叶さん、白鳥さん、ラッセ様、日暮さん、不動院君、舞田君、羽澄さん、穴雲君が仲間(?)になった。
みんなキャラがブッ飛びすぎてて、もうカオスだよ…
まともそうな人は不動院君と穴雲君くらいしかいないし…
ガチャッ
「あれ?ここぁどこだ?オレ、なんでこんな所に…」
また男の人が部屋から出てきた。
明るい茶髪で、ダークグリーンの瞳を持った人だ。
耳にピアスを開けてて、腕や首に装飾品をジャラジャラとつけている。
白いTシャツのを着ていて、腰に深緑色の制服を巻いている。
いわゆるチャラ男ってやつかな。
お母さんが、ああいうのになっちゃダメっていっつも言ってたなぁ…
別になりたいわけじゃないのに…なんでそういう事いちいち言ってくるかなぁ。
「あああ、クッソ…思い出せねェ…!チクショウ、オレはなんでここにいんだよ!…ん?」
その人は、周りをキョロキョロと見回した。
そして…
「わーお!!カワイ子ちゃん!!ねえねえ、君達、お名前は?」
いきなり女子達の方に走っていった。
えぇえ…
さっきまで、状況が飲み込めなくて慌ててたくせに。
この状況で何考えてんだあの人。
「はじめまして!ボクは狛研叶!【超高校級の幸運】さ!よろしくね!」
「わたしは、日暮彩蝶。【超高校級の生物学者】だよ。こっちは、お友達の翠ね。」
「ピィ?」
「あぁ?んだよ、誰が出てきたのかと思えば、チャラ男かよ。アタシは、羽澄踊子。【超高校級のダンサー】だよ。とりま、よろ。」
「ちょっとぉ!なんなのよあなた!いきなり初対面の女性に飛びついてくるなんて、失礼なんじゃなくって?」
「グヘヘへ…」
僕も、一応挨拶した方がいいかな?
「…あ、あの、はじめまして。僕、景見凶夜っていいます。【超高校級の不運】です。」
「あぁ!?うるせェ!!野郎はどうでもいいんだよ。今、どの娘がいいか選んでるとこなんだから、引っ込んでろ!!」
えぇ…
初対面でいきなり怒鳴られたよ。
僕って、ことごとくツイてないなぁ。
「ねえ、キミの名前はなんて言うんだい?ボク、キミの事がもっと知りたいな!」
「え、そ、そうかい?」
おいおい…口調がコロコロ変わるなぁ。
まるで誰かさんみたいだ。
「オレは、
【超高校級の栄養士】か…なんか、見た目からは想像つかない才能だな…
でも、聞いた事あるぞ。確か、トップアスリートの
「えー!?陽一クンって、栄養士なの!?すごいねー!!料理もできたりするの?」
「ああ、なんか言ってくれりゃあ、その場でパパッと作るぜ!」
「すっごーい!」
「あのさ、よういちくんは、栄養学に詳しいんでしょ?もしかして、人間以外の生物の食事の栄養とかもわかったりする?」
「ああ、なんたってオレは『料理界のエンジニア』だからな!」
「すごーい!」
「グヘヘ…」
うわぁ、鼻の下伸ばしちゃって…
僕への態度と全然違う気が…
「あの、栄殿。そろそろ、私が自己紹介してもよろしいですかね?」
ほらぁ…不動院君も困ってんじゃん。
「うるせェな、野郎は引っ込んでろ!今はどの娘がいいか選んで…」
「いや、ヨウイチ。アンタね。話くらいは聞いてあげなさいよ。」
「えぇ?わぁったよ…」
羽澄さんグッジョブ!!
