ダンガンロンパPRISON   作:M.T.

24 / 72
ちょっとマズい表現があった自覚があるので、編集しました。


第2章 非日常編④(おしおき編)

【???】

 

 

 

ザッ…

 

「そうだよ。アタシがーーーーーーーだったの。」

 

ザザッ…

 

ザザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

VOTE

 

【超高校級の生物学者】日暮彩蝶 13票

 

【超高校級の資産家】財原天理 1票

 

【超高校級のアナウンサー】穴雲星也 0票

 

【超高校級の工学者】入田才刃 0票

 

【超高校級の不運】景見凶夜 0票

 

【超高校級の???】神座ゐをり 0票

 

【超高校級の幸運】狛研叶 0票

 

【超高校級の栄養士】栄陽一 0票

 

【超高校級の詩人】詩名柳人 0票

 

【超高校級のマドンナ】白鳥隥恵 0票

 

【セキセイインコ】翠 0票

 

【超高校級の曲芸師】朱雪梅 0票

 

【超高校級のダンサー】羽澄踊子 0票

 

【超高校級の侍】不動院剣 0票

 

【超高校級の喧嘩番長】舞田成威斗 0票

 

【超高校級の看護師】癒川治奈 0票

 

【超高校級の国王】ラッセ・エドヴァルド・シルヴェンノイネン 0票

 

 

 

『うぷぷぷ!!お見事大正解ーーー!!!【超高校級のダンサー】羽澄踊子サンを殺したのは、ななななんと!動物大好きな優しくてひたむきなお嬢様の皮を被った殺意MAXイカレ殺人鬼、【超高校級の生物学者】日暮彩蝶サンでしたー!!』

『フッフッフ。今回は、翠様以外は全員満場一致で日暮様に投票していました!』

 

 

「ごめん…ごめんなさい…うっ、うぁああぁああ…」

 

彩蝶ちゃんは、証言台にしがみつきながら泣いていた。

「日暮殿…どうして…どうして羽澄殿を殺してしまったのですか!?」

「そうデスヨ!!ナンデ…二人とも、すごく仲良しダッタじゃナイデスカ!!」

 

「…ごめん、みんな゛…わだし、おも゛いだしたの…」

 

「思い出した…?一体何を…」

『うぷぷぷ!気になるよね!なんでこの女が、一番の親友だった羽澄サンを殺しちゃったのか!それを教える前に、ひとつオマエラに教えておかなきゃいけない事があるんだ!』

「何ですか…それは…」

『実はね、羽澄サンと日暮サンは、出逢ったのがこれで初めてじゃないんだな!』

「どういう事だ…!?」

『実はこの二人、小学校時代のクラスメイト同士だったんだよね。元々身体の弱かった羽澄サンを、日暮サンの両親が治療して、日暮サン自身も彼女が早く元気になるように羽澄サンを励ましていたのです!そんな事があってから、二人は宝物を交換するほどの大親友になったんだよ!』

『フッフッフ。尤も、その事を覚えていたのは羽澄様だけだったようですが。全く、親友の事を忘れるなんて、酷い女ですねぇ!!』

「そんな…だったら何故、日暮殿はご親友であった羽澄殿を殺してしまったのですか!?」

『それは、二人が通ってた小学校で起こった、『八ツ阪小学校虐殺事件』が大いに関係してるんだよ!』

『八ツ阪小学校虐殺事件』…?

確か、当時八ツ阪小学校の5年1組に在籍してた【超高校級の人狼】暁裴駑が、クラスメイトと教師を皆殺しにした事件だよね…

それが、二人とどう関係してるっていうの…?

『今から流すのは、日暮サンにお配りした動機ビデオです!詳しくは、こちらの映像をご覧ください!!』

 

 

 

 

 


 

 

 

スクリーンには、小学校の映像が映った。

校庭では、小学校高学年くらいの女の子が、他の女の子達に鳥を手懐けているところを見せている。

…多分、彩蝶ちゃんだ。

『すごーい!あげはちゃん、そんなにたくさん鳥さんとお話できて!』

『ねえねえ、あたしにもできる!?』

『うん、この子達は、人懐っこいからね!すぐにみんなとお友達になれるよ!』

『すごーい!』

『ねえ、この後うちに来ない?わたしのママが、今日ケーキ焼いてくれるんだってー。』

『わーい!行く行く!』

『あげはちゃんは、かわいくって頭が良くて、動物さんたちと仲良しで、しかもお金持ちのお嬢さま!ホント憧れちゃうよねー!』

『えへへ…』

『ねえ、あげはちゃん!今度、みんなでピクニックにでもいkkkkkkkkkkkkkkk…あっ、い、いかnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnn…』

