ダンガンロンパPRISON   作:M.T.

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平和な時間もそろそろおあずけでい!





第2章(非)日常編⑤

「んあっ…」

独房で目が覚めた。

収監生活も、今日で1週間かぁ…

さぁてと、ちょっと着替えておこうっと。

 

『オマエラ!!起床時間です!!生活リズムの乱れは、心の乱れにつながります!!全員、今すぐ起床するように!!』

 

あーあ、せっかく気持ちのいい朝だったのに。

台無しにすんのやめてよクマさん!

…いけないいけない。

朝から機嫌悪くなっちゃったよ。

さてと、ご飯の時間まで適当に時間潰そっと。

 

 

◇

 

 

【食堂】

 

食堂に行くと、いつもの5人がいた。

「おはよう、狛研さん。」

「おはようございます。」

「おはようございます、狛研殿。」

「おはよ〜♪」

「オハヨーございます!!」

「おはよ…あれっ?」

「んおっ、おはよう狛研ちゃん。」

陽一クンが、食堂で座っていた。

「陽一クン、今日は朝ご飯作らないの?」

「あー、それなんだけど…」

「?」

陽一クンは、厨房を指差した。

ボクは、厨房に行ってみた。

 

 

◇

 

 

【厨房】

 

うん?

なんか、厨房から甘い香りがするなぁ…

「あ、狛研サンおはよぉ。」

「え!?あ、おはよ…」

ボクは、思わず声を大にして驚いた。

厨房では、天理クンがでっかいフライパンで黄色い何かを作っていた。

「天理クン、珍しく早起きだね。」

「えへへ、俺はやるときはやる男なのさぁ〜。」

「ねえ、何作ってんの?」

「ああ、これね。ジャーン!」

天理クンは、フライパンを指差してボクに見せびらかした。

「ビッグカステラです!」

あ、これ…もしかして。

「あの、絵本の?」

「ご名答!いやぁ、一回やってみたかったんだよね。」

「えへへ、おいしそうだなぁ…」

「そろそろ8時半でしょ?これ切り分けて、持ってくの手伝ってよ。」

「はーい!」

ボクは、天理クンと一緒にカステラを切り分けた。

…一人分じゃ足りないから、ボクの分はちょっと多めに切り分けちゃおっと。

 

 

◇

 

 

「みんなー!ご飯できたよー!!」

ボクは、カステラを食堂に持っていった。

残りの6人も、食堂に来ていた。

「わっ…何それ!」

「うんうん、なんか甘い香りがするねぇ。今日の朝ご飯はお菓子かい?」

「…なんだその変な黄色い食い物は。パンケーキの親分か?」

「これ、カステラなんだって!」

「え!?カステラ!?」

「……………………私、卵糖………好き………」

「おいしそうでしょ?天理クンが作ってくれたんだよー。」

「カステラ?ふーん。テンリって、飯作れたんだ。」

「えへへ、まぁねー。」

「…これ、見た目美味そうなのに味は最悪っていう罠じゃねえよな?」

「失礼なー。味もちゃんと美味しいはずだぜー。…多分。」

「多分!?」

「卵糖、ですか…でも、私が知っている卵糖とは違う気が…」

「ねえ、てんりくん。これ、もしかして絵本の…」

「そ!ぐ●とぐらの特大カステラだよー。」

「…まさか、アレを実際に作る人がいるとはね。」

「えへへ、驚いた?いやあ、俺案外Y●uTuberの才能あるかもねー。」

「オマエはすぐ居眠りするから無理なのだ!そんな事より早くカステラよこせ!」

「はいはい。」

「わーい!おいしそー!」

「いただきまーす!」

うーん!おいしいー!

「なんだコレ、普通に美味いじゃねえか。おい、財原。お前が料理できるなんて意外だったぞ。」

「意外とは失礼なー。俺だって、生活力0じゃねーっつーの。あ、そうそう。みんな知ってる?カステラって、ポルトガルの菓子じゃなくて長崎発祥の和菓子らしいよー。」

「へぇ〜、そうなんだぁ。てんりくん物知りだね。」

「えへへ。」

「ウンチクを披露するのはいいけど、口に食べ物が入ったまま喋るのはやめようね。」

「ごめんなちゃーい。」

「あれ?彩蝶ちゃん、今日はひよこ柄の白衣?どうしたのそれ。」

「ああ、これ?実はね、この白衣リバーシブルなんだぁ。今日は、こっちの面の気分なの。」

「へー。」

それは意外だったな…

「えへへ、誕生日にママが作ってくれた、世界にひとつしかない宝物なんだよ〜。」

「そうなんだ。」

 

 

◇

 

 

うーん、おいしかったぁ!