「羽澄殿、ありがとうございます。…では、改めまして自己紹介をさせていただきます。私、【超高校級の侍】不動院剣と申します。以後お見知り置きを。」
「うーんっと、次は僕の番かなぁ。僕は、穴雲星也。【超高校級のアナウンサー】ね。よろしく。」
「チッ…どいつもこいつもイケメンだな…羨ましいぜ全く…」
おいおい、心の声がダダ漏れだよ。
大丈夫なのかなぁ、あの人…
「なあ、次は俺が言ってもいいか?」
「ヒッ、ヤ、ヤンキーがいんじゃねえかよ!!お、お金でもなんでも出しますからどうかご勘弁くださいぃいい!!」
栄君は、後ずさりをすると、そのまま土下座をした。
カッコ悪いなぁ…
まあ、こんな巨漢のヤンキーを見たら普通はこうなるよね。
「いや、何も取らねえよ。俺は、一般人にはケンカを売らねえって決めてんだ。まぁ、売られたケンカなら買ってやるけどな。俺は、舞田成威斗。【超高校級の喧嘩番長】だ!!俺達は、ここに連れてこられたモン同士だ!!仲良くしようぜ!!」
「あ、ハイ…」
栄君は、急に緊張から解放されたのか、間の抜けた表情をしていた。
「おい、なんだ貴様は。部屋から出てきたかと思ったらいきなり女の方に突っ込んでいきおって…ものすごく下品で不愉快だな。普通、庶民の女よりまず先に俺に挨拶をすべきだろう。」
「な、なんだテメェは!!ロングパスタみてェな頭しやがって…ナニモンだテメェ!!」
みんな、ラッセ様の事ロングパスタって言うよね。
そんなにパスタに見えるかなぁ。
「フン、貴様も俺の事を知らぬとはな。まあいい。教えてやろう。俺は…「【超高校級の国王】ラッセ・エドヴァルド・シルヴェンノイネン陛下だよ。シルヴェンノイネン王国の国王陛下だよ。」
穴雲君が、割り込んで説明をした。
「お、おい…穴雲、貴様…誰が割り込んでいいと…お、俺の立場は…」
ラッセ様は、いきなり割り込まれて少しパニックになっていた。
「なあ、そういやアンタの名前を聞いてなかったな!!?アンタ、名前は!?」
「おい。」
栄君は、ラッセ様の自己紹介を真面目に聞かずに、白鳥さんの方に走って行った。
「なあなあ、アンタ、かわいいな!!名前は!?」
「フン、私に見惚れるのは当然だけれど…あなた、私を口説こうなんておこがましいんじゃないかしら?まあいいわ、名前くらいは教えてあげても良くってよ。私は、白鳥麗美。【超高校級のマドンナ】よ。」
「グヘヘ、さすがマドンナ様はかわいいなぁ…!なあ、今度一緒にお茶しねえか?」
「ちょ、ちょっと!なんなのよあなた!あなた如きがこの私をお茶に誘うなんて、分不相応だと思わないのかしら!?」
「なあなあ、いいじゃねえかよ!な?ちょっとだけ!!」
栄君は、白鳥さんにグイグイと詰め寄った。
すると…
「アチョーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
「グホァッ!!!」
栄君は、いきなり飛び出してきた女の子に顔面を蹴られて、数メートル吹っ飛ばされた。
「
その子は、カンフーのような構えをして、栄君を睨んでいた。
黒髪を大きなお団子にしていて、猫のような金色の瞳が特徴的な女の子だ。
赤い中華風の服を着ていて、動く度に頭についた鈴が鳴っている。
「アナタ、大丈夫ですか!?サキはヘンタイに絡まれて災難でしたネ!ワターシが倒したノデ、安心してクダサイ!アナタ、名前、なんていいマスカ?」
「し、白鳥麗美…な、なんなのよ…!あんた…!」
突然の出来事に、白鳥さんは腰を抜かしていた。
「
女の子は、カタコトの日本語で自己紹介をした。
「【超高校級の曲芸師】…?」
「
【超高校級の曲芸師】か…聞いた事あるな。
確か、世界的に有名な朱雑技団の団長で、人間業とは思えないアクロバティックな芸で世界中を沸かせた若き天才曲芸師、だっけ。朱雑技団は、数年前までは無名だったのが、今や大人気のパフォーマーなんだよな。年々芸の過激さが増してて、それが大人気の理由らしい。最初の頃はちょっとした芸だったのが、今は体に火をつけたまま芸をやったり、高層ビルを利用した命綱無しの芸を披露したり、命知らずな事ばっかりやってるらしい。
「へー!雪梅ちゃんは、サーカスの団長さんなんだね!すごーい!そんな人と会えるなんて、ラッキーだね!ボクは、【超高校級の幸運】狛研叶!よろしくね!」