「!?」

映像が急に乱れ、画面が砂嵐になった。

 

ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ

 

 

 

プツン

 

砂嵐が止んで、映像が元に戻った。

でも、そこにはさっきまでの小学校はなかった。

教室は真っ赤に染まり、床には子供達の無惨な亡骸が転がっていた。

そこには、ただひとりの黒い影があった。

その影は、甲高い声で不気味に笑う。

 

『きひっ…ひひっ…ひひひひひひっ…あははははははははははは…!』

 

画面がまた切り替わり、何かの部屋が映った。

そこには、二人の大人と踊子ちゃんと思われる女の子がいた。

 

『本当に、君が殺したのかい?』

踊子ちゃんは、笑いながら答えた。

 

『…そうだよ。アタシが殺したんだ。アタシが暁裴駑だったの。』

『!!?』

『なんであんな事したんだ!!』

『あのさぁ、殺人鬼にそんな質問する意味ある?…殺したかった。ただそれだけよ。』

『…!!』

『ひひっ、きひひっ…ははっ、あはははははははははは!!』

踊子ちゃんは、不気味な笑みを浮かべながら高笑いした。

 

そこで映像は終わっていた。

映像は切り替わり、劇場のような場所が映し出された。

劇場の幕の前には、クマさんが立っていた。

 

『クラスのみんなの人気者で、クラスのアイドル的存在だった日暮彩蝶サン!いやあ、実に可愛らしいですね!しかし、クラスメイトに何かあったようですね!?その中でひとり笑う影…そして、羽澄サンがまさかの自白!?では、ここで問題です!!日暮サンの大好きだったクラスのみんなを皆殺しにした犯人は、一体誰だったのでしょうかっ!!正解は、自分の目で確かめてみてねー!!』

 

 

 


 

 

 

 

 

映像はそこで終わっていた。

頭が追いつかなかった。

そんな、踊子ちゃんが…暁裴駑…!?

「では、まさか…」

 

「…ごめんみんな。わたし、どうしてもクラスのみんなのかたきを討ちたかったの。」

 

彩蝶ちゃんは、涙を流しながら語り始めた。

「みんなと過ごした時間は、すっごく楽しかった。ありがとう。…でもね、わたしの本当の友達は、あの日殺されちゃったみんなだけなんだ。わたしは、みんなを殺した犯人をずっと許せなかった。いつか絶対犯人を同じ目に遭わせてやろう、そう思いながら今まで生きてきた。忘れちゃってたけど、この映像を見てそれをはっきり思い出した。あの事件の犯人はようこちゃんだった。」

「彩蝶ちゃん…」

「だから殺したの!!みんなを…わたしの友達を殺しておいてのうのうと生きてるあの子が許せなかった!!それで、今までの色んな気持ちが溢れ出して、目の前が真っ赤になって…気がついたら、ようこちゃんを殺しちゃってた!!でも、わたしは間違ってない!!みんなのかたきを討ったんだもん…!人の命をなんとも思ってない…あんな子、生きてちゃいけないんだよ!!」

「そんな…ただの私怨じゃないですか…!羽澄殿が過去に何をしていようと、関係ありません!貴女は人を殺したんですよ!?」

剣クンは、涙を流しながら彩蝶ちゃんに訴えかけた。

「…関係ない?そんなわけないじゃん!!!きみにわたしのなにがわかるの!!?ゆいちゃんも、まきちゃんも、たろうくんも、しゅんくんも…みんなあの子が殺したんだよ!!もうみんなは戻ってこない…わたしの友達を返して…返してよぉお!!!うわぁああああああああん!!!」

