんだぞ。」

「てへっ☆…いただきまーす。」

今日もみんなで陽一クンが作ってくれた朝ご飯を食べた。

今日も、やっぱり陽一クンの朝ご飯はおいしいね!

昨日のクッキーで体調を崩しちゃったのか、いつもよりちょっとしょっぱかったけどね。

「ヨウイチ、アンタ昨日倒れたって聞いたけど…大丈夫なの?」

「ああ、大した事ねェよ!一晩寝たらほら、この通り!」

「元気そうで何よりだねぇ。オイラは君が羨ましいよ。」

「フン、聞いたぞ。鳥娘と和服の残飯クッキーで腹を壊したのだろう?全く、まさかそんな殺人飯を作れる奴がこの世に存在したとはな。」

「王様、それ、特大ブーメランなのだ。」

「は?」

うんうん、彩蝶ちゃんとゐをりちゃんはひどいけど…ラッセクンもたいがいだよね。

どうやったらあんな風に料理できるんだろ。

 

 

 

 

「ごちそうさまでしたー!」

さてと、これからどうしよ?

研究室に行こうと思ってたけど、図書室も気になるな。

研究室に寄るか、図書室に寄るか、どっちにしよっかなぁ〜…。

うーん、迷う…

よし、まずは図書室に行こっと。

 

 

 

【図書室】

 

「わぁあ…!」

図書室にはいろんな本があって、すっごく広かった。

こんなに本があったら、どんなに本好きでも読み切れないよね!

マンガもあるんだね!ボク、マンガ大好き!

何の本読もっかなぁ〜?

ボクは、図書室を探検した。

なんか、図書室の中って、迷路みたいで面白いよね!

でも、ちゃんと本がジャンル順に並んでるから、迷子の心配はないね!

…どこに何のジャンルの本があったかを覚えてれば、だけどね。

…あ。

ボクは、『希望ヶ峰学園の在校生に関する記録』という項目に目がいった。

…なんだろ、これ。

何が書かれてるのかな?

ボクは、本を一冊手に取った。

その本は、『希望ヶ峰学園100期生名簿』と書かれていた。

ああ、なるほどね。

全員の名前と才能が見開き1ページずつ書かれてるんだ。

まるで図鑑みたいだね!

…あ。

ボクは、一番最初のページを見た。

 

 

 

【超高校級の人狼】(アカツキ)裴駑(ハイド)

 

5年前、八ツ阪小学校の5年1組で起こった『八ツ阪小学校虐殺事件』を引き起こした真犯人。

夜な夜な街を彷徨いては鎌鼬に人を無差別に切り裂く殺人鬼だと言われている。

月夜にしか現れず、人を惨殺して去っていく事からこの通り名が付けられた。

素性がほとんどわかっておらず、暁裴駑についての情報は、高校生である事と今までの被害者の数は約500人という事のみであった。

暁は人を殺した後一切証拠を残さないため捜査が難航したが、ついにその正体を突き止める事に成功した。

暁は、素性を隠して別の名前と才能で希望ヶ峰学園に入学していた事が発覚した。

なお、現在暁は才監学園に収監中である。

 

 

 

なんだ、これ…

【超高校級の人狼】…?

そんな才能を持ったヤツが、ボク達と一緒に入学してきたって事?

しかも、この学園にいるって…

何がどうなってるんだ…?

 

…あ。

 

本から、破れたページが落ちた。

…新しそうな本に見えるけど、ページが破れたりするんだね。

ボクは、破れたページを拾い上げた。

 

 

 

【超高校級の知能犯】

 

世界的な規模の犯罪組織『NOAHS』の頭領にして、裏社会を牛耳る天才詐欺師。

かつての【超高校級の詐欺師】に匹敵する技量を持ち、世界三大凶悪犯の一人に数えられている。

凶悪犯罪者にもかかわらず直接事件を起こした事は一度も無く、実際の事件は【超高校級の知能犯】の息がかかった犯罪者が起こしている。

その仕事ぶりは、非常に残忍かつ狡猾。過去の有名な殺人事件には、【超高校級の知能犯】がきっかけを作った事件が数多く存在する。

全く素性がわかっておらず、NOAHSの構成員ですら、頭領の顔を知らないという。

唯一分かっている情報は、現役の高校生であるという事のみである。

【超高校級の知能犯】として希望ヶ峰学園に入学したが、現在は別の才能で才監学園に収監されている。

 

 

 

超高校級の…知能犯…?