「わたしは、日暮彩蝶。【超高校級の生物学者】だよ。こっちは、お友達の翠ね。」
「ピィ!」
「叶サン、彩蝶サン、翠サンですか!ヨロシクお願いします!」
「私は、【超高校級の侍】不動院剣と申します。朱殿。以後、お見知り置きを。」
「僕も自己紹介いいかな?僕は穴雲星也。【超高校級のアナウンサー】だよ。」
「剣サン、星也サン!二人とも、カコイイですね!ヨロシク!」
「え、そう?照れるなぁ。」
「剣サン!剣サンは、侍なんデスカ!?ワタシ、本物の侍初メテ見ました!」
「左様ですか。最近は、武士の子孫を名乗る方はほとんどいらっしゃらないので…よく言われますね。」
「そうなんデスカ。カコイイのに…」
「ありがとうございます。」
朱さん、いきなり飛び出して栄君に飛び蹴りを喰らわせたかと思ったら、もうみんなに馴染んでるな。
元気があって、面白い子だな。
「麗美サン!アナタもキボーガミネですか?」
「そ、そうよ…【超高校級のマドンナ】っていうの。」
「麗美サンもキボーガミネでしたか!ワタシ達と同じですネ!」
「え、ええ…」
「なあ、次は俺が自己紹介してもいいか!?俺は、舞田成威斗!!【超高校級の喧嘩番長】だ!!」
「成威斗サン!ワタシ、漫画で読ンダ事あります!成威斗サンは、ヤンキーですか?漢気パワーで悪を殴りマスカ?」
「そうだな、俺は売られたケンカなら買ってやるぜ!ケンカなら、誰にも負けねェ!!」
「カコイイですね!」
「ねえ、次はアタシが言ってもいいかな?アタシは、羽澄踊子。【超高校級のダンサー】ね。」
「ダンサーですか!ワタシと似た才能ですね!アナタは、どんな踊りしますか?」
「そうねえ…いろいろよ。伝統的な舞踊とか、あとはまあポップとか…いろんなジャンル踊ってるよ。」
「アノ、ワターシと踊りの話しませんか?ワタシ、アナタの踊り、興味あります!」
「そう?そう言われるとなんか照れるっつーか…」
「おい、中華娘。そのミカン頭に夢中になるのはいいが、俺の事を忘れているわけじゃあるまいな?」
「わー!アナタ、担担麺みたいな頭シテますね!アナタも、キボーガミネですか?」
今度は担担麺か。
ラッセ様の頭を麺類で例えなきゃいけないっていうルールでもあるんだろうか。
「た、担担麺…貴様…俺を誰だと思っている。俺は、【超高校級の国王】ラッセ・エドヴァルド・シルヴェンノイネン!!シルヴェンノイネン王国の国王であるぞ!!俺に敬意を払え、無礼者!!」
「シル…どこデスカそこ?ワターシ、テレビあんまり見ないので、難しい外国の地名、ワカリマセン。」
「ぐっ…貴様もか…!クソッ…俺の国は、中国でも知名度低いのか…!」
うわぁ…涙目になっちゃってるよ。でもシルヴェンノイネンは、最近発展してきたとは言え、地図でも見落とされがちな小国だもん。
しょうがないよ。
「アノ、そこの白髪のアナタ。アナタもキボーガミネですか?」
「ぼ、僕ですか…?ま、まあ…希望ヶ峰の学生って言えるのかどうかは微妙ですけど…」
「微妙、とハ?」
「僕は、景見凶夜です。【超高校級の不運】って呼ばれてます…」
「不運…もしかして、運悪すぎてキボーガミネ、入りましたか?」
「…まあ、そんな感じです。」
「あちゃー…ま、気ニする事ナイです!笑う角には福来たる、デス!とにかく、笑いマショウ!」
「は、はあ…」
朱さんは、僕の肩を何度も強く叩いた。
「ぶっ…ヂ、ヂュちゃん…なんで、オレを蹴って…」
壁に叩きつけられてボロボロになった栄君が、死にかけのセミのようにピクピクと動いていた。
「うるさいです!!ワタシ、女の子いじめる男、許せないでス!変態には死ヲ、天誅です!」
「び、びどい…」
「我が父カラ教わった拳法の数々、今ココでお見舞いシテくれます!雑技団ヤテいなければ、【超高校級の武術家】トしてスカート?されていたであろうワターシの技を喰らいナサイ!」
「え、ちょっと待って!?それ以上やられたら俺死んじゃうんだけど!?ちょっ、やめ!!」
「アチョー!!」
「ぎゃああああああああああああ!!!」
うわぁあああああ…ちょっと、朱さん!?
いきなり死者出してどうすんのさ!
ここがどこなのかとか、全然わかってないのにさぁ!
「あっはっは、阿鼻叫喚だねえ。」
「!!?」
後ろから、男の人の声が聞こえた。
どうなってるんだ!?