「ッ…!」

「ピ、ィ…!あ、げは…!」

「翠、こんなわたしが友達で本当にごめんね。わたしが友達にならなきゃ、きみはもっと幸せに生きられたはずなのに…」

「ピィ!ピィピィピィ!(そんな事ない!私はあげはと一緒にいて楽しかった!)」

「…嬉しいなぁ、そう言ってくれて。わたしはもう助からないけど、どうかきみだけは逃げて。生きて、みんなと一緒に外に出て。」

「ピィピィピィ!(あげはと一緒じゃなきゃいやだ!)」

「ダメ。ようこちゃんを殺したわたしは、おしおきを受けなきゃいけない。…さあ、クマちゃん。始めちゃって。」

 

 

 

「くくく…はははっ…ギャハハハハハハハハハ!!!ヒャーッハッハッハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

 

 

天理クンは、ひとりお腹を抱えて大笑いしていた。

「あーっはははは!!ウケる!!っはー、こんな事ってある!?マジで面白いんだけど!」

「てんりくん!何がおかしいの!?」

「いやあ、世の中こんな皮肉な事ってあるんだね。あー、ケッサクケッサク!」

「皮肉…?どういう意味よ!?」

「…それは、オマエ自身の胸に手を当ててよーく考えてみろよ。」

天理クンはさっきから何を言ってるんだろう…?

 

 

 

『はーいストップ!!そこまで!!ったく、もうちょっとこの茶番劇を楽しもうと思ってたのに…全くもう、ネタバレすんのが早いようさんくさい原クン!!』

「しいましぇーん。」

「クマちゃん…!?一体何を言って…!」

『全く、オマエはほんっとうに救いようのないクズ女だよねぇ!!皮肉とはまさにこの事だよ!!』

 

 

 

 

 

『羽澄サンは、オマエのためにあんな事言ったっていうのにさぁ!!』

 

 

 

 

 

…え?

 

 

 

「わたしのため!?一体どういう意味!?」

『羽澄サンは、本当はクラスメイトを一人も殺してないのに、あえて自分が殺したって言ったって事!…そりゃあ、恩人の娘を庇いたくもなるよね!だって…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『暁裴駑の正体は、何を隠そう日暮サン本人だったんだから。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………え?

 

 

 

 

 

『【超高校級の人狼】暁裴駑は、月夜にのみ現れて無差別に人を斬り裂く殺人鬼です。その正体は誰にもわからなかったのですが、実は暁裴駑が現れる場所には、必ずとある少女がいるという事が分かったのです。その人物こそ、何を隠そう日暮様でした!』

『うっぷぷぷ!ネタバレしちゃうと、日暮サンはね、実は夢遊病だったのです!暁裴駑は、日暮サンが完全に眠りについた時に現れる別人格…つまりは二重人格だったんだよ!あの日クラスのみんなを皆殺しにしたのは、他の誰でもない…暁裴駑としての日暮サンだったのです!』

「そんな…!」

『では、なぜ羽澄サンが、自分が暁裴駑だと言ったのか…それはこちらのVTRをご覧ください!』

 

 

 

 

 


 

 

 

スクリーンには、小学校の映像が映った。

教室は真っ赤に染まり、床には子供達の無惨な亡骸が転がっていた。

そこには、ただひとりの黒い影があった。

その影は、甲高い声で不気味に笑う。

 

『きひっ…ひひっ…ひひひひひひっ…あははははははははははは…!』

 

その影は、彩蝶ちゃんだった。

 

 

 

『…。』

そこへ、踊子ちゃんが教室に入ってきた。

『…!!?…あ、あああ…アゲハ…!?アンタ、何やってんのよ…!』

『…。』

彩蝶ちゃんは、不気味な表情からいつもの表情に切り替わった。

『…あれっ?よ、ようこちゃん…?…え、何これ…一体どうなってるの…!?みんな、起きてよ!ねえ、ねえ!!』

『…もしかして、またハイドが現れたのか?』

『ハイド?何それ…わたし、何も知らない!!気付いたら、みんながこんな事になってて…』

踊子ちゃんは、あたりを見回して、そして何か覚悟を決めたような表情で言った。

『…そうだよ。アンタは何も知らない。何もしてない。みんなを殺したのはアタシだ。』

『…え!?ちょっと待って、何言ってるの…!?何考えてるのよようこちゃん!!』

『アゲハ、この大量の死体をどうにかするのは無理だ。みんなはアタシが殺したって事にしておくから、アンタは今のうちに逃げな。』

『なんで!?ねえ、なんでそんな事言うの!?ようこちゃんは、みんなを殺したりしてないのに…!!』

『…アゲハ、アタシはアンタのお父さんに…日暮先生に助けられた。そして、アンタにも元気を貰った。アンタのおかげでアタシは生きられた。アンタ達がいたから、アタシは諦めかけてた夢を追いかける事ができた。アタシに、夢をくれてありがとう。』