天理クンって、料理上手なんだね。

まあ、陽一クンや雪梅ちゃんほどじゃないけどね。

「ちょっと、カナエ!」

「ん?」

「アンタ、いくらなんでも食べ過ぎよ。フライパン半分ぐらい食べたでしょ?」

「だってお腹空いてたんだもーん。」

「…ホント、アンタの大食らいには呆れるわ。」

「えへへ。」

「褒めてないから。」

踊子ちゃんて、お姉ちゃんみたいで憧れちゃうよね!

 

さーてと、朝ご飯は食べた事だし、何して遊ぼっかなぁ?

映画は今見る気分じゃないし…

そうだ!また娯楽室行こうっと。

 

 

◇

 

 

【娯楽室】

 

うーん。

今日はギャンブルの気分じゃないし…

あれ?あそこにいるのは…才刃クンと陽一クンと成威斗クンと天理クン?

何やってんのかな?

「っし、どうよ!」

「陽一!すげェなお前!ストライクじゃねえか!!」

「キャー栄クンすごーいかっこいー抱いてー」

「棒読みじゃねえか!!」

「ふんっ、ストライクなんて、球の軌道さえ計算できれば、誰でもできるのだ。」

「なっ…!お前なぁ!偉そうな事言うなら、お前がやってみろよ。」

「ふんっ!いいだろう!僕ちゃんの勇姿をその目に刻み込んでおけ!」

「いいから早くやれよ。」

「やれやれー。入田クンのハイパーファイアーボール見せてやれー!」

「なんだよそのダセェ名前。」

「ふふん、僕ちゃんの計算によると、この位置から時速25kmで投げればストライクになるはずだ。いざ!」

才刃クンは、ボールを思いっきり振りかぶった。

「…ぐっ!」

才刃クンは、肩を押さえながらボールを前に投げた。

ボールは才刃クンの足元に落ち、そのままガターに落ちた。

「プッ、ダッセェwそんなモンかよ、クソガキ!」

「m9(^Д^)プギャーwww」

「お前、さっきの威勢はどうした?」

「う、うるさいのだ!!今のはちょっとした手違いで…くっ、天才な僕ちゃんの計算が狂うはずがないのに…!」

「うんうん、計算は間違ってなかったと思うよ?ただ、それを実行できるだけの筋力が無かっただけだよねwww」

「コラァ!!笑うな財原!!」

 

「ねえ、みんな何やってんの?」

「お、叶!今な、みんなでボウリングやってたんだよ!お前もやるか!?」

「へー!楽しそう!やるやるー!ボクも混ぜてー!!」

「おい狛研!!男同士の勝負に何割り込んでるのだ!!女は引っ込んでろ!!」

「別にいんじゃね?俺は狛研サンのかっこいいところ見たいなー。」

「あ、おいコラ抜け駆けすんな財原!狛研ちゃん!良かったら俺がコツ教えてあげるよ!」

「ねえ、よくわかんないけど、重い方がいいんでしょ?一番重いのコレ?」

「そうだけど…あんまり自分の筋力に合わないボールにしないほうがいいぞ?かえって投げにくいだけだから。」

「うん、ちょうどいいや。コレにする!」

「マジかよ…それ、一番重いヤツ…」

さーてと、投げるぞー!!

そぉーれっ!!

ボクは、球を投げた。

球は、ピンを全部なぎ倒して後ろに落ちた。

「やったー!!ストライクだー!!」

「んなっ…マジかよ…!狛研ちゃん、天才かよ…」

「叶、お前すげェな…!」

「ぐわー。女子に負けるとか屈辱だわー。ホント、生きてて惨めなだけだわー。」

「僕ちゃんを見ながら言うな!!なぜだ…!僕ちゃんは、ちゃんと全部計算し尽くして投げたのに…なんで何も考えずに投げた狛研がストライクなのだ…!納得いかないのだ!!」

「だから、自分の筋力の無さを計算に入れてなかったからだろー?ちったぁ鍛えろよおチビちゃん!」

「う、うるさいのだ!!僕ちゃんには、機械工学があるから別にいいのだ!!」

「わー言い訳したー。プークスクスwww」

「っと、悪い。オレ、そろそろ飯の支度しねェと。」

「お、そうなのか!?また美味い昼飯を作ってくれよ、陽一!」

「おう!楽しみにしとけ!」

そういえば、あと1時間半でご飯だね。

楽しみだなぁ…

今度は何が出てくるんだろ?