そんなヤツまでこの学園にいるんだ…

そういえば、クマさん達が、才能を二つ持ってる生徒がいるって言ってたけど…

もしかして、【超高校級の人狼】と【超高校級の知能犯】の事?

 

…あ。

 

ボクは、破れたページの裏を見た。

 

【超高校級の絶望】【超高校級の勝者】

 

あれ?

この二つは、才能の説明がない…

どういう事なんだろ?

 

…ボク、この学園のみんなの事は知った気になってたけど、本当は何も知らないんだな…

 

 

 

 

調べ物したらお腹空いちゃったよ。

珍しく頭も使ったしね。

…って、そろそろお昼の時間だね。

今日の昼ご飯は何かな?

楽しみだなぁ…

さーてと、食堂に行きますか!

 

 

 

 

【食堂】

 

「ごめーん!みんな、待ったー?」

「全然?まだ、10分前だよ。」

「……………。」

ボクの視界にゐをりちゃんの姿が入った。

ゐをりちゃん、才能を明かしてないけど…どんな才能なのかな?

…まさか、【超高校級の人狼】か【超高校級の知能犯】だったり…しないよね?

「………何。」

「あ、ううん。なんでもないよ。」

そんなわけないかぁ!

うん、ゐをりちゃんが犯罪者なわけないよ!

ボクってば、友達を疑っちゃって…ホントダメダメだね!

集合時刻に遅れて天理クンが来た。

「ごめーん。寝過ごしたー。」

「天理サン!アナタ、何度目デスカ!!」

「ごめんってばぁ〜。お布団の誘惑に勝てなかったんよ〜。」

「…全く、何度言っても懲りないね君は。じゃあ全員揃ったし、お昼にしよっか。」

「そうですね…」

ボク、もうお腹ペコペコだよぉ〜。

早くお昼ご飯食べたーい!

 

 

 

 

うーん、おいしかった!

やっぱり陽一クンのご飯は最高だね。

つい調子乗ってご飯一斗くらい食べちゃったよ。

さっき図書室に行ったし、今度は彩蝶ちゃんの研究室に行こうっと!

 

 

 

 

【超高校級の生物学者】の研究室

 

ピンポーン

 

「彩蝶ちゃーん!いるぅー?」

ボクは、インターホンを鳴らして彩蝶ちゃんを呼んだ。

「…あ、かなえちゃん!」

彩蝶ちゃんは、研究室の中から顔を出した。

「来てくれたの?ありがとう!遠慮せず中見てって!」

「うん!」

彩蝶ちゃんは、ボクの手を引っ張った。

 

「えへへ、かなえちゃんが来てくれるなんて嬉しいね。あ、そうだ。翠、おいで!」

「ピィ!」

翠ちゃんは、彩蝶ちゃんの声を聞いて小屋から飛び出してきた。

「よしよし、いい子いい子。」

「ピィ!」

「キミ達、本当に仲良しだね。」

「えへへ、でしょ?翠はね、わたしの一番のお友達なんだ。震災の時にね、この子のお母さんと飼い主さんが死んじゃって…それでわたしが引き取ったんだ。最初は全然心を開いてくれなかったんだけど、一緒に過ごしてるうちに仲良くなったんだよね。」

「そうなんだぁ。翠ちゃんは、彩蝶ちゃんの事好き?」

「ピィ!ピィピィ!」

「えへへ、ありがとう翠。」

「そっかぁ、大好きか!一番のお友達だもんね!」

「かなえちゃん、翠の言葉がわかるの?」

「なんとなく!」

「わたし、翠の気持ちがわかるようになるのに半年かかったよ?かなえちゃんはすごいね!」

「んー。ボク、田舎の施設にいたから、動物さん達と触れ合う事が多かったんだよね。だからっていうのもあるのかなー?」

「へぇー。なんていう施設だったの?」

「『あすなろの子』っていう施設だよ。」

「あ、わたしがアライグマさんの研究に行こうと思ってたところだ!夏休みに行こうと思ってたんだー。」

「そうなの?こんな偶然ってあるんだね!」

「ねえ、かなえちゃんは動物さん好き?」

「大好きだよ!」

「何の動物さんが一番好きなの?」

「んー…三毛猫とタヌキかなぁ。よく施設にいた時に見たんだ。」

「そうなんだー!」

「あ、そうそう、彩蝶ちゃんに見せたい物があるんだ。」

「え、なになに?」

 