『ようこちゃん…!』

『…だから今度はアタシがアンタの夢を守る番だ。アンタ、獣医になるって夢があるんだろ?こんな所で台無しにしていいのかよ!?』

『でも、ようこちゃんはどうなるの…!?』

『アタシの事なら心配すんな。アタシは、アンタに十分すぎるくらいたくさん貰った。今度はアタシがそれを返す番だ。ほら、人が来る前に早く逃げな!!』

『ッ…!!』

 

彩蝶ちゃんは、学校を飛び出してただひたすら走った。

『ようこちゃん…ごめん、ごめんね…!』

 

 

 


 

 

 

 

 

「そんな…!」

「嘘でしょ…こんな事って…」

「うっ、うぅううううう…踊子サァン…!」

剣クン、治奈ちゃん、雪梅ちゃんは涙を流しながら映像を見ていた。

「クッソ…こんなのあんまりじゃねえかよ…!」

「うぉおおおおおおおおお!!踊子ぉおおおおおおおおおおお!!!」

「…誰も幸せになれない…哀しい話だね。」

「皮肉とはまさにこの事だねぇ。」

陽一クンと成威斗クンは涙を流しながら悔しがっていた。

星也クンはメガネを押さえながらモニターから目を逸らした。

柳人クンは帽子を深く被った。

「こんなのって…あんまりなのだ…!」

「世の中とは、常に理不尽で不条理だ。…悪い意味で勉強になったな。」

「…………………………舞踊家。」

「何この茶番劇。はー、くっさw」

才刃クンは、驚きながら映像を見ていた。

ラッセクンとゐをりちゃんは、少し離れたところで傍観していた。

天理クンは、これを面白がって見ていた。

『全く、恩を仇で返すとはまさにこの事だね!自分を庇ってくれた親友を逆恨みして殺しちゃうなんてさぁ!!』

『フハハハハハ!羽澄様は、自分を助け、さらにダンサーになるという夢を応援してくれた日暮親子に心の底から感謝していて、いつか恩返しがしたいと考えていました!そして、あの惨状に、クラスメイトの屍の上でうろたえる日暮様…羽澄様は、あの場で何が起こったのかを一瞬で察しました。そして、恩人である日暮様への恩返しのため、自ら罪を被ったのです!その後、羽澄様は殺人犯として周りから責められ、家族もろとも迫害を受けました。それでも羽澄様は迫害に耐え、自分が犯人だと言い続けました。全ては、自分に夢を与えてくれた恩人のためにね。』

『一方で、当の真犯人の日暮サンは、暁裴駑が出現した影響で事件の詳細は全く覚えておらず、それどころかなんとも都合が良いことに、事件のショックで羽澄サンが罪を被ったくだりの記憶が全てすっぽりと抜け落ちてしまったのです!もちろん、彼女の両親は娘の病気の事を知っていましたが、自分達の面子を保つため、娘の病気を()()()()()にしてしまいました!こうしてほとぼりがおさまり、全てを綺麗さっぱり忘れた日暮サンは両親に愛されながらすくすくと…もとい、のうのうと立派に育ちました!』

『そして数年後、羽澄様と日暮様はこの学園で再会しました。日暮様は、羽澄様が元クラスメイトだとも知らずに、羽澄様と仲良くなりました。しかーし!彼女は思い出してしまったのです!あの日の出来事を…しかも、自分の都合が良いように記憶を捏造してね!!こうして、大恩人を勝手に逆恨みし、挙げ句の果てにその手にかけてしまったのです!でめたしでめたし!』

勝手に逆恨み…?

ふざけるな!

コイツら、絶対こうなるように仕向けたんだ…許せない…!