 

 

◇

 

 

【食堂】

 

うーん、もうお腹ペコペコだよぉー。

早く何か食べたーい!!

「待たせたな、お前ら!」

わーい!!

陽一クンのご飯だー!!

「へぇ、今度はヨウイチのご飯なのね。」

「ちょっとー。俺のカステラはイマイチだったって言いたいわけー?」

「そういうわけじゃないけど、やっぱりプロは違うよねぇ。」

「おいしそー!!いっただきまーす!!」

 

 

 

◇

 

 

【超高校級のダンサー】の研究室

 

ピンポーン

 

「もしもーし。踊子ちゃんいるぅー?」

ボクは、インターホンを鳴らして踊子ちゃんを呼んだ。

「あ、カナエ。来てたのね。」

踊子ちゃんが、ドアの隙間から顔を出した。

「ねえねえ、踊子ちゃんの研究室見たいんだけど!」

「え、アタシの?いいけど…でも、特に面白い物とかないよ?」

「ボクは、踊子ちゃんとおしゃべりがしたーいの!」

「へえ、アンタ、変わってるね。アタシとおしゃべりがしたくて来るなんて。とりあえず、中入んな。」

「やった!」

踊子ちゃんは、ボクを研究室の中に入れてくれた。

「ま、気にいるかどうかはわかんねーけど、ゆっくりしてってよ。」

「わーい、ありがとう踊子ちゃん!あ、そうだ!」

「ん?何?」

 

「あのさ、踊子ちゃん!これ、いる?」

ボクは、踊子ちゃんにキャップを渡した。

「え、ちょっと待って!!カナエ、それよく見せて!!」

「え、あ、うん…」

「すごい、ホンモノだわ…アンタ、なんでこれ持ってんの?」

「んーっとね、ガチャ引いたら出てきたんだよ。それ、そんなにすごいものなの?」

「すごいも何も、伝説のヒップホップダンサー『アントニー・ケリーズ』が使ってたキャップじゃん!ほら!ここに本人のサインがあんじゃん!アタシ、アントニーの大ファンなんだよ!!カナエ、ありがとー!!」

踊子ちゃんは、ボクに抱きついてきた。

「えへへ…」

踊子ちゃんの憧れの人かぁ。

ボクの憧れの人は、やっぱお父さんかな?

「ねえ、カナエ。何か欲しい物ある!?アタシ、奢ったげる!」

「え、いいよ…」

「遠慮すんなって!」

「でも、今特に欲しい物とか無いんだよなぁ。あ、そうだ。じゃあさ、代わりに踊子ちゃんの事を教えてよ!」

「え、そんなんでいいの?」

「いいよいいよー。ボクは、踊子ちゃんと仲良くなりたいんだ!」

「そ、そう…そういう事なら、あ、アンタにアタシの事…教えてあげるよ。」

踊子ちゃんは、人差し指をチョンチョンしながらわかりやすく照れた。

踊子ちゃん、かわいい…

 

「ねえ、踊子ちゃん。早速聞きたいんだけどね、踊子ちゃんは、なんで【超高校級のダンサー】になったの?」

「んーっと、まあ、強いて言うならダンスが大好きだからかな?小さい頃からダンサーになるのが夢だったんだ。」

「そうなんだぁ。」

「アタシ、バカだからあんまし将来の事とかちゃんと考えた事無いんだよね。ほら、アタシって、考えるより先に体が動いちゃうタイプじゃん?ダンサーになったのも、やりたい事ずっとやってたら自然と結果がついてきたってだけだし。」

「へぇー。」

 

「…でも、アタシが【超高校級】になれたのは、ある医者のおかげなんだ。」

「え?」

「アタシ、小さい頃は病気がちでね。医者には、10歳までしか生きられないって言われてたんだ。アタシは泣く泣く夢を諦めたよ。でも、ある医者が、アタシの病気を完治させてくれたんだ。アタシは、今までの病気が嘘みたいに元気になって、アタシは夢を叶える事ができたんだ。あの人がいなかったら、アタシは夢を叶えるどころか、この世にいなかった。あの人には、感謝してもしきれないよ。」