「はい!彩蝶ちゃん、動物好きでしょ?」

ボクは、彩蝶ちゃんにガチャでゲットした石を渡した。

「えっ!?ちょっと待って!?かなえちゃん、それよく見せて!!」

「え、うん…」

彩蝶ちゃんは、興奮しながらボクの手を掴んできた。

そして、石を虫眼鏡で入念に調べ出した。

「やっぱり…すごい、本物だ!!」

「そんなにすごいの?その石。」

「うん!!これはね、オシリスピスの化石なんだ!」

「おしり…?何それ。」

「オシリスピスはね、カンブリア紀に生息してたと考えられてるお魚さんなんだ!魚類は、4億年くらい前に出現した生物だって考えられてたんだけど、世界的に有名な生物学者『マルコ・ヴィンケル』と研究仲間達が、5億年以上前から生息してた魚類を発見したんだって!最近になってその研究結果の信憑性が高いって事が判明して、世界中の生物学者が化石を探してるところだったんだよね!ふぁあ…!想像図しか見た事ないけど、実物はこんなにきれいなんだね!はぁあ…ずっと見てられるなぁ…」

「え、じゃあ、それは世界最古のお魚さんの化石って事?」

「そうだよ!まさか、かなえちゃんが持ってたなんてね!ありがとうかなえちゃん!」

「ガチャで引いただけだけどね。彩蝶ちゃんは物知りだねぇ。」

「えへへ…生物以外は全然からっきしだけどね。」

 

「ねえ、彩蝶ちゃん。ちょっと質問いいかな?」

「ん?なあに?」

「彩蝶ちゃんはなんで【超高校級の生物学者】になったの?」

「えっとね、わたし、家族がお医者さんなんだぁ。だから、無意識に生物学に興味を持ってたのかも。」

「じゃあお医者さんにはならなかったの?」

「うーん。わたし、どちらかというと人間のお医者さんより、獣医さんになりたかったんだ。ちっちゃい頃から動物さんが大好きだったからね。それで、獣医さんになるために動物さん達のお勉強をしてたら、いつの間にか【超高校級の生物学者】って呼ばれるようになったんだぁ。」

「へえ、すごいね!」

「ううん、わたしなんてまだまだだよ。世界には、もっとすごい研究者さん達がいっぱいいるもん。わたしの夢はね、全部の生物学の教科書に、わたしの名前が載る事なんだぁ。まあ、その前に、世界中の動物さん達を絶滅の危機から救うっていう目標もあるんだけどね。そのためには、もっと勉強しないと!」

彩蝶ちゃんって、ふわっとしたイメージだったけど、ちゃんと将来の目標とかあるんだね。

案外、ボクが思ってるよりしっかりしてる子なのかもね。

「すごい夢だね!ボク、応援してるよ!」

「えへへ、ありがとう。」

 

「ところで…そのワッペンは何?」

「ああ、これ?これはね、去年の誕生日にパパが買ってくれたの。わたしの宝物なんだ!」

「そっかぁ。…あっ。」

「どうしたの?」

「その髪飾り、虹色でかわいいね。それはどうしたの?」

「えーっとね、これは、わたしが10歳くらいの時かなぁ…クラスの女の子にもらったんだ。」

「そうなんだ。なんて子なの?」

「うーん。それが、全然覚えてないんだよね。」

「そうなの?」

「とっても仲良しだったと思うんだけど…顔も名前も思い出せないんだよね。でも、お友達からもらった宝物だから、大事にしてるんだ。」

「ふーん。そうなんだー。ホントにかわいいね。」

「えへへ、ありがとう。」

 