 

 

 

「嘘でしょ…じゃあ、わたしがした事って…」

彩蝶ちゃんの目からは、大粒の涙がこぼれた。

その表情は、絶望で染まっていた。

 

 

 

 

 

「うぁあ゛ぁああああああああああああああああああああああぁあああああああああああああああああぁあああああああああああぁあああああああああああぁああああああああ!!!」

 

 

 

 

彩蝶ちゃんは、頭を掻き毟って、証言台に何度も顔を叩きつけた。

顔は血塗れになり、メガネはバキバキに割れていた。

そこにはもう、天使のように優しくてかわいい彩蝶ちゃんの姿は無かった。

「うっわ、壊れたw」

『うっぷぷぷぷぷ!やっと自分のした事の愚かさに気づいたよ!!オマエみたいなシリアルキラーゴミ女が、人様と同じ空気を吸えるわけないの!と、いうわけで、神聖な裁判場にいつまでもゴキブリがいられちゃ不愉快なので、おしおきを始めちゃいまーす!!』

「あぁああああああああぁぁぁ…ごべんなざい…ごべんなざい…!」

『フッフッフ!今更反省しても遅いですよ!もう羽澄様は戻ってきません!おや、これは何方のセリフでしたっけ?』

『それでは!【超高校級の生物学者】日暮彩蝶サンのために!スペシャルなおしおきを用意しました!』

 

「ごべんだざい、ようごちゃん…ごべんなざい…」

 

『ではでは…おしおきターイム!!』

 

 

 

「こ゛め゛ん゛な゛さ゛ぁ゛あ゛ああああああああああああああああああああああい!!!」

 

 

クマさんはハンマーを取り出すと、せり上がってきた赤いボタンをピコっと押した。

ボタンの画面に、ドット絵の彩蝶ちゃんが連れ去らせる様子が表示された。

さらに、連れ去られる彩蝶ちゃんについていく翠ちゃんの様子も表示された。

 

 

 


 

 

GAME OVER

 

ヒグラシさんがクロにきまりました。

 

オシオキをかいしします。

 

 

 

日暮は、首に首輪のようなものを付けられ、上へ上へと昇っていった。

翠も、連れ去られる日暮に、財原に握り潰された羽を羽ばたかせ、よろめきながらついていく。

日暮を釣り上げていたワイヤーが突然切れ、日暮は干し草やタイヤや水飲み場などが設置された場所へと落ちた。

あたりを見渡すと、どうやら動物園の檻のような空間になっているらしい。

目の前には鳥カゴを持った、飼育員のような服を着たモノベルがいた。

鳥カゴの中には翠がいる。

檻の向こう側には、小学生の格好をしたモノクマ達がニヤニヤしながら檻の中の様子を見ていた。

そこで文字が映し出される。

 

 

 

ようこそ絶望パークへ!

 

【超高校級の生物学者】日暮彩蝶/【超高校級の人狼】暁裴駑

 

処刑執行

 

 

 

モノベルは、服のポケットをゴソゴソと漁ると、注射器のような物を取り出した。

モノベルは、ニヤニヤしながらカゴの中の翠を取り出し、注射器を翠に刺した。

日暮は、翠を助けようと、モノベルに立ち向かおうとしたが、手足につけられた鎖がそれを許さなかった。

注射を刺された翠は、目をグルグルと回し、穴という穴から汁を吹いた。

そして、ボコボコと内側から膨れ上がり、元のサイズの10倍以上に膨れ上がった。

目の焦点は合わず、羽はところどころ抜け落ち、口からはボタボタと異臭のする涎を垂らすその姿には、もはや翠の面影は無かった。

さすがの日暮も、これには顔を真っ青にしながら失禁していた。

モノベルは、それを確認するとすぐさま檻から出て行った。

すると、翠はけたたましい鳴き声を上げながら、ドスドスと歩を進め、日暮の右肩に喰らいついた。

翠は、そのまま日暮の右肩を喰いちぎった。

日暮は、血飛沫とともに悲鳴を上げた。

しかし、その声は外にいる仲間達に届く事は無かった。

痛みで意識が飛びそうになるなか、日暮の視界にボウガンが映る。

ボウガンは、手を伸ばせば届く位置にあった。

日暮は、自分が今置かれている状況を理解した。

 

翠を撃ち殺せば、自分が助かる。

 