「…そっかぁ。」

踊子ちゃんにそんな過去があったんだね。

「アタシは、絶対にここから出てやるんだ。そしたら、メッチャすげェダンサーになって、あの人にアタシのダンスを見せてあげるんだ!それまでは、絶対死ねないよ。」

「踊子ちゃん、ボクもその夢、応援するよ。お医者さんにまた会えるといいね。」

「…ありがと。アタシは、あの人に貰った命を無駄にしたくないから。なんとしてでも生き残って、恩返ししないと!」

「踊子ちゃん、カッコいい〜!」

「そ、そんな事ないってば…」

またまたー、謙遜しちゃって!

 

「ねえねえ、そういえばさぁ。」

「ん?」

「話変わるけど…踊子ちゃんって、お兄ちゃんいるんでしょ?」

「…チッ、写真あるけど見る?」

「え、見たい見たい!」

踊子ちゃんは、クローゼットの中を漁った。

「…ったく、なんでここにゴミクソなんかの写真が置いてあるんだっつーの。気分悪くなるから置くのやめろよモノクマの奴…」

なんかぶつくさ言ってるな…

「ほらよ。」

わぁ…

やっぱり、踊子ちゃんのお兄ちゃんだね。

踊子ちゃんに似ててイケメンだなぁ。

「この人が踊子ちゃんのお兄ちゃん?どんな人なの?」

「ああ、とにかくクソ兄貴だよ!アタシに嫌がらせしてくるし、音楽の趣味も合わないし…すぐにアタシのダンスをバカにしてくるんだ!」

「…そうなんだ。」

「そうだよ!アタシがダンサーになりたいって言った時も、やめとけって言ってきたし、どっか行った時はしつこくどこ行ったのか聞いてくるし…ホント、なんなのアイツ!!?」

「へー。いいなぁ。」

「は!?どこが!?」

「今の話聞いてた限りだと…お兄ちゃんが踊子ちゃんの事を心配してるように聞こえたけど?ダンスをやめろって言ったのも、行き先を聞いてくるのも、全部踊子ちゃんのためを思って言ってるんじゃないの?まあ、人の夢にまで首を突っ込むのはちょっと嫌だけど…」

「アイツがアタシの心配!?無い無い無い無い!!マジであり得ないんだけど!!?は!?キモ!!」

「そう?ボクは、本気で心配してくれる人がいる踊子ちゃんが羨ましいけどなぁ。」

「アンタは、兄弟がいないからそんな事言って…ホントに、兄弟とか邪魔なだけだよ?」

「えー。そんな事無いよー。」

踊子ちゃんのお兄ちゃんかぁ。ちょっと会ってみたいかも。

 

「あっ。」

「何?どしたの?」

「そのヘアピンかわいいね!どうしたの?」

「あ、これ?小学生の頃に、同級生に貰ったんだよ。」

「そうなの?」

「うん。その子が大切にしてたピンでね。友達になった印に貰ったのさ。せっかく貰ったから、今でも大切にしてるんだよ。」

「そうなんだ…」

あれ?

なんかこの話、デジャヴだな…どっかで聞いた気が…

ま、気のせいかぁ!

「ねえ、踊子ちゃん!」

「何?」

「またダンス見せてよ!ボク、踊子ちゃんのダンス好きなんだぁ!」

「そ、そう…?じゃあ、もしここから出られたら、アンタにも見せてあげるよ。超一流のダンサーになったアタシのダンスをね。」

「わぁい、楽しみー!!」

はははっ、なんか、踊子ちゃんと話してたら盛り上がっちゃったなぁ。

「えへへ、話してくれてありがとう踊子ちゃん。じゃあ、ボクそろそろ行くね。」

「うん、また来いよ!」

「うん!」

 

《羽澄踊子の好感度が1上がった》

 

 

◇

 

 

踊子ちゃんとお話してたら、夕ご飯の時間になっちゃったよ。

今晩のご飯は何かなー?

メッチャ楽しみ!