「あ、いけない。忘れるところだった!」

「どうしたの?」

「わたし、お薬飲まなきゃいけなかったんだった。ちょっとごめんね。」

彩蝶ちゃんは、白衣のポケットから錠剤を取り出すと、口に含んでペットボトルの水で流し込んだ。

「…ごっくん。…ごめんね。お話遮っちゃって。わたし、ちょっと忘れっぽいから、思い出したらすぐやらないと忘れちゃうんだ。」

「そうなんだぁ。ねえ、それ、なんの薬なの?」

「んーっとねぇ。なんだったかなぁ…確か、精神安定剤だったかな。」

「え?彩蝶ちゃん、病気なの?」

「わたしは違うと思ってるんだけどねー。ぶっちゃけ、なんでこのお薬飲んでるのか、自分でもわかってないんだ。パパが毎日飲めっていうから飲んでるんだ。わたし、別にどこも病気してないんだけど…でも、パパがいうから飲んだ方がいいんだよね、多分。」

「彩蝶ちゃんはお父さんの事好きなの?」

「大好きだよ。どんな病気でも治しちゃうすごいお医者さんで、とっても優しいんだ。」

「そっかぁ。いいなぁ、いいお父さんがいて。」

「あ、かなえちゃんは、パパが死んじゃってるんだっけ。」

「うん。ボクの自慢のお父さんだったんだけどね。」

 

『かなえちゃん。元気出して。』

「…え?」

今の、彩蝶ちゃんの声じゃないよね?

じゃあ、誰が…

「すごいね、翠がしゃべってくれるのは、とっても大好きな人だけなんだよ。」

「え、って事はもしかして…」

「言ってなかったっけ。翠はね、ちょっとだけだけどおしゃべりできるんだ。でも、本当はすごく大好きな人にしかおしゃべりしないんだけどなぁ…きっと、翠はかなえちゃんの事が大好きなんだね!」

『あげは、私、かなえちゃんの事、大好き。』

「そっかぁ。わたしもかなえちゃんの事大好きだよー。」

「えへへ、ありがとう。翠ちゃんに彩蝶ちゃん。おかげで、ちょっと元気出た!」

「そっかぁ。よかった!」

『かなえちゃん、元気出た。私、嬉しい。』

「翠ちゃんありがと!そうだ、新しい言葉教えてあげる!」

「新しい言葉?」

「うん。翠ちゃん、“アルサジャート・リ”って言ってみて?」

「なにそれ。」

「お父さんが教えてくれたおまじないだよ。挫けそうな時とか、元気が出ない時に何回も心の中で唱えるんだって。お父さんの小説にも出てきたんだ。」

「そうなんだ。翠、よかったね。おまじない教えてもらえて。」

『アルサジャート・リ?』

「早速使ってるね。翠、このおまじない気に入ったみたい。」

「そっかぁ。良かった!あ、じゃあボクそろそろ行くね。お邪魔しましたー。」

「うん。また来てねー。」

 

《日暮彩蝶の好感度が1上がった》

 

《翠の好感度が1上がった》

 

 

 

 

【図書室】

 

やー、彩蝶ちゃんとのお話が楽しくってつい盛り上がっちゃったな。

まだ時間あるし、図書室で本でも読もっかな。

…ん?

あれは、陽一クンと才刃クン?

何やってんだろ。

「おい、見ろよコレ。」

「ひゃー!すごいのだ!!」

陽一クンは、手に水着を着た女の人が表紙の本を持っていた。

あれ、なんの本なんだろ?

ちょっと気になるなー。

「へへへ、やっぱあいにゃんのわがままボディは最高だぜ。」

「同感なのだ。確かに、倉日愛菜の爆乳は、右に出る者がいないのだ。でも僕ちゃんは、江口兎津里の方が好きだぞ。」

「うつりんかぁ。確かに、うつりんもエロいよな。お前、ガキのくせにいい趣味してんじゃねえか。」

「ガキとは失礼な!僕ちゃんは、オマエと同い年だぞ!!」

「はいはい。」

うーん、よくわかんないけど…あの本に載ってる女の人について話してるのかな?