全く、後ろにいるのに気が付かなかった…!
その人は、僕より頭ひとつ分くらい背が高いのに、幼くて可愛らしい顔立ちの人だった。
叶さんと似たような髪型の黒髪に、透明感のある翡翠色の瞳を持った人だ。
陶器のような白い肌は、彼の美しさと不気味さを強調している。
耳にはピアスを開けていて、赤いシャツに黒いカーディガンとネクタイといった服装だった。
その人は口角を上げながら、ボソリと呟いた。
「…1分40秒。きっかり100秒だね。」
は?
え、何が…?
「俺が部屋から出てから、キミ達のうちの誰か一人でも僕に気づくまでの時間だよ。俺は、気配を消してずっと君達の中に紛れ込んでたんだよ。」
「えっ、な、何が…?」
なんだこの人…ここには、時計なんてない…なのに、なんで時間が正確にわかるんだ…?
それに、一体何のために気配を消したりなんか…
「みんなが朱サンと話してて盛り上がってたから、ちょっとビックリさせてやろうと思ってね。」
「な、なんでそんな事を…?」
っていうか、さっきからなんだこの違和感は…聞いたことに対して全然見当違いの事を言ってきてるし…
「さっきから質問の内容と答えの内容が噛み合ってないって?当然だよ。俺は、キミが次にする質問に対して答えてるんだからね。」
「…はぇ?」
「おっと、言わなくていいよ。大体何を言いたいのか想像できるから。なんで俺が、キミの次の行動を予測できるのか、だろ?簡単だよ。俺は、エスパーなんだよ。」
「え、エスパー!?」
なんなんだこの人…!
いきなり後ろから声を出してビビらせてきたと思ったら、わけのわかんない事言ってきて…
え、エスパーだって!?そんなの信じられるわけ…
「だいぶ混乱してるねえ。フフッ、安心しなよ。エスパーっていうのは冗談だから。ま、人の心が読めるのは本当だけどネ。」
「え…?」
「この世界は、常に定められた法則性によって動いてるんだ。たとえ、偶然だと思えるような事でもね。その法則性さえ見つけられれば、人の心を読む事なんて造作もない事なのさ。」
なんなんだ、この人は…
よくわからないけど、なんか不気味だな…
「ねえ、ところで、キミは今注目してる株とかある?」
「か、株…?」
いきなり話が飛躍したなぁ…
株の話なんてされても、僕株とか詳しくないし…
「まあ、素人には難しいよね。ちなみに、俺のオススメは大崎製薬だよ。今は大した株価じゃないけど、今買っておけば数年後今の10万倍の値段で売れるよ〜。」
「あ、あの…あなたは…?」
「おっと、ごめんごめん。自己紹介がまだだったね。俺は、【超高校級の資産家】
【超高校級の資産家】…聞いた事あるな。数年前、小学生が投資で大儲けしたって…それから、投資や起業を繰り返して巨万の富を築き上げ、世界で一、二を争う大金持ちになったらしい。僕の好きなゲームの会社も、財原君が起業した会社だ。噂によると、彼は世界の約10%の企業に投資をしていて、そのうち3分の1は彼が買い取ったらしい。さらに、世界の約1%の企業は、彼が一から経営していたとか…
「キミは、【超高校級の不運】だろ?面白いなぁ、その才能。…ねえ、いくら出したら売ってくれる?」
「え、売る…?」
「キミの才能を買い取るには、一体どれだけのお金を出せば買えるのかって聞いてるんだ。なあ、頼むよ。売ってくれよ。一生のお願い!」
「え、でも…才能って、お金で買えるものじゃないんじゃ…」
「それは凡人の考え方だね。世の中、お金で買えない物なんて無いんだよ。ま、あくまでこれは自論だけどね。」