 

 

◇

 

 

【食堂】

 

「みんなお待たせー!!」

食堂には、星也クンと治奈ちゃんがいた。

「全然待ってないよ。」

「ねえ、なんか手伝う事ある?」

「そうだな…じゃあ、お皿並べるの手伝ってくれる?」

「アイアイサー!」

ボク達がお皿を並べてる間に、みんなが集まってきた。

やっぱり、彩蝶ちゃんと天理クンは遅刻してきた。

「おせぇぞ遅刻組!!」

「ごめんねー?以後気をつけまーす。」

「フン、今朝は珍しく早起きしたと思ったらいつも通り遅刻か。懲りないな貴様も。」

「てへっ☆」

「じゃあ、全員揃ったしご飯食べよっか。」

「賛成ー!いっただっきまーす!!」

 

 

◇

 

 

治奈ちゃんが、食後のお茶を淹れてくれた。

あー、今日もおいしかった!

やっぱり陽一クンのご飯はおいしいね!

つい調子乗っていっぱい食べちゃったよ。

でも、これくらいは食べないと後で動けなくなっちゃうよね。

 

『うっぷぷ、狛研サン!育ち盛りなのはいいけど、ちょっとは我慢しないと太るよ?』

『フッフッフ。全く、行儀が悪いですね!』

 

「なっ…!テメェらは…!」

『やっほー!みんな、ご飯はおいしかった?』

『皆様、お変わりは無いご様子ですねぇ。』

クマさんとベルさんは、いきなり食堂に現れた。

「このクサレ畜生共が!!何しに来やがった!!」

『うっわ!栄クン口わっる!ボク、言葉の暴力で死んじゃうよー!』

『全くです。逆パワハラで訴えますよ!?』

「うるせェ!!黙ってろ!!」

「栄君。気持ちはすごくわかるけど落ち着いて。…君達がここに来たって事は、僕らに何かをさせたいんだよね?今度は何がしたいんだい?」

『フッフッフ。流石穴雲様。勘がよろしいですね。…いや、実はですね。ワタクシ共は今非常に機嫌が悪いのです。』

「貴方方の機嫌など、知った事ではありませんが。」

『うわっ!不動院クンこっわ!そんなんじゃ、女の子に嫌われるよー?』

「…チッ、余計なお世話です。」

剣クンは、珍しく舌打ちをした。

『おっと、いけないいけない!脱線しちゃった。では、問題です!なんで今ボク達は機嫌が悪いのでしょうか!?』

「何それ。どうでもいいわよ。」

「…コロシアイが起きてないからぁ〜?」

 

『ピンポンピンポーン!!財原クン大正解ー!!キミには特別に花丸をあげましょう!』

「やったー。」

『そうです!オマエラがお変わり無さすぎて、こちとらストレス溜まりまくりなんだよ!そろそろ誰か死ねよっていう天からの声のせいで、胃がキリキリ痛んでんの!』

「いや、どうでもいいし。」

「きみ達にも胃があるんだねー。」

「いや、アゲハ。ツッコむとこ、そこじゃないから。」

「てかさ、天からの声って何?」

「狛研さん、それ以上ツッコむのは、色々とマズいからやめようか。うん。」

『というわけで、皆様にはそろそろコロシアイをしていただきたく、第二の動機を持って参りました。』

「…第二の、動機…?」

『そっ!今から送るねー!』

クマさんが指を鳴らすと、ムービー機能に新しい映像が入れられていた。

『それは、動機ビデオです!映像は映画館で観れるから、今すぐ観てくるといいよ!それじゃ、まったねー!』

『フッフッフ。ご機嫌よう皆様!!』

二匹は、高らかに笑いながら去っていった。

「なんだったんだ、今の…」

「ねえ、この動機ビデオとやら、見なきゃダメなのかな…?」

「何を言っているんだい?羽澄君。」

「だって、ここに人を殺したくなるような内容が映ってるんでしょ!?だったら、そんなの見たくないんだけど!」

「確かに…罠かもしれませんし、見ない方がいいかもしれませんね…」

 

「ボク、見てくるよ。」

「…え?」

「だって、この映像がなんなのかわからないままじゃ気持ち悪いでしょ?安心してよ。ボクは、何があってもみんなを殺したりしないから!」

「でも、貴女にそんな事をさせる訳には…」

「止めるな侍。コイツが、自分で見たいと言っているのだ。別に好きにさせてやれば良かろう。ただ、万が一それで変な気を起こそうものなら、俺は黙っちゃいないがな。」

「ありがとうラッセクン。じゃあ、行ってくる。」

ボクは、映画館に行って映像を流した。

 