なんか面白そうだから、ちょっと離れた所から見てよっと。

 

あ、剣クンが来た。

「あ、不動院が来たのだ!」

「げっ!おい、隠せ!」

「なんでなのだ?別に男同士だし、いいだろ。なんで困る事があるのだ。」

「いや、アイツは…」

「む。」

剣クンは、二人が読んでいる本を見た。

「お、遅かった…」

「…貴方方、そんな如何わしい物を読んでいて、恥ずかしくないのですか?」

剣クンは、腐ったミカンを見るような目で陽一クンと才刃クンを見ると、一言だけ言って図書室の奥の方に行った。

「なんなのだ?アイツ。男のくせに、エロ本に興味が無いなんてどうかしてるのだ。」

「多分女嫌いなんだろ。だから隠せっつったんだよ。」

「この世にそんな男がいたとはな。僕ちゃん的にはありえないのだ。」

「だよな。不動院といい穴雲といい…女の子に興味無いなんて、人生の9割損してんだろ。」

「同感なのだ。」

え、剣クンが女嫌い?

そんなイメージ無かったけどなぁ…

ゐをりちゃんとも仲良くしてたし。

でも、確かに剣クンはちょっと気になるよねー。

ボク、もっとあの子の事知りたいなぁ。

 

 

 

 

【食堂】

 

「やっほー。お待たせー。」

ボクは、みんなに声をかけて席についた。

ボクの後に、成威斗クン、踊子ちゃん、才刃クン、ゐをりちゃん、彩蝶ちゃん、天理クンが来た。

「またビリッケツはオマエか!!財原!!」

「ごめんなちゃーい。以後気をつけまーちゅ。」

「君ねぇ…それで気をつけた事が今までに一度でもあったかい?」

「わー。反論できねーわー刺さるー」

「…うん、これで全員揃ったね。じゃあ、席についてご飯にしよっか。」

「俺もう腹減って死にそうだよぉー。」

「一番遅れてきたアンタが言うんじゃないよ。」

「しぃましぇーん。」

 

 

 

 

うーん、夜ご飯も美味しかった!

あ、そうだ!

いい事思いついた!

「ねえ、みんな。今晩さぁ、みんなでお風呂入りに行こうよ!」

「お風呂‥?」

「いいですネ!最近、別々に入ってマシタからネ!」

「わたしも賛成ー。またみんなで一緒にお風呂入りに行きたいなー。」

「アタシも行くよー。」

「皆さんが行かれるのなら私も…」

「ゐをりちゃんは?」

「…いい。」

やっぱダメかー。

たまには混ざればいいのに!

「神座殿。では、私と一緒に遊びましょう。」

「………。」

あの二人、ホント仲良くて羨ましいなぁ。

ボクもゐをりちゃんとお話してみたいんだけど…

「じゃあ、行くのはこの5人でいいのね?」

「そうだねー。」

 

 

 

 

【大浴場】

 

うーん、やっぱり大浴場の温泉は広くて気持ちいいー!

種類がいっぱいありすぎてコンプリートできないや。

「ひゃっほーう!!」

「ちょっと、カナエ!先に体洗いなさいよ!!」

「いや、つっこむ所そこですか?お風呂場で走ったら危ないという事ではなく…」

「…そ、それもそうね。走ると危ないわよ!!」

「皆サン!安心してクダサイ!!またヘンタイが覗いてきたら、ワタシが退治シマス!!」

「あ、うん。ありがとシュエメイ。」

「あーあ、みんなおっきくていいなぁ。ちっちゃいの、わたしだけだよぉ…」

「アンタはまず背を伸ばしたほうがいいと思うよ。その身長で巨乳だったら、重くて肩が疲れるだけだよ。」

「あぅうー…みんな、おおきいからってそうやってすぐに肩凝りアピールして…ずるいよぉ。」

「いや、アピールっていうかただの事実なのよ?アタシも、もっと身軽な方が踊りやすくて良かったよ。」

「そうなの?」

「そうなの。アタシは、アンタが羨ましいわ。ほら、えっと…隣のなんとかってヤツよ。」

「隣の芝生は青い、ですか?」

「そう、それ。とにかく、今の自分に自信を持ちな。」

「自信かぁあー…」

「さ、落ち込んでないで、一緒に風呂入ろ。」

 

バシャッ

 

「ぎゃっ!え、ちょっと、今お湯ぶっかけたの誰よ!!」

「へへへ、ボクだよー!」

「カナエ!!アンタ、よくもやったね!?このっ…!」

「わーっ!踊子ちゃんが怒ったー!!逃げろー!」

「楽しそー!わたしもやるー!」

「アゲハ、一緒にカナエにお湯かけてやろ!!」

「うんっ!」

「あの、皆さん…はしたないですよ。少しは静かにしてください。…ほら、朱さんからも何か言ってあげてください。」

「2対1ですカ!ダッタら参加しますヨ!叶サン!」

「わーい!雪梅ちゃんが仲間になったよー!」

「…はぁ。」

 