日暮は、ボウガンに手を伸ばそうとしたがためらった。

その瞬間、翠は脇腹に喰らい付いた。

日暮は、それでもボウガンを手に取らなかった。

日暮は、さらに翠に喰われた。

翠が、一方的に日暮の身体を貪っていく。

日暮は、どんなに喰われても、決して親友を撃ち殺すという決断には至れなかった。

日暮は、全身を啄まれ、満身創痍になっていた。

翠に突かれた衝撃で、胸の小鳥のワッペンが落ちた。

翠は、それをお構いなしに踏み潰し、日暮に突進した。

 

 

 

プツン

 

 

その瞬間、日暮の中で大事な何かが切れた。

日暮は、躊躇なくボウガンを手に取ると、寸分の狂いもなく翠の右目にボウガンの矢を撃ち込んだ。

日暮は、壊れたような笑みを浮かべながら、何度もボウガンの矢を放った。

これに激昂した翠は、日暮の頭に齧り付き、嘴で日暮の頭を潰した。

日暮は、脳漿をブチ撒けながら息絶えた。

翠は、けたたましい鳴き声を上げながら、動かなくなった日暮を骨も残さず貪った。

それを見たモノクマ小学生のうちの一匹が白衣に早着替えし、手元にあるドクロマークが描かれたボタンを押した。

すると、檻の手前でシャッターが閉まり、四隅に設置された換気扇から紫色の煙が出た。

部屋中が煙に包まれると、翠は血反吐を吐いてその場に倒れた。

煙が晴れる頃、翠は力尽きて横たわっていた。

その表情は、絶望で染まっていた。

それを見たモノクマとモノベルは、大笑いしながらハイタッチした。

 

 

 


 

 

 

『イヤッホォオオーイ!!エクストリィイイイイム!!いやー、サイッコーだねぇ!!』

『フッフッフ…フハハハハハハハハハハハ!!!いやはや、実に清々しい気分ですよ!!殺人鬼の人狼が処刑されたのですから!!皆様、もっと喜んでください!!』

「嘘…そんな、日暮さんと翠さんが…!」

「彩蝶サン…翠サァン…!!」

「クッソ…なんでこうなっちまうんだよ…クソッ!!」

「テメェら…よくも彩蝶と翠を…絶対許さねェ!!!」

「うげぇっ…気分の悪いもの見たのだ…」

「…フン、下衆め。」

「そんな…幼い動物にまでこんな外道な事をするとは…」

「日暮さん…翠ちゃん…」

「…日暮君、翠君。よっぽど酷い殺され方をしたんだね。」

「………生物学者、翠……………」

「いやー、今回も楽しかったなー。」

治奈ちゃんと雪梅ちゃんは、その場で泣き崩れた。

才刃クンは、目の前の惨事に吐き気を催していた。

陽一クン、成威斗クン、ラッセクン、剣クンは、クマさん達に怒りと敵意を向けた。

星也クン、柳人クン、ゐをりちゃんは力なくその場で俯いていた。

唯一、天理クンだけはこの状況を楽しんでいた。

『いやー、オマエラ、今回もホントよく頑張ったよ!オマエラにはメダルをプレゼントします!それ持ってとっとと出て行ってください!』

『フッフッフ。ワタクシ達は、これから宴会の準備がございますゆえ。』

「宴会だと!!?ふざけんじゃねえ!!テメェら、人の命をなんだと思ってやがる!!」

「よしなよ、舞田君。ここで怒れば、アイツらの思う壺だよ。」

「………クソッ!!」

「ねえ、みんな。裁判は無事終わった事だし、早く戻ろーぜ。俺喉渇いちゃって死にそうなんだわ。あと、鳥握り潰したら手が汚れちゃった。洗ってきていい?」

天理クンは、ヘラヘラしながら翠ちゃんの血が滲んだ左手を開いた。

「え?なんかみんな怒ってない?ねえ、なんで怒ってんの?殺人鬼が死んだんだよ?そこはもっとこう…宴会でも開くところでしょ!」

すると…

 

 

 

ビシッ

 

 

 

「…。」

剣クンが、目に涙を浮かべながら天理クンの右頬を叩いた。

「…どうして教えて差し上げなかったのですか!!?」

剣クンは、涙を流しながら天理クンを睨んだ。

天理クンは、剣クンに叩かれた衝撃で口から血を流していた。

「…教える?何を?」

「惚けないでください!!貴方は、日暮殿の正体を…羽澄殿が殺人鬼ではないという事を、本当は知っていたんでしょう!?だったら、何故その事を日暮殿に伝えなかったのですか!!そうすれば、こんな事にならなかったのに…貴方の所為で、日暮殿が羽澄殿を殺したんですよ!!?」