「は、はあ…」
「それじゃ、才能を売ってくれる気になったらいつでも言ってくれよ?…ああ、そうそう。一ついい事を教えてあげるよ。…その人間がどんな末路を辿るのか、それはその人の眼を見ればわかるのさ。俺は、キミが愚かな末路を辿らない事を祈ってるよん♪」
「…。」
その人は、何事もなかったかのようにみんなの方に歩いていった。
「やあ、キミ達。何か面白そうな話をしているね。俺も混ぜてよ。」
「あっ、キミもここに連れてこられたんだね!ボクは…」
「【超高校級の幸運】狛研叶サンに、【超高校級の生物学者】日暮彩蝶サンでしょ?それと、インコの翠ちゃん。俺は【超高校級の資産家】財原天理。よろしく。」
「すごーい!ボクの事知ってるんだー!」
「翠の事まで知ってるなんて、てんりくんは物知りだね。」
「な、何よあなた…!いきなり現れて…」
「おい貴様!何者だ!名を名乗れ!」
「【超高校級のマドンナ】白鳥麗美サンに、【超高校級の国王】ラッセ・エドヴァルド・シルヴェンノイネン陛下ね。いやあ、それにしても豪華なメンツだねぇ。」
「あら、私の事を知ってるのね。感心したわ。」
「き、貴様…俺の事を知っているのか…!」
「うん、二人とも有名人だもの。」
「アナタ、誰ですか!?」
「
「天理サンですか!ヨロシクお願いします!」
「えっと…財原君、だっけ?君、中国語話せるんだね。」
「まあ、簡単なのしかわかんないけどね。よろしく、穴雲クン。」
「僕の事知ってるんだね。嬉しいなぁ。こちらこそよろしく、財原君。」
「お、なんだ新入りか!俺は…」
「【超高校級の喧嘩番長】舞田成威斗クンだろ?よろしく。」
「お、おう…」
「それから、そこのキミは【超高校級の侍】不動院剣クンだね、よろしく。」
「はい…よろしくお願いします…あの…」
「ん?なんだい?」
「よくご存知ですね。白鳥殿やラッセ王の事だけでなく、私の事までご存知とは…」
「当然だろ。キミ達は【超高校級】だからね。」
「アンタ、随分と物知りなのね。」
「チッ、またイケメンが来やがった…」
「はじめまして羽澄踊子サン。それから栄陽一クン。ねえねえ、ところで、キミ達はどの通貨が好み?やっぱりユーロ?それともドル?」
「ちょっ、なんなのよアンタ!急に変な事聞いて来ないでよ!」
「どの通貨が好みかなんて考えた事ねェよ!」
「いやいや、意外と好みとか考えてみると面白いもんだよ?騙されたと思ってやってみ?」
「なんだこの野郎…気持ち悪りいな…」
ガチャ
お、また誰か来たみたいだな。
「むぅ…騒がしいな。どこなんだここは…まるで記憶がないぞ…」
今度は女の子か。
僕よりも背が低そうだな。
水色の髪をヘアバンドでポニーテールにしていて、大きな水色の瞳を持った子だ。
頭から生えている稲妻型のアホ毛が特徴的だな。
身の丈に合わないブカブカの白衣の下に、ブラウスとサスペンダー付きの短パンといった格好だ。
そして、背中に茶色いランドセルを背負っている。
どう見ても、小学校高学年くらいにしか見えない。
「おい、そこのオマエ!!さっきから、ずっと僕ちゃんを見ているだろう!?僕ちゃんに何か言いたいなら、見てないで口に出して言え!」
「あ、えっと…ごめんね。僕も、今の状況がよくわかってなくて…で、でも女の子なんだし、そんな乱暴な喋り方しちゃダメだよ…」
「む!?僕ちゃんが女の子だと!?何を言っているんだオマエは!!僕ちゃんは、れっきとした男だぞ!!」
えっ、男!?