 

◇

 

 

【映画館】

 

椅子に座った途端、映画館の照明が全て消え、音が鳴った。

 

ブーーーーーーーーーーッ

 

…映像が始まる合図かな。

ボクは、覚悟を決めてスクリーンを見た。

スクリーンに映像が映し出される。

 

 

 

 

 


 

 

 

スクリーンには、森の風景が映った。

その中に見える家…

…見覚えがある。

そこは、ボクが引き取られた施設だった。

 

場面が、施設の中に切り替わる。

映像には、園長先生が映っていた。

 

『叶ちゃん、希望ヶ峰の進学おめでとう。ここに希望ヶ峰からの入学通知が届いた時、私、何度も何度も入学通知を見て、大喜びしちゃったわ。ここに引き取られた時は暗かったあなたが、こんなに立派に成長して…私、嬉しくて嬉しくて…』

『おいおい、泣くなよエンチョー先生!叶ねーちゃん!希望ヶ峰の進学おめでとう!しばらくの間会えないけど、向こうでも頑張れよ!あと、たまにはここに顔見せに来いよな!』

『叶ちゃん、希望ヶ峰に行ったら、新しい友達をたくさん作って、勉強も頑張るのよ。』

ザッ…ザザッ…

『あなたなら、きtttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttt

…あっ、あなっあnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnn…』

「!?」

映像が急に乱れ、画面が砂嵐になった。

 

ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ

 

 

 

プツン

 

砂嵐が止んで、映像が元に戻った。

でも、そこにはさっきまでの施設はなかった。

森は焼き払われ、施設の窓ガラスや家具は壊され、所々に赤い何かが飛び散っていた。

…あれ、まさか…血、じゃないよね…?

 

次の瞬間、目を疑うものが目に飛び込んできた。

 

 

 

園長先生が、みんなが、血塗れになって床に倒れていた。

 

「…嘘でしょ…」

 

そこで映像は終わっていた。

映像は切り替わり、劇場のような場所が映し出された。

劇場の幕の前には、クマさんが立っていた。

 

『両親が亡くなり、里親の元で虐待を受け、施設に引き取られた狛研叶サン!いやぁ、実に微笑ましい光景でしたね!しかし、施設で共に過ごした彼らに何かあったようですね。では、ここで問題です!!施設の皆さんに、一体何があったのでしょうかっ!!正解は、自分の目で確かめてみてねー!!』

 

 

 


 

 

 

 

 

映像はそこで終わっていた。

そんな…なんでみんながあんな事に…

なんで…なんでなんだよ…!

ボクは、地団駄を踏んでやり場のない感情をぶつけた。

そして、映画館を出た。

すると、映画館の前で待っていたみんながボクに詰め寄ってきた。

「おい!!狛研!!動機ビデオとやらは、一体何が映っていたのだ!?教えろ!!」

「…ボクの大切な人達が、血塗れで倒れてた。」

「!!?」

それを聞いたみんなは、一斉に映画館に入っていった。

 

 

◇

 

 

映像を見終わったみんなは、虚ろな顔をしていた。

「…嘘だろ。あんなの…」

「なんでだよ…なんでオレ達がこんな目に遭わなきゃなんねェんだよ!!オレ達が一体何したってんだよ!!」

「ひどいよ…あんなの、あんまりだよぉ…」

絶望する者、怒り狂う者、泣き叫ぶ者…反応は様々だった。

…みんな、よっぽどひどい映像を見せられたんだろうな。

「みんな…」

 

「ねえ、みんな。…こんな時にこんな事言うのは違うかもしれないけど…とりあえず落ち着こうよ。」

「星也…お前は、なんでそんな余裕なんだよ!!?テメェは、自分の映像を見て何も思わなかったのか!?」

「ちょっと、ナイト!?やめなって…!」

成威斗クンは、星也クンの胸ぐらを掴んだ。

「…何も思わなかった?そんなわけ無いだろ。僕も、大切な人が理不尽にあんな目に遭って、悔しいよ。だけど、だからって冷静さを失って暴れ回るようじゃ、全員でここから出るなんて無理だ。生き延びたいなら、こういう時こそ冷静になれ。」

「ッ…!」

成威斗クンは、星也クンの胸ぐらを掴んでいた手を離した。

「…。」

 