「っはー、くっだらねぇ。知ってたから何?それを言うも言わないも俺の自由で、それと同じように羽澄サンを殺すも殺さないも日暮サンの自由だったわけでしょ?」

「んだと…!?」

「日暮サンが、動機や自分の記憶に少しでも疑問を持って、羽澄サンに確認しに行けばこうはならなかった。全部それをしなかった日暮サンと、バカな主人に付き合ったバカ鳥が悪い。何もかも俺のせいにすんなよなー。俺はどこぞの妖怪じゃないんだからさぁ。あー、痛ってー。口の中切れてんじゃねえか。ねえ、癒川サン!治して?一生のお願い!」

「ッ!!」

 

バキッ

 

剣クンは、今度は天理クンの左頬を拳で殴った。

「ってー。さすが【超高校級の侍】。一撃一撃が重いっすわぁ〜。でも、どうせなら左右対称にしてよ。見栄え悪いじゃん。」

「ッ、黙れ!!貴様の声などもう聞きとうない!!」

「あーあ、嫌われちゃった。でも怒った顔もイケメンだねー。よっ、色男!」

「…ねえ、財原君。」

「何?」

「君は、随分と余裕そうだね。まるでこれから起こる事が全部わかってるみたいじゃないか。」

「まあ、俺は未来人だからねー。」

「…は?」

「なんちって!はいバーンバーンバーン!…にししっ!」

天理クンは、素早く成威斗クン、雪梅ちゃん、剣クンに向かって指で拳銃をつくって撃つフリをした。

「ミッションコンプリィート!じゃ、俺は戻ってフ●ンタ飲むから。あ、欲しがってもあげないからネ。」

「いらねぇよ。早く視界から消えろ。」

「はいはいドロンドロン。」

天理クンは、また一人エレベーターに乗っていった。

全員が部屋に戻ったのは、それから数十分後だった。

 

 

 

ボク達は、この裁判を勝ち抜いた。

…でも、どうしてだろう。

勝った気が全くしない。

結果的に、被害者の踊子ちゃんも、加害者の彩蝶ちゃんや翠ちゃんも、そしてボク達も、誰一人として得をした人はいなかった。

…二度と、コロシアイなんて起こっちゃいけない。

そう、強く思った。

志半ばで死んでいった、踊子ちゃんと彩蝶ちゃん、そして翠ちゃんのために。

 

 

 

 

 

第2章 上弦の月を喰べる影 ー完ー

 

 

 

ー才監学園生存者名簿ー

 

【超高校級のアナウンサー】穴雲星也

 

【超高校級の工学者】入田才刃

 

【超高校級の不運】景見凶夜

 

【超高校級の???】神座ゐをり

 

【超高校級の幸運】狛研叶

 

【超高校級の資産家】財原天理

 

【超高校級の栄養士】栄陽一

 

【超高校級の詩人】詩名柳人

 

【超高校級のマドンナ】白鳥隥恵

 

【セキセイインコ】翠

 

【超高校級の曲芸師】朱雪梅

 

【超高校級のダンサー】羽澄踊子

 

【超高校級の生物学者】日暮彩蝶/【超高校級の人狼】暁裴駑

 

【超高校級の侍】不動院剣

 

【超高校級の喧嘩番長】舞田成威斗

 

【超高校級の看護師】癒川治奈

 

【超高校級の国王】ラッセ・エドヴァルド・シルヴェンノイネン

 

ー以上12名

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

《アイテムを入手した!》

 

Chapter.2クリアの証

 

『白黒のピン』

元々は日暮の宝物。小学生時代に、羽澄が日暮に貰った宝物。

 

『蝶の髪飾り』

元々は羽澄の宝物。小学生時代に、日暮が羽澄に貰った宝物。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

【???の独房】

 

本当に胸糞の悪い映像だった。吐き気がする。

 

…しかし、アイツは本当に魅力的だなぁ。

 

もしかしたら惚れちゃうかもな。

 

 

 

 

 

第3章 恋は儚し堕ちよ乙女

 

To be continued…

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。