髪とまつ毛が長いから女の子にしか見えなかったよ…
「あ、え、ご、ごめん…」
「ふんっ、まあいい。オマエ、名は何という?」
「え、えっと…僕は景見凶夜。【超高校級の不運】だよ。その名の通り、ものすごくツイてないんだ僕は。」
「ふんっ、なんだそのウザすぎる才能は!」
う、ウザいって…
ひどいなぁ…まあ、否定はしないけど…
「あの、君は…?」
「僕ちゃんか?僕ちゃんは、【超高校級の工学者】
【超高校級の工学者】…聞いたことあるな。中学生の時にノーベル物理学賞を受賞した天才で、工学界でその名を知らない者はいないらしい。その豊富な知識と柔軟な発想力で数々の発明品を生み出し、世の中のあらゆる課題を解決してきたそうだ。その知能がとにかく人間離れしていて、噂によると、物を見ただけでその物を作るのに必要な計算式が全て思いつくらしい。
「【超高校級】?入田君、高校生なの!?」
「いかにも!僕ちゃんは、高校生だけど天才なんだぞ!オマエは、サイバーレンズって聞いた事あるか!?」
サイバーレンズ…確か、コンタクトレンズ型の小型マイクロチップだ。
普通に視力を矯正できるだけじゃなくて、どのネット回線とも繋がれるインターネット媒体だったっけ。
僕も、あれが欲しいってねだったっけな。
「あれは、僕ちゃんが作ったのだ!まあ、あんなものは所詮失敗作だが。」
「し、失敗作…?」
「『コンタクトレンズは、目が悪い奴向けの商品だ』っていう先入観のせいで、健常者には売れなかったのだ!あんなもの、僕ちゃんのコンセプトに合わないただのガラクタだ!」
「コンセプト…?」
「僕ちゃんは、子供の頃に見たSF映画の世界観を再現すべく、日々研究に研究を重ねているのだ!今は、時空の壁を越えられるスニーカーを開発しているところなのだ。完成したら、オマエも買ってみるといい!」
「は、はぁ…」
なんか、頭はいいんだろうけど、ちょっとズレてるっていうか…
なんでか知らないけど、天才ってそういう人多いよね。
「わぁ、今度はちっちゃい子だー!かわいいー!ボクは、【超高校級の幸運】狛研叶だよ!よろしくね!」
「僕ちゃんがちっちゃい子だと!?バカ言え!!僕ちゃんは、れっきとした高校生だぞ!!」
「でも、ランドセル背負ってるよね?中に何が入ってんの!?」
「やめろ!触るなバカ!これは、ランドセルじゃなくてカバン型全自動お手伝いマシーンだ!!中に色々な仕掛けがあって、僕ちゃんが忙しい時とかに代わりに仕事をしてくれるんだぞ!」
「へー…」
「って!?オマエ、話を聞いてたのか!?何ボタンを押そうとしてるんだ!!やめろ!!」
「押しちゃダメなの?」
「押したそうな顔をするな!中にマシンガンとか入ってるから、うかつに触ると死ぬぞオマエ!」
「しょうがないなぁ、死んじゃうなら押すわけにはいかないよねぇ。」
「そうだ。だから諦めて…」
「隙あり!!」
ポチッ
「あ、おいコラ!!何勝手に押してるんだ!」
「うわっ!機械の手が伸びた!おもしろーい!」
「人の発明品で遊ぶな!!ええと、制御装置は…」
うわぁああああああ…
叶さん、何やってんの…
「きゃああああああ!!?ちょっと、機械の手が襲ってくるんだけど!?」
「おお、カオスカオス。」
「やむを得ません。…皆さん、私の後ろにいてください!私が食い止めます!」
不動院君が、背負っていた刀を抜こうとした。
「はぁ、あ!?おい、オマエ!何人の発明品を斬ろうとしてるんだ!待ってくれ!今止めるから、斬らないでくれ!!」
入田君は、パニックになりながらもランドセルを下ろし、中のパソコンをカタカタと叩いた。
「破アッ!!」
不動院君は、素早く刀を抜いた。
…だが、入田君の制御装置が作動する方が少し早かったようだ。
機械でできたアームが、日本刀が触れるスレスレで、入田君のランドセルの中に引っ込んだ。
「…ふー。危なかった。あと0.02秒反応するのが遅かったら、僕ちゃん自慢の『ガシッとアーム君』が真っ二つにされてるところだったよ。」
「ひ、引っ込んだ…」
「やれやれ、どうやら私の出る幕ではなかったようですね。…大事な発明品を斬ろうとしてしまい、申し訳ございませんでした。…ええと。」
「僕ちゃんは、【超高校級の工学者】入田才刃様なのだ!」
「…入田殿、誠に申し訳ございません。」
「全く、次僕ちゃんの発明品を切ろうとしたら、弁償してもらうからな!」
「あっはははは!今、ランドセルから手が伸びたね!おもしろーい!!ねえねえ、他にはどんな仕掛けがあるのー!?」
「おい!オマエがうかつに触るから、そこのバカ侍が僕ちゃんの発明品を斬ろうとしたんだろうが!」
「ごめんねー。だって、押したかったんだもん。」
「押したかったもん、じゃねーよ!もうオマエには、絶対触らせないからな!」
「はぁい。」
叶さんは、わかりやすくしょんぼりした。
…ホント、叶さんはトラブルしか起こさないなぁ。
ホント、高校生とは思えないくらい子供っぽいんだよなぁ…
栄君に、朱さんに、財原君に、入田君…これで13人か。
頼むから、もうこれ以上トラブルを起こさないでくれよ…