「えいっ!」

バシャッ

「わー、やられたー。」

「このっ!」

バシャバシャッ

「わっ!」

「任せてクダサイ!」

バシャッ

「ちょっと、待ちなさいよ!それはナシでしょ!?」

「そんなルール無いもんねー。」

「ワタシ達に敵なしでス!…むっ!?」

雪梅ちゃんが、仕切りの方を振り向いた。

「ん?どうかした!?」

「不届き者がイルみたいデス!!アチョーーーーーー!!!」

雪梅ちゃんは、仕切りにお湯をぶっかけた。

 

「ぎゃあぁああぁあああああ!!?カ、カメラが壊れた!!クッソー!!」

「もー。だから防水加工のやつにしとけって言ったじゃーん。栄クンのバカァ!」

「ふんっ!全く、オマエは使えないのだ!!」

「う、うるせェなぁ!!大体よぉ…ん?ゲッ!朱ちゃん!?に、逃げろ!!」

「待ちなよ。逃がさないよ、みんな。」

「ゲッ…穴雲まで!!な、なんでバレた!?」

「君達のやろうとしてる事なんてお見通しだよ。…みんな、覚悟は出来てるよね?」

 

「ぎゃあぁあああぁああああああああぁああああああああああああああ!!!」

 

「フン、いい気味デス!」

「ったく、アイツら何やってんだか。ホント懲りないよね。」

「ギィ!ギィギィ!!」

「だよね。みんな、ひどいよね翠。」

「なんかデジャヴですね…」

「え、なに?みんな、何があったの?」

「…カナエ、アンタは呑気でいいわね。」

「え?どゆこと?」

ちょっと待って。

状況が全然飲み込めてないんだけど。

 

 

 

 

【食堂】

 

お風呂の後は、みんなで食堂に行った。

食堂では、天理クン、陽一クン、才刃クンが星也クンに土下座させられていた。

「君達、これで2回目だよ?そろそろ懲りようね。」

「…はい。すいませんでした。」

「ぐ…穴雲に睨まれると何も言えないのだ。」

「あーあ。まーた失敗しちゃったね。」

「財原君。反省して。」

「ごめんなちゃーい。」

「え、何?みんなどしたの?」

「フン。このバカ共が、また覗きをやらかしたらしい。」

「え、そうなの?」

なんか、前にもこんな事あったよね。

「呆れて物も言えませんね。貴方方には殆愛想が尽きました。」

「ぐっ…」

陽一クンと才刃クンは、星也クンと剣クンに睨まれて何も言えなくなっていた。

「あーあ。嫌われちゃったよぉ〜。ねえねえ、ご機嫌直してよ、つ、る、ぎ、クーン。」

ベシッ

「ぶぎゃっ」

「財原ー!!」

「馴れ馴れしく触らないでください。不愉快です。」

あはは、相変わらず剣クンは容赦ないなぁ。

でも、なんで剣クンが怒ってるんだろ。

剣クンが覗かれたわけじゃないのに。

 

 

 

 

【独房】

 

あー。

今日も楽しかったなぁ。

こんな時間がずっと続けばいいのに…

…なーんて、甘えてられないかぁ。

ボク達は、絶対にここから出なきゃいけないんだもんね。

そのためには、明日も元気出さなきゃ!




日暮ちゃんが調べたうちの子達の好きな動物は、こんな感じです。

景見…黒猫
狛研…三毛猫、タヌキ
ラッセ…ハクチョウ
白鳥…ペルシャ猫、ポメラニアン
日暮…動物全て(特に鳥類)
不動院…鶴
舞田…牛
羽澄…イルカ
穴雲…犬
栄…オオカミ
朱…パンダ
財原…ネズミ、カラス
入田…ライオン、チーター
癒川…小鳥全般、ウサギ
詩名…カナリア
神座…文鳥

ちなみに、作中に出てきたおまじないは作者のオリジナルで、アラビア語で『勇気を私に』という意味です。
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