「そうだ、ワタシいい事思いつきマシタ!」

「…え?」

「ワタシと踊子サンで、ダンスします!そしたら皆サン元気出ますデショ!?」

「な…何言ってんだよ朱ちゃん!この状況、わかってんのか!?」

「わかってマスヨ!ワタシ、星也サンと同じ意見デス!暗いの、ダメ!」

「雪梅ちゃん…」

「実はワタシ、踊子サンとダンスの練習、してマシタ!踊子サン、皆サン、元気づけマショウ!」

「シュエメイ…わかった。じゃあ、明日の朝、シュエメイと二人でダンス披露してあげる!」

「集合場所、生物室にしまショウ!ワタシ、水槽、パフォーマンス、やりたいデス!」

「いいねそれ!よし、じゃあ、明日の7時半、生物室に集合ね!みんな、遅れるんじゃないよ!特にテンリ!」

「へいへい。」

「うんうん、二人のダンスかぁ。このジメジメした空気を吹き飛ばすにはいいかもね。」

「ああ、さっきまでくよくよしてたオレがバカみてえだぜ!」

「楽しみにしてるぜ、二人とも!」

「…フン。勝手にしろ。」

…良かった。

二人のおかげで、みんな元気を取り戻してくれた。

二人のパフォーマンスかぁ…楽しみだな!

「うん、みんな冷静さを取り戻してくれたみたいで良かったよ。じゃあもう遅い時間だし、練習がある二人は仕方ないとして、それ以外のみんなは部屋に戻ろうか。」

「はーい!」

ボク達は、二人を残して独房に戻った。

 

 

◇

 

 

【独房】

 

…みんな、なんであんな事になっちゃったんだろう。

死んじゃってたり…しないよね。

うん、絶対生きてるはず!

とにかく今は、ここからみんなで出る方法を考えないと!

とりあえず、今日はもう遅い時間だから寝よっかなぁ。

おやすみなさーい。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

収監生活8日目。

今日は、7時半から二人のダンスが見られるんだよね。

楽しみだなぁ。

 

『フッフッフ。おはようございます!!起床時間ですよ!!アナタ達、今すぐ起床しなさい!!しないとブチ●しますよ。』

 

あーあ、毎朝毎朝うるさいね全く!

朝から気分悪い放送かけないでよ!

っと、支度して生物室行かないとね。

 

 

◇

 

 

…7時15分か。

早めに行こうっと。

 

 

 

 

ピーンポーンパーンポーン

 

『オマエラ、死体が発見されました!!3階の生物室にお集まりください!!』

 

 

 

…え。

嘘でしょ…

ちょっと待って、死体…?

どういう事…!?

 

ボクは、生物室に向かって走った。

 

 

◇

 

 

【生物室】

 

「みんな、何があったの!!?」

生物室には、星也クン、雪梅ちゃん、治奈ちゃんがいた。

「あ…あああああ…」

「…。」

「っ、ううっ…」

治奈ちゃんは、泣きながら指を差した。

「?」

ボクは、治奈ちゃんが指を差した方を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ」

 

 

ボクは、目を疑った。

ボクが見たのは、巨大な水槽だった。

そこには、あるはずのないものがあった。

そ(・)れ(・)は、あまりにも無慈悲に、ボク達に残酷な現実を突きつけてきた。

…どうしてキミが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全身をバラバラにされた【超高校級のダンサー】羽澄踊子ちゃんが、水槽の中で漂っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー才監学園生存者名簿ー

 

【超高校級のアナウンサー】穴雲星也

 

【超高校級の工学者】入田才刃

 

【超高校級の不運】景見凶夜

 

【超高校級の???】神座ゐをり

 

【超高校級の幸運】狛研叶

 

【超高校級の資産家】財原天理

 

【超高校級の栄養士】栄陽一

 

【超高校級の詩人】詩名柳人

 

【超高校級のマドンナ】白鳥隥恵

 

【セキセイインコ】翠

 

【超高校級の曲芸師】朱雪梅

 

【超高校級のダンサー】羽澄踊子

 

【超高校級の生物学者】日暮彩蝶

 

【超高校級の侍】不動院剣

 

【超高校級の喧嘩番長】舞田成威斗

 

【超高校級の看護師】癒川治奈

 

【超高校級の国王】ラッセ・エドヴァルド・シルヴェンノイネン

 

ー以上13名+1匹ー

 

 

【挿絵表示】

